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「おー、遅かったな、颯斗! なーにやってたんだよ」
部屋では、こっちもニヤニヤした智樹が迎えてくれた。
父さんは朝早くからずーっと運転していたのもあって、疲れたから寝ると言って布団に入った途端、いびきをかき始める。
俺と智樹はそんな父さんを横目に、さっきのトランプを再開した。二人だとつまらないなとぼやきつつも、結局はトランプを続けている。手札を二枚切ると、智樹は二枚引きながら言った。
「兼六園は良かったなぁ。俺、あんな所に行っても面白くないと思ってたけど」
「皆で行ったら、どこでも面白いって! 俺、智樹や皆と一緒に来られて良かったよ」
「そうだな。でも今度は、遊園地にしようぜ!」
「あはは、それも良いな!」
皆と遊園地、それも楽しいだろうな。真奈美と一緒にデートで行くのも良さそうだ。
「おい.……ニヤニヤして、結城と遊園地に行く想像でもしてんだろ」
おお、さすが小学校からの親友、智樹だ。俺の心をやすやすと読んで見せた。
「まーな」
「くっそー、羨ましい.……俺も高校生になったら、彼女できっかなぁ」
「智樹は音痴で声でかくてうるさくてバカな事もするけど、意外に頭だけは良いから彼女くらいできんじゃないか?」
「意外にってなんだ! 頭良いだけで彼女ができるなら、苦労しねーわ!」
「良いじゃんか、頭良いの……俺、高校入試ヤバイ。翔律高校に受かるかマジで分かんね」
「おいおい、頑張れよな! 強豪校の翔律で、一緒に全国目指すんだからよ」
「旅行終わったら、勉強手伝ってくれー智樹ー!」
「しゃーねーなー」
「智樹マジ神……っ! はい、俺ストレート」
「っく……スリーカード……今度こそ勝てたと思ったのに! ホントお前、こういうのは強いよなぁ」
俺と智樹は取り留めもない話をしながら、トランプを続ける。
途中、真奈美にさっきプロポーズしたというと、智樹は顎が外れるんじゃないかと思うほど驚いてた。まぁ、びっくりするよな。俺自身もびっくりしたからな。
こんな風に、俺達の夜は更けていった。
朝になり、朝食に向かうと、既に真奈美と篠原は席に着いていた。俺と智樹はあくびをしながら、それぞれの席に座る。
「おはよう真奈美、篠原」
「おはよう……二人とも、寝てないの?」
「いや、四時間くらいは寝たはず」
俺がそう答えると、やっぱり女子達は呆れているようだった。
「真奈美達は夜更かししなかったのか?」
「しないよ! ……まぁ、ちょっと気持ちが高ぶっちゃって寝られなかったけど……」
真奈美が恥ずかしそうに答えるのを見て、俺の顔はニヤついてしまう。
昨日の出来事を何度も思い返してくれていたんだろう。そう考えると、やっぱり嬉しい。
「ね、昨日あれから大丈夫だった?」
「大丈夫って?」
「だって、あれからお父さんと二人だったんでしょ……怒られなかった?」
「ああ、大丈夫大丈夫! 父さんは俺の味方になってくれたし!」
「ホント!?」
「こら、父さんは味方じゃないぞ。 レフェリーは中立だ!」
少し遅れて座った父さんが、口をへの字に曲げている。
「中立?! じゃあ母さんと相対した時に、手伝ってくれねーの?!」
「ああ、あくまで中立だからな。まぁ母さんが理不尽な事言いだしたりしたら、ちゃんとファウルをとるから心配するな」
「ちぇ、父さんが手助けしてくれるならどうにかなると思ったのになぁ」
「颯斗、お前はオフサイドに気を付けろよ。あんまり早く真奈美ちゃんと結婚するとか言ったら、母さんは発狂しかねないからな……」
「う……気をつけるよ」
俺としては、もう母さんにも言ってしまいたい心境だけどなぁ。とりあえず、どうにか味方につけておきたい父さんの言う事を聞いておこう。
「あの、颯斗のお父さんは……私たちの事、反対……なんですか……?」
恐る恐ると言った感じで聞いている真奈美も、可愛いなぁ。
「いや、僕は……そうだなぁ、真奈美ちゃんみたいな可愛い子が娘になってくれるなら、賛成かな」
「くそ親父ッ!!」
「痛っ、なんで殴るんだ颯斗! 父さんは賛成って言ってるだろっ!」
「息子の彼女を、やらしい目で見んなっ」
「見てない見てない!」
慌てたように手を左右に振っている父さん。まったく、油断も隙もない。母さんに言いつけちゃうぞ。
「大丈夫だ、颯斗。父さんは母さんと香苗一筋だから!」
「うげぇ、気持ち悪ぃ」
「どう言えば良いんだよ!?」
父さんの悲鳴のようなツッコミに、俺達は皆で笑った。
まぁ、父さんが賛成してくれてるって分かっただけでちょっと安心出来たな。
朝食を食べた後、俺達は旅館を出て、土産を買い求めてから帰る事になった。
明日は学校だから、あんまりのんびりしていられなかったのは残念だったけど。
あっという間に終わっちゃったな。けど、ものすごい充実した俺の修学旅行になったし、俺は大満足だ。
部屋では、こっちもニヤニヤした智樹が迎えてくれた。
父さんは朝早くからずーっと運転していたのもあって、疲れたから寝ると言って布団に入った途端、いびきをかき始める。
俺と智樹はそんな父さんを横目に、さっきのトランプを再開した。二人だとつまらないなとぼやきつつも、結局はトランプを続けている。手札を二枚切ると、智樹は二枚引きながら言った。
「兼六園は良かったなぁ。俺、あんな所に行っても面白くないと思ってたけど」
「皆で行ったら、どこでも面白いって! 俺、智樹や皆と一緒に来られて良かったよ」
「そうだな。でも今度は、遊園地にしようぜ!」
「あはは、それも良いな!」
皆と遊園地、それも楽しいだろうな。真奈美と一緒にデートで行くのも良さそうだ。
「おい.……ニヤニヤして、結城と遊園地に行く想像でもしてんだろ」
おお、さすが小学校からの親友、智樹だ。俺の心をやすやすと読んで見せた。
「まーな」
「くっそー、羨ましい.……俺も高校生になったら、彼女できっかなぁ」
「智樹は音痴で声でかくてうるさくてバカな事もするけど、意外に頭だけは良いから彼女くらいできんじゃないか?」
「意外にってなんだ! 頭良いだけで彼女ができるなら、苦労しねーわ!」
「良いじゃんか、頭良いの……俺、高校入試ヤバイ。翔律高校に受かるかマジで分かんね」
「おいおい、頑張れよな! 強豪校の翔律で、一緒に全国目指すんだからよ」
「旅行終わったら、勉強手伝ってくれー智樹ー!」
「しゃーねーなー」
「智樹マジ神……っ! はい、俺ストレート」
「っく……スリーカード……今度こそ勝てたと思ったのに! ホントお前、こういうのは強いよなぁ」
俺と智樹は取り留めもない話をしながら、トランプを続ける。
途中、真奈美にさっきプロポーズしたというと、智樹は顎が外れるんじゃないかと思うほど驚いてた。まぁ、びっくりするよな。俺自身もびっくりしたからな。
こんな風に、俺達の夜は更けていった。
朝になり、朝食に向かうと、既に真奈美と篠原は席に着いていた。俺と智樹はあくびをしながら、それぞれの席に座る。
「おはよう真奈美、篠原」
「おはよう……二人とも、寝てないの?」
「いや、四時間くらいは寝たはず」
俺がそう答えると、やっぱり女子達は呆れているようだった。
「真奈美達は夜更かししなかったのか?」
「しないよ! ……まぁ、ちょっと気持ちが高ぶっちゃって寝られなかったけど……」
真奈美が恥ずかしそうに答えるのを見て、俺の顔はニヤついてしまう。
昨日の出来事を何度も思い返してくれていたんだろう。そう考えると、やっぱり嬉しい。
「ね、昨日あれから大丈夫だった?」
「大丈夫って?」
「だって、あれからお父さんと二人だったんでしょ……怒られなかった?」
「ああ、大丈夫大丈夫! 父さんは俺の味方になってくれたし!」
「ホント!?」
「こら、父さんは味方じゃないぞ。 レフェリーは中立だ!」
少し遅れて座った父さんが、口をへの字に曲げている。
「中立?! じゃあ母さんと相対した時に、手伝ってくれねーの?!」
「ああ、あくまで中立だからな。まぁ母さんが理不尽な事言いだしたりしたら、ちゃんとファウルをとるから心配するな」
「ちぇ、父さんが手助けしてくれるならどうにかなると思ったのになぁ」
「颯斗、お前はオフサイドに気を付けろよ。あんまり早く真奈美ちゃんと結婚するとか言ったら、母さんは発狂しかねないからな……」
「う……気をつけるよ」
俺としては、もう母さんにも言ってしまいたい心境だけどなぁ。とりあえず、どうにか味方につけておきたい父さんの言う事を聞いておこう。
「あの、颯斗のお父さんは……私たちの事、反対……なんですか……?」
恐る恐ると言った感じで聞いている真奈美も、可愛いなぁ。
「いや、僕は……そうだなぁ、真奈美ちゃんみたいな可愛い子が娘になってくれるなら、賛成かな」
「くそ親父ッ!!」
「痛っ、なんで殴るんだ颯斗! 父さんは賛成って言ってるだろっ!」
「息子の彼女を、やらしい目で見んなっ」
「見てない見てない!」
慌てたように手を左右に振っている父さん。まったく、油断も隙もない。母さんに言いつけちゃうぞ。
「大丈夫だ、颯斗。父さんは母さんと香苗一筋だから!」
「うげぇ、気持ち悪ぃ」
「どう言えば良いんだよ!?」
父さんの悲鳴のようなツッコミに、俺達は皆で笑った。
まぁ、父さんが賛成してくれてるって分かっただけでちょっと安心出来たな。
朝食を食べた後、俺達は旅館を出て、土産を買い求めてから帰る事になった。
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