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犬宮賢と怪異
「生ぬるいよなぁ?」
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取り出したリボルバーを見て、飛縁魔は怪訝そうに眉を顰めた。
「それをどうするつもりなのかしら。聖水と何の関係があるの?」
「これで、ロシアンルーレットをするんだよ」
言いながら黒田は、リボルバーを脇に挟み準備を始める。
――――あのリボルバーって、黒田さんはどこから持ってきたのだろうか。
「あれは、心優の実家から持ち出したものだろうね」
「…………え、いつ?」
「前、君の実家に行ったでしょ? その時だよ」
実家に行った時の事を思い出すが、心優は黒田とずっと一緒に居た。
様々な武器を収納している部屋があるが、その部屋がどこにあるのか黒田は知らない。行く時間もなかったはず。
心優が頑張って記憶を掘り返してもわからず疑念を抱いていると、犬宮が補足するように教えてあげた。
「信三さんのボディーガードである龍って、確か普通の拳銃は使いにくくて、リボルバーを使っていたよね?」
「え、はい。龍は真面目そうに見えて意外と愉快犯で、面白いものを使いたいという気持ちが強いですが……ま、まさか」
「そのまさかだよ。黒田が相手に気づかれないように抜き取ったんだよ」
確かに、信三が心優に倒されてしまった際、黒田の近くを通った。
だが、その一回だけ。しかも、一瞬。
相手は大きなヤクザの頭を守る事が出来るほどの実力者。
気づかれずに奪い取るなど、不可能に近い。
「黒田、手癖悪いからねぇ」
「……………………そうなんですね」
――――黒田さん、何でもできるというか、なんと言うか。
犬宮探偵事務所で一番怖いのは、黒田さんかもしれない……。
げんなりした顔を浮かべ、頭を抱えてしまう。
そんな話を二人がしていると黒田の準備が整ったらしく、咳ばらいをし空気を変えた。
「一応、ここは人間の世界だ。人間の世界で怪異の力を思いっきり振りかざしちまうと、後々めんどくさい組織が動き出しちまう。だから、この人間世界でのやり方で、決着を付けようぜ」
リボルバーをカチャンと音を立て、準備完了。
妖しい笑みを向け、楽し気に見える黒田。
楽しげなのだが、纏っている空気がいつもとはまるっきり違う。
背筋が凍るような空気が流れ、心優は後ろにいるはずなのに体が震える。
隣に立つ犬宮は平然と怪異二人を見ており、最古は笑顔を崩さず犬宮に近付いた。
笑顔のまま、でも体は微かに震えており、犬宮の手をきゅっと握る。
「ん? あら、怖い?」
「…………」
問いかけられた最古は、凍り付かせた笑顔のままコクンと頷く。
安心させるように犬宮はしゃがみ、最古を自身の膝に乗せ背中をさすってあげた。
「大丈夫だよ」
震える最古を安心させるため、優しく「大丈夫」と言い聞かせていた。
犬宮の温もりを感じ、最古は一安心。服を掴み、黒田達を見る。
犬宮も同じく黒田達に輝かせた目を向け、微かに口角を上げていた。
隣で見ている心優は、なぜ犬宮がそこまで楽しげなのかわからず戸惑い、ゆっくりと二人に顔を向けた。
――――絶対、良からぬことが起きる。
だって、黒田さんだもん。あのリボルバー、絶対に仕掛けがあるじゃん。
心優の心境など無視し、黒田はリボルバーの銃口を自身のこめかみに当て説明を始めた。
「このように、俺とお前が順番にリボルバーを自身のこめかみに銃口を当てる。六個の内、五つは空、一つに俺達に効果抜群の聖水が入っている。六分の一の確率で、俺とお前、どちらかが大ダメージを食らう。面白いゲームだろ?」
一度リボルバーを下げ、ケラケラと笑いながら黒田は説明をしているが、飛縁魔は怪訝そうな顔を浮かべるだけで反応はない。
付け加えるように、黒田は言葉を繋げた。
「だが、俺達怪異は、このくらいでは生ぬるいよなぁ?」
「生ぬるい?」
「さっきも言ったが、大ダメージを食らうんだ。だが、即死ではない。恐怖心が足りないし、正直つまらん。だから、こうしようと思う」
ニコッと無邪気な笑みを浮かべ、人差し指を立てた。
「お互い、どちらかが当たりを引いた時、とどめを刺す権利を得る事が出来る。これなら緊張感があって、それでいて俺達怪異らしいロシアンルーレットが出来るだろう?」
な、何を言っているんだあの怪異!!!
心優は思わず口をあんぐり、隣に座っている犬宮を見てしまった。
「…………あれが、黒田朔という男。いや、あれが首無しという、怪異かもしれないね。深く考えない方がいいよ。怪異に関しては、人間にはわからないことが多いし、理解しなくても特に問題はないよ」
「犬宮さんも、そう思うんですね…………」
「俺自身は怪異ではなく、人間。ただ、人間に狗神という怪異が取り憑いているだけ。思考は君と同じだよ」
――――同じ、同じ?
いや、今まで犬宮さんも今の黒田さんと同じく、自身の命を懸けて依頼をこなしてきたことが多々あるじゃん。
絶対に同じじゃない!!!
「それをどうするつもりなのかしら。聖水と何の関係があるの?」
「これで、ロシアンルーレットをするんだよ」
言いながら黒田は、リボルバーを脇に挟み準備を始める。
――――あのリボルバーって、黒田さんはどこから持ってきたのだろうか。
「あれは、心優の実家から持ち出したものだろうね」
「…………え、いつ?」
「前、君の実家に行ったでしょ? その時だよ」
実家に行った時の事を思い出すが、心優は黒田とずっと一緒に居た。
様々な武器を収納している部屋があるが、その部屋がどこにあるのか黒田は知らない。行く時間もなかったはず。
心優が頑張って記憶を掘り返してもわからず疑念を抱いていると、犬宮が補足するように教えてあげた。
「信三さんのボディーガードである龍って、確か普通の拳銃は使いにくくて、リボルバーを使っていたよね?」
「え、はい。龍は真面目そうに見えて意外と愉快犯で、面白いものを使いたいという気持ちが強いですが……ま、まさか」
「そのまさかだよ。黒田が相手に気づかれないように抜き取ったんだよ」
確かに、信三が心優に倒されてしまった際、黒田の近くを通った。
だが、その一回だけ。しかも、一瞬。
相手は大きなヤクザの頭を守る事が出来るほどの実力者。
気づかれずに奪い取るなど、不可能に近い。
「黒田、手癖悪いからねぇ」
「……………………そうなんですね」
――――黒田さん、何でもできるというか、なんと言うか。
犬宮探偵事務所で一番怖いのは、黒田さんかもしれない……。
げんなりした顔を浮かべ、頭を抱えてしまう。
そんな話を二人がしていると黒田の準備が整ったらしく、咳ばらいをし空気を変えた。
「一応、ここは人間の世界だ。人間の世界で怪異の力を思いっきり振りかざしちまうと、後々めんどくさい組織が動き出しちまう。だから、この人間世界でのやり方で、決着を付けようぜ」
リボルバーをカチャンと音を立て、準備完了。
妖しい笑みを向け、楽し気に見える黒田。
楽しげなのだが、纏っている空気がいつもとはまるっきり違う。
背筋が凍るような空気が流れ、心優は後ろにいるはずなのに体が震える。
隣に立つ犬宮は平然と怪異二人を見ており、最古は笑顔を崩さず犬宮に近付いた。
笑顔のまま、でも体は微かに震えており、犬宮の手をきゅっと握る。
「ん? あら、怖い?」
「…………」
問いかけられた最古は、凍り付かせた笑顔のままコクンと頷く。
安心させるように犬宮はしゃがみ、最古を自身の膝に乗せ背中をさすってあげた。
「大丈夫だよ」
震える最古を安心させるため、優しく「大丈夫」と言い聞かせていた。
犬宮の温もりを感じ、最古は一安心。服を掴み、黒田達を見る。
犬宮も同じく黒田達に輝かせた目を向け、微かに口角を上げていた。
隣で見ている心優は、なぜ犬宮がそこまで楽しげなのかわからず戸惑い、ゆっくりと二人に顔を向けた。
――――絶対、良からぬことが起きる。
だって、黒田さんだもん。あのリボルバー、絶対に仕掛けがあるじゃん。
心優の心境など無視し、黒田はリボルバーの銃口を自身のこめかみに当て説明を始めた。
「このように、俺とお前が順番にリボルバーを自身のこめかみに銃口を当てる。六個の内、五つは空、一つに俺達に効果抜群の聖水が入っている。六分の一の確率で、俺とお前、どちらかが大ダメージを食らう。面白いゲームだろ?」
一度リボルバーを下げ、ケラケラと笑いながら黒田は説明をしているが、飛縁魔は怪訝そうな顔を浮かべるだけで反応はない。
付け加えるように、黒田は言葉を繋げた。
「だが、俺達怪異は、このくらいでは生ぬるいよなぁ?」
「生ぬるい?」
「さっきも言ったが、大ダメージを食らうんだ。だが、即死ではない。恐怖心が足りないし、正直つまらん。だから、こうしようと思う」
ニコッと無邪気な笑みを浮かべ、人差し指を立てた。
「お互い、どちらかが当たりを引いた時、とどめを刺す権利を得る事が出来る。これなら緊張感があって、それでいて俺達怪異らしいロシアンルーレットが出来るだろう?」
な、何を言っているんだあの怪異!!!
心優は思わず口をあんぐり、隣に座っている犬宮を見てしまった。
「…………あれが、黒田朔という男。いや、あれが首無しという、怪異かもしれないね。深く考えない方がいいよ。怪異に関しては、人間にはわからないことが多いし、理解しなくても特に問題はないよ」
「犬宮さんも、そう思うんですね…………」
「俺自身は怪異ではなく、人間。ただ、人間に狗神という怪異が取り憑いているだけ。思考は君と同じだよ」
――――同じ、同じ?
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絶対に同じじゃない!!!
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