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学院中等部 7学年生
芸術祭
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今年の芸術祭にはローレンス様も来てくれた。ファッションモデルとして私が出るって言ったから、来てくれたんだそうだ。3年目なんだけど、都合がどうしても合わなくて、昨年までは来られなかったんだよね。
「キャシー、綺麗だよ」
「ローレンス様、ここまで来てしまわれましたの?」
「すんなり入れてくれたよ?」
ローレンス様が不思議そうに言う。お針子部の誰かが許可したのかな?会えて嬉しいけど、ここは舞台裏だし良いのかしら?
「今回はエスコートは無いんだっけ?」
「そう聞いておりますわ。ランウェイ上を貴族が散策している感じでと、言われましたもの」
「男性のモデルも居るんだよね?」
「えぇ。でもほとんどはモデルとなった方の婚約者の方ですのよ。他に目を向けるとは思えませんわ」
「そうとは限らないと思うよ?キャシーは可愛いし。それにフリーの男性も居るんだよね?」
「いらっしゃいますわね」
「心配だな」
「ご心配には及びませんわよ?」
私にはローレンス様という婚約者がいるというのは、結構有名だし。
私の出番は最後の方だ。今年も参加されるイザベラ様と一緒に、ランウェイの端まで行って戻ってくる。パラソルも持っているし、2人で仲良く歩くだけだ。イザベラ様の婚約者のノーマン様は、今年はモデルはお断りしたらしい。「寂しいですわ」とイザベラ様が嘆いていた。
舞台袖で待機していると、イザベラ様が姿を表した。私より大きく臀部が張り出したバッスルスタイルのドレスを着ている。
「イザベラ様、お綺麗ですわ」
「キャスリーン様こそ。先程ローレンス様をお見かけいたしましたわ」
「今年はなんとか都合が付けられたそうです」
「お忙しそうですわね」
「お身体が心配です」
「そのお言葉、そっくりそのままお返しいたしますわ。キャスリーン様、お痩せになられませんでした?」
「少しですわ。ご心配は嬉しゅうございますけれど」
おかげで気が付いた人達が、色々食べさせようとして来て大変なのよね。
「本当にお気を付けくださいませね」
心配そうに言われて、思わず苦笑してしまった。
時間になって、イザベラ様と舞台に出る。コンセプトとしてピクニックに出掛ける姉妹という設定がされている為に、楽しそうに歩いてほしいと説明されていた。
「キャスリーン様、姉妹という事ですけれど、従姉妹の方が設定としては良いと思われません?」
「従姉妹で仲良く、ピクニックにですか?」
「無いでしょうかしらね?」
ちょっと無理があると思う。
「仲の良い義姉妹という設定もあり得ましてよ」
「その場合は私が姉ですかしら?」
「そうですわね。身長的に?」
「妹の立場になってみたかったですわ」
「現実的にそうですのに?」
ウォーリー侯爵家には、イザベラ様の上に2人の兄と姉が居る。どちらも優秀な方だ。イザベラ様とはお年が離れているから、一緒に遊んだりは無かったそうなんだけど。ウォーリー家に遊びに行くと、イザベラ様が可愛がられているのがよく分かる。
「年の近い兄姉妹ですわ。私の家は、年が近いとは申せませんもの」
確かに15歳差は近いとは言えないわよねぇ。でも、本当に仲が良いのよね。ノーマン様が婚約者に決まるまで、お兄様、お姉様からの入念な調査とダメ出しがあったらしいし。
怒り口調のイザベラ様だけど、本当に怒っている訳じゃない。イザベラ様は少しお顔立ちが勝ち気だから誤解されやすいけれど、とても優しい方だ。
ランウェイの端まで行って戻ってくる時、何か違和感を感じた。イザベラ様もおかしいと思ったらしく、舞台袖に引っ込んでから何度も首をかしげていた。
「イザベラ様?」
「あそこ、ランウェイの左側に何か……」
「イザベラ様も何かを感じられましたの?私もなんというか違和感があったのですけれど」
「今思い返しても、特に変わった事は無かったというか……」
「そうなのですわ。皆様にも伺ってみませんこと?」
今、舞台袖に居るモデル達に聞いてみたけど、「変な感じがした」と答えたのは2人だった。帰ってくるモデル達に聞くと、「座っているのに座っていないような?」や「ハッキリ覚えていないけど、変な感じがしたとしか……」といったような曖昧な答えが返ってきた。
「舞台のゴーストではございませんわよね?」
そんな七不思議的な事、聞いた事が無いけど。
「でも、ゴーストでしたら、フェルナー様が祓ってくださいますわよね?」
「私もゴースト祓いは、した事がございませんけれど」
期待を込めた目で見られたけど、浄化で良いのかしら?というか、本当にゴーストなのかしら?
全ての舞台が終わって、着替えを済ませた後ローレンス様と合流して、学院に七不思議的な物はあるか聞いてみた。
「ゴースト?聞いた事が無いけど」
「ですわよねぇ」
「そんなモノが居たの?」
「ゴーストと決まった訳じゃございませんけれど。でも何か違和感を感じましたの」
「何だろうね?でもキャシー、見に行っちゃいけないよ?」
「それは逆効果ですわ」
「ん?」
「してはいけない、見てはいけないと禁止されると、見たい、したいという心理効果が働きますのよ」
行動や物事が禁止されたり制限されたりすると、かえって関心が高まり実行したくなる心理現象をカリギュラ効果という。具体的に言うと『○○では見ないでください』というキャッチコピーや、個数限定の販売方法、会員制の入店制限などがそれに当たる。
全員がそういう心理が働く訳じゃないけど、確率は高い。
「そうなんだね」
「まずはサミュエル先生に相談でしょうか?」
「そうだね。ブランジット様に知らせれば、学院長にも話はいくだろうし、必要ならば光魔法を使ってくれる……。キャシーが連れていかれる可能性もあるけどね」
「そうですわよね」
ローレンス様と2人で学院内を歩く。そんな些細な事が嬉しい。学院でローレンス様と過ごせたのは長くない時間だったから、こうやって歩く事もほとんど無かったのよね。ローレンス様の好意を「義妹に対する物」だなんて考えてたし。あ、駄目だ。意識したら顔が熱くなってきた。
「キャシー、どうしたんだい?」
「なんでもございませんわ」
赤くなったであろう顔を見られたくなくて、俯いていると、ローレンス様に覗き込まれた。
「顔が赤い」
「不躾に覗き込まないでくださいませ?」
「なんだか嬉しいね。私を意識してくれているのだろう?」
「そんっ……」
「私の一方通行な想いだと思っていたから、キャシーが意識してくれているのは嬉しい」
「ローレンス様は、想いをまっすぐに伝えてくださいますけれど、恥ずかしくないのですか?」
「恥ずかしくはないよ。好きな人に好きだと伝える事の、何が恥ずかしいんだい?」
「そう言われてしまいますと……」
「貴族としては失格かもしれないけどね。キャシーには気持ちを誤魔化したくないし、ちゃんと伝えないといつまでも勘違いしてそうだし?」
「だって、だって、思い込んでいたのですもの」
「意識してくれるかな?と思ってキスしたりしても、その時だけだったし。さすがに自信が無くなったよ。私が想う程、キャシーは私を想っていないんだと思い知らされて」
「申し訳ございません」
自分の気持ちがハッキリしなかったんです。心の中で言い訳する。
「謝らなくても良いけどね。悩んでいるのは母上から聞いていたし。もう少しキャシーの気持ちも考えろって説教をされたよ」
「重ね重ね申し訳ございません」
「謝らなくても良いんだよ。そういう感じのキャシーも可愛いけど」
軽く頭をポンポンとして、ローレンス様は帰っていった。
「キャシー、綺麗だよ」
「ローレンス様、ここまで来てしまわれましたの?」
「すんなり入れてくれたよ?」
ローレンス様が不思議そうに言う。お針子部の誰かが許可したのかな?会えて嬉しいけど、ここは舞台裏だし良いのかしら?
「今回はエスコートは無いんだっけ?」
「そう聞いておりますわ。ランウェイ上を貴族が散策している感じでと、言われましたもの」
「男性のモデルも居るんだよね?」
「えぇ。でもほとんどはモデルとなった方の婚約者の方ですのよ。他に目を向けるとは思えませんわ」
「そうとは限らないと思うよ?キャシーは可愛いし。それにフリーの男性も居るんだよね?」
「いらっしゃいますわね」
「心配だな」
「ご心配には及びませんわよ?」
私にはローレンス様という婚約者がいるというのは、結構有名だし。
私の出番は最後の方だ。今年も参加されるイザベラ様と一緒に、ランウェイの端まで行って戻ってくる。パラソルも持っているし、2人で仲良く歩くだけだ。イザベラ様の婚約者のノーマン様は、今年はモデルはお断りしたらしい。「寂しいですわ」とイザベラ様が嘆いていた。
舞台袖で待機していると、イザベラ様が姿を表した。私より大きく臀部が張り出したバッスルスタイルのドレスを着ている。
「イザベラ様、お綺麗ですわ」
「キャスリーン様こそ。先程ローレンス様をお見かけいたしましたわ」
「今年はなんとか都合が付けられたそうです」
「お忙しそうですわね」
「お身体が心配です」
「そのお言葉、そっくりそのままお返しいたしますわ。キャスリーン様、お痩せになられませんでした?」
「少しですわ。ご心配は嬉しゅうございますけれど」
おかげで気が付いた人達が、色々食べさせようとして来て大変なのよね。
「本当にお気を付けくださいませね」
心配そうに言われて、思わず苦笑してしまった。
時間になって、イザベラ様と舞台に出る。コンセプトとしてピクニックに出掛ける姉妹という設定がされている為に、楽しそうに歩いてほしいと説明されていた。
「キャスリーン様、姉妹という事ですけれど、従姉妹の方が設定としては良いと思われません?」
「従姉妹で仲良く、ピクニックにですか?」
「無いでしょうかしらね?」
ちょっと無理があると思う。
「仲の良い義姉妹という設定もあり得ましてよ」
「その場合は私が姉ですかしら?」
「そうですわね。身長的に?」
「妹の立場になってみたかったですわ」
「現実的にそうですのに?」
ウォーリー侯爵家には、イザベラ様の上に2人の兄と姉が居る。どちらも優秀な方だ。イザベラ様とはお年が離れているから、一緒に遊んだりは無かったそうなんだけど。ウォーリー家に遊びに行くと、イザベラ様が可愛がられているのがよく分かる。
「年の近い兄姉妹ですわ。私の家は、年が近いとは申せませんもの」
確かに15歳差は近いとは言えないわよねぇ。でも、本当に仲が良いのよね。ノーマン様が婚約者に決まるまで、お兄様、お姉様からの入念な調査とダメ出しがあったらしいし。
怒り口調のイザベラ様だけど、本当に怒っている訳じゃない。イザベラ様は少しお顔立ちが勝ち気だから誤解されやすいけれど、とても優しい方だ。
ランウェイの端まで行って戻ってくる時、何か違和感を感じた。イザベラ様もおかしいと思ったらしく、舞台袖に引っ込んでから何度も首をかしげていた。
「イザベラ様?」
「あそこ、ランウェイの左側に何か……」
「イザベラ様も何かを感じられましたの?私もなんというか違和感があったのですけれど」
「今思い返しても、特に変わった事は無かったというか……」
「そうなのですわ。皆様にも伺ってみませんこと?」
今、舞台袖に居るモデル達に聞いてみたけど、「変な感じがした」と答えたのは2人だった。帰ってくるモデル達に聞くと、「座っているのに座っていないような?」や「ハッキリ覚えていないけど、変な感じがしたとしか……」といったような曖昧な答えが返ってきた。
「舞台のゴーストではございませんわよね?」
そんな七不思議的な事、聞いた事が無いけど。
「でも、ゴーストでしたら、フェルナー様が祓ってくださいますわよね?」
「私もゴースト祓いは、した事がございませんけれど」
期待を込めた目で見られたけど、浄化で良いのかしら?というか、本当にゴーストなのかしら?
全ての舞台が終わって、着替えを済ませた後ローレンス様と合流して、学院に七不思議的な物はあるか聞いてみた。
「ゴースト?聞いた事が無いけど」
「ですわよねぇ」
「そんなモノが居たの?」
「ゴーストと決まった訳じゃございませんけれど。でも何か違和感を感じましたの」
「何だろうね?でもキャシー、見に行っちゃいけないよ?」
「それは逆効果ですわ」
「ん?」
「してはいけない、見てはいけないと禁止されると、見たい、したいという心理効果が働きますのよ」
行動や物事が禁止されたり制限されたりすると、かえって関心が高まり実行したくなる心理現象をカリギュラ効果という。具体的に言うと『○○では見ないでください』というキャッチコピーや、個数限定の販売方法、会員制の入店制限などがそれに当たる。
全員がそういう心理が働く訳じゃないけど、確率は高い。
「そうなんだね」
「まずはサミュエル先生に相談でしょうか?」
「そうだね。ブランジット様に知らせれば、学院長にも話はいくだろうし、必要ならば光魔法を使ってくれる……。キャシーが連れていかれる可能性もあるけどね」
「そうですわよね」
ローレンス様と2人で学院内を歩く。そんな些細な事が嬉しい。学院でローレンス様と過ごせたのは長くない時間だったから、こうやって歩く事もほとんど無かったのよね。ローレンス様の好意を「義妹に対する物」だなんて考えてたし。あ、駄目だ。意識したら顔が熱くなってきた。
「キャシー、どうしたんだい?」
「なんでもございませんわ」
赤くなったであろう顔を見られたくなくて、俯いていると、ローレンス様に覗き込まれた。
「顔が赤い」
「不躾に覗き込まないでくださいませ?」
「なんだか嬉しいね。私を意識してくれているのだろう?」
「そんっ……」
「私の一方通行な想いだと思っていたから、キャシーが意識してくれているのは嬉しい」
「ローレンス様は、想いをまっすぐに伝えてくださいますけれど、恥ずかしくないのですか?」
「恥ずかしくはないよ。好きな人に好きだと伝える事の、何が恥ずかしいんだい?」
「そう言われてしまいますと……」
「貴族としては失格かもしれないけどね。キャシーには気持ちを誤魔化したくないし、ちゃんと伝えないといつまでも勘違いしてそうだし?」
「だって、だって、思い込んでいたのですもの」
「意識してくれるかな?と思ってキスしたりしても、その時だけだったし。さすがに自信が無くなったよ。私が想う程、キャシーは私を想っていないんだと思い知らされて」
「申し訳ございません」
自分の気持ちがハッキリしなかったんです。心の中で言い訳する。
「謝らなくても良いけどね。悩んでいるのは母上から聞いていたし。もう少しキャシーの気持ちも考えろって説教をされたよ」
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