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学院中等部 7学年生
サプライズ
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目が覚めると、ちゃんとベッドで寝ていて、驚いた。昨日はリーサさんに抱き付いて泣いちゃって……そのまま寝ちゃったの?もしかして。うわぁ、恥ずかしい。
ドレッサーで確認すると、目が少し腫れている。泣いちゃったし仕方がないんだけど。さっさと治癒をかけて、着替える。
前ボタンがたくさん付いた可愛いワンピースに、フワフワのカーディガンを羽織って準備をしていると、リーサさんのお屋敷のメイドさんが入ってきて、私を見てものすごぉくガックリしていた。
「あの?」
「光の聖女様のお目覚め顔を、拝見出来ると思ったのにぃぃ」
「ご、ごめんなさい。学院で1人で出来るようにって生活してるから」
「いいえ、良いんです。ちょっと願望が漏れ出ただけですから。おはようございます。よくお休みになられましたか?」
「えぇ。こんなにぐっすり眠れたのは、久しぶりだわ」
「それは良うございました。朝食までもう少し時間がございますが、どうなさいますか?温かいお飲み物もご用意出来ますが」
「お白湯をいただける?」
「白湯、ですか?」
「いつもね、お白湯を飲んでいるの。お願い出来る?」
「はい」
備え付けられている、ボーンアッシュのティーポットからティーカップに注いでくれた白湯を、ゆっくりと時間をかけて飲む。こんな時間も久しぶりな気がする。ローレンス様が行方不明になってから、夜も眠れていなかったし白湯も飲んでいなかった。
「リーサさん達は?もう起きていらっしゃるかしら?」
「リーサ様は起きていらっしゃいます。セシル様とララ様は夢の世界からまだ戻られておられません」
「そう。皆様、昨日は遅かったのかしら?」
「さほどは。光の聖女様がお休みになられて少しして、皆様お部屋に戻られました」
朝食のダイニングに行くと、リーサさんが配膳を手伝っていた。
「おはようございます、リーサさん。昨日は申し訳ございませんでした」
「良いのよ。良く眠れた?」
「はい。久しぶりに」
「良く顔を見せてちょうだい。良いわね。居座っていたクマさんが消えているわ」
頬を挟んでじっくりと私の顔を見たリーサさんに、にっこりと微笑まれて頭を撫でられた。
「うふふ。今日はお客様がいらっしゃるの。おしゃれして可愛くなりましょうね」
「お客様ですか?」
「えぇ。さ、朝食を食べてしまいましょう。お寝坊さん達は放っておいてね」
朝食はスクランブルエッグとソーセージと小さなパンケーキのような物。
「プラツキっていうのよ。ジャガイモと小麦粉で作るパンケーキね」
少しだけ食べてみた。優しい味がする。
「美味しいです」
「全部食べられそう?」
「全部食べたら、たぶん昼食は食べられないです」
「そう。無理はしないで?」
「はい。このパンケーキ1枚だけでも良いですか?」
「えぇ。食べられるのならそれで良いわ。無理だけはしないで」
「ありがとうございます」
リーサさんと朝食を終えて少しすると、セシルさんとララさんが起きてきた。
「早くない?2人共」
「そうですか?」
「眠れたみたいね。良かったわ」
「ご心配をおかけしました」
「そんな事、気にしなくて良いのよ」
セシルさんとララさんが朝食を食べている間に、少しだけ離れてローレンス様の無事を祈る。
この場にローレンス様が居ないのが寂しい。この場は転生者ばかりだから居なくて当然なんだけど。
「キャスリーンちゃん」
「キャシーちゃん」
「キャスリーンちゃん、気は済んだ?」
「申し訳ございません。お待たせしていますか?」
「そんな事無いわよ。さ、お着替えしましょ。メイクもヘアアレンジもね」
「私だけですか?」
「みんなよ、みんな。こっちに来てちょうだい」
案内された部屋には、トルソーに着せられたドレスが4着、待っていた。
「これがキャスリーンちゃん、こっちがララちゃん、これがリーサで、これが私の」
「これって……」
「夏にね、注文を受けたの。姉妹コーデよ」
注文って誰から?
私のドレスはイエローとライトブルーのオーガンジーで、パステルイエローのドレスに淡いブルーを重ねてあった。イエローとブルーが重なっているからグリーンにも見える可愛いドレスだ。差し色なのかウェストマークがサファイアブルーで、ローレンス様の瞳を思い出してしまった。
「じゃあ、お願いね」
メイド達が、それぞれに着付けていく。背中にある小さなボタンをメイドにかけてもらって、自然と背筋が伸びていく。
ヘアメイクも施してもらって、4人の変身が終わった頃、玄関のチャイムが鳴った。
「あ、いらっしゃったみたいね」
「お客様ですか?」
「えぇ。間に合って良かったわ」
私は今日のお客様が誰なのかを知らない。ララさんとセシルさんは何かを知っているようで、ちょっとワクワクした顔をしている。
「やぁ、お邪魔するよ」
「いらっしゃいませ、ラッセルさん。レオナルドさん。後ろの方は……え?」
「紹介するよ。炎の聖人であられるヴァルター・バルテン様だよ」
「はっ、はじめまして。ちょっと、ラッセルさん、聖人様がいらっしゃるなんて聞いてなかったんだけど」
炎の聖人と紹介されたのは、お義父様と同じ位の年齢の、燃えるような赤い髪を持った浅黒い肌の男性だった。横にも縦にも大きくて、私だと見上げなければ目線が合わない。
「聖人などと呼ばれちゃあいるが、ただの火魔法の得意なオヤジだと思ってくれりゃ良い。綺麗所がこんなに居るとは驚い……た。は?」
炎の聖人様と目が合った。
「貴女が光の聖女候補の方か?」
炎の聖人様に膝を付いて話しかけられた。
「はい。はじめまして。キャスリーン・フェルナーと申します」
「俺はヴァルター・バルテン。炎の聖人だ。しかし小さいな。ちゃんと食べているか?」
ひょいっと抱き上げられて、片腕に座らせられた。
「聖人様だからって、その人に触れんじゃねぇよ」
「良いじゃねぇか。しかし軽いな。どこも悪くねぇか?」
「あの、今は少し……」
「何があった?キャス……。フェルナー嬢」
「……」
答えられなくて俯いてしまった。
「レオナルドさん、ちょっとこっちへ」
リーサさんがレオナルドさんを連れて、部屋を出た。
「ラッセルさんは知っているのよね?」
「概要は聞いたけどね。フェルナー嬢、大丈夫かい?」
「ちょっと大丈夫じゃありません」
「そうだろうね。無理はしないようにね」
「何の話だ?カミーユ」
「ちょっとデリケートな問題なんだよね」
「言いにくい事か?」
「彼女の前ではね」
「ふむ」
炎の聖人様はジッと私を見た後、私を降ろしてソファーに座らせた。
「しばし離れる。良い子にしていると良い」
完全に子供扱いされているよね。
炎の聖人様とラッセル様が隣室に消えて、入れ替わりにレオナルドさんとリーサさんが戻ってきた。
「フェルナー嬢……」
「気を使われると、かえって辛くなると思うわよ。キャスリーンちゃんは頑張って頑張って、今、必死に自分を保っているの。私だったら泣き喚いてとんでもない事になっていると思うわ。母が亡くなった時、そんな感じだったし」
「あんたも波乱万丈な人生を歩いているよな」
「キャスリーンちゃんには負けるわ」
「勝ち負けの問題かよ」
「違うわよ。何を言ってるの?」
「俺が悪いのかよ!?」
「そうよ。女に恥をかかせるものじゃないわ。こういう場合は黙って全ての罪を引き受けるのが、良い男ってものよ」
「良い男というか、都合の良い男だろ?」
「分かってるじゃない」
「なんだって女には口で勝てねぇんだか」
「そんなの、神様が男に力を、女に頭脳を与えたからに決まってるわ」
「ちょっと待て。その言い方だと男は総じて馬鹿って事にならないか?」
「やぁねぇ。被害妄想よ。男が馬鹿なんて思っていないわ。少しだけしか」
「思ってんじゃねぇか」
私は何を見せられているのでしょう?夫婦漫才?
ドレッサーで確認すると、目が少し腫れている。泣いちゃったし仕方がないんだけど。さっさと治癒をかけて、着替える。
前ボタンがたくさん付いた可愛いワンピースに、フワフワのカーディガンを羽織って準備をしていると、リーサさんのお屋敷のメイドさんが入ってきて、私を見てものすごぉくガックリしていた。
「あの?」
「光の聖女様のお目覚め顔を、拝見出来ると思ったのにぃぃ」
「ご、ごめんなさい。学院で1人で出来るようにって生活してるから」
「いいえ、良いんです。ちょっと願望が漏れ出ただけですから。おはようございます。よくお休みになられましたか?」
「えぇ。こんなにぐっすり眠れたのは、久しぶりだわ」
「それは良うございました。朝食までもう少し時間がございますが、どうなさいますか?温かいお飲み物もご用意出来ますが」
「お白湯をいただける?」
「白湯、ですか?」
「いつもね、お白湯を飲んでいるの。お願い出来る?」
「はい」
備え付けられている、ボーンアッシュのティーポットからティーカップに注いでくれた白湯を、ゆっくりと時間をかけて飲む。こんな時間も久しぶりな気がする。ローレンス様が行方不明になってから、夜も眠れていなかったし白湯も飲んでいなかった。
「リーサさん達は?もう起きていらっしゃるかしら?」
「リーサ様は起きていらっしゃいます。セシル様とララ様は夢の世界からまだ戻られておられません」
「そう。皆様、昨日は遅かったのかしら?」
「さほどは。光の聖女様がお休みになられて少しして、皆様お部屋に戻られました」
朝食のダイニングに行くと、リーサさんが配膳を手伝っていた。
「おはようございます、リーサさん。昨日は申し訳ございませんでした」
「良いのよ。良く眠れた?」
「はい。久しぶりに」
「良く顔を見せてちょうだい。良いわね。居座っていたクマさんが消えているわ」
頬を挟んでじっくりと私の顔を見たリーサさんに、にっこりと微笑まれて頭を撫でられた。
「うふふ。今日はお客様がいらっしゃるの。おしゃれして可愛くなりましょうね」
「お客様ですか?」
「えぇ。さ、朝食を食べてしまいましょう。お寝坊さん達は放っておいてね」
朝食はスクランブルエッグとソーセージと小さなパンケーキのような物。
「プラツキっていうのよ。ジャガイモと小麦粉で作るパンケーキね」
少しだけ食べてみた。優しい味がする。
「美味しいです」
「全部食べられそう?」
「全部食べたら、たぶん昼食は食べられないです」
「そう。無理はしないで?」
「はい。このパンケーキ1枚だけでも良いですか?」
「えぇ。食べられるのならそれで良いわ。無理だけはしないで」
「ありがとうございます」
リーサさんと朝食を終えて少しすると、セシルさんとララさんが起きてきた。
「早くない?2人共」
「そうですか?」
「眠れたみたいね。良かったわ」
「ご心配をおかけしました」
「そんな事、気にしなくて良いのよ」
セシルさんとララさんが朝食を食べている間に、少しだけ離れてローレンス様の無事を祈る。
この場にローレンス様が居ないのが寂しい。この場は転生者ばかりだから居なくて当然なんだけど。
「キャスリーンちゃん」
「キャシーちゃん」
「キャスリーンちゃん、気は済んだ?」
「申し訳ございません。お待たせしていますか?」
「そんな事無いわよ。さ、お着替えしましょ。メイクもヘアアレンジもね」
「私だけですか?」
「みんなよ、みんな。こっちに来てちょうだい」
案内された部屋には、トルソーに着せられたドレスが4着、待っていた。
「これがキャスリーンちゃん、こっちがララちゃん、これがリーサで、これが私の」
「これって……」
「夏にね、注文を受けたの。姉妹コーデよ」
注文って誰から?
私のドレスはイエローとライトブルーのオーガンジーで、パステルイエローのドレスに淡いブルーを重ねてあった。イエローとブルーが重なっているからグリーンにも見える可愛いドレスだ。差し色なのかウェストマークがサファイアブルーで、ローレンス様の瞳を思い出してしまった。
「じゃあ、お願いね」
メイド達が、それぞれに着付けていく。背中にある小さなボタンをメイドにかけてもらって、自然と背筋が伸びていく。
ヘアメイクも施してもらって、4人の変身が終わった頃、玄関のチャイムが鳴った。
「あ、いらっしゃったみたいね」
「お客様ですか?」
「えぇ。間に合って良かったわ」
私は今日のお客様が誰なのかを知らない。ララさんとセシルさんは何かを知っているようで、ちょっとワクワクした顔をしている。
「やぁ、お邪魔するよ」
「いらっしゃいませ、ラッセルさん。レオナルドさん。後ろの方は……え?」
「紹介するよ。炎の聖人であられるヴァルター・バルテン様だよ」
「はっ、はじめまして。ちょっと、ラッセルさん、聖人様がいらっしゃるなんて聞いてなかったんだけど」
炎の聖人と紹介されたのは、お義父様と同じ位の年齢の、燃えるような赤い髪を持った浅黒い肌の男性だった。横にも縦にも大きくて、私だと見上げなければ目線が合わない。
「聖人などと呼ばれちゃあいるが、ただの火魔法の得意なオヤジだと思ってくれりゃ良い。綺麗所がこんなに居るとは驚い……た。は?」
炎の聖人様と目が合った。
「貴女が光の聖女候補の方か?」
炎の聖人様に膝を付いて話しかけられた。
「はい。はじめまして。キャスリーン・フェルナーと申します」
「俺はヴァルター・バルテン。炎の聖人だ。しかし小さいな。ちゃんと食べているか?」
ひょいっと抱き上げられて、片腕に座らせられた。
「聖人様だからって、その人に触れんじゃねぇよ」
「良いじゃねぇか。しかし軽いな。どこも悪くねぇか?」
「あの、今は少し……」
「何があった?キャス……。フェルナー嬢」
「……」
答えられなくて俯いてしまった。
「レオナルドさん、ちょっとこっちへ」
リーサさんがレオナルドさんを連れて、部屋を出た。
「ラッセルさんは知っているのよね?」
「概要は聞いたけどね。フェルナー嬢、大丈夫かい?」
「ちょっと大丈夫じゃありません」
「そうだろうね。無理はしないようにね」
「何の話だ?カミーユ」
「ちょっとデリケートな問題なんだよね」
「言いにくい事か?」
「彼女の前ではね」
「ふむ」
炎の聖人様はジッと私を見た後、私を降ろしてソファーに座らせた。
「しばし離れる。良い子にしていると良い」
完全に子供扱いされているよね。
炎の聖人様とラッセル様が隣室に消えて、入れ替わりにレオナルドさんとリーサさんが戻ってきた。
「フェルナー嬢……」
「気を使われると、かえって辛くなると思うわよ。キャスリーンちゃんは頑張って頑張って、今、必死に自分を保っているの。私だったら泣き喚いてとんでもない事になっていると思うわ。母が亡くなった時、そんな感じだったし」
「あんたも波乱万丈な人生を歩いているよな」
「キャスリーンちゃんには負けるわ」
「勝ち負けの問題かよ」
「違うわよ。何を言ってるの?」
「俺が悪いのかよ!?」
「そうよ。女に恥をかかせるものじゃないわ。こういう場合は黙って全ての罪を引き受けるのが、良い男ってものよ」
「良い男というか、都合の良い男だろ?」
「分かってるじゃない」
「なんだって女には口で勝てねぇんだか」
「そんなの、神様が男に力を、女に頭脳を与えたからに決まってるわ」
「ちょっと待て。その言い方だと男は総じて馬鹿って事にならないか?」
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