ドS変態若社長に調教溺愛されそうなので全力で回避したいけど無理かもしれない

酉埜空音

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:若社長、焦る(上):

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「ほら、スカートちゃんと持って。汚れちゃうよ」
 辰之進がささやけば、彩葉はゆるゆるとそれに従う。辰之進の一種魔力を持ったような声に、彩葉はどうにも逆らえないらしい。
「もう少し足を広げるんだ」
「は、はぁい……」
 窓際に立たせた彩葉のスカートを一気にたくしあげ、片足を持ち上げる。
 窓からふりそそぐ太陽光の下で見る彩葉の白い肌は艶めかしく、その上羞恥で上気している。
「可愛いよ、彩葉……」
「うるさ、へん、たい……」
「理性が残っているとは驚いた」
 黒い極小サイズの下着をはさみで切り、ぽいっと捨てる。それだけで彩葉のそこは潤ってくる。
 ふぅっ、と息を吹きかけてやれば、秘所はぬらりと煌めく。
「あ、んっ……」
「気持ちがいいやらくすぐったいやら……という表情だね」
 言うな馬鹿、と、鋭く睨まれるが、その目元が潤んでいるのだから、もっともっととねだっているとしか思えない。
「うん、綺麗に剃れたね。上出来だよ。良い眺めになった。お、充血しているね……」
「信じられないくらい、へん……たい……っ」
「いい眺めになったところで……ちょっと一発失礼するよ」
 彩葉を鏡の前に立たせて、少し前かがみにさせる。そのまま後ろからじわじわと挿入。
「ひゃ、あああ……!」
「どうかな? 彩葉からも見えるんじゃないか? ぐっぷりと俺を飲み込んでいく様子が……。しっかり咥えこんでる。いやらしいねぇ……」
 見たくない、と呟きながらもついつい見てしまっている彩葉が可愛い。角度を調整して彼女からよく見えるようにすれば、きゅんと締め付けが強くなった。
「アレがいつも自分を支配している元凶だと思うと、ぞくぞくするだろう?」
 はぁ、あ。と艶めかしい吐息。ふいに、きゅ、と締まりが良くなった。彩葉は口よりも体の方が正直であることを、辰之進はよく知っている。
「今、何を考えた?」
「……え」
「すごく、締まったよ……言ってごらん」
「ば、ばかっ」
「おっと、蹴るのはナシだ。もうすぐ、取引先の御曹司を迎えるのに痣はまずい」
 彩葉が、急に我に返った。
「もうお客様が来るの!?」
「そうだ。あと30分もすればつくだろう。わかっているだろうが、彩葉も同席してくれ」
「そ、それなのに……こんなの……ありえないでしょ! さっさと抜け! この変態馬鹿万年発情期猿社長」
 酷い言われようだが辰之進の耳には後半部分は届かなかった。久しぶりに、彩葉の護身術が炸裂し、辰之進は床にたたきつけられたからである。
「くっ……清楚なワンピース着て、その攻撃力。恐ろしい社長令嬢もあったものだ……」
「このワンピースもメイクも、今日も九条さんが用意してくれたのよ」
「ほう、相変わらずいい腕前だな。彩葉の魅力を存分に引き出している。よく似合って可愛いよ」
 辰之進は思うがままを口にしたのだが――ぼん、と、彩葉の顔が真っ赤になった。
「九条さんにお礼言わなくちゃ……」

***

 今朝、新しいメイド服で暖炉掃除をしている彩葉の元へ、九条さんが血相を変えてすっ飛んできた。
「あなた! なにしてるの、こんなところで」
「へ、仕事場間違えましたか?」
「違う違う! 坊ちゃまから聞いていない? ナカゾノ工業の御一行様がいらっしゃるのよ、ここへ」
「はい? 大手のメーカーですね。経営が危ういって聞いていますが」
 メイド頭が声のトーンを落とした。
「そう、だからあなたと同じ立場……融資と引き換えにここで働くかもしれないの。その下見というか見学というか……あなたに話を聞きたいそうです」
 なんですって!? と、彩葉の声がひっくり返る。
「話も何も、住良木辰之進は変態である、ということくらいしか言えないですが」
 それでいいのだろうか。いや、いいはずがない。
「坊ちゃまが変態であることは伏せて。わがグループのイメージに関わります」
「そうですよね、ど、しましょ……お客様をお迎えするにしても、この服じゃ……」
「……ああ、やっぱり……あなたは顔色一つ変えていないからもしや何も知らないのだと思ったのよ……」
 九条さんが頭を抱えながら、埃まみれの彩葉を暖炉から引っ張り出す。
「急いでお風呂に入って」
「へ?」
「着る物は……まさかミニスカメイド服で、黒い用をなさない下着着用とはいかないでしょう。変態坊ちゃまが怪しげなオモチャを取り出したら、今日は容赦なく捨てて構いませんからね」
 はい、と頷きながら恥ずかしい想いをする彩葉である。このメイド頭はすべてお見通しであるらしい。
「洋服はこちらで用意します。誰か! 彼女の採寸、それから住良木デパートにウェブカメラ繋いで!」
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