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本編
07 告白
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「ずっと、好きで……! いつだって、本気で好きだって、恋人にしてって言ってたのに! なのに、全然本気で応えようとしてくれなかったのは先輩の方じゃない!」
「まて。は? 好き? お前が?」
「ずっと、言ってたでしょ。周りは皆知ってます。本気にしてなかったの、先輩だけ」
唇が触れそうな距離まで顔を近づけると、水瀬の髪がさらりと頬を擽った。
突然の告白に、黒戸の頭は追いついていかない。
確かに普段から距離が近いような気がしていたけれど、そういうものかとスルーしていたのは黒戸だ。事あるごとに好きだの付き合ってだのと言われていたが、皆の前での軽口だと思い、適当にあしらっていた。
入社当初、それなりにモテていた時期もあったが、恋人ができてからは当然女性からのアプローチなんて無くなったし、別れてフリーになってから今までの数年間も、それは相変わらずだった。
女ウケは悪くないと思っていただけにショックはでかかったが、課内はイケメンだらけだったし、黒戸の男としての順位はその程度なのだと納得した。色恋話は向いていないのだと気が付いて、時間やら何やらを仕事に全振りし、今に至る。
つまるところ、誰が見てもいい女の水瀬が、黒戸を本気で狙っていたとは思わなかったわけである。
「ちょっと待って整理させて」
「もういいでしょここまできたら。身体からでも、何も無いよりはマシだし」
「いや、マシとかじゃなくて」
もう一度秘部を擦り合わせると、淫らな水音が部屋に響く。
水瀬は一度起き上がり、自らに黒戸を受け入れようと、その先端を蜜口にあてがった。
「まてまてまてまて! ほら、一回話し合おう。俺も今水瀬からの告……白? 聞いてテンパってるからさ、ちょっと落ち着いて」
「は? 私は落ち着いてますけど?」
そう言う水瀬は笑っているけれど、目は据わっていて、黒戸に対する怒りが安易に見て取れる。
そんな中、こんななし崩しに関係を持っていいわけがないと引き留めようとする理性の黒戸と、もういいって言ってんじゃん食っちまえよとゴーサインを出す本能の黒戸とが、頭の中で名勝負を繰り広げている。
「~~~~! わかった、なら付き合おう! そんな、本気で好いてくれてるなんて思ってなかったから……こんな事させて悪かった。だから、一旦これ外して」
一応理性が勝利した形ではあるが、咄嗟に水瀬を止めようと発した言葉が意味不明である。
「本気で言ってます? どうせ後でやっぱナシとか言うんでしょ?」
「言うか! だからほら、とりあえずこれを外して服を」
「…………なら、今から恋人同士って事ですか? 私、先輩の彼女……?」
「っ、そうだ」
こんな情けない状態の告白があるかと思いながら頷くと、水瀬の顔がぱぁっと輝いた。あまりに嬉しそうなその表情に、黒戸のモノに一気に熱が集中したのは秘密である。
「だから、もうこんなことする必要ないだろ? 早く退いて腕を」
「嬉しい……! 先輩、恋人なら何も気にすることないですよね? 先輩の全部、私にちょうだい」
「まっ……!!!」
黒戸の制止は聞き流し、水瀬はそのまま、勢いよく腰を沈めた。
「んんっ! は、ぁ……、はいっ、ちゃった……!」
「っ、うそだろ……」
呆然と見上げる黒戸をよそに、水瀬は身体を震わせた。ずっと求めていた男を受け入れられた喜びに、彼の形を覚えるようにと締め付ける。
「先輩のっ、さっきよりも、かたぁい……! んっ……すご、くて……」
「は……水瀬、いい加減これ外せ」
カチャっと音を鳴らして、腕を示した。
それを見て水瀬はぴたりと動きを止め、不安げに瞳を揺らす。
「それ……取ったら、やめたりしない?」
「しねぇよ。このままじゃ、抱きしめられないだろ」
「!!!! せんぱい……♡♡♡」
ふいっと顔を背け、小さな声でそんな甘い言葉を呟くから、水瀬は堪らずに黒戸の分厚い胸板に顔を埋めた。
「まて。は? 好き? お前が?」
「ずっと、言ってたでしょ。周りは皆知ってます。本気にしてなかったの、先輩だけ」
唇が触れそうな距離まで顔を近づけると、水瀬の髪がさらりと頬を擽った。
突然の告白に、黒戸の頭は追いついていかない。
確かに普段から距離が近いような気がしていたけれど、そういうものかとスルーしていたのは黒戸だ。事あるごとに好きだの付き合ってだのと言われていたが、皆の前での軽口だと思い、適当にあしらっていた。
入社当初、それなりにモテていた時期もあったが、恋人ができてからは当然女性からのアプローチなんて無くなったし、別れてフリーになってから今までの数年間も、それは相変わらずだった。
女ウケは悪くないと思っていただけにショックはでかかったが、課内はイケメンだらけだったし、黒戸の男としての順位はその程度なのだと納得した。色恋話は向いていないのだと気が付いて、時間やら何やらを仕事に全振りし、今に至る。
つまるところ、誰が見てもいい女の水瀬が、黒戸を本気で狙っていたとは思わなかったわけである。
「ちょっと待って整理させて」
「もういいでしょここまできたら。身体からでも、何も無いよりはマシだし」
「いや、マシとかじゃなくて」
もう一度秘部を擦り合わせると、淫らな水音が部屋に響く。
水瀬は一度起き上がり、自らに黒戸を受け入れようと、その先端を蜜口にあてがった。
「まてまてまてまて! ほら、一回話し合おう。俺も今水瀬からの告……白? 聞いてテンパってるからさ、ちょっと落ち着いて」
「は? 私は落ち着いてますけど?」
そう言う水瀬は笑っているけれど、目は据わっていて、黒戸に対する怒りが安易に見て取れる。
そんな中、こんななし崩しに関係を持っていいわけがないと引き留めようとする理性の黒戸と、もういいって言ってんじゃん食っちまえよとゴーサインを出す本能の黒戸とが、頭の中で名勝負を繰り広げている。
「~~~~! わかった、なら付き合おう! そんな、本気で好いてくれてるなんて思ってなかったから……こんな事させて悪かった。だから、一旦これ外して」
一応理性が勝利した形ではあるが、咄嗟に水瀬を止めようと発した言葉が意味不明である。
「本気で言ってます? どうせ後でやっぱナシとか言うんでしょ?」
「言うか! だからほら、とりあえずこれを外して服を」
「…………なら、今から恋人同士って事ですか? 私、先輩の彼女……?」
「っ、そうだ」
こんな情けない状態の告白があるかと思いながら頷くと、水瀬の顔がぱぁっと輝いた。あまりに嬉しそうなその表情に、黒戸のモノに一気に熱が集中したのは秘密である。
「だから、もうこんなことする必要ないだろ? 早く退いて腕を」
「嬉しい……! 先輩、恋人なら何も気にすることないですよね? 先輩の全部、私にちょうだい」
「まっ……!!!」
黒戸の制止は聞き流し、水瀬はそのまま、勢いよく腰を沈めた。
「んんっ! は、ぁ……、はいっ、ちゃった……!」
「っ、うそだろ……」
呆然と見上げる黒戸をよそに、水瀬は身体を震わせた。ずっと求めていた男を受け入れられた喜びに、彼の形を覚えるようにと締め付ける。
「先輩のっ、さっきよりも、かたぁい……! んっ……すご、くて……」
「は……水瀬、いい加減これ外せ」
カチャっと音を鳴らして、腕を示した。
それを見て水瀬はぴたりと動きを止め、不安げに瞳を揺らす。
「それ……取ったら、やめたりしない?」
「しねぇよ。このままじゃ、抱きしめられないだろ」
「!!!! せんぱい……♡♡♡」
ふいっと顔を背け、小さな声でそんな甘い言葉を呟くから、水瀬は堪らずに黒戸の分厚い胸板に顔を埋めた。
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