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学院中等部 9学年生
冬期休暇
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医師資格試験が終わると、学院に戻って反省会だ。一応受験した3人にも手洗いとうがいをしてもらった。
「フェルナーさん、大丈夫?疲れてない?」
「大丈夫ですわ。お気遣いありがとうございます」
一緒に受験したシャーロット・チャイルズ様が気遣ってくれた。
「無理はしちゃ駄目だよ?フェルナー嬢」
「そうだよ。朝から具合が悪そうだったし」
「皆様、気付かれて?」
「これでも一応医師を目指しているんだよ?」
「それにずっと一緒に勉強してたし、やっぱりね」
「反省会は後でも出来るわ。今日はもう休みなさい」
「いいえ。大丈夫ですわ」
「駄目よ。寮まで送るから」
「チャイルズ様、本当に大丈夫ですわ」
「……分かったわ。ただしブランジット先生に報告はさせてもらいますからね?」
「え?」
「え?じゃないよ。婚約者でしょ?その位は知っているんだよ」
「ブランジット先生は何も言わないけどさ。時々心配そうに見てたし」
反省会と称して連れていかれたのは、カフェテリア。各々飲み物を頼むと、1口サイズのミンスパイが付いてきた。
「あの、これは?」
「皆さん、今日は試験だったんでしょう?毎年ね、ここで反省会をするからって、仕込んでおいたんですよ」
カフェテリアのシェフの、暖かい心遣いが嬉しい。
「ありがとうございます」
「いえいえ。お疲れさまでした」
シェフの心遣いにホッとしながら、反省会を進める。
「思い出せる限りの試験問題は書き出したし、これは責任もってシェアラー先生に渡すよ。口述試験はどうだった?」
「何もしゃべってくれなくて、苦労したわ。だから正解出来たとは思えないわね」
「こっちは正反対だよ。延々と続くおしゃべりに付き合わされた。情報の取捨選択が大変だったよ」
「私は、言いたくないね。特にひとり目」
「何があったのよ?」
「……迫られた」
「は?」
「相手はどんな方?」
「若い男」
「「「あぁぁ……」」」
言いたくない気持ちが分かってしまった。
「私はお2人とも協力的でしたわ。最初の方には若すぎると言われてしまいましたが」
「フェルナー嬢を光の聖女様だと気付かなかったのかい?」
「はい。気付いておられて黙っていたのかどうかは、判別出来ませんでした」
「そういえば光魔法は禁止って言われてたっけ」
「2人目の方には、使いたくなりましたけれど」
「2人目はどんな症状?」
「風邪に似た症状と、高熱と、全身の発疹、苺舌と扁桃の肥大です」
「スカーラティーナ……」
「はい。私もそう判断いたしました。正解は教えていただいておりませんので、合っているかどうかは不明ですが」
「正解だと思うよ。しかしスカーラティーナかぁ。あ、それで手洗いとうがい?」
「はい。感染症予防には完璧ではございませんが」
「馭者に何か言っていたのも、それかい?」
「はい」
アルコール消毒薬が真剣に欲しい。次亜塩素酸ナトリウムとか塩化ベンザルコニウムとかでも良い。でも無いのよね。私が知らないだけかもしれないけど。アルコール消毒薬が効かない病原菌もあるし、次亜塩素酸ナトリウムとか塩化ベンザルコニウムも同様だ。フェノリアールはあるけれど、毒性がね。
反省会が終わると、チャイルズ様に強制的に寮に送り届けられた。良いんですけどね。明日にはタウンハウスに帰る予定だし。やる事は荷物の整理位。
筆記試験、難しかったな。空欄は無いように埋めたけれど、合格している自信が無い。口述試験は自信あるんだけど。
荷物の整理をしながら、試験の内容を思い返してみる。 内容は解剖学、生理学、薬理学の3つだけ。特別講座でもその3つしか習っていない。衛生学は入っていてほしかったけれど、チョロッと煮沸消毒についての問題が出されただけだった。なまじっか魔法でカバー出来てしまえる部分があるから、発達しないんじゃないかというのが、私の個人的な感想だ。
今度アルウィンに薬草について教えてもらおうかしら?そういえば、アルウィンは奴隷身分からの解放は決めたのかしら?夏期休暇中にはまだ迷っていたのよね。
翌日、フェルナー家からの迎えの馬車に乗って、タウンハウスに帰った。
「魔術車じゃないのね」
「へっ?魔術車の方がよかったですか?」
「いいえ。馬車でも魔術車でも、どちらでも良いの。ただ、お義母様からのお手紙に、最近は他の貴族家でも魔術車も増えてきているって書いてあったから」
「あぁ、増えていますね。まだ上位貴族位までですが」
「あら、上位貴族だけなの?あぁ、お値段の問題かしら?」
「そうじゃないですか?あたし達には分かりかねますが」
タウンハウスに着いて、恒例のお義母様のハグを受け、着替えの為に自分の部屋に行く。
「おかえりなさいませ、お嬢様」
「ただいま、フラン」
「ランベルト様とアンバー様がお帰りになっておられますよ」
「本当?」
「今頃は訓練場でしょうね」
「訓練場?もしかして兵達を見ているの?」
「はい。それとウェイド先生が、お嬢様がお帰りになられるのを待っておられます」
急いで着替えて、まずはウェイド先生にご挨拶。
「先生、あら?居ない?」
「お嬢様、おかえりなさい。ウェイド先生なら訓練場ですよ」
「アルウィン、ただいま。あ、そのバッジ……」
「正式にフェルナー侯爵家の薬師として、雇っていただきました」
アルウィンの左胸には、フェルナー家お抱えの印であるアーモンドの花のバッジが輝いていた。
「おめでとう。これからもよろしくね」
「はい。こちらこそ」
ウェイド先生を探して訓練場に行く。訓練場ではランベルトお義兄様の大きな声が響いていた。
「おや、お嬢様、お帰りになられたのですかな?おかえりなさいませ」
「ただいま、ウェイド先生」
「医師資格試験はいかがでしたかな?」
「自信はございませんわね。体調不良が重なってしまって。言い訳ですけれど」
「それはお珍しい」
「あら、どっちが?」
「どちらもですな。体調不良も自信の無さも。特に体調面はいつでも大丈夫なようにしておられたではありませんか。食べ物や飲み物にも気を使って」
「みんなの協力があったからよ。ウェイド先生とアルウィンの助言も。そういえば、アルウィンはいつ専属に?」
「10日程前ですな」
「え?」
「旦那様の『もうすぐキャスリーンが帰ってくるが、今のお前を見たら悲しむだろうな』の一言で」
「アルウィンったら」
「それで、体調はもう大丈夫なのですかな?」
「まだ少しだるいわね。無理はしていないから大丈夫よ」
ウェイド先生と一緒に話をしていると、アンバー様が私を見付けたらしい。
「キャスリーン様、おかえりなさいませ。少し窶れたのでは?」
「ただいま帰りましたわ、アンバー様。お義母様から聞きました。アーモンドの花が咲く頃に婚姻されると」
「えぇ。ローレンス様がお帰りになっておられないのにと思ったのですけど」
「お義兄様はなんと?」
「しばらくは迷っておられましたわ。キャスリーン様の事を気にされておられました」
「お義兄様ったら。アンバー様をお待たせしてしまいましたわね。私こそ申し訳ございませんわ」
「そんな事は仰らないで?キャスリーン様もお辛かったでしょうし」
「慶事ですもの。でも今度の春期休暇は忙しいですわ。ミリアディス様のご成婚式もございますし」
「えぇ。その前ですけれど」
「フェルナーさん、大丈夫?疲れてない?」
「大丈夫ですわ。お気遣いありがとうございます」
一緒に受験したシャーロット・チャイルズ様が気遣ってくれた。
「無理はしちゃ駄目だよ?フェルナー嬢」
「そうだよ。朝から具合が悪そうだったし」
「皆様、気付かれて?」
「これでも一応医師を目指しているんだよ?」
「それにずっと一緒に勉強してたし、やっぱりね」
「反省会は後でも出来るわ。今日はもう休みなさい」
「いいえ。大丈夫ですわ」
「駄目よ。寮まで送るから」
「チャイルズ様、本当に大丈夫ですわ」
「……分かったわ。ただしブランジット先生に報告はさせてもらいますからね?」
「え?」
「え?じゃないよ。婚約者でしょ?その位は知っているんだよ」
「ブランジット先生は何も言わないけどさ。時々心配そうに見てたし」
反省会と称して連れていかれたのは、カフェテリア。各々飲み物を頼むと、1口サイズのミンスパイが付いてきた。
「あの、これは?」
「皆さん、今日は試験だったんでしょう?毎年ね、ここで反省会をするからって、仕込んでおいたんですよ」
カフェテリアのシェフの、暖かい心遣いが嬉しい。
「ありがとうございます」
「いえいえ。お疲れさまでした」
シェフの心遣いにホッとしながら、反省会を進める。
「思い出せる限りの試験問題は書き出したし、これは責任もってシェアラー先生に渡すよ。口述試験はどうだった?」
「何もしゃべってくれなくて、苦労したわ。だから正解出来たとは思えないわね」
「こっちは正反対だよ。延々と続くおしゃべりに付き合わされた。情報の取捨選択が大変だったよ」
「私は、言いたくないね。特にひとり目」
「何があったのよ?」
「……迫られた」
「は?」
「相手はどんな方?」
「若い男」
「「「あぁぁ……」」」
言いたくない気持ちが分かってしまった。
「私はお2人とも協力的でしたわ。最初の方には若すぎると言われてしまいましたが」
「フェルナー嬢を光の聖女様だと気付かなかったのかい?」
「はい。気付いておられて黙っていたのかどうかは、判別出来ませんでした」
「そういえば光魔法は禁止って言われてたっけ」
「2人目の方には、使いたくなりましたけれど」
「2人目はどんな症状?」
「風邪に似た症状と、高熱と、全身の発疹、苺舌と扁桃の肥大です」
「スカーラティーナ……」
「はい。私もそう判断いたしました。正解は教えていただいておりませんので、合っているかどうかは不明ですが」
「正解だと思うよ。しかしスカーラティーナかぁ。あ、それで手洗いとうがい?」
「はい。感染症予防には完璧ではございませんが」
「馭者に何か言っていたのも、それかい?」
「はい」
アルコール消毒薬が真剣に欲しい。次亜塩素酸ナトリウムとか塩化ベンザルコニウムとかでも良い。でも無いのよね。私が知らないだけかもしれないけど。アルコール消毒薬が効かない病原菌もあるし、次亜塩素酸ナトリウムとか塩化ベンザルコニウムも同様だ。フェノリアールはあるけれど、毒性がね。
反省会が終わると、チャイルズ様に強制的に寮に送り届けられた。良いんですけどね。明日にはタウンハウスに帰る予定だし。やる事は荷物の整理位。
筆記試験、難しかったな。空欄は無いように埋めたけれど、合格している自信が無い。口述試験は自信あるんだけど。
荷物の整理をしながら、試験の内容を思い返してみる。 内容は解剖学、生理学、薬理学の3つだけ。特別講座でもその3つしか習っていない。衛生学は入っていてほしかったけれど、チョロッと煮沸消毒についての問題が出されただけだった。なまじっか魔法でカバー出来てしまえる部分があるから、発達しないんじゃないかというのが、私の個人的な感想だ。
今度アルウィンに薬草について教えてもらおうかしら?そういえば、アルウィンは奴隷身分からの解放は決めたのかしら?夏期休暇中にはまだ迷っていたのよね。
翌日、フェルナー家からの迎えの馬車に乗って、タウンハウスに帰った。
「魔術車じゃないのね」
「へっ?魔術車の方がよかったですか?」
「いいえ。馬車でも魔術車でも、どちらでも良いの。ただ、お義母様からのお手紙に、最近は他の貴族家でも魔術車も増えてきているって書いてあったから」
「あぁ、増えていますね。まだ上位貴族位までですが」
「あら、上位貴族だけなの?あぁ、お値段の問題かしら?」
「そうじゃないですか?あたし達には分かりかねますが」
タウンハウスに着いて、恒例のお義母様のハグを受け、着替えの為に自分の部屋に行く。
「おかえりなさいませ、お嬢様」
「ただいま、フラン」
「ランベルト様とアンバー様がお帰りになっておられますよ」
「本当?」
「今頃は訓練場でしょうね」
「訓練場?もしかして兵達を見ているの?」
「はい。それとウェイド先生が、お嬢様がお帰りになられるのを待っておられます」
急いで着替えて、まずはウェイド先生にご挨拶。
「先生、あら?居ない?」
「お嬢様、おかえりなさい。ウェイド先生なら訓練場ですよ」
「アルウィン、ただいま。あ、そのバッジ……」
「正式にフェルナー侯爵家の薬師として、雇っていただきました」
アルウィンの左胸には、フェルナー家お抱えの印であるアーモンドの花のバッジが輝いていた。
「おめでとう。これからもよろしくね」
「はい。こちらこそ」
ウェイド先生を探して訓練場に行く。訓練場ではランベルトお義兄様の大きな声が響いていた。
「おや、お嬢様、お帰りになられたのですかな?おかえりなさいませ」
「ただいま、ウェイド先生」
「医師資格試験はいかがでしたかな?」
「自信はございませんわね。体調不良が重なってしまって。言い訳ですけれど」
「それはお珍しい」
「あら、どっちが?」
「どちらもですな。体調不良も自信の無さも。特に体調面はいつでも大丈夫なようにしておられたではありませんか。食べ物や飲み物にも気を使って」
「みんなの協力があったからよ。ウェイド先生とアルウィンの助言も。そういえば、アルウィンはいつ専属に?」
「10日程前ですな」
「え?」
「旦那様の『もうすぐキャスリーンが帰ってくるが、今のお前を見たら悲しむだろうな』の一言で」
「アルウィンったら」
「それで、体調はもう大丈夫なのですかな?」
「まだ少しだるいわね。無理はしていないから大丈夫よ」
ウェイド先生と一緒に話をしていると、アンバー様が私を見付けたらしい。
「キャスリーン様、おかえりなさいませ。少し窶れたのでは?」
「ただいま帰りましたわ、アンバー様。お義母様から聞きました。アーモンドの花が咲く頃に婚姻されると」
「えぇ。ローレンス様がお帰りになっておられないのにと思ったのですけど」
「お義兄様はなんと?」
「しばらくは迷っておられましたわ。キャスリーン様の事を気にされておられました」
「お義兄様ったら。アンバー様をお待たせしてしまいましたわね。私こそ申し訳ございませんわ」
「そんな事は仰らないで?キャスリーン様もお辛かったでしょうし」
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