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幼馴染みに「君を愛することはない」と言われて白い結婚契約したのに、なぜか溺愛されています。
2.呪い
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翌朝、私たちは少しギクシャクしながらも、教会に向かう。
熱心にお祈りを捧げていたフィックスは、教会を出た後「それじゃあ、用があるから」と私に背を向けた。
私は……帰るフリをして、こっそりとフィックスのあとをつけた。
しばらくすると、街中のある一軒の家の前でフィックスは立ち止まり、そこでノックをしている。
貴族の屋敷じゃない。一般家庭のようで、私の胸はドクドクと嫌な音を立て始めた。
「まぁ、来てくれたのね! フィックス様!」
「ミランダ……」
中からきれいな女の人が出てきて、心臓が止まりそうになった。
ミランダと呼ばれた女性は、フィックスの腕をとって嬉しそうに引っ張っている。
「朝から抱いてもらえるなんて、嬉しいわ!」
「僕は……っ」
「ほら、遠慮は無用よ。早く入って?」
フィックスの姿が、私の視界から消えていく。
扉が閉められるのを確認して、私はその場から逃げるように走り帰った。
あの人が、フィックスの想い人だったのね……!
きれいな人だった。
庶民が侯爵家に嫁ぐことはまずないから、仕方なく私と結婚しただけだったんだ……!
すべてがつながった。
もう二度と、勘違いなんてしない。
私は……私は、本当にただのお飾りの妻なんだって!
帰って部屋に閉じこもると、私は泣いて泣いて泣き濡れた。
白い結婚を持ち出された時から、覚悟はしていたはずなのに。
相手の女性を見てしまうと、狂いそうなほどに嫉妬してしまう。
「もう……だめ……っ」
愛されなくても、一緒にいられるだけでいいと思ってた。
貴族の結婚なんて、そんなものだからって。
でもやっぱり、つらすぎる! 私だけがフィックスを愛しているって事実が……!
ずっと敬虔なアヴェンタリス教徒だと思っていたのに、妻を愛さずに別の女性を愛していることも許せない。
ああ、気が狂いそうになる。
このまま一緒にいては、私はきっと我慢できなくなる。あの力を使ってしまう。
決意した私は、夕方ようやく戻ってきたフィックスに話を切り出した。
「離婚、してほしいの」
私の言葉に、フィックスは息が止まったように固まっている。
「いいわよね?」
「待ってくれ」
即座にフィックスに止められて、私は首を傾げる。
「どうして? 隠れ蓑が必要なのはわかるけど、私でなくてもいいでしょう?」
「隠れ蓑? なんの話だ?」
「もちろん、ミランダさんの話よ」
私が彼女の名前を出した瞬間、ビクリと大袈裟なほどにフィックスの体が震えた。
「ミランダさんと愛し合っているのなら、ちゃんとお義父さまとお義母さまに相談してみたら? とにかく、私はもう無理なの!」
「アディ!」
パシンと腕を掴まれた。フィックスの顔を見ると、「違う……」と苦しそうな声を上げている。
「なにが……」
「僕は、ミランダなんか好きじゃない」
「え?」
「逆だ、むしろ憎んでる!」
憎……む?
不可解な言葉に、私は眉を寄せる。
「どういうことなの」
「……すべて話すよ。どうして僕が、アディと白い結婚をしたのかも」
「フィックス……」
そうしてフィックスはすべてを教えてくれた。
フィックスは三年前、ミランダに一目惚れをされてしまっていたらしい。
それからずっと、フィックスはつきまとってくる彼女に何度も断りをしていたのだという。他に好きな人がいるから、と。
「どれだけ断っても、彼女はしつこかったんだ。僕もいい加減いらだってしまって、ミランダを愛すことは絶対にないと言い切った。そうすると彼女は……」
フィックスはシャツのボタンをひとつひとつ外し始めた。
初めて見るフィックスの肌に、私は思わず口元を押さえる。
「なに……それ……!」
「呪いだよ……魔女ミランダのね」
「呪い……」
さらけ出された左胸には、呪詛の文字と紋様が書かれていた。
フィックスは……その魔女に呪われていたというの……?!
「大丈夫なの?!」
「日常生活に問題はないんだ」
「じゃあ、どんな呪いが……」
私の問いに、フィックスは激しく言い淀んで、そして……
「人を、愛せなくなる呪いなんだ……」
そう言った。
「人を愛せなく?」
「その、つまり……ミランダ以外の女性を、抱けなく……」
「………………あっ」
愛せなくなるって、そういう意味?!
いつもこれからってところで眠っていたのは……呪いだったのね……。
「それで、呪いを解いてくれと何度も頼みに行ったんだ。だけどミランダは、『私と結婚すれば問題ない』の一点張りで……。僕が別の女性と結婚すれば諦めるかと思ったけど、今度は抱かなければ解呪しないと言い出す始末で」
「断ったの?」
「もちろん! あんな魔女の言うことを聞いたら、次は何をされるかわからない。この体に呪いがあるのが彼女を抱いていない証拠だ! だけどそれとは関係なく、僕は愛しい人以外を抱くつもりはない!」
フィックスの言葉に、私の体は勝手に熱を持った。
そういう人だから……私はフィックスが大好きなんだわ。
「その魔女のところに行きましょう。呪いを解除してもらわなくっちゃ!」
「頼んで解除してくれるような相手じゃないんだよ……!」
「大丈夫よ、少しだけ待ってて!」
「え?」
私は自室に向かうと、小瓶を取り出してピッチャーから水を入れた。さっと蓋をして、これで完成。
フィックスの元に戻ると、その小瓶を大仰に取り出してみせる。
「それは……?」
「我が家に代々伝わる聖水よ」
「聖水?」
本当は、ただの飲み水だけど。
自分の欲のために何年もフィックスを苦しめるだなんて、許せない。
だから私はこの聖水を利用させてもらうことにするわ。
「これをかけると解呪できるのか?」
「ええ、でも呪いをかけた本人に掛けなきゃダメなの。彼女は一生苦しむことになるでしょうけど……できる?」
「やるよ。それでこの呪いが解けるなら……!」
フィックスの決意の言葉を聞いて、私も覚悟が決まった。
熱心にお祈りを捧げていたフィックスは、教会を出た後「それじゃあ、用があるから」と私に背を向けた。
私は……帰るフリをして、こっそりとフィックスのあとをつけた。
しばらくすると、街中のある一軒の家の前でフィックスは立ち止まり、そこでノックをしている。
貴族の屋敷じゃない。一般家庭のようで、私の胸はドクドクと嫌な音を立て始めた。
「まぁ、来てくれたのね! フィックス様!」
「ミランダ……」
中からきれいな女の人が出てきて、心臓が止まりそうになった。
ミランダと呼ばれた女性は、フィックスの腕をとって嬉しそうに引っ張っている。
「朝から抱いてもらえるなんて、嬉しいわ!」
「僕は……っ」
「ほら、遠慮は無用よ。早く入って?」
フィックスの姿が、私の視界から消えていく。
扉が閉められるのを確認して、私はその場から逃げるように走り帰った。
あの人が、フィックスの想い人だったのね……!
きれいな人だった。
庶民が侯爵家に嫁ぐことはまずないから、仕方なく私と結婚しただけだったんだ……!
すべてがつながった。
もう二度と、勘違いなんてしない。
私は……私は、本当にただのお飾りの妻なんだって!
帰って部屋に閉じこもると、私は泣いて泣いて泣き濡れた。
白い結婚を持ち出された時から、覚悟はしていたはずなのに。
相手の女性を見てしまうと、狂いそうなほどに嫉妬してしまう。
「もう……だめ……っ」
愛されなくても、一緒にいられるだけでいいと思ってた。
貴族の結婚なんて、そんなものだからって。
でもやっぱり、つらすぎる! 私だけがフィックスを愛しているって事実が……!
ずっと敬虔なアヴェンタリス教徒だと思っていたのに、妻を愛さずに別の女性を愛していることも許せない。
ああ、気が狂いそうになる。
このまま一緒にいては、私はきっと我慢できなくなる。あの力を使ってしまう。
決意した私は、夕方ようやく戻ってきたフィックスに話を切り出した。
「離婚、してほしいの」
私の言葉に、フィックスは息が止まったように固まっている。
「いいわよね?」
「待ってくれ」
即座にフィックスに止められて、私は首を傾げる。
「どうして? 隠れ蓑が必要なのはわかるけど、私でなくてもいいでしょう?」
「隠れ蓑? なんの話だ?」
「もちろん、ミランダさんの話よ」
私が彼女の名前を出した瞬間、ビクリと大袈裟なほどにフィックスの体が震えた。
「ミランダさんと愛し合っているのなら、ちゃんとお義父さまとお義母さまに相談してみたら? とにかく、私はもう無理なの!」
「アディ!」
パシンと腕を掴まれた。フィックスの顔を見ると、「違う……」と苦しそうな声を上げている。
「なにが……」
「僕は、ミランダなんか好きじゃない」
「え?」
「逆だ、むしろ憎んでる!」
憎……む?
不可解な言葉に、私は眉を寄せる。
「どういうことなの」
「……すべて話すよ。どうして僕が、アディと白い結婚をしたのかも」
「フィックス……」
そうしてフィックスはすべてを教えてくれた。
フィックスは三年前、ミランダに一目惚れをされてしまっていたらしい。
それからずっと、フィックスはつきまとってくる彼女に何度も断りをしていたのだという。他に好きな人がいるから、と。
「どれだけ断っても、彼女はしつこかったんだ。僕もいい加減いらだってしまって、ミランダを愛すことは絶対にないと言い切った。そうすると彼女は……」
フィックスはシャツのボタンをひとつひとつ外し始めた。
初めて見るフィックスの肌に、私は思わず口元を押さえる。
「なに……それ……!」
「呪いだよ……魔女ミランダのね」
「呪い……」
さらけ出された左胸には、呪詛の文字と紋様が書かれていた。
フィックスは……その魔女に呪われていたというの……?!
「大丈夫なの?!」
「日常生活に問題はないんだ」
「じゃあ、どんな呪いが……」
私の問いに、フィックスは激しく言い淀んで、そして……
「人を、愛せなくなる呪いなんだ……」
そう言った。
「人を愛せなく?」
「その、つまり……ミランダ以外の女性を、抱けなく……」
「………………あっ」
愛せなくなるって、そういう意味?!
いつもこれからってところで眠っていたのは……呪いだったのね……。
「それで、呪いを解いてくれと何度も頼みに行ったんだ。だけどミランダは、『私と結婚すれば問題ない』の一点張りで……。僕が別の女性と結婚すれば諦めるかと思ったけど、今度は抱かなければ解呪しないと言い出す始末で」
「断ったの?」
「もちろん! あんな魔女の言うことを聞いたら、次は何をされるかわからない。この体に呪いがあるのが彼女を抱いていない証拠だ! だけどそれとは関係なく、僕は愛しい人以外を抱くつもりはない!」
フィックスの言葉に、私の体は勝手に熱を持った。
そういう人だから……私はフィックスが大好きなんだわ。
「その魔女のところに行きましょう。呪いを解除してもらわなくっちゃ!」
「頼んで解除してくれるような相手じゃないんだよ……!」
「大丈夫よ、少しだけ待ってて!」
「え?」
私は自室に向かうと、小瓶を取り出してピッチャーから水を入れた。さっと蓋をして、これで完成。
フィックスの元に戻ると、その小瓶を大仰に取り出してみせる。
「それは……?」
「我が家に代々伝わる聖水よ」
「聖水?」
本当は、ただの飲み水だけど。
自分の欲のために何年もフィックスを苦しめるだなんて、許せない。
だから私はこの聖水を利用させてもらうことにするわ。
「これをかけると解呪できるのか?」
「ええ、でも呪いをかけた本人に掛けなきゃダメなの。彼女は一生苦しむことになるでしょうけど……できる?」
「やるよ。それでこの呪いが解けるなら……!」
フィックスの決意の言葉を聞いて、私も覚悟が決まった。
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