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本編

第8話_Like or Love?-2

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対面の顔色を覗いながらそうおずおずと問いかけるリョウを、横から啓介ケイスケも冷や冷やしながら見守る中、黙って聞いていた影斗エイトは息をついてから、背もたれへ深く寄りかかった。

「…あいつさ、高校の入学式ん時も代表挨拶したんだよ」
「…! はぁ」

影斗の口から突然始まった思い出話に、諒と啓介は目を丸くしつつも聞きに徹する。

「そん時は眼鏡だったんだ、今のより二割増しくらいダサいやつだったけど。それでもやっぱり、めちゃくちゃ注目浴びたわけよ。で…そっから先、顔が爆速で校内に知れ渡っちまってさ」
「…」
「眼鏡はいつも通りだから、その面のまま生活することになるじゃん? どうあがいても誤魔化しきれないわけ。入学してから数か月は、上から下まで初対面の奴にいきなり声掛けられたり、脈略無く何かに誘われたりがずっと続いてたらしい。…俺も全部は把握しきれてねぇけどな」
「それは…大変だったでしょうね」
「ああ。実際、裏の思惑がある奴に絡まれたり、つき纏われたりもあったからな。教員・・含めて」
「ええっ…!?」

思わず驚きはしたものの、諒は頭の中で"意外でもないかも"とも思う。

…あの見目じゃなぁ…決して良いことばかりじゃなく、苦労も多かったのかもしれないな…

「そんな前提があった上で、ちょっと前に大学でも挨拶やるって聞いたのよ。またかよって思わず突っ込み入れちまったよ。よくもまぁそんな七面倒臭いことを連続で押し付けられたもんだってな。…大学入学式今回も目立ちまくってただろ? あいつ」

黙ったまま激しく首を動かして同意してみせるふたりを見、影斗はため息をつく。

「やっぱな。共学だからちっとは違うかなと思ったけど、あんま変わらんよなー…。…残念ながら目立っちまうことだけは避けられねぇと思ったから、逆に・・初日だけ眼鏡無しになる状況を作ってみたのよ」
「…というと?」
「眼鏡無しで目立たせて、翌日からは眼鏡をかけさせる。だいぶ顔の印象変わるだろ?」
「…!」
「遠目からなら、まず初見じゃ割れねぇ。徐々にバレてくのは諦めるとしても、スタートダッシュは抑えられる」
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