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裸の王様
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しばらく王城の中を歩いた二人はやけに豪華な扉の前で立ち止まる。
木製の扉には金属製の装飾が施されており、部屋の主が特別な立場であると主張していた。
リヴィエールは一呼吸置き、声をかけることなくゆっくりと扉を開く。
時間的にエヴァンシル王が眠っていると判断したのだが、眠っている間に部屋に入るという行為からリヴィエールとエヴァンシル王の信頼関係が垣間見えた。
「騎士レイン、少しそこで待っていてください。すぐに呼びますので」
そう言い残し、リヴィエールはエヴァンシル王の寝室に入っていく。
扉の前に取り残されたレインは聞こえてくる声に耳をすましていた。
「お目覚めください。エヴァンシル王、どうかお目覚めください」
「ん・・・・・・うわっ、な、なんだいきなり、ってリヴィエールか。まだ起きる時間には早いと思うが」
驚いて跳ね起きるエヴァンシル王らしき声が聞こえる。
そんな王とは反対に冷静なリヴィエール。
「ええ、このような時間に失礼いたします。エヴァンシル王、緊急事態でございます」
「緊急事態?」
「はい。詳しい話は部屋の外に待たせている騎士にさせたいと思っておりますがよろしいでしょうか」
「ああ、問題ない。部屋に入れなさい」
そう話すエヴァンシル王の声が聞こえた。
その言葉を聞いたレインはすぐに一歩踏み出そうとしたが、即座にリヴィエールの声が聞こえ踏みとどまる。
「お待ちください、エヴァンシル王。問題がございます。王が裸ではまずいのではないでしょうか」
「・・・・・・いいか、リヴィエールよ。王の権威とは脱げるものではない。たとえ裸であろうとも私はこの国の王である。緊急事態だと言うのならばいつ何時も話を聞き入れ対応するのが王ではないのか。裸であることなど些細だろう」
「申し訳ありません。私が間違っておりました。エヴァンシル王のおっしゃる通りでございます。王の威厳を保とうなどという浅はかな考えでございました。たとえ王の些細なものが寝具から溢れていたとしても、優先すべきは些細なものを隠すことではなく迅速に報告をすること・・・・・・騎士を呼び入れます」
リヴィエールが淡々とそう話すといきなりエヴァンシル王の慌てる声が響いた。
「ちょっと待て、下着は履いていたはずだが。うわっ、何故だ。仕方ない布を巻くか。あれ、今、些細なものって言ったな。王のものが些細であるはずがないだろう。しかも二回言ったな、リヴィエール」
慌てながらも不満を言葉にするエヴァンシル王。そんな会話から二人の信頼関係が聞き取れる。
その後、王が腰に布を巻く時間を経てからレインに声がかかった。
「騎士レイン、入ってください」
リヴィエールに呼ばれたレインはすぐに返答する。
「はい。近衛騎士団長レイン・ネヴァー、入室いたします」
そう名乗ったレインは王の寝室へと足を踏み入れた。
木製の扉には金属製の装飾が施されており、部屋の主が特別な立場であると主張していた。
リヴィエールは一呼吸置き、声をかけることなくゆっくりと扉を開く。
時間的にエヴァンシル王が眠っていると判断したのだが、眠っている間に部屋に入るという行為からリヴィエールとエヴァンシル王の信頼関係が垣間見えた。
「騎士レイン、少しそこで待っていてください。すぐに呼びますので」
そう言い残し、リヴィエールはエヴァンシル王の寝室に入っていく。
扉の前に取り残されたレインは聞こえてくる声に耳をすましていた。
「お目覚めください。エヴァンシル王、どうかお目覚めください」
「ん・・・・・・うわっ、な、なんだいきなり、ってリヴィエールか。まだ起きる時間には早いと思うが」
驚いて跳ね起きるエヴァンシル王らしき声が聞こえる。
そんな王とは反対に冷静なリヴィエール。
「ええ、このような時間に失礼いたします。エヴァンシル王、緊急事態でございます」
「緊急事態?」
「はい。詳しい話は部屋の外に待たせている騎士にさせたいと思っておりますがよろしいでしょうか」
「ああ、問題ない。部屋に入れなさい」
そう話すエヴァンシル王の声が聞こえた。
その言葉を聞いたレインはすぐに一歩踏み出そうとしたが、即座にリヴィエールの声が聞こえ踏みとどまる。
「お待ちください、エヴァンシル王。問題がございます。王が裸ではまずいのではないでしょうか」
「・・・・・・いいか、リヴィエールよ。王の権威とは脱げるものではない。たとえ裸であろうとも私はこの国の王である。緊急事態だと言うのならばいつ何時も話を聞き入れ対応するのが王ではないのか。裸であることなど些細だろう」
「申し訳ありません。私が間違っておりました。エヴァンシル王のおっしゃる通りでございます。王の威厳を保とうなどという浅はかな考えでございました。たとえ王の些細なものが寝具から溢れていたとしても、優先すべきは些細なものを隠すことではなく迅速に報告をすること・・・・・・騎士を呼び入れます」
リヴィエールが淡々とそう話すといきなりエヴァンシル王の慌てる声が響いた。
「ちょっと待て、下着は履いていたはずだが。うわっ、何故だ。仕方ない布を巻くか。あれ、今、些細なものって言ったな。王のものが些細であるはずがないだろう。しかも二回言ったな、リヴィエール」
慌てながらも不満を言葉にするエヴァンシル王。そんな会話から二人の信頼関係が聞き取れる。
その後、王が腰に布を巻く時間を経てからレインに声がかかった。
「騎士レイン、入ってください」
リヴィエールに呼ばれたレインはすぐに返答する。
「はい。近衛騎士団長レイン・ネヴァー、入室いたします」
そう名乗ったレインは王の寝室へと足を踏み入れた。
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