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本編
最終話_応援し隊の誕生-2
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「――実はさ、お前の初対面、ちょっとビビってたんだよ」
「!」
「ちょっと近寄り難い空気を出してるように思えたから。同級生だからって、あまり親しげに話し掛けちゃまずそうかなって」
「あー、同じくそう思ってた。初見で俺確実に睨まれてたもん。まぁもう知るかって感じで、結構お構いなしにズカズカ行っちまったけどな!」
入学式での初対面の時をそう振り返るふたりの言を聞き、蒼矢は頬を染めながら視線をそらした。
「…ごめん。他人との初対面にはいつも苦労してるから…。あと、単純に初対面で話すのが苦手で」
「わかる、わかるぜ。いや、多分お前と同じ体験はしたことないけどな? 苦労が多そうってのは容易に想像出来るぜ」
「現に顔が広まった途端、現在進行形で毎日のように初見さんに会いに来られてるしね。対人ガードが固くなるのは無理もないよ」
一転して済まなそうに声を落とす蒼矢をフォローしつつも、諒と啓介は晴れやかな笑顔を浮かべていた。
3人は話を弾ませながら、正門へと続く銀杏並木道を歩く。
「よっしゃー、これでエイト先輩に次会った時に、胸張って言えるぞ!」
「早く名前覚えて貰わないとね」
「? なんで影斗先輩の名前がここで出て来るんだ? あの人と何喋ったの?」
「!! そうだ、髙城。この勢いで聞いちまってもいい? 先輩との関係」
「…先輩との? どういうこと?」
テンションが上がり過ぎたのか、啓介はその勢いで、核心めいた質問を蒼矢へ投げかけようとする。
…ちょっと待って、落ち着け、沖本!
…それ聞いちゃうのはさすがに時期尚早だって…!
意図が解らず首を傾げる蒼矢から視線を遮るように、諒は啓介の前に割り入る。
「沖本っ、それは…――」
そう言いかけたタイミングで、正門の方からけたたましい排気音が近付き、諒の声をかき消した。
自動車とは違う、おそらくバイクのものと思われるそれに、直近で耳に残っている諒と啓介は同時に前方へと振り向く。
…この最高のタイミングで、まさかエイト先輩…!?
「!」
「ちょっと近寄り難い空気を出してるように思えたから。同級生だからって、あまり親しげに話し掛けちゃまずそうかなって」
「あー、同じくそう思ってた。初見で俺確実に睨まれてたもん。まぁもう知るかって感じで、結構お構いなしにズカズカ行っちまったけどな!」
入学式での初対面の時をそう振り返るふたりの言を聞き、蒼矢は頬を染めながら視線をそらした。
「…ごめん。他人との初対面にはいつも苦労してるから…。あと、単純に初対面で話すのが苦手で」
「わかる、わかるぜ。いや、多分お前と同じ体験はしたことないけどな? 苦労が多そうってのは容易に想像出来るぜ」
「現に顔が広まった途端、現在進行形で毎日のように初見さんに会いに来られてるしね。対人ガードが固くなるのは無理もないよ」
一転して済まなそうに声を落とす蒼矢をフォローしつつも、諒と啓介は晴れやかな笑顔を浮かべていた。
3人は話を弾ませながら、正門へと続く銀杏並木道を歩く。
「よっしゃー、これでエイト先輩に次会った時に、胸張って言えるぞ!」
「早く名前覚えて貰わないとね」
「? なんで影斗先輩の名前がここで出て来るんだ? あの人と何喋ったの?」
「!! そうだ、髙城。この勢いで聞いちまってもいい? 先輩との関係」
「…先輩との? どういうこと?」
テンションが上がり過ぎたのか、啓介はその勢いで、核心めいた質問を蒼矢へ投げかけようとする。
…ちょっと待って、落ち着け、沖本!
…それ聞いちゃうのはさすがに時期尚早だって…!
意図が解らず首を傾げる蒼矢から視線を遮るように、諒は啓介の前に割り入る。
「沖本っ、それは…――」
そう言いかけたタイミングで、正門の方からけたたましい排気音が近付き、諒の声をかき消した。
自動車とは違う、おそらくバイクのものと思われるそれに、直近で耳に残っている諒と啓介は同時に前方へと振り向く。
…この最高のタイミングで、まさかエイト先輩…!?
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