転生したら、周辺環境がクソだったので、人形と共に改革していく 〜せっかく転生したのならゆっくりのんびり生きたい〜

28． 測定してわかるもの

「えーと、各クラスの人、誰か点呼をお願いできるか～？」
と体育館で先生が言うとクラス間で数人が動き、人数を調べて報告していた。
「…よし、全員揃ったな。それじゃあ測定を始める。男子はまず能力調査からするので神格講堂へと向かってくれ。」
と監督官の先生が指示を飛ばし、その指示に合わせて男子が体育館を出て行った。
「さて、じゃあこのクラスは体重、隣は身長、その隣のクラスは魔力出力を計測してください。残りの3クラスは記録の方をお願いします。」
と引き続き指示が飛び、記録会が始まった。僕はクロエのクラスと組むことになっていたのでクロエと一緒に記録をしていた。
「えっと…身長が…162cm…っと。クロエ、記録終わったよ。」
と言うと、
「ん～ありがと～じゃあ交代だね。紙貸して。」
「ん、はいど～ぞ。」
と紙を渡し、測定器に乗った。
「えーっと…どれどれ…159cmかな？…159cmっと。」
とクロエが書き込む。
「うぅ…クロエより3cm低い…」
と呟くと、
「だ、だいじょぶだよ…きっとこれから伸びるって。」
とクロエが慰めてくれるが、その後に測ったスリーサイズでも一個も勝てなかった…おかしいなぁ、一応同級生だよね？と項垂れていると、
「だ、大丈夫だって。きっと後々育っていくって。」
「…きっと…？」
「きっと…多分…天文学的な確率で…」
と段々と目を逸らしながらしどろもどろになっていくクロエを睨んでいると、
「どーしたんだナギ、そんな涙目で…なんかあったか？貴族側からのいじめか？」
と入り口側からルイトの声がする。
「あ、ルイト…ちょっとごめん助けてくれる？」
とクロエがルイトに助けを求める。
「いや…本当に何があったんだよ…」
とルイトが呆れながらも
「ほら、ナギ、とりあえず起きような、な？」
とルイトが背中を突く
「うぅ…ねぇルイト…僕ってもしかして女の子の魅力ない…？」
と聞くと、
「あ～う～ん、完全に0ってわけじゃないけどある無しで言うのなら無し…かなぁ…」
と言った。
「う…うわぁぁん！」
と僕は泣き、クロエは、
「あんたねぇ…女心ってもんを知らんのか？」
とルイトを怒っていたが、
「いやだって正直に言ったほうがいいかな…と思ったんだよ…」
と瀕死の僕に確殺を入れるような言動をする。
もうヤダ…僕ってそんなに魅力がないんだ…と思うと
（いや、君は男でしょ…）
とどこからともなく声がする。が、それにすら、
（うるさい！この世界では僕は女の子なんだからいいだろ別！）
と何も考えずに言い返していた。
すると、
「おい、ナギエ、クロエ、お前らで女子は最後だぞ！早く神格講堂に行け！…これだから平民は…どんクセェんだよ、早く行け！」
と男子生徒に言われてしまった。
「ほ、ほら、ナギちゃんいこっか。」
と行った後に、
「…ルイトくん？後でどうなるかわかってんでしょうね？」
とその場にいる全員の背筋がゾッとするような声色で呟くと僕の背中を叩きながら神格講堂に連れて行ってくれた。