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07.抱いてくださいっ
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シェスカルは部屋に入ると、山積みされた書類が置かれた机の前に、腰を下ろしている。
彼は二年前、正式にディノークス商会の後を継ぐのを条件に、元オーケルフェルトの土地や屋敷を買い取るお金を貰う事が出来たらしい。
その後貴族となり、幾らかの領土も所有し、更なる高みへと上り詰めるために毎日奔走している。
ディノークス商会の仕事も勿論あるし、今アンゼルード帝国で最も忙しい人物と言って良いだろう。そんな感じは微塵も見せない男ではあったが。
「見ての通り、ちょっと仕事が溜まっててな。用があるならさっさと終わらせてくれ」
意を決して来たのは良いが、真面目に仕事をしている姿を見ると、申し訳ない気分になった。自分の所為でシェスカルの大切な時間を使わせてしまっているという罪悪感。こんな小娘の相手をしている時間が、本当に惜しいのだろう。
ただの我儘で部屋に押し入っている事を、ファナミィは恥じ始めた。
「す、すみません……やっぱり、何でもないですっ」
「は?」
「それじゃあ、失礼しま……」
「ちょっと待て。そっちから押し掛けといて、それはないだろ。聞いてやるからちゃんと言ってみろ」
一度椅子に腰掛けていたシェスカルだったが、立ち上がってファナミィの傍まで来てくれた。少し腰を屈め、ファナミィの目を覗くようにして。
優しい瞳だ。恐らく、小さな子供に向けるような、そんな目。
つまりシェスカルにとってファナミィは、幼子と同等という事かもしれない。
「わ、私……っ」
「ああ」
シェスカルはそんな優しい瞳のまま、続きを促してくれる。
そんな彼にもう子供扱いなどされたくはなかった。
一人の大人として……女性として、見て欲しかった。
「シェスカル様……っ、私を……、だ、抱いてくださいっ」
「……は?」
シェスカルの間抜けな声が部屋に響く。
とうとう言ってしまった。シェスカルの驚きの視線がファナミィを貫き、心臓の音が外まで聞こえるかと思うほどドクンドクンと爆発している。
「お前……何言ってんのか分かってんのか?」
「分かってます……っ」
「馬鹿野郎、止めとけよ。何させんのかと思ったら、不貞じゃねーか。お前、俺を失脚させる気か」
「だ、誰にも言いませんっ! ただ、私……シェスカル様の事が好きだから……だから、せめて一度だけでも抱いて欲しいだけなんです!」
ファナミィはそう言い切ると、怖くてギュッと目を瞑った。
シェスカルの次の台詞は分かっている。まだ俺の事が好きだったのかと、諦めの悪い奴だと、気持ちの悪い女だと言われるに違いない。不貞を持ちかける女など最低だと、軽蔑の目を向けられるのだ。
自分から望んだ事だというのに、怖くて惨めで悲しかった。
だけど、嫌われているとさえ分かれば。その事実を突き付けられさえすれば。きっともう振り返らずに前を見て進めるはずだ。
「ったく、何て事言い出すんだよ、お前は。俺はお前より十六も年上なんだぜ。抱けるわけねーだろ?」
「じゃあシェスカル様は、何歳差までなら良いんですか?」
「十五歳差以内だな」
「一歳しか違わないじゃないですかっ」
「この一歳差はでけーの! アンゼルードは十六から結婚出来るだろ? ギリギリ十六歳で子供を持つ男もいるからな。言うなれば、『親子程の年の差』って訳だ」
「そんなの気にするなんて、隊長らしくないです!」
「隊長じゃねーって」
そう否定しながら、はぁっと息を吐いている。
貴族間ではそれこそ四十歳差婚という事も珍しくない。たかだか十六歳差が何だという話である。
「まぁなぁ、確かに俺らしくないな。元嫁がよく『親子程はちょっと』って言ってたから、いつの間にか刷り込まれちまってたのかもしんねー」
シェスカルはそんな風に遠い目をした。彼の元嫁は確かプリシラと言ったが、彼女を心底恨む。シェスカルにそんな刷り込みをしないで欲しい。
「プリシラさんだって今頃は、十六歳年下の男の子と出来てるかもしれませんよっ」
「あー、それはねーな。あいつは頑なだから」
そう言ってクックと笑っている。ファナミィの発言は彼の元嫁を思い起こさせる手伝いにしかならず、更に落ち込んだ。
「じゃあ……どう言えば抱いてくれるんですか?」
「だから、抱く訳ないっつーの。理由は……分かんだろ?」
「私、馬鹿だから分かりません。ちゃんと、きっぱりはっきり言ってください! お願いですからっ」
もう覚悟は出来た。
何を言われても、受け止める覚悟を。
傷つけられ、胸を抉られる言葉を、聞き入れる覚悟を。
「ファナミィ……」
そうしてシェスカルは、心底苦しそうな表情をした。
その口から紡ぎ出される言葉に、耳を傾ける。
「心底惚れちまったら抱けねぇんだよ。後戻り出来ねぇ事が分かってっから」
「……え?」
思ってもみない発言だった。
耳から脳に伝わったというのに、言葉が処理しきれず呆然とシェスカルを見上げる。
しばしの、沈黙が続いた。
シェスカルの顔は、次第に自嘲じみた表情に変わる。
その頃にはようやくファナミィの頭も回り始めた。
「それって……もしかして、私を……え? 私の勘違い?」
「勘違いじゃねーよ。合ってる」
シェスカルの言葉に、顔がカッと熱くなる。
ファナミィを抱かない……その理由は惚れたから、という事で合っているらしい。
「ほ、本当に私の事を……?」
「ああ。健気に頑張ってる女に弱いんだよな、俺。お前はこの二年、本当によく頑張ってたしな」
くしゃっと髪の毛を撫でられる。
予想外過ぎる言葉を貰い、どうにも頭がついていかない。
「じゃあ、どうして何も言ってくれなかったんですか……」
「俺と結婚するってのは現実的じゃねーよ。俺はこの国を変えるために、もっと上を目指すつもりでいるし、妻になる人物には貴族としての振る舞いや駆け引きを覚えて貰う事になる。平民出身で素直なお前には……正直、キツイ仕事だ」
「そんな……っ! 私、大丈夫です! 貴族の妻に、なれますっ!!」
口から勝手にそんな台詞が飛び出していた。
だが、本気だ。
シェスカルの妻になれるのなら、どんな事だって厭わない。
しかしファナミィの思いとは裏腹に、シェスカルは非情の言葉を口にする。
「無理だ」
「無理じゃ、ありません! 私、頑張れますっ」
「お前は捨てる事になるぞ。普通である事の幸せや、友人との何気ないおしゃべりや、婚約者の男を」
「構いません」
「……」
即答するファナミィをジッと見据えるシェスカル。
アレックスの顔が浮かばなかったわけではないが、やはり想いの差が大き過ぎた。
どちらを選ぶかと言われれば、勿論シェスカルを取る。
シェスカルは笑いもせず、呆れもせず、真剣な面持ちでファナミィを射抜くように見つめ……そして言った。
「すべてを捨てる覚悟があるのなら、そうしてから来い。お前の覚悟が分かったその時には、ありとあらゆる事からお前を守ってやる」
つまりはアレックスと婚約破棄して来いと言っているのだろう。シェスカルが駄目だったならばアレックスと結婚出来るという安全圏に、ファナミィはいるのだ。
しかしシェスカルは、その事を責めているわけではないように思えた。誠意を見せろ、というのも少し違う。
彼は知りたいのだ。ファナミィが緩い気持ちで騎士になった時、国のために命を張る覚悟がない事を、シェスカルは諭してくれた。
その時と同じだ。シェスカルに認められるためには保険など切り捨てて、なりふり構わず必死になる必要がある。
「分かりました」
ファナミィは一言そう告げて深々と一礼すると、シェスカルの部屋から退室して行った。
彼は二年前、正式にディノークス商会の後を継ぐのを条件に、元オーケルフェルトの土地や屋敷を買い取るお金を貰う事が出来たらしい。
その後貴族となり、幾らかの領土も所有し、更なる高みへと上り詰めるために毎日奔走している。
ディノークス商会の仕事も勿論あるし、今アンゼルード帝国で最も忙しい人物と言って良いだろう。そんな感じは微塵も見せない男ではあったが。
「見ての通り、ちょっと仕事が溜まっててな。用があるならさっさと終わらせてくれ」
意を決して来たのは良いが、真面目に仕事をしている姿を見ると、申し訳ない気分になった。自分の所為でシェスカルの大切な時間を使わせてしまっているという罪悪感。こんな小娘の相手をしている時間が、本当に惜しいのだろう。
ただの我儘で部屋に押し入っている事を、ファナミィは恥じ始めた。
「す、すみません……やっぱり、何でもないですっ」
「は?」
「それじゃあ、失礼しま……」
「ちょっと待て。そっちから押し掛けといて、それはないだろ。聞いてやるからちゃんと言ってみろ」
一度椅子に腰掛けていたシェスカルだったが、立ち上がってファナミィの傍まで来てくれた。少し腰を屈め、ファナミィの目を覗くようにして。
優しい瞳だ。恐らく、小さな子供に向けるような、そんな目。
つまりシェスカルにとってファナミィは、幼子と同等という事かもしれない。
「わ、私……っ」
「ああ」
シェスカルはそんな優しい瞳のまま、続きを促してくれる。
そんな彼にもう子供扱いなどされたくはなかった。
一人の大人として……女性として、見て欲しかった。
「シェスカル様……っ、私を……、だ、抱いてくださいっ」
「……は?」
シェスカルの間抜けな声が部屋に響く。
とうとう言ってしまった。シェスカルの驚きの視線がファナミィを貫き、心臓の音が外まで聞こえるかと思うほどドクンドクンと爆発している。
「お前……何言ってんのか分かってんのか?」
「分かってます……っ」
「馬鹿野郎、止めとけよ。何させんのかと思ったら、不貞じゃねーか。お前、俺を失脚させる気か」
「だ、誰にも言いませんっ! ただ、私……シェスカル様の事が好きだから……だから、せめて一度だけでも抱いて欲しいだけなんです!」
ファナミィはそう言い切ると、怖くてギュッと目を瞑った。
シェスカルの次の台詞は分かっている。まだ俺の事が好きだったのかと、諦めの悪い奴だと、気持ちの悪い女だと言われるに違いない。不貞を持ちかける女など最低だと、軽蔑の目を向けられるのだ。
自分から望んだ事だというのに、怖くて惨めで悲しかった。
だけど、嫌われているとさえ分かれば。その事実を突き付けられさえすれば。きっともう振り返らずに前を見て進めるはずだ。
「ったく、何て事言い出すんだよ、お前は。俺はお前より十六も年上なんだぜ。抱けるわけねーだろ?」
「じゃあシェスカル様は、何歳差までなら良いんですか?」
「十五歳差以内だな」
「一歳しか違わないじゃないですかっ」
「この一歳差はでけーの! アンゼルードは十六から結婚出来るだろ? ギリギリ十六歳で子供を持つ男もいるからな。言うなれば、『親子程の年の差』って訳だ」
「そんなの気にするなんて、隊長らしくないです!」
「隊長じゃねーって」
そう否定しながら、はぁっと息を吐いている。
貴族間ではそれこそ四十歳差婚という事も珍しくない。たかだか十六歳差が何だという話である。
「まぁなぁ、確かに俺らしくないな。元嫁がよく『親子程はちょっと』って言ってたから、いつの間にか刷り込まれちまってたのかもしんねー」
シェスカルはそんな風に遠い目をした。彼の元嫁は確かプリシラと言ったが、彼女を心底恨む。シェスカルにそんな刷り込みをしないで欲しい。
「プリシラさんだって今頃は、十六歳年下の男の子と出来てるかもしれませんよっ」
「あー、それはねーな。あいつは頑なだから」
そう言ってクックと笑っている。ファナミィの発言は彼の元嫁を思い起こさせる手伝いにしかならず、更に落ち込んだ。
「じゃあ……どう言えば抱いてくれるんですか?」
「だから、抱く訳ないっつーの。理由は……分かんだろ?」
「私、馬鹿だから分かりません。ちゃんと、きっぱりはっきり言ってください! お願いですからっ」
もう覚悟は出来た。
何を言われても、受け止める覚悟を。
傷つけられ、胸を抉られる言葉を、聞き入れる覚悟を。
「ファナミィ……」
そうしてシェスカルは、心底苦しそうな表情をした。
その口から紡ぎ出される言葉に、耳を傾ける。
「心底惚れちまったら抱けねぇんだよ。後戻り出来ねぇ事が分かってっから」
「……え?」
思ってもみない発言だった。
耳から脳に伝わったというのに、言葉が処理しきれず呆然とシェスカルを見上げる。
しばしの、沈黙が続いた。
シェスカルの顔は、次第に自嘲じみた表情に変わる。
その頃にはようやくファナミィの頭も回り始めた。
「それって……もしかして、私を……え? 私の勘違い?」
「勘違いじゃねーよ。合ってる」
シェスカルの言葉に、顔がカッと熱くなる。
ファナミィを抱かない……その理由は惚れたから、という事で合っているらしい。
「ほ、本当に私の事を……?」
「ああ。健気に頑張ってる女に弱いんだよな、俺。お前はこの二年、本当によく頑張ってたしな」
くしゃっと髪の毛を撫でられる。
予想外過ぎる言葉を貰い、どうにも頭がついていかない。
「じゃあ、どうして何も言ってくれなかったんですか……」
「俺と結婚するってのは現実的じゃねーよ。俺はこの国を変えるために、もっと上を目指すつもりでいるし、妻になる人物には貴族としての振る舞いや駆け引きを覚えて貰う事になる。平民出身で素直なお前には……正直、キツイ仕事だ」
「そんな……っ! 私、大丈夫です! 貴族の妻に、なれますっ!!」
口から勝手にそんな台詞が飛び出していた。
だが、本気だ。
シェスカルの妻になれるのなら、どんな事だって厭わない。
しかしファナミィの思いとは裏腹に、シェスカルは非情の言葉を口にする。
「無理だ」
「無理じゃ、ありません! 私、頑張れますっ」
「お前は捨てる事になるぞ。普通である事の幸せや、友人との何気ないおしゃべりや、婚約者の男を」
「構いません」
「……」
即答するファナミィをジッと見据えるシェスカル。
アレックスの顔が浮かばなかったわけではないが、やはり想いの差が大き過ぎた。
どちらを選ぶかと言われれば、勿論シェスカルを取る。
シェスカルは笑いもせず、呆れもせず、真剣な面持ちでファナミィを射抜くように見つめ……そして言った。
「すべてを捨てる覚悟があるのなら、そうしてから来い。お前の覚悟が分かったその時には、ありとあらゆる事からお前を守ってやる」
つまりはアレックスと婚約破棄して来いと言っているのだろう。シェスカルが駄目だったならばアレックスと結婚出来るという安全圏に、ファナミィはいるのだ。
しかしシェスカルは、その事を責めているわけではないように思えた。誠意を見せろ、というのも少し違う。
彼は知りたいのだ。ファナミィが緩い気持ちで騎士になった時、国のために命を張る覚悟がない事を、シェスカルは諭してくれた。
その時と同じだ。シェスカルに認められるためには保険など切り捨てて、なりふり構わず必死になる必要がある。
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