395 / 733
学院中等部 9学年生
厄哭の石を持ち歩こう
先生との話し合いの10日後の授業後、ディザスターラメンティがダニエルさんによって私の元に届けられた。
「もしかして、ダニエルさんが取りに行ってくださったのですか?ありがとうございます」
「別にいいけどよ。その、なんだっけ、中身。お嬢ちゃんはよく平気だな」
「哀しみは伝わってきますが、特に不快にはなりませんが?」
「ここまで持ってくるだけでも、破壊衝動みたいな……、うまく言えねぇけど、めちゃくちゃに暴れたくなった。お嬢ちゃんがそれを持ったら嘘みたいに消えたけど」
「そうなのですか?」
私がディザスターラメンティから感じるのは、孤独や悲しみだ。ダニエルさんの言うように破壊衝動に駆られる事はないし、他の人が言うように憎悪感を感じる事もない。
これ、どうしよう。持ち歩くなら何か袋状の物が要るけど、シャトレーヌかレティキュールしかないわよね。ララさんはぬいぐるみと同じようにって言っていたらしいし。
でも、苦手なのよね、お裁縫。この世界にはソーイングマシーンはある。私は前世はともかく、今世では触った事がない。手縫いだと縫い目に笑われているような気になるし。ハハハハハって。縫い目が揃わないのよ。
どうしようかしら。
寮に帰る道の途中で悩んでいたら、ガブリエラ様に声をかけられた。
「キャスリーン様、こんな所でどうなさいましたの?」
まぁ、寮までの帰り道のど真ん中で、立ち尽くしていたら不審に思うわよね。
「ガブリエラ様、握り拳の大きさの物が入る何かと聞いて、何が思い浮かびます?」
「キャスリーン様がお持ちの箱とか、後はドローストリングバッグでしょうか?」
「ドローストリングバッグ……」
「ご入り用ならお作りいたしますけれど?」
「お願い出来ますでしょうか?」
「シャトレーヌとレティキュール、どちらになさいます?」
「早く作れるのはシャトレーヌですわよね?」
「そうですわね。ではシャトレーヌでよろしいでしょうか?キャスリーン様に似合う刺繍もお入れいたしますわね」
「ありがとうございます」
ガブリエラ様にディザスターラメンティの詳しいサイズを言うと、何度も頷いていた。本当は実物を見せた方が良いのだろうけどね。ディザスターラメンティを他の人に見せて、どんな影響が出るか分からないし、止めておいた。
5日後、ガブリエラ様からシャトレーヌが手渡された。しっかりした厚手の生地で作られた、パステルグリーンのシャトレーヌで、可愛らしい花々が刺繍してある。
「スゴいですわ」
「お針子部にちょうどいい布がございましたの。お気に召されたようですわね。ホッといたしましたわ」
腰に巻いたチェーンベルトにドローストリングバッグを付ける。まだ中には何も入っていないけれど、違和感もなくて小花の刺繍も可愛らしい。
「お似合いですわ」
「ガブリエラ様のおかげですわね」
この中にディザスターラメンティを入れて、いろんな景色を見せてあげたい。学院の中だけだけど、それでも今までタウンハウスの私の部屋の奥に押し込んであったし、連れ出してやったら楽しいよね?
って、ディザスターラメンティを生物のように考えちゃってるけど、こういう事で良いのかしら?
今は授業前だし、寮には戻れない。ガブリエラ様が寮を出る前に渡してくれたら、ドローストリングバッグに入れて持ってこられたのに。
そんな事を考えていたら、マリアさんに怪訝そうに見られてしまった。
「キャスリーン様?」
「明日からが楽しみですわ」
「楽しみですか?」
ディザスターラメンティはドローストリングバッグに入れた状態でも、結界を張っておいた方が良いのかしら?
「マリアさん、今日の授業後、サミュエル先生にお会い出来ますかしら?」
「大丈夫だと思いますが、予定を伺っておきます」
その日の授業後にサミュエル先生の部屋に行ったら、私のよく知るお客様が居た。第2王子だ。
「やぁ、光の聖女様、お邪魔してるよ」
「第2王子殿下にご挨拶申し上げます」
「今日は報告をと思ってね」
「報告ですか?」
「サフィアのお腹に新しい生命が宿ったよ」
「おめでとうございます。サフィア様にもお祝いをお伝え願えますか?」
「もちろんだよ。それでね、ロシュフォール嬢にもお礼を言っておいてもらえないかと思って」
「喜んで承りますわ。セシルさんも喜ぶと思います」
「それを伝えたくてね。長居をさせてもらった。サミィ兄様、お邪魔しました」
「気を付けて帰りなさい。王宮に戻る時期は、相談に乗るからね」
「お願いします」
第2王子が帰っていった。
「サミュエル先生は、第2王子殿下に慕われておられるのですね」
「慕うというか、王子教育の教師もやっていたからね。逆らえないだけじゃないかな?言って聞かない時には、容赦なく鞭や拳骨で躾たし」
暴力反対。でもこれが普通だったりするのよね。
「それで、どうしたんだい?」
「ディザスターラメンティを入れて持ち運べる、ドローストリングバッグを作っていただきましたの」
「自分で作ったんじゃなく?」
「私、お裁縫は苦手ですの。ソーイングマシーンは触った事がないですし、手縫いだと縫い目に笑われているような気になるんですもの」
「縫い目に笑われるって面白い表現だね」
「それはどうでも良いのですわ。このドローストリングバッグにディザスターラメンティを入れて持ち歩く場合、結界も張った方が良いですわよね?」
「そうだね。今は入ってないんだよね?」
「はい」
「じゃあ明日。明日にはブレシングフォグをディザスターラメンティに吹き掛けてみよう。キャシーちゃんの側にあれば、そう心配ないと思うんだよね」
「その根拠は?」
「ダニエルだよ。ダニエルはディザスターラメンティを持っていた間の衝動が、キャシーちゃんが持ったら消えたと言っていた。私はね、そういう感覚は本人にしか分からないと思っている。だから言葉にして出した感情表現を信じているんだ。ま、本心を取り繕う人に囲まれていたというのも、言葉にして出した感情表現を信じる一因だけどね」
「そのわりには、先生ご自身は感情を隠されますわよね?」
「大人だからね。特に外交ではいちいち露骨な感情を出していたら、足を掬われる」
「大袈裟なほど感情を出す方も、本心は掴みにくいですけれど?」
「そうだね」
翌朝、起床し朝食をいただいたら、ディザスターラメンティをドローストリングバッグに入れて、結界術を掛けてから、腰のチェーンベルトに付ける。今日の結果次第で、今後の方針が決まる。
少し緊張して学院に行った。
教室では時に何もなかった。いつも通りの授業、いつも通りの友人とのお喋り。チェーンベルトに付けたドローストリングバッグについても聞かれたけど、ガブリエラ様の作品だと答えると、ガブリエラ様にいくつか注文が行っていた。ガブリエラ様ってば、嬉しそうに注文を受けるのよね。材料費と少額の手間賃で引き受けていたけど、そのお金はお針子部に還元するらしい。
「もしかして、ダニエルさんが取りに行ってくださったのですか?ありがとうございます」
「別にいいけどよ。その、なんだっけ、中身。お嬢ちゃんはよく平気だな」
「哀しみは伝わってきますが、特に不快にはなりませんが?」
「ここまで持ってくるだけでも、破壊衝動みたいな……、うまく言えねぇけど、めちゃくちゃに暴れたくなった。お嬢ちゃんがそれを持ったら嘘みたいに消えたけど」
「そうなのですか?」
私がディザスターラメンティから感じるのは、孤独や悲しみだ。ダニエルさんの言うように破壊衝動に駆られる事はないし、他の人が言うように憎悪感を感じる事もない。
これ、どうしよう。持ち歩くなら何か袋状の物が要るけど、シャトレーヌかレティキュールしかないわよね。ララさんはぬいぐるみと同じようにって言っていたらしいし。
でも、苦手なのよね、お裁縫。この世界にはソーイングマシーンはある。私は前世はともかく、今世では触った事がない。手縫いだと縫い目に笑われているような気になるし。ハハハハハって。縫い目が揃わないのよ。
どうしようかしら。
寮に帰る道の途中で悩んでいたら、ガブリエラ様に声をかけられた。
「キャスリーン様、こんな所でどうなさいましたの?」
まぁ、寮までの帰り道のど真ん中で、立ち尽くしていたら不審に思うわよね。
「ガブリエラ様、握り拳の大きさの物が入る何かと聞いて、何が思い浮かびます?」
「キャスリーン様がお持ちの箱とか、後はドローストリングバッグでしょうか?」
「ドローストリングバッグ……」
「ご入り用ならお作りいたしますけれど?」
「お願い出来ますでしょうか?」
「シャトレーヌとレティキュール、どちらになさいます?」
「早く作れるのはシャトレーヌですわよね?」
「そうですわね。ではシャトレーヌでよろしいでしょうか?キャスリーン様に似合う刺繍もお入れいたしますわね」
「ありがとうございます」
ガブリエラ様にディザスターラメンティの詳しいサイズを言うと、何度も頷いていた。本当は実物を見せた方が良いのだろうけどね。ディザスターラメンティを他の人に見せて、どんな影響が出るか分からないし、止めておいた。
5日後、ガブリエラ様からシャトレーヌが手渡された。しっかりした厚手の生地で作られた、パステルグリーンのシャトレーヌで、可愛らしい花々が刺繍してある。
「スゴいですわ」
「お針子部にちょうどいい布がございましたの。お気に召されたようですわね。ホッといたしましたわ」
腰に巻いたチェーンベルトにドローストリングバッグを付ける。まだ中には何も入っていないけれど、違和感もなくて小花の刺繍も可愛らしい。
「お似合いですわ」
「ガブリエラ様のおかげですわね」
この中にディザスターラメンティを入れて、いろんな景色を見せてあげたい。学院の中だけだけど、それでも今までタウンハウスの私の部屋の奥に押し込んであったし、連れ出してやったら楽しいよね?
って、ディザスターラメンティを生物のように考えちゃってるけど、こういう事で良いのかしら?
今は授業前だし、寮には戻れない。ガブリエラ様が寮を出る前に渡してくれたら、ドローストリングバッグに入れて持ってこられたのに。
そんな事を考えていたら、マリアさんに怪訝そうに見られてしまった。
「キャスリーン様?」
「明日からが楽しみですわ」
「楽しみですか?」
ディザスターラメンティはドローストリングバッグに入れた状態でも、結界を張っておいた方が良いのかしら?
「マリアさん、今日の授業後、サミュエル先生にお会い出来ますかしら?」
「大丈夫だと思いますが、予定を伺っておきます」
その日の授業後にサミュエル先生の部屋に行ったら、私のよく知るお客様が居た。第2王子だ。
「やぁ、光の聖女様、お邪魔してるよ」
「第2王子殿下にご挨拶申し上げます」
「今日は報告をと思ってね」
「報告ですか?」
「サフィアのお腹に新しい生命が宿ったよ」
「おめでとうございます。サフィア様にもお祝いをお伝え願えますか?」
「もちろんだよ。それでね、ロシュフォール嬢にもお礼を言っておいてもらえないかと思って」
「喜んで承りますわ。セシルさんも喜ぶと思います」
「それを伝えたくてね。長居をさせてもらった。サミィ兄様、お邪魔しました」
「気を付けて帰りなさい。王宮に戻る時期は、相談に乗るからね」
「お願いします」
第2王子が帰っていった。
「サミュエル先生は、第2王子殿下に慕われておられるのですね」
「慕うというか、王子教育の教師もやっていたからね。逆らえないだけじゃないかな?言って聞かない時には、容赦なく鞭や拳骨で躾たし」
暴力反対。でもこれが普通だったりするのよね。
「それで、どうしたんだい?」
「ディザスターラメンティを入れて持ち運べる、ドローストリングバッグを作っていただきましたの」
「自分で作ったんじゃなく?」
「私、お裁縫は苦手ですの。ソーイングマシーンは触った事がないですし、手縫いだと縫い目に笑われているような気になるんですもの」
「縫い目に笑われるって面白い表現だね」
「それはどうでも良いのですわ。このドローストリングバッグにディザスターラメンティを入れて持ち歩く場合、結界も張った方が良いですわよね?」
「そうだね。今は入ってないんだよね?」
「はい」
「じゃあ明日。明日にはブレシングフォグをディザスターラメンティに吹き掛けてみよう。キャシーちゃんの側にあれば、そう心配ないと思うんだよね」
「その根拠は?」
「ダニエルだよ。ダニエルはディザスターラメンティを持っていた間の衝動が、キャシーちゃんが持ったら消えたと言っていた。私はね、そういう感覚は本人にしか分からないと思っている。だから言葉にして出した感情表現を信じているんだ。ま、本心を取り繕う人に囲まれていたというのも、言葉にして出した感情表現を信じる一因だけどね」
「そのわりには、先生ご自身は感情を隠されますわよね?」
「大人だからね。特に外交ではいちいち露骨な感情を出していたら、足を掬われる」
「大袈裟なほど感情を出す方も、本心は掴みにくいですけれど?」
「そうだね」
翌朝、起床し朝食をいただいたら、ディザスターラメンティをドローストリングバッグに入れて、結界術を掛けてから、腰のチェーンベルトに付ける。今日の結果次第で、今後の方針が決まる。
少し緊張して学院に行った。
教室では時に何もなかった。いつも通りの授業、いつも通りの友人とのお喋り。チェーンベルトに付けたドローストリングバッグについても聞かれたけど、ガブリエラ様の作品だと答えると、ガブリエラ様にいくつか注文が行っていた。ガブリエラ様ってば、嬉しそうに注文を受けるのよね。材料費と少額の手間賃で引き受けていたけど、そのお金はお針子部に還元するらしい。
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています
かきんとう
恋愛
王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。
磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。
その中心に、私は立っていた。
――今日、この瞬間のために。
「エレノア・フォン・リーベルト嬢」
高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。
真実の愛の裏側
藍田ひびき
恋愛
アレックス・ロートン侯爵令息の第一夫人シェリルが療養のため領地へ居を移した。それは療養とは名ばかりの放逐。
男爵家出身でありながら侯爵令息に見初められ、「真実の愛」と持て囃された彼女の身に何があったのか。その裏に隠された事情とは――?
※ 他サイトにも投稿しています。
結婚式の翌朝、夫に「皇太子の愛人だろう」と捨てられました――ですが私は、亡き国王の娘です
柴田はつみ
恋愛
母の遺した薬草店を守りながら、慎ましく暮らしていたアンリ。
そんな彼女に求婚してきたのは、国内でも名高い騎士にして公爵家当主、アルファだった。
真っすぐな想いを向けられ、彼を信じて結婚したアンリ。
けれど幸せなはずの結婚式の翌朝、夫は冷たく言い放つ。
「君を愛していると本気で思っていたのかい? 」
彼はアンリが第一皇太子と深い仲にあり、自分との結婚は身を隠すための偽装だと誤解していたのだ。
アンリは実は、亡き国王の婚外子。
皇太子にとっては、隠して守らなければならない妹だったのである。
選ばれたのは私ではなかった。ただそれだけ
暖夢 由
恋愛
【5月20日 90話完結】
5歳の時、母が亡くなった。
原因も治療法も不明の病と言われ、発症1年という早さで亡くなった。
そしてまだ5歳の私には母が必要ということで通例に習わず、1年の喪に服すことなく新しい母が連れて来られた。彼女の隣には不思議なことに父によく似た女の子が立っていた。私とあまり変わらないくらいの歳の彼女は私の2つ年上だという。
これからは姉と呼ぶようにと言われた。
そして、私が14歳の時、突然謎の病を発症した。
母と同じ原因も治療法も不明の病。母と同じ症状が出始めた時に、この病は遺伝だったのかもしれないと言われた。それは私が社交界デビューするはずの年だった。
私は社交界デビューすることは叶わず、そのまま治療することになった。
たまに調子がいい日もあるが、社交界に出席する予定の日には決まって体調を崩した。医者は緊張して体調を崩してしまうのだろうといった。
でも最近はグレン様が会いに来ると約束してくれた日にも必ず体調を崩すようになってしまった。それでも以前はグレン様が心配して、私の部屋で1時間ほど話をしてくれていたのに、最近はグレン様を姉が玄関で出迎え、2人で私の部屋に来て、挨拶だけして、2人でお茶をするからと消えていくようになった。
でもそれも私の体調のせい。私が体調さえ崩さなければ……
今では月の半分はベットで過ごさなければいけないほどになってしまった。
でもある日婚約者の裏切りに気づいてしまう。
私は耐えられなかった。
もうすべてに………
病が治る見込みだってないのに。
なんて滑稽なのだろう。
もういや……
誰からも愛されないのも
誰からも必要とされないのも
治らない病の為にずっとベッドで寝ていなければいけないのも。
気付けば私は家の外に出ていた。
元々病で外に出る事がない私には専属侍女などついていない。
特に今日は症状が重たく、朝からずっと吐いていた為、父も義母も私が部屋を出るなど夢にも思っていないのだろう。
私は死ぬ場所を探していたのかもしれない。家よりも少しでも幸せを感じて死にたいと。
これから出会う人がこれまでの生活を変えてくれるとも知らずに。
---------------------------------------------
※架空のお話です。
※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。
※現実世界とは異なりますのでご理解ください。
「仲睦まじい夫婦」であるはずのわたしの夫は、わたしの葬儀で本性をあらわした
ぽんた
恋愛
サヤ・ラドフォード侯爵夫人が死んだ。その葬儀で、マッケイン王国でも「仲睦まじい夫婦」であるはずの彼女の夫が、妻を冒涜した。その聞くに堪えない本音。そんな夫の横には、夫が従妹だというレディが寄り添っている。サヤ・ラドフォードの棺の前で、夫とその従妹はサヤを断罪する。サヤは、ほんとうに彼らがいうような悪女だったのか?
※ハッピーエンド確約。ざまぁあり。ご都合主義のゆるゆる設定はご容赦願います。
【完結】旦那様!単身赴任だけは勘弁して下さい!
たまこ
恋愛
エミリーの大好きな夫、アランは王宮騎士団の副団長。ある日、栄転の為に辺境へ異動することになり、エミリーはてっきり夫婦で引っ越すものだと思い込み、いそいそと荷造りを始める。
だが、アランの部下に「副団長は単身赴任すると言っていた」と聞き、エミリーは呆然としてしまう。アランが大好きで離れたくないエミリーが取った行動とは。
「お前がいると息が詰まる」と追放された令嬢——翌週から公爵家の予定が全て狂った
歩人
ファンタジー
クラリッサは公爵家の日程管理を一手に担う令嬢。前世の社畜経験を活かし、行事計画、来客対応、予算管理まで完璧にこなしていた。
だが婚約者ヴィクトルは言った。「お前がいると息が詰まる。もっと華やかな女がいい」
追放されたクラリッサが去った翌週、公爵家の予定が全て狂い始める。
舞踏会の招待状は届かず、外交晩餐会の料理は手配されず、決算書類は行方不明。
一方クラリッサは、若き領主の元で「定時退社」という夢を叶えていた。
「もう、残業はしません」
【完結】竜人が番と出会ったのに、誰も幸せにならなかった
凛蓮月@騎士の夫〜発売中です
恋愛
【感想をお寄せ頂きありがとうございました(*^^*)】
竜人のスオウと、酒場の看板娘のリーゼは仲睦まじい恋人同士だった。
竜人には一生かけて出会えるか分からないとされる番がいるが、二人は番では無かった。
だがそんな事関係無いくらいに誰から見ても愛し合う二人だったのだ。
──ある日、スオウに番が現れるまでは。
全8話。
※他サイトで同時公開しています。
※カクヨム版より若干加筆修正し、ラストを変更しています。