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創設者 ーアイ様ー
第24話 立場と思い
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「コウヨウ!? そ、そそそ、その顔って!?」
「他の世話係と模擬戦をやっていた結果だ」
「も、模擬戦? なんで?」
「死者と戦うためには、日々の鍛錬も大事だからな」
やっぱり聞かれたかと思いつつ、コウヨウは予め他の世話係と口合わせをしていた内容を淡々と話す。
世話係であるコウヨウは、軽い怪我なら一日もかからず治せる。
だが、目まで潰れるほどの傷はさすがに時間がかかる。
目元は新しい白い布で隠している為、目が潰れている事には気づいていない。
額も、前髪と白い布により気づかれないだろう。
気づかれてしまったのは、治しきれなかった口元だ。
中を最初に治し話せるようにしたが、外傷までは治せなかった。
大きく口を開けば唇は切れ、また血が出る状態。
今は、止血のため小さなガーゼを張っている。
「…………でも、なんで顔、だけ?」
「体の方にもあるぞ。ただ、服で隠れているだけだ」
「痛いでしょ!!」
「問題ない。それより、話を変えてもいいか?」
早く違う話に移行したい気持ちもあるが、コウヨウには自分の怪我より、言わなければならないことがあった。
まだ聞きたいことが沢山ある愛実だったが、コウヨウが少し強い口調で話題を変えようとしている為、聞くに聞けなくなってしまった。
「昨日、創設者であるアイ様に会ったらしいな」
言うと、愛実の顔から血の気が引いていく。
名前を聞いただけで、昨日の出来事が頭の中に蘇り、体を震わせた。
見た目は、ただの少年。
だが、愛実が最後に見たのは、ブラックホールが張り付いたような顔を浮かべた異様な人物だった。
その前にも、何を考えているのかわからない笑み。何を考えての言葉だったのかわからない質問。
何と答えればいいのかわからず、素直に答えると怒ってしまった少年、アイ。
思い出したくない程の恐怖を味わい、愛実の心に深いトラウマを植え付けた。
震える愛実の頭に、温もりが乗っかる。
バッと顔を上げると、無表情のコウヨウが頭を撫でていた。
それだけで気持ちが少しだけ落ち着き、荒くなっていた息が少しずつ落ち着いた。
「いきなり話題を出して悪かった。だが、確認したい事があるんだ。ゆっくりで構わない、話を聞いてはくれないか」
遠慮気味に聞くコウヨウに、愛実は不安な表情を浮かべたが小さくうなずいた。
コウヨウは、ふぅと息を吐き「隣、いいか?」と、問いかける。
顔を上げず頷いた愛実を確認し、静かにベッドに座った。
「――――落ち着いてからでいい」
「ごめん」
落ち着き始めたとはいえ、まだ怖がっている愛実に、まだ昨日の話をするのは気の毒だと感じたコウヨウは、背中を撫で落ち着くのを待った。
数分、部屋の中には二人の息使いだけが聞こえていた。
温もりと優しさが背中から伝わり、愛実は顔を上げコウヨウを見た。
「もう大丈夫。ありがとう」
「本当か? 無理しなくてもいい」
「ううん。大丈夫だよ、話して」
無理に笑っているのはわかる。けれど、本人が大丈夫だと言っているため、コウヨウは言葉を選びながら昨日の話をし始めた。
「昨日、アイ様と何を話したのかは少しだけ聞いている、大変だったな」
「い、いえ。私、言葉を間違えたみたいで……」
でも、後悔はしていなかった。
愛実は、あのアイからの質問は頷けない。
今も、また同じ質問をされてしまえば、頷けないとわかる。
「…………そうか。なぜ、昨日の質問に頷かなかった?」
アイからの質問は、単純。
自分が作ったコウセンは素敵でしょ? という、同意を求めるもの。
その場凌ぎでも「うん」と頷けば、ここまで恐怖を植え付けられはしなかった。
考えられなかったとしても、アイが纏う空気は普通ではない。従わなければ自分がどのような扱いを受けるかなど想像は出来る。
それにも関わらず愛実は、素敵ではないと答えた。
その理由を、コウヨウは知りたかった。
問いかけるが、愛実はすぐに答えない。
なにか、言いにくい理由でもあるのだろうかと思い始めた時、やっと愛実は話し出した。
「だって、確かに私達”主”という立場からしたら、コウセンは素敵な場所かもしれない。慣れるまでは大変だし、死者の話を聞くと怖いけど。身の回りの世話をしてくれる人がいる。好きな事をずっとできる、お願いも出来る。死者についても、部屋の中にいれば危険はない。そう考えると、素敵かもしれない」
コウヨウは、相槌も打たずに真剣に聞く。
「でも、それは私達主の立場からしたらでしょ? コウヨウみたいな世話係の人達にとって、ここは生き地獄だと思ったの」
少しだけ上げられた愛実の顔は、悲しげな表情を浮かべていた。
茶色の瞳は揺れており、コウヨウを見る。
そんなことまで考えていたのかとコウヨウは驚き、白い布で隠れている左右非対称の目を開いた。
何も言わないコウヨウに愛実は再度、問いかけた。
「ねぇ、コウヨウ。貴方達は、コウセンが素敵な場所だと、心から言えるの?」
顔を覗き込まれ、不安そうに見上げられる。
澄んだ茶色の瞳は、困惑しているコウヨウを映し出した。
「――――ごめん。答えるの、無理だよね」
問いかけてから、愛実は後悔した。
今の質問に答えられるわけがない。
今、どこでアイが見ているのかわからない。
愛実は、アイの異常な空気は感じ取っており、何をしでかすのか予想が出来ないのもわかっていた。
愛実が素敵ではないと言っただけで、あそこまで怒ったアイだ。
いつから共に居たのかはわからないが、愛実より共に過ごしたコウヨウの言葉から拒絶の言葉が放たれ、今の会話を聞かれていたら――……
愛実の頭の中に、ブラックホールが張り付いた少年の顔が浮かび上がる。
ビクンッと肩が震え、恐怖が蘇った。
コウヨウはまた、愛実の背中を撫でた。
それでも恐怖が愛実を包み込み、徐々に震えは大きくなる。
コウヨウは無表情のまま背中から手を離す。
その手で、震える愛実を抱き寄せた。
「――――っ!」
震える愛実の身体を、コウヨウが優しく包み込む。
両腕で愛実の身体を抱きしめた。
「ありがとう、愛実。俺達世話係について、そこまで考えてくれて。やっぱり、お前は優しいな」
耳元で囁かれるコウヨウの言葉に、愛実は目尻が熱くなる。
今辛いのはコウヨウなのに。今、慰めてほしいのはコウヨウなのに。
そう思うのに、愛実の目から透明な雫が零れ、止まらない。
コウヨウの温もりに縋ってしまう。あの、冷たい恐怖から逃げるように求めてしまう。
愛実もコウヨウの背中に手を回し、肩に顔を埋めた。
「ごめんね、ごめんね…………」
「謝るな。お前は悪くない」
取り乱している愛実は、謝るなと言われても謝罪を何度も繰り返す。
コウヨウの方が辛いのにと。自分が泣いてはいけないのにと。
何度も、何度も謝罪を繰り返す。
コウヨウは何も言わず、ただただ受け止めていた。
愛実の謝罪を、気持ちを、すべて。
「大丈夫、大丈夫だ」
愛実にここまで追い込ませてしまった自分に苛立ちつつも、コウヨウは何度でも繰り返した。
「大丈夫」と、何度も伝えた。
すると、体力がなくなった愛実は、コウヨウの腕の中で寝息を立て、眠ってしまった。
「…………」
目元は泣いてしまったため、赤く腫れている。
泣きながら寝てしまったからなのか、表情は少し辛そう。
横抱きにし、顔を覗き込む。
辛そうに眠る愛実を見て、コウヨウの胸がチクリと痛む。
どうすればよかったのか、なんと言えばよかったのか。
本題の出し方を間違えたのか。そもそも、この話をしなければ良かったのか。
だが、今以上にアイを怒らせてしまえば、今度こそコウヨウは殺されてしまう。
殺されること事態は構わないと、コウヨウは思っている。だが、今、殺される訳にはいかない。
現段階でコウヨウが殺されてしまえば、愛実がどうなるかわからない。
アネモネやコウショウを疑っているわけではないが、コウヨウの目的は完全に果たせなくなる。
そう考えると、大きな動きを見せられないのと、アイに出来るだけ従わなければならない。
「もう少しだから……」
コウヨウは、歯を強く噛みしめ顔を歪ませる。
潰れた瞳を微かに開けると、白目はまだ赤く充血しているが、治ってきていた。
赤と青白磁色の瞳が微かに揺れる。
今にも泣き出してしまいそうな表情を浮かべ、コウヨウは眠っている愛実の頭を撫でた。
そのままベッドにおろし、布団をかける。
最後に、愛実の額に軽いキスを落とし、部屋を出た。
「他の世話係と模擬戦をやっていた結果だ」
「も、模擬戦? なんで?」
「死者と戦うためには、日々の鍛錬も大事だからな」
やっぱり聞かれたかと思いつつ、コウヨウは予め他の世話係と口合わせをしていた内容を淡々と話す。
世話係であるコウヨウは、軽い怪我なら一日もかからず治せる。
だが、目まで潰れるほどの傷はさすがに時間がかかる。
目元は新しい白い布で隠している為、目が潰れている事には気づいていない。
額も、前髪と白い布により気づかれないだろう。
気づかれてしまったのは、治しきれなかった口元だ。
中を最初に治し話せるようにしたが、外傷までは治せなかった。
大きく口を開けば唇は切れ、また血が出る状態。
今は、止血のため小さなガーゼを張っている。
「…………でも、なんで顔、だけ?」
「体の方にもあるぞ。ただ、服で隠れているだけだ」
「痛いでしょ!!」
「問題ない。それより、話を変えてもいいか?」
早く違う話に移行したい気持ちもあるが、コウヨウには自分の怪我より、言わなければならないことがあった。
まだ聞きたいことが沢山ある愛実だったが、コウヨウが少し強い口調で話題を変えようとしている為、聞くに聞けなくなってしまった。
「昨日、創設者であるアイ様に会ったらしいな」
言うと、愛実の顔から血の気が引いていく。
名前を聞いただけで、昨日の出来事が頭の中に蘇り、体を震わせた。
見た目は、ただの少年。
だが、愛実が最後に見たのは、ブラックホールが張り付いたような顔を浮かべた異様な人物だった。
その前にも、何を考えているのかわからない笑み。何を考えての言葉だったのかわからない質問。
何と答えればいいのかわからず、素直に答えると怒ってしまった少年、アイ。
思い出したくない程の恐怖を味わい、愛実の心に深いトラウマを植え付けた。
震える愛実の頭に、温もりが乗っかる。
バッと顔を上げると、無表情のコウヨウが頭を撫でていた。
それだけで気持ちが少しだけ落ち着き、荒くなっていた息が少しずつ落ち着いた。
「いきなり話題を出して悪かった。だが、確認したい事があるんだ。ゆっくりで構わない、話を聞いてはくれないか」
遠慮気味に聞くコウヨウに、愛実は不安な表情を浮かべたが小さくうなずいた。
コウヨウは、ふぅと息を吐き「隣、いいか?」と、問いかける。
顔を上げず頷いた愛実を確認し、静かにベッドに座った。
「――――落ち着いてからでいい」
「ごめん」
落ち着き始めたとはいえ、まだ怖がっている愛実に、まだ昨日の話をするのは気の毒だと感じたコウヨウは、背中を撫で落ち着くのを待った。
数分、部屋の中には二人の息使いだけが聞こえていた。
温もりと優しさが背中から伝わり、愛実は顔を上げコウヨウを見た。
「もう大丈夫。ありがとう」
「本当か? 無理しなくてもいい」
「ううん。大丈夫だよ、話して」
無理に笑っているのはわかる。けれど、本人が大丈夫だと言っているため、コウヨウは言葉を選びながら昨日の話をし始めた。
「昨日、アイ様と何を話したのかは少しだけ聞いている、大変だったな」
「い、いえ。私、言葉を間違えたみたいで……」
でも、後悔はしていなかった。
愛実は、あのアイからの質問は頷けない。
今も、また同じ質問をされてしまえば、頷けないとわかる。
「…………そうか。なぜ、昨日の質問に頷かなかった?」
アイからの質問は、単純。
自分が作ったコウセンは素敵でしょ? という、同意を求めるもの。
その場凌ぎでも「うん」と頷けば、ここまで恐怖を植え付けられはしなかった。
考えられなかったとしても、アイが纏う空気は普通ではない。従わなければ自分がどのような扱いを受けるかなど想像は出来る。
それにも関わらず愛実は、素敵ではないと答えた。
その理由を、コウヨウは知りたかった。
問いかけるが、愛実はすぐに答えない。
なにか、言いにくい理由でもあるのだろうかと思い始めた時、やっと愛実は話し出した。
「だって、確かに私達”主”という立場からしたら、コウセンは素敵な場所かもしれない。慣れるまでは大変だし、死者の話を聞くと怖いけど。身の回りの世話をしてくれる人がいる。好きな事をずっとできる、お願いも出来る。死者についても、部屋の中にいれば危険はない。そう考えると、素敵かもしれない」
コウヨウは、相槌も打たずに真剣に聞く。
「でも、それは私達主の立場からしたらでしょ? コウヨウみたいな世話係の人達にとって、ここは生き地獄だと思ったの」
少しだけ上げられた愛実の顔は、悲しげな表情を浮かべていた。
茶色の瞳は揺れており、コウヨウを見る。
そんなことまで考えていたのかとコウヨウは驚き、白い布で隠れている左右非対称の目を開いた。
何も言わないコウヨウに愛実は再度、問いかけた。
「ねぇ、コウヨウ。貴方達は、コウセンが素敵な場所だと、心から言えるの?」
顔を覗き込まれ、不安そうに見上げられる。
澄んだ茶色の瞳は、困惑しているコウヨウを映し出した。
「――――ごめん。答えるの、無理だよね」
問いかけてから、愛実は後悔した。
今の質問に答えられるわけがない。
今、どこでアイが見ているのかわからない。
愛実は、アイの異常な空気は感じ取っており、何をしでかすのか予想が出来ないのもわかっていた。
愛実が素敵ではないと言っただけで、あそこまで怒ったアイだ。
いつから共に居たのかはわからないが、愛実より共に過ごしたコウヨウの言葉から拒絶の言葉が放たれ、今の会話を聞かれていたら――……
愛実の頭の中に、ブラックホールが張り付いた少年の顔が浮かび上がる。
ビクンッと肩が震え、恐怖が蘇った。
コウヨウはまた、愛実の背中を撫でた。
それでも恐怖が愛実を包み込み、徐々に震えは大きくなる。
コウヨウは無表情のまま背中から手を離す。
その手で、震える愛実を抱き寄せた。
「――――っ!」
震える愛実の身体を、コウヨウが優しく包み込む。
両腕で愛実の身体を抱きしめた。
「ありがとう、愛実。俺達世話係について、そこまで考えてくれて。やっぱり、お前は優しいな」
耳元で囁かれるコウヨウの言葉に、愛実は目尻が熱くなる。
今辛いのはコウヨウなのに。今、慰めてほしいのはコウヨウなのに。
そう思うのに、愛実の目から透明な雫が零れ、止まらない。
コウヨウの温もりに縋ってしまう。あの、冷たい恐怖から逃げるように求めてしまう。
愛実もコウヨウの背中に手を回し、肩に顔を埋めた。
「ごめんね、ごめんね…………」
「謝るな。お前は悪くない」
取り乱している愛実は、謝るなと言われても謝罪を何度も繰り返す。
コウヨウの方が辛いのにと。自分が泣いてはいけないのにと。
何度も、何度も謝罪を繰り返す。
コウヨウは何も言わず、ただただ受け止めていた。
愛実の謝罪を、気持ちを、すべて。
「大丈夫、大丈夫だ」
愛実にここまで追い込ませてしまった自分に苛立ちつつも、コウヨウは何度でも繰り返した。
「大丈夫」と、何度も伝えた。
すると、体力がなくなった愛実は、コウヨウの腕の中で寝息を立て、眠ってしまった。
「…………」
目元は泣いてしまったため、赤く腫れている。
泣きながら寝てしまったからなのか、表情は少し辛そう。
横抱きにし、顔を覗き込む。
辛そうに眠る愛実を見て、コウヨウの胸がチクリと痛む。
どうすればよかったのか、なんと言えばよかったのか。
本題の出し方を間違えたのか。そもそも、この話をしなければ良かったのか。
だが、今以上にアイを怒らせてしまえば、今度こそコウヨウは殺されてしまう。
殺されること事態は構わないと、コウヨウは思っている。だが、今、殺される訳にはいかない。
現段階でコウヨウが殺されてしまえば、愛実がどうなるかわからない。
アネモネやコウショウを疑っているわけではないが、コウヨウの目的は完全に果たせなくなる。
そう考えると、大きな動きを見せられないのと、アイに出来るだけ従わなければならない。
「もう少しだから……」
コウヨウは、歯を強く噛みしめ顔を歪ませる。
潰れた瞳を微かに開けると、白目はまだ赤く充血しているが、治ってきていた。
赤と青白磁色の瞳が微かに揺れる。
今にも泣き出してしまいそうな表情を浮かべ、コウヨウは眠っている愛実の頭を撫でた。
そのままベッドにおろし、布団をかける。
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第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
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※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
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