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連載
ドラゴンの炎、ドラゴンの凍結
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エイターの想像通り、倉野はブレッドが触れるだけで魔法を破壊できるのではないのかと予測していたのである。確信があったわけでもスキル説明で調べたわけでもない。ただ最悪の状況を想定していただけだった。
もちろんレオポルトが魔法で作り出した魔法は予想外だったが、もし階段状の足場だとしても途中からはツクネの魔法に頼る心算でいたのである。
ともかく倉野はブレッドの魔法破壊を読み切りブレッドの頭の高さまで上昇した。その上でブレッドの両手は地面の近くにあるため倉野を掴むことなどできない。
ブレッドの頭まで目前に迫った倉野を見上げながらノエルが口を開く。
「ブレッドの手はもうクラノに追いつかない! ここまできたら止められないわよ」
嬉々として語るノエルだったが、その隣で何かを感じたレオポルトが眉間にシワを寄せた。
「まだ喜ぶには早いぞ、ノエル・マスタング」
「え、どういうことよ」
「こいつが攻撃を無効化するだけの巨大兵器だとするならば、エスエ帝国の全勢力に対抗できる戦力に足り得るとは思えん。手足以外の攻撃方法があるはずだ。そして先ほどから兵器内部の魔力が一箇所に集中している・・・・・・頭にな」
レオポルトがそう答えた瞬間、ドラゴンを模したブレッドの頭がギギギという音を鳴らし始める。
空中でそれに気づいた倉野はいち早く音の原因に気づいた。今まで閉じていた口がゆっくり開き始めていたのである。
一瞬遅れてブレッドの口の動きに気づいたレオポルトが焦ったようにこう叫んだ。
「攻撃に備えろクラノ!」
その叫び声と同時にブレッドの口内から赤い光が漏れ出す。寒気がするほど真っ赤な光だ。
レオポルトたちが光を確認した次の瞬間、ブレッドの口から巨大な炎の球体が生成され、倉野の方向に放たれる。その速度と大きさはまさに隕石。
こんな巨大で高密度な魔法を食らえば、ひとたまりもないことは誰もが理解していた。しかし既に魔法は放たれており、倉野に残された選択肢はそう多くない。
「ここで逃げるわけにはいかないんだ!」
自分を鼓舞するように叫んだ倉野は右手を前に突き出す。
ここで回避を選択してしまうと再びブレッドの頭を目指さなければならない。そうなるとブレッドを操縦するジルトールは警戒を強め、風魔法の発動を邪魔するだろう。
レオポルトの魔法を囮にしてツクネの風魔法で飛ぶのは一度しか使えない作戦だった。ならばここで引くわけにはいかない。
そんな倉野の心に応えたのは戦闘の途中から声を出していないイスベルグだった。
「やれやれ、私にもするべきことがあるのだがな。全くドラゴン使いの荒い男だよ。略式・・・・・・絶対凍結!」
もちろんレオポルトが魔法で作り出した魔法は予想外だったが、もし階段状の足場だとしても途中からはツクネの魔法に頼る心算でいたのである。
ともかく倉野はブレッドの魔法破壊を読み切りブレッドの頭の高さまで上昇した。その上でブレッドの両手は地面の近くにあるため倉野を掴むことなどできない。
ブレッドの頭まで目前に迫った倉野を見上げながらノエルが口を開く。
「ブレッドの手はもうクラノに追いつかない! ここまできたら止められないわよ」
嬉々として語るノエルだったが、その隣で何かを感じたレオポルトが眉間にシワを寄せた。
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「え、どういうことよ」
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レオポルトがそう答えた瞬間、ドラゴンを模したブレッドの頭がギギギという音を鳴らし始める。
空中でそれに気づいた倉野はいち早く音の原因に気づいた。今まで閉じていた口がゆっくり開き始めていたのである。
一瞬遅れてブレッドの口の動きに気づいたレオポルトが焦ったようにこう叫んだ。
「攻撃に備えろクラノ!」
その叫び声と同時にブレッドの口内から赤い光が漏れ出す。寒気がするほど真っ赤な光だ。
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こんな巨大で高密度な魔法を食らえば、ひとたまりもないことは誰もが理解していた。しかし既に魔法は放たれており、倉野に残された選択肢はそう多くない。
「ここで逃げるわけにはいかないんだ!」
自分を鼓舞するように叫んだ倉野は右手を前に突き出す。
ここで回避を選択してしまうと再びブレッドの頭を目指さなければならない。そうなるとブレッドを操縦するジルトールは警戒を強め、風魔法の発動を邪魔するだろう。
レオポルトの魔法を囮にしてツクネの風魔法で飛ぶのは一度しか使えない作戦だった。ならばここで引くわけにはいかない。
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