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学院中等部 8学年生
伝心機
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「賢者殿から預かってきた。それは光の聖女様の分だ。こちらの3本は『テンセイシャ』の女性陣の分だと言っていた。預けても?」
どうしよう。リーサさんとララさんはすぐに渡せる。セシルさんはいつどうやって渡そう。
「お預かりします」
「賢者殿の登録はしてあるそうだ」
ラッセル様とはいつでも連絡が取れるという事ね。
早速本人登録してみる。手首に通して魔力を少量流すと、シュルシュルと縮んで、ちょうどいい大きさになった。
「スゴい……」
「それからこれを預かったのだが」
厳重に封をされた小包を差し出された。中に何か入ってる?硬い物が感じ取れた。中身は何かしら?宛名は私とララさんとリーサさんとセシルさん。
「ありがとうございます」
小包を受け取る。
「キャシーちゃん、そろそろおいとましようか?」
「はい。閣下、お邪魔いたしました」
離れたがらない雪花にも別れを告げる。ものすごーく寂しそうに離れてくれた。そんなにショボンとしないでよ。連れて帰りたくなっちゃうじゃない。
リーサさんのお家に戻って、ドレスを脱ぐ。
「リーサさん、この腕輪なんですけど」
「なぁに?これ。腕輪にしても大きいわよ?」
「伝心機だそうです。ラッセル様からの贈り物だそうで」
「伝心機って、え?」
「私のは本人登録しましたけど、フレンド登録が出来ないんですよね。誰かに着けてもらわないと」
「どれでもいいの?」
「はい。着けたら魔力を少量流してください。自動調整機能が付いているそうです。身に付けていれば充電いらずですって」
「わっ、縮んだわ。スゴい……」
「で、こうやって近付けると」
ピピッという音と共に、腕輪にお互いの名前が浮かび上がった。
「この名前は変えられるそうですよ。こうやって……っと」
「スゴいスゴい。キャスリーンさんの名前は、あら?CFS?」
「本名というか、元の名前とミックスしました」
「良いんじゃない?私は何にしようかしら。こういうのって楽しいわね」
「ララさんにはすぐに渡せるのですが、セシルさんにどうやって渡そうかと」
「渡しておくわ。説明もしておくわね」
「それからこれをラッセル様から預かったと」
「誰が?」
「ファレンノーザ公爵閣下です」
「……コウシャクカッカ」
「王弟殿下ですね」
「オウテイ」
「リーサさん?大丈夫ですか?」
「大丈夫よ。ちょっと意識が飛びかけただけだから。キャスリーンさんはやっぱり高位貴族なのね。王弟様とお知り合いだなんて」
「王家と関わる回数が多いですからね」
「平然と言わないでよ」
リーサさんと厳重な封を開けてみる。中にはピアスが4組。ぶらさがりの上品なピアスだ。
「一粒ピアスにも出来るのね。キャスリーンさん、学院にピアスは着けていって良いの?」
「高等部まではお預けですね。高等部になると、社交関係に出る事もありますから」
「あら、残念……え?」
「どうしたんですか?」
「収納機能を付与って書いてあるけど」
「先生に相談しましょう」
こういう事は先達に聞くに限る。
「先生、少しご相談が」
「相談?着替えるだけなのに遅いと思ったら……それは?」
「まずは手紙をお読みください」
「ラッセル氏からね。ふんふん……。収納魔法?え?このピアスに?」
「どうすればいいでしょう?」
「どうすればって、普通に着けて良いと思うよ。こんな小さな物に術式を仕込む、その方法は知りたいけど、ピアスを分解してもどうにもならないだろうし」
「容量はこっちで確認するわ。どんな物かは分かってるから。ニホンジンってよくこんなの考え付いたわね」
「私も驚きです」
青いネコ型ロボットに始まり、アニメや小説で色々考え出してきたしね。でもそれを言うなら、ファンタジー発祥のヨーロッパや、SFを発展させたアメリカなんかもスゴいと思う。神話もファンタジーととらえると、考え出した世界全部がスゴいって事になる。
「4組あるって事は、ララ嬢の分もあるのかい?」
「それとセシルさんの分です」
「マルムクヴィスト嬢、ロシュフォール嬢に渡してくれるかな?」
「お任せください。フフッ、セシルったら驚くわよ」
「ララさんも驚くと思います」
「ねぇ、キャスリーンさん。また集まりましょうね?」
「はい、ぜひ」
「ところで、仮の婚約者様のお誕生日のお祝いはしたの?」
フワリと抱擁されて、そっと囁かれた。
「あ、してないです」
身体を離して答える。
「たしかね、夏期休暇の最終日だったはずよ?前に話していたもの」
誰が?とは聞けなかった。
馬車で救民院に戻る。
「おかえりなさい。キャシーちゃん、どうだった?」
「気分転換は出来たと思います」
「それなら良かったわ。第2王子殿下が気にしておられてね。出掛けたって言ったら、もう1度謝っておいてくれって」
「もうよろしいですのに。私も言い過ぎてしまいましたもの」
「キャシーちゃん、私はエドワードの所に行ってるから」
「先生、ありがとうございました」
サミュエル先生が行ってしまうと、ララさんを引っ張って奥の部屋に行く。
「どうしたの?」
「ラッセル様からのお届け物です」
まずは伝心機を渡して説明する。
「ふーん。ケータイって訳ね。でもスゴいわ。わっ、ピッタリになった。ねぇ、キャシーちゃんとの番号交換はどうするの?」
「近付ければ良いんですよ。出来ました」
伝心機がピピッと鳴って登録が完了する。
「それからこちらです」
「ピアス?」
「仕様はこちらに」
ご丁寧に4組それぞれに、同じ文章の取説が付いてたんだもの。渡して読んでもらった方が早いわよね。
「マジックボックス?」
「と言うのですか?」
「マジックバックとかマジックボックスとか、異空間収納とか、色々呼び名はあったわよ。でも作っちゃったのね。ラッセルさんってもしかしてスゴい人?」
「スゴい人ですわよ?ゴーヴィリス国の知恵袋とまで言われたお方ですし。ファレンノーザ公爵閣下は賢者殿と呼んでいました」
「賢者。そうね。ピッタリだわ。やだ。ファンタジー小説みたい。キャシーちゃんが聖女様でしょ?ラッセルさんが賢者でしょ?勇者は誰かしら?女勇者も居たのよね」
「ララさん、戻ってきてくださいませ?それでいうとララさんの役回りは?」
「……何かしら?」
「『エリアントゥス』では?」
「やぁめぇてぇぇ」
ぎゅうっと抱き付かれた。
「ララさん、少しご相談があるのですが」
「何かしら?」
「サミュエル先生のお誕生日がもうすぐらしいのですが、どうすれば良いと思います?」
「どうすれば、って、難しいわね。仮とはいえ婚約者だし。気合いの入っていないプレゼントでも渡せば?」
「気合いの入っていないプレゼントですか?」
「どこかでクッキーでも買って渡すとか?」
「私、クッキーはフェルナー家の物か、トリコローレしか知りませんけれど。後は学院のカフェテリアかセシルさんの手作りですわね」
「トリコローレがいちばんいいかもね。あれから何回か行ったけど、ビスコッティの他にも色々有ったわよ?行ってみる?」
「後2日なのですが?」
「ラッピングしなくていいし、日頃の感謝の気持ちですって渡してもいいじゃない。ローレンス様の時はどうしてたの?」
「ローレンス様のお誕生日は秋でしたから、冬季休暇に簡単なお菓子をシェフと一緒に作って、一緒に食べてました」
「何よりのプレゼントね。ローレンス様はキャシーちゃんが大好きだから、一緒に手作りのお菓子を食べられたのは、とても嬉しかったと思うわよ」
「ローレンス様もこの時間が何よりのプレゼントだねって仰って……」
「うんうん。ローレンス様はキャシーちゃんと一緒に居られれば、何も要らなかったのね」
どうしよう。リーサさんとララさんはすぐに渡せる。セシルさんはいつどうやって渡そう。
「お預かりします」
「賢者殿の登録はしてあるそうだ」
ラッセル様とはいつでも連絡が取れるという事ね。
早速本人登録してみる。手首に通して魔力を少量流すと、シュルシュルと縮んで、ちょうどいい大きさになった。
「スゴい……」
「それからこれを預かったのだが」
厳重に封をされた小包を差し出された。中に何か入ってる?硬い物が感じ取れた。中身は何かしら?宛名は私とララさんとリーサさんとセシルさん。
「ありがとうございます」
小包を受け取る。
「キャシーちゃん、そろそろおいとましようか?」
「はい。閣下、お邪魔いたしました」
離れたがらない雪花にも別れを告げる。ものすごーく寂しそうに離れてくれた。そんなにショボンとしないでよ。連れて帰りたくなっちゃうじゃない。
リーサさんのお家に戻って、ドレスを脱ぐ。
「リーサさん、この腕輪なんですけど」
「なぁに?これ。腕輪にしても大きいわよ?」
「伝心機だそうです。ラッセル様からの贈り物だそうで」
「伝心機って、え?」
「私のは本人登録しましたけど、フレンド登録が出来ないんですよね。誰かに着けてもらわないと」
「どれでもいいの?」
「はい。着けたら魔力を少量流してください。自動調整機能が付いているそうです。身に付けていれば充電いらずですって」
「わっ、縮んだわ。スゴい……」
「で、こうやって近付けると」
ピピッという音と共に、腕輪にお互いの名前が浮かび上がった。
「この名前は変えられるそうですよ。こうやって……っと」
「スゴいスゴい。キャスリーンさんの名前は、あら?CFS?」
「本名というか、元の名前とミックスしました」
「良いんじゃない?私は何にしようかしら。こういうのって楽しいわね」
「ララさんにはすぐに渡せるのですが、セシルさんにどうやって渡そうかと」
「渡しておくわ。説明もしておくわね」
「それからこれをラッセル様から預かったと」
「誰が?」
「ファレンノーザ公爵閣下です」
「……コウシャクカッカ」
「王弟殿下ですね」
「オウテイ」
「リーサさん?大丈夫ですか?」
「大丈夫よ。ちょっと意識が飛びかけただけだから。キャスリーンさんはやっぱり高位貴族なのね。王弟様とお知り合いだなんて」
「王家と関わる回数が多いですからね」
「平然と言わないでよ」
リーサさんと厳重な封を開けてみる。中にはピアスが4組。ぶらさがりの上品なピアスだ。
「一粒ピアスにも出来るのね。キャスリーンさん、学院にピアスは着けていって良いの?」
「高等部まではお預けですね。高等部になると、社交関係に出る事もありますから」
「あら、残念……え?」
「どうしたんですか?」
「収納機能を付与って書いてあるけど」
「先生に相談しましょう」
こういう事は先達に聞くに限る。
「先生、少しご相談が」
「相談?着替えるだけなのに遅いと思ったら……それは?」
「まずは手紙をお読みください」
「ラッセル氏からね。ふんふん……。収納魔法?え?このピアスに?」
「どうすればいいでしょう?」
「どうすればって、普通に着けて良いと思うよ。こんな小さな物に術式を仕込む、その方法は知りたいけど、ピアスを分解してもどうにもならないだろうし」
「容量はこっちで確認するわ。どんな物かは分かってるから。ニホンジンってよくこんなの考え付いたわね」
「私も驚きです」
青いネコ型ロボットに始まり、アニメや小説で色々考え出してきたしね。でもそれを言うなら、ファンタジー発祥のヨーロッパや、SFを発展させたアメリカなんかもスゴいと思う。神話もファンタジーととらえると、考え出した世界全部がスゴいって事になる。
「4組あるって事は、ララ嬢の分もあるのかい?」
「それとセシルさんの分です」
「マルムクヴィスト嬢、ロシュフォール嬢に渡してくれるかな?」
「お任せください。フフッ、セシルったら驚くわよ」
「ララさんも驚くと思います」
「ねぇ、キャスリーンさん。また集まりましょうね?」
「はい、ぜひ」
「ところで、仮の婚約者様のお誕生日のお祝いはしたの?」
フワリと抱擁されて、そっと囁かれた。
「あ、してないです」
身体を離して答える。
「たしかね、夏期休暇の最終日だったはずよ?前に話していたもの」
誰が?とは聞けなかった。
馬車で救民院に戻る。
「おかえりなさい。キャシーちゃん、どうだった?」
「気分転換は出来たと思います」
「それなら良かったわ。第2王子殿下が気にしておられてね。出掛けたって言ったら、もう1度謝っておいてくれって」
「もうよろしいですのに。私も言い過ぎてしまいましたもの」
「キャシーちゃん、私はエドワードの所に行ってるから」
「先生、ありがとうございました」
サミュエル先生が行ってしまうと、ララさんを引っ張って奥の部屋に行く。
「どうしたの?」
「ラッセル様からのお届け物です」
まずは伝心機を渡して説明する。
「ふーん。ケータイって訳ね。でもスゴいわ。わっ、ピッタリになった。ねぇ、キャシーちゃんとの番号交換はどうするの?」
「近付ければ良いんですよ。出来ました」
伝心機がピピッと鳴って登録が完了する。
「それからこちらです」
「ピアス?」
「仕様はこちらに」
ご丁寧に4組それぞれに、同じ文章の取説が付いてたんだもの。渡して読んでもらった方が早いわよね。
「マジックボックス?」
「と言うのですか?」
「マジックバックとかマジックボックスとか、異空間収納とか、色々呼び名はあったわよ。でも作っちゃったのね。ラッセルさんってもしかしてスゴい人?」
「スゴい人ですわよ?ゴーヴィリス国の知恵袋とまで言われたお方ですし。ファレンノーザ公爵閣下は賢者殿と呼んでいました」
「賢者。そうね。ピッタリだわ。やだ。ファンタジー小説みたい。キャシーちゃんが聖女様でしょ?ラッセルさんが賢者でしょ?勇者は誰かしら?女勇者も居たのよね」
「ララさん、戻ってきてくださいませ?それでいうとララさんの役回りは?」
「……何かしら?」
「『エリアントゥス』では?」
「やぁめぇてぇぇ」
ぎゅうっと抱き付かれた。
「ララさん、少しご相談があるのですが」
「何かしら?」
「サミュエル先生のお誕生日がもうすぐらしいのですが、どうすれば良いと思います?」
「どうすれば、って、難しいわね。仮とはいえ婚約者だし。気合いの入っていないプレゼントでも渡せば?」
「気合いの入っていないプレゼントですか?」
「どこかでクッキーでも買って渡すとか?」
「私、クッキーはフェルナー家の物か、トリコローレしか知りませんけれど。後は学院のカフェテリアかセシルさんの手作りですわね」
「トリコローレがいちばんいいかもね。あれから何回か行ったけど、ビスコッティの他にも色々有ったわよ?行ってみる?」
「後2日なのですが?」
「ラッピングしなくていいし、日頃の感謝の気持ちですって渡してもいいじゃない。ローレンス様の時はどうしてたの?」
「ローレンス様のお誕生日は秋でしたから、冬季休暇に簡単なお菓子をシェフと一緒に作って、一緒に食べてました」
「何よりのプレゼントね。ローレンス様はキャシーちゃんが大好きだから、一緒に手作りのお菓子を食べられたのは、とても嬉しかったと思うわよ」
「ローレンス様もこの時間が何よりのプレゼントだねって仰って……」
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