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チェックメイト
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カグヤはトオルが死んで以降、普通の学生生活を続けていた。
「トオル君……いったい何をするつもりなんだろう」
カグヤは異世界でのトオルの復讐を実際に見ていて、怒った彼が何をしでかすかわからないというのを知っている。
心の中ではひたすら怯えてすごしていた。
しかし、数ヶ月が経過しても人間の世界には表面上は何の変化もない。
「トオル君。復讐するっていってたけど、怒りは収まったのかな」
そんなことを思い始めたころ、祖父から召集がかかった。
「お爺様……私に何の用なの?」
そう問いかけるカグヤの顔は固い。勘違いとはいえ、異世界から救い出してくれた恩人であるトオルを殺した祖父に怒りを感じていた。
「カグヤ……お前に頼みがあるんじゃ。お前と同じ地球生まれの神族たちと共に電脳世界ファーランドに行って、魔王トオルを倒してほしい」
そう頼み込んでくる祖父の様子は、以前の自信に満ちたものと違って、追い詰められているようだった。
「魔王?トオル君が?どういうことなの?」
首をかしげるカグヤに、竹取の翁は今までのことをすべて話す。
聞き終えたカグヤは、冷たい顔をして祖父をにらんだ。
「そんなこと……私には関係ない話だわ。おじい様。私は地球で生まれて地球で育ってきた地球人です。今更お前は異星人だといわれても、そちら側には立てません」
カグヤは明確に拒否をするが、竹取の翁は説得を続けた。
「やつは電脳世界を通じて、世界中のコンピューターを支配しておる。その気になれば、世界中を混乱に落とすことも可能なのじゃ。もし奴が世界を破壊する気になって、核ミサイルなどの兵器を使用したら……世界は滅ぶ」
祖父から言われて、カグヤもトオルの危険性を認識する。いまやトオルは本当に世界を滅ぼすこともできる魔王になっているのだった。
「……わかりました」
カグヤは勇者としてトオルに会いにいく決心を固めるのだった。
世界中のVRゲートに、若い神族たちが集められている。彼らは地球で生まれ、地球で育った者たちだった。
「いったいなんで俺たちが戦わなければならないんだ」
彼らは大金持ちの権力者の子弟で、何かを強制されるということにはなれていない。知能体力ともに高い水準にあったが、精神力が強いとはいえなかった。
もちろん、中には例外もいる。
「トオル君を止めないと、世界が滅んでしまうかもしれない。勝てなくてもいい。なんとか説得できれば」
そういう意気込みで戦いに望むのは、異世界ファーランドで勇者として戦った経験がある少女-カグヤである。
「おお。なんと頼もしい。さすがワシの孫じゃ」
そんな彼女を見て、竹取の翁は目を細めていた。
「お爺さま。勘違いしないでくださいね。神族のために戦うのではありません。この地球に住むすべての人間の為です」
「わかっておる。わかっておる」
竹取の翁は好好爺然とした笑みを向けてくるが、カグヤはさらに言い放った。
「この件が済んだら、私は家を出て普通の人間としていきていこうと思います」
「な、なに?」
驚く竹取の翁を置いて、カグヤは電脳世界に入れるゲートに向かう。
「アクセス開始!」
カグヤの意識は虚無に入り込んでいった。
「これは……なんてこと?」
カグヤの意識に、今まで教えられてなかった世界の真実が流れ込んでくる。
数千年前に地球にやってきた神族たちは、裏から人間を操り権力を握った。
それ以降、時に退屈しのぎ、時にゲーム感覚で戦争を引き起こし、それを通じて金稼ぎなどを繰り返していたのである。
(これじゃ、人間にとって有害なのはむしろ神族のほう……)
カグヤがそう思ったときに選択肢が現れる。
「『神族』か『魔族』を選択してください」
カグヤは迷った末に、片方の道を選択するのだった。
「予想通りだな」
俺は電脳世界ファーランドで、若い神族たちが入り込んでくるのをただ見ていた。
彼ら特権意識にあふれたおぼっちゃんお嬢ちゃんが何を選択するかなんて最初からわかっている。なので、彼らにふさわしい地獄を用意していた。
「ぎゃぁぁぁぁぁ!」
ある神族の少年は、今までいじめてきた相手が集団で襲い掛かってくるという地獄を与えられている。
「マッチを買ってください。寒い……おなかすいた……」
ある神族の少女は、今までの富裕な生活から一変して、寒い路上に無一文で放り出され、乞食や物売りをさせられているという夢を見せられていた。
「これで奴らの肉体はがら空きだな。よし。『竹筒』よ。魂がない神族の肉体に、俺の魔法を注入した『魔石』を埋め込め」
「カシコマリマシタ」
トオルのコントロール下にある竹筒は、忠実に命令を実行する。
異世界ファーランドから報酬としてもらってきた魔石に『魔眼』の魔法を入れて、若い神族たちの体内に埋め込むのだった。
「さあ、これで一気にチェックメイトだ」
勝利を確信して、トオルは会心の笑みをうかべるのだった。
VRゲートに入った神族の若手の肉体を、竹取の翁を始めとする神族の長老たちが見守っている。
『カグヤは無事であろうか……?無事に帰ってきてほしいものだが」
心配する翁に、ゴールドホールド一族の長が噛み付いた。
「何を言っておる。元はといえば貴様が安易に魔王トオルと敵対したからこんなことになったのだ。ワシの孫に万一のことがあったら、許さぬからな!」
「そうだそうだ。この件が片付いたら、貴様たち竹取の一族には相応の制裁を下してやる。最低でも『竹筒」の管理は任せておけぬ」
エレクトリアの一族の長も同調する。
竹取の翁は神族の中でも立場を失いつつあった。
「やれるものならやってみろ。もし『竹筒』に手をだすなら、貴様たちの本体ごとこの地下都市を爆破して道連れにしてやる」
それに対して抵抗する竹取の翁。
殺伐とした彼らの間を、ジーザス一族の長が宥めた。
「まあまあ、今は争っても仕方ありません。とにか共通の敵となった魔王トオルを倒すことが先決です」
それを聞いて、双方とも矛を収める。
「われわれの魂を受け継いだ神族の子たちは優秀じゃ。きっと魔王にワクチンを打ち込んで消滅させてくれるだろう」
フード一族の長がつぶやいたとき、眠っていた神族の若手たちの目が開かれた。
「おお。帰ってきたか。それでどうじゃったか?魔王は倒せたか?」
フード一族の長が優しい声を出して近寄ったとき、彼の孫であるその少年は口元を釣り上げ、一気にフード一族の長の首を絞めあげた。
「く、苦しい。何をする……」
「何って、貴様たちへの攻撃だよ。いつまでも俺が電脳世界にとどまっているとおもったのか」
フード一族の若者は邪悪な笑みを浮かべる。他の一族の若者たちも次々と立ち上がり、彼らの長に襲い掛かっていった。
「カグヤ!何をする!」
愛しい孫娘に蹴り上げられ、竹取の翁は驚愕する。
「カグヤだって?違うな」
カグヤのカラダをのっとった何者かは邪悪に笑って宣言した。
「俺は魔王トオル。今ここに現世に復活した。貴様たちの子や孫の肉体を乗っ取ってな。これからは俺が世界を支配させてもらう。まずは貴様たちからだ」
トオルの精神をインストールされた操り人形たちは、瞬く間に地下都市タカマガハラを制圧していった。
電脳世界 帝都ファーランド。
そこに築かれた巨大な城の最深部の玉座に座ったトオルは、そこから現実世界を見ていた。
「よし。これでチェックメイトだな」
自分の精神をコピーした僕たちによって、現実世界にいる神族のほとんどが捕らえられたのを確認して、トオルは会心の笑みを浮かべる。
そんな彼の前に、一人の女魔族が現れた。トオルは彼女を見て、笑みを浮かべる
「君は勇者として神族側を選ぶとおもったんだがな」
「あなたに会うには、魔族側を選ぶのがてっとり早いと思ったのよ」
カグヤはそう告げると、トオルに頭を下げた。
「あの。おじい様があなたを殺してしまって、ごめんなさい」
「いいさ。君に罪はない。たまたま敵の親族だったというだけだ」
トオルは穏やかな笑みを浮かべて、カグヤの謝罪を受け入れた。
「ありがとう。それで、聞きたいことがあるんだけど……」
「わかっているさ。あいつらがどうなるかだろう?」
トオルは上空の空間に視線を向ける。そこには捕らえられた竹取の翁や、他の神族の長たちがいた。
「あいつらは、長い間人間社会に寄生して自分たちの欲望の赴くまま人間を操ってきた。奴らがいなければ戦争や格差などの問題はもっと早く解決できたはずなんだ。人間にとって迷惑にしかならない。だから元いた場所に帰ってもらう」
神族の長たちは、拘束されたまま次々に「竹筒」の居住スペースにつれてこられ、カプセルに閉じ込められていた。
全員が収納されると、「竹筒」が起動され、すさまじい勢いで浮き上がっていく。
神族のオリジナルの魂を持つものたちは、地球から追放されて無限の宇宙に放逐されるのだった。
「まあ、竹筒の機能は半分も修復されてないから、別の恒星系までいくのに途方もない時間はかかるだろうけどな。奴らには別の星にいってもらうさ」
トオルはそういって、残酷な笑みを浮かべるのだった。
「トオル君……いったい何をするつもりなんだろう」
カグヤは異世界でのトオルの復讐を実際に見ていて、怒った彼が何をしでかすかわからないというのを知っている。
心の中ではひたすら怯えてすごしていた。
しかし、数ヶ月が経過しても人間の世界には表面上は何の変化もない。
「トオル君。復讐するっていってたけど、怒りは収まったのかな」
そんなことを思い始めたころ、祖父から召集がかかった。
「お爺様……私に何の用なの?」
そう問いかけるカグヤの顔は固い。勘違いとはいえ、異世界から救い出してくれた恩人であるトオルを殺した祖父に怒りを感じていた。
「カグヤ……お前に頼みがあるんじゃ。お前と同じ地球生まれの神族たちと共に電脳世界ファーランドに行って、魔王トオルを倒してほしい」
そう頼み込んでくる祖父の様子は、以前の自信に満ちたものと違って、追い詰められているようだった。
「魔王?トオル君が?どういうことなの?」
首をかしげるカグヤに、竹取の翁は今までのことをすべて話す。
聞き終えたカグヤは、冷たい顔をして祖父をにらんだ。
「そんなこと……私には関係ない話だわ。おじい様。私は地球で生まれて地球で育ってきた地球人です。今更お前は異星人だといわれても、そちら側には立てません」
カグヤは明確に拒否をするが、竹取の翁は説得を続けた。
「やつは電脳世界を通じて、世界中のコンピューターを支配しておる。その気になれば、世界中を混乱に落とすことも可能なのじゃ。もし奴が世界を破壊する気になって、核ミサイルなどの兵器を使用したら……世界は滅ぶ」
祖父から言われて、カグヤもトオルの危険性を認識する。いまやトオルは本当に世界を滅ぼすこともできる魔王になっているのだった。
「……わかりました」
カグヤは勇者としてトオルに会いにいく決心を固めるのだった。
世界中のVRゲートに、若い神族たちが集められている。彼らは地球で生まれ、地球で育った者たちだった。
「いったいなんで俺たちが戦わなければならないんだ」
彼らは大金持ちの権力者の子弟で、何かを強制されるということにはなれていない。知能体力ともに高い水準にあったが、精神力が強いとはいえなかった。
もちろん、中には例外もいる。
「トオル君を止めないと、世界が滅んでしまうかもしれない。勝てなくてもいい。なんとか説得できれば」
そういう意気込みで戦いに望むのは、異世界ファーランドで勇者として戦った経験がある少女-カグヤである。
「おお。なんと頼もしい。さすがワシの孫じゃ」
そんな彼女を見て、竹取の翁は目を細めていた。
「お爺さま。勘違いしないでくださいね。神族のために戦うのではありません。この地球に住むすべての人間の為です」
「わかっておる。わかっておる」
竹取の翁は好好爺然とした笑みを向けてくるが、カグヤはさらに言い放った。
「この件が済んだら、私は家を出て普通の人間としていきていこうと思います」
「な、なに?」
驚く竹取の翁を置いて、カグヤは電脳世界に入れるゲートに向かう。
「アクセス開始!」
カグヤの意識は虚無に入り込んでいった。
「これは……なんてこと?」
カグヤの意識に、今まで教えられてなかった世界の真実が流れ込んでくる。
数千年前に地球にやってきた神族たちは、裏から人間を操り権力を握った。
それ以降、時に退屈しのぎ、時にゲーム感覚で戦争を引き起こし、それを通じて金稼ぎなどを繰り返していたのである。
(これじゃ、人間にとって有害なのはむしろ神族のほう……)
カグヤがそう思ったときに選択肢が現れる。
「『神族』か『魔族』を選択してください」
カグヤは迷った末に、片方の道を選択するのだった。
「予想通りだな」
俺は電脳世界ファーランドで、若い神族たちが入り込んでくるのをただ見ていた。
彼ら特権意識にあふれたおぼっちゃんお嬢ちゃんが何を選択するかなんて最初からわかっている。なので、彼らにふさわしい地獄を用意していた。
「ぎゃぁぁぁぁぁ!」
ある神族の少年は、今までいじめてきた相手が集団で襲い掛かってくるという地獄を与えられている。
「マッチを買ってください。寒い……おなかすいた……」
ある神族の少女は、今までの富裕な生活から一変して、寒い路上に無一文で放り出され、乞食や物売りをさせられているという夢を見せられていた。
「これで奴らの肉体はがら空きだな。よし。『竹筒』よ。魂がない神族の肉体に、俺の魔法を注入した『魔石』を埋め込め」
「カシコマリマシタ」
トオルのコントロール下にある竹筒は、忠実に命令を実行する。
異世界ファーランドから報酬としてもらってきた魔石に『魔眼』の魔法を入れて、若い神族たちの体内に埋め込むのだった。
「さあ、これで一気にチェックメイトだ」
勝利を確信して、トオルは会心の笑みをうかべるのだった。
VRゲートに入った神族の若手の肉体を、竹取の翁を始めとする神族の長老たちが見守っている。
『カグヤは無事であろうか……?無事に帰ってきてほしいものだが」
心配する翁に、ゴールドホールド一族の長が噛み付いた。
「何を言っておる。元はといえば貴様が安易に魔王トオルと敵対したからこんなことになったのだ。ワシの孫に万一のことがあったら、許さぬからな!」
「そうだそうだ。この件が片付いたら、貴様たち竹取の一族には相応の制裁を下してやる。最低でも『竹筒」の管理は任せておけぬ」
エレクトリアの一族の長も同調する。
竹取の翁は神族の中でも立場を失いつつあった。
「やれるものならやってみろ。もし『竹筒』に手をだすなら、貴様たちの本体ごとこの地下都市を爆破して道連れにしてやる」
それに対して抵抗する竹取の翁。
殺伐とした彼らの間を、ジーザス一族の長が宥めた。
「まあまあ、今は争っても仕方ありません。とにか共通の敵となった魔王トオルを倒すことが先決です」
それを聞いて、双方とも矛を収める。
「われわれの魂を受け継いだ神族の子たちは優秀じゃ。きっと魔王にワクチンを打ち込んで消滅させてくれるだろう」
フード一族の長がつぶやいたとき、眠っていた神族の若手たちの目が開かれた。
「おお。帰ってきたか。それでどうじゃったか?魔王は倒せたか?」
フード一族の長が優しい声を出して近寄ったとき、彼の孫であるその少年は口元を釣り上げ、一気にフード一族の長の首を絞めあげた。
「く、苦しい。何をする……」
「何って、貴様たちへの攻撃だよ。いつまでも俺が電脳世界にとどまっているとおもったのか」
フード一族の若者は邪悪な笑みを浮かべる。他の一族の若者たちも次々と立ち上がり、彼らの長に襲い掛かっていった。
「カグヤ!何をする!」
愛しい孫娘に蹴り上げられ、竹取の翁は驚愕する。
「カグヤだって?違うな」
カグヤのカラダをのっとった何者かは邪悪に笑って宣言した。
「俺は魔王トオル。今ここに現世に復活した。貴様たちの子や孫の肉体を乗っ取ってな。これからは俺が世界を支配させてもらう。まずは貴様たちからだ」
トオルの精神をインストールされた操り人形たちは、瞬く間に地下都市タカマガハラを制圧していった。
電脳世界 帝都ファーランド。
そこに築かれた巨大な城の最深部の玉座に座ったトオルは、そこから現実世界を見ていた。
「よし。これでチェックメイトだな」
自分の精神をコピーした僕たちによって、現実世界にいる神族のほとんどが捕らえられたのを確認して、トオルは会心の笑みを浮かべる。
そんな彼の前に、一人の女魔族が現れた。トオルは彼女を見て、笑みを浮かべる
「君は勇者として神族側を選ぶとおもったんだがな」
「あなたに会うには、魔族側を選ぶのがてっとり早いと思ったのよ」
カグヤはそう告げると、トオルに頭を下げた。
「あの。おじい様があなたを殺してしまって、ごめんなさい」
「いいさ。君に罪はない。たまたま敵の親族だったというだけだ」
トオルは穏やかな笑みを浮かべて、カグヤの謝罪を受け入れた。
「ありがとう。それで、聞きたいことがあるんだけど……」
「わかっているさ。あいつらがどうなるかだろう?」
トオルは上空の空間に視線を向ける。そこには捕らえられた竹取の翁や、他の神族の長たちがいた。
「あいつらは、長い間人間社会に寄生して自分たちの欲望の赴くまま人間を操ってきた。奴らがいなければ戦争や格差などの問題はもっと早く解決できたはずなんだ。人間にとって迷惑にしかならない。だから元いた場所に帰ってもらう」
神族の長たちは、拘束されたまま次々に「竹筒」の居住スペースにつれてこられ、カプセルに閉じ込められていた。
全員が収納されると、「竹筒」が起動され、すさまじい勢いで浮き上がっていく。
神族のオリジナルの魂を持つものたちは、地球から追放されて無限の宇宙に放逐されるのだった。
「まあ、竹筒の機能は半分も修復されてないから、別の恒星系までいくのに途方もない時間はかかるだろうけどな。奴らには別の星にいってもらうさ」
トオルはそういって、残酷な笑みを浮かべるのだった。
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