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学院中等部 9学年生
差し入れ
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お泊まり会の最終日、ラッセル様とエドガーさんは、伝心機の販売促進の為に王城に向かった。私とセシルさんとリーサさんは教会に向かう。ララさんへの差し入れと、救児院や窮民院への差し入れや寄進も兼ねている。
聞けばセシルさんは、度々こうした寄進をしているらしい。リーサさんも毎週末、教会に行っているんだって。
前世からの習慣だったらしい。
「別に敬虔な信者って訳じゃなかったけど、小さい頃からの習慣ね」
「私も同じ。あ、思い出したらレチェフランが食べたくなってきたわ」
「レチェフラン?」
「濃厚で甘いプリンとでも言えば良いのかしら?コンデンスミルクを使うの」
「コンデンスミルクですか?かなり甘いんじゃ?」
「その甘さが良いのよ」
「ミルクジャムで代用しようかしら?それともコンデンスミルクを作っちゃう?」
「ミルクジャムとコンデンスミルクって違うのですか?イメージ的に同じ気がいたします」
というか、コンデンスミルクって作れるの?
「似ているけど違うのよ。ミルクジャムは牛乳と砂糖をじっくり煮詰めて作るの。コンデンスミルクは牛乳を濃縮させて、砂糖を加えた物よ」
「砂糖をいつ加えるか、という違いでしょうか?」
「そうね。そう思っておけば大きな間違いではないわ」
細かい所では違うんだろうな。セシルさんはドルチアーリアだったっていうし、そういう事に詳しいと思う。
救民院に着いた。セシルさんとリーサさんが救民院に向かうのを見送って、私はミリアディス様の元に向かう。
「キャスリーン様、来てくださいましたのね」
「ミリアディス様、お久しぶりでございます」
「ごめんなさいね、散らかってて」
「お手伝いいたしましょうか?」
「……お願い出来る?」
「はい。この書類、分けておきますわね」
ミリアディス様の机に積み上げられていた書類を、重要度、緊急度別に分けていく。重要な急ぎの書類、重要でも急がない書類、重要じゃないけど急がないといけない書類、重要でも急ぎでもない書類に分けていくと、意外というべきか、重要でも急ぎでもない書類が1番多い。
「先に重要な急ぎの書類を、片付けないといけないわね」
「そうですわね。でもこれって……」
「あら、キャスリーン様の幸福の乙女に関する書類ね」
「なんですの?この『キャスリーン・フェルナーによる光の祝福』って。聞いておりませんでしてよ?」
「私も聞いてませんわ。誰か……逃げましたわね?」
「お逃げになりましたわねぇ」
さっきまで居たミリアディス様付きの侍女が、いつの間にか居なくなっていた。
「光の祝福って、何をするのでしょう?」
「自由に考えていただいて、と書いてありますわよ?」
「というか、これって確かに急ぎですけれど、重要度は高いのでしょうか?」
「彼女にとっては重要なのではないかしら?」
光の祝福ねぇ。どうしようかしら?
「ミリアディス様、フェルナー様、お茶にいたしませんか?」
2人で書類を半分程捌いた時、逃げちゃってた侍女が、セシルさんとリーサさんが、差し入れに持っていったエッグタルトとフォーチュンクッキーを、幾つか持って現れた。
「クロエ、どこに行っていたの?キャスリーン様を放っぽって」
「お茶菓子を頂いてまいりました」
お菓子が積まれたトレイを、ニコニコ顔で差し出すクロエさん。
「そのお茶菓子は、セシルさんとリーサさんの持っていた物ですわね。美味しいですわよ」
「お召し上がりになられましたの?」
「違うお菓子はいただきました。友人ですし、先程まで一緒でしたから」
「そうなのですね。キャスリーン様、一緒にお茶にいたしましょう?」
「書類をある程度片付けてからですわね」
「頑張ってしまいましょう」
「急に張り切られましたわね」
さっきまでちょっとグチグチ言いながらだったのに。
スピードアップして書類を捌き終わって、ミリアディス様とお茶を楽しむ。ミリアディス様判断でなくても良い書類は、可否を私が判断してそれぞれの箱に振り分けた。
「こうして見ると、年越しの祝い関連の書類が多いわね」
「次いでエドワード様とミリアディス様のご成婚関連ですわね」
「キャスリーン様に関する陳情書もございましたわねぇ。光の聖女様に任命されるのは喜ばしいけれど、『ずっとスタヴィリス国に居られるようにしてください』って、私にどうせよというのでしょう?」
「エドワード様の方にも、同様の書類が届けられているそうですわ。リチャード様が仰っておられましたけれど」
「そうなの?エドワード様ったら、何も仰ってくれないんだもの」
「ミリアディス様、私の事で申し訳ございません」
「キャスリーン様はお気に病まなくとも良いのですよ?キャスリーン様に責任などございませんもの」
お茶の時間が終わりかけた頃、ミリアディス様の部屋のドアが、激しくノックされた。
「ハイレント様、申し訳ありません。失礼いたします。ハイレント様」
「いったい何事ですの?騒々しい」
クロエさんが怒りを込めた声で対応する。
「申し訳ありません。こちらにフェルナー様はいらっしゃいますでしょうか」
「フェルナー様ならいらっしゃいますけれど」
「エドワード様が至急お越しいただきたいと」
「エドワード様が?キャスリーン様、私もまいりますわ」
「はい。お呼び出しの内容はどういった事でしょう?」
「それは見当も付きませんけれど」
ミリアディス様と一緒に、エドワード様の執務室に向かう。
「エドワード様、ミリアディスですわ。キャスリーン様をお連れいたしました」
「入ってください」
中からエドワード様とは違う男性の声がした。ミリアディス様と顔を見合わせる。
「ミリィ、入ってかまわない。というか、入ってくれ」
エドワード様の声がした。ミリアディス様、ミリィって呼ばれてるのね。
ドアを開けると、中にはエドワード様とエドワード様位の年齢の男女と、ガッシリとした体格の見るからに護衛だと分かる男女が居た。
「こちらはアルベール殿とテレーズ殿。それから護衛の方々だ。アサールイ大陸のアサナド公国の方だ。アルベール殿、テレーズ殿。彼女が私の婚約者、ミリアディス・ハイレント。こちらの女性がキャスリーン・フェルナー嬢です」
「アルベール・エルフェと申します。こちらは妻のテレーズ。よろしくお見知りおきを」
「ミリアディス・ハイレントと申します」
「キャスリーン・フェルナーでございます」
「フェルナー嬢、ローレンスが見つかったかもしれない」
「えっ?本当ですか?」
「今頃王城にも話が行っていると思う。ただし、確実じゃない」
「どういう事でしょう?」
「アルベール殿、テレーズ殿。話していただけますか?」
「こちらの女性に、で良いんですね?アサナド公国はアウレリア国の隣にある小さな公国なのですが、ご存じですか?」
「不勉強で申し訳ございません。アウレリア国のお隣ですか?」
「アウレリアは知ってらっしゃる?」
「友人にアウレリア出身の方がいらっしゃいます」
「ほぅ。それならウェリムラ砂漠の事は?」
「国家承認されていない、自称国家が、多いと、聞いて、おります」
ウェリムラ砂漠と聞いて、ドキリと心臓が跳ねた。ローレンス様が居ると思われる場所だ。ドク、ドクと心拍が速くなる。緊張で指先が冷たくなっていく。
「キャスリーン様?大丈夫ですか?」
見かねたらしいミリアディス様が、声をかけてくれた。
「申し訳ございません。救民院に友人がいるので、呼んでもよろしいでしょうか?」
「え?あ、うん。呼ばせようか?」
「ララさんと一緒に居ると思います」
「分かった」
エドワード様が侍従かな?男性に言い付けた。セシルさんが来るまでに落ち着かないと。意識的に深呼吸を行う。大丈夫。大丈夫。
「キャスリーンちゃん、どうしたの?ちょっと、大丈夫?」
セシルさんとリーサさんが来てくれた。
聞けばセシルさんは、度々こうした寄進をしているらしい。リーサさんも毎週末、教会に行っているんだって。
前世からの習慣だったらしい。
「別に敬虔な信者って訳じゃなかったけど、小さい頃からの習慣ね」
「私も同じ。あ、思い出したらレチェフランが食べたくなってきたわ」
「レチェフラン?」
「濃厚で甘いプリンとでも言えば良いのかしら?コンデンスミルクを使うの」
「コンデンスミルクですか?かなり甘いんじゃ?」
「その甘さが良いのよ」
「ミルクジャムで代用しようかしら?それともコンデンスミルクを作っちゃう?」
「ミルクジャムとコンデンスミルクって違うのですか?イメージ的に同じ気がいたします」
というか、コンデンスミルクって作れるの?
「似ているけど違うのよ。ミルクジャムは牛乳と砂糖をじっくり煮詰めて作るの。コンデンスミルクは牛乳を濃縮させて、砂糖を加えた物よ」
「砂糖をいつ加えるか、という違いでしょうか?」
「そうね。そう思っておけば大きな間違いではないわ」
細かい所では違うんだろうな。セシルさんはドルチアーリアだったっていうし、そういう事に詳しいと思う。
救民院に着いた。セシルさんとリーサさんが救民院に向かうのを見送って、私はミリアディス様の元に向かう。
「キャスリーン様、来てくださいましたのね」
「ミリアディス様、お久しぶりでございます」
「ごめんなさいね、散らかってて」
「お手伝いいたしましょうか?」
「……お願い出来る?」
「はい。この書類、分けておきますわね」
ミリアディス様の机に積み上げられていた書類を、重要度、緊急度別に分けていく。重要な急ぎの書類、重要でも急がない書類、重要じゃないけど急がないといけない書類、重要でも急ぎでもない書類に分けていくと、意外というべきか、重要でも急ぎでもない書類が1番多い。
「先に重要な急ぎの書類を、片付けないといけないわね」
「そうですわね。でもこれって……」
「あら、キャスリーン様の幸福の乙女に関する書類ね」
「なんですの?この『キャスリーン・フェルナーによる光の祝福』って。聞いておりませんでしてよ?」
「私も聞いてませんわ。誰か……逃げましたわね?」
「お逃げになりましたわねぇ」
さっきまで居たミリアディス様付きの侍女が、いつの間にか居なくなっていた。
「光の祝福って、何をするのでしょう?」
「自由に考えていただいて、と書いてありますわよ?」
「というか、これって確かに急ぎですけれど、重要度は高いのでしょうか?」
「彼女にとっては重要なのではないかしら?」
光の祝福ねぇ。どうしようかしら?
「ミリアディス様、フェルナー様、お茶にいたしませんか?」
2人で書類を半分程捌いた時、逃げちゃってた侍女が、セシルさんとリーサさんが、差し入れに持っていったエッグタルトとフォーチュンクッキーを、幾つか持って現れた。
「クロエ、どこに行っていたの?キャスリーン様を放っぽって」
「お茶菓子を頂いてまいりました」
お菓子が積まれたトレイを、ニコニコ顔で差し出すクロエさん。
「そのお茶菓子は、セシルさんとリーサさんの持っていた物ですわね。美味しいですわよ」
「お召し上がりになられましたの?」
「違うお菓子はいただきました。友人ですし、先程まで一緒でしたから」
「そうなのですね。キャスリーン様、一緒にお茶にいたしましょう?」
「書類をある程度片付けてからですわね」
「頑張ってしまいましょう」
「急に張り切られましたわね」
さっきまでちょっとグチグチ言いながらだったのに。
スピードアップして書類を捌き終わって、ミリアディス様とお茶を楽しむ。ミリアディス様判断でなくても良い書類は、可否を私が判断してそれぞれの箱に振り分けた。
「こうして見ると、年越しの祝い関連の書類が多いわね」
「次いでエドワード様とミリアディス様のご成婚関連ですわね」
「キャスリーン様に関する陳情書もございましたわねぇ。光の聖女様に任命されるのは喜ばしいけれど、『ずっとスタヴィリス国に居られるようにしてください』って、私にどうせよというのでしょう?」
「エドワード様の方にも、同様の書類が届けられているそうですわ。リチャード様が仰っておられましたけれど」
「そうなの?エドワード様ったら、何も仰ってくれないんだもの」
「ミリアディス様、私の事で申し訳ございません」
「キャスリーン様はお気に病まなくとも良いのですよ?キャスリーン様に責任などございませんもの」
お茶の時間が終わりかけた頃、ミリアディス様の部屋のドアが、激しくノックされた。
「ハイレント様、申し訳ありません。失礼いたします。ハイレント様」
「いったい何事ですの?騒々しい」
クロエさんが怒りを込めた声で対応する。
「申し訳ありません。こちらにフェルナー様はいらっしゃいますでしょうか」
「フェルナー様ならいらっしゃいますけれど」
「エドワード様が至急お越しいただきたいと」
「エドワード様が?キャスリーン様、私もまいりますわ」
「はい。お呼び出しの内容はどういった事でしょう?」
「それは見当も付きませんけれど」
ミリアディス様と一緒に、エドワード様の執務室に向かう。
「エドワード様、ミリアディスですわ。キャスリーン様をお連れいたしました」
「入ってください」
中からエドワード様とは違う男性の声がした。ミリアディス様と顔を見合わせる。
「ミリィ、入ってかまわない。というか、入ってくれ」
エドワード様の声がした。ミリアディス様、ミリィって呼ばれてるのね。
ドアを開けると、中にはエドワード様とエドワード様位の年齢の男女と、ガッシリとした体格の見るからに護衛だと分かる男女が居た。
「こちらはアルベール殿とテレーズ殿。それから護衛の方々だ。アサールイ大陸のアサナド公国の方だ。アルベール殿、テレーズ殿。彼女が私の婚約者、ミリアディス・ハイレント。こちらの女性がキャスリーン・フェルナー嬢です」
「アルベール・エルフェと申します。こちらは妻のテレーズ。よろしくお見知りおきを」
「ミリアディス・ハイレントと申します」
「キャスリーン・フェルナーでございます」
「フェルナー嬢、ローレンスが見つかったかもしれない」
「えっ?本当ですか?」
「今頃王城にも話が行っていると思う。ただし、確実じゃない」
「どういう事でしょう?」
「アルベール殿、テレーズ殿。話していただけますか?」
「こちらの女性に、で良いんですね?アサナド公国はアウレリア国の隣にある小さな公国なのですが、ご存じですか?」
「不勉強で申し訳ございません。アウレリア国のお隣ですか?」
「アウレリアは知ってらっしゃる?」
「友人にアウレリア出身の方がいらっしゃいます」
「ほぅ。それならウェリムラ砂漠の事は?」
「国家承認されていない、自称国家が、多いと、聞いて、おります」
ウェリムラ砂漠と聞いて、ドキリと心臓が跳ねた。ローレンス様が居ると思われる場所だ。ドク、ドクと心拍が速くなる。緊張で指先が冷たくなっていく。
「キャスリーン様?大丈夫ですか?」
見かねたらしいミリアディス様が、声をかけてくれた。
「申し訳ございません。救民院に友人がいるので、呼んでもよろしいでしょうか?」
「え?あ、うん。呼ばせようか?」
「ララさんと一緒に居ると思います」
「分かった」
エドワード様が侍従かな?男性に言い付けた。セシルさんが来るまでに落ち着かないと。意識的に深呼吸を行う。大丈夫。大丈夫。
「キャスリーンちゃん、どうしたの?ちょっと、大丈夫?」
セシルさんとリーサさんが来てくれた。
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