転生したら、周辺環境がクソだったので、人形と共に改革していく 〜せっかく転生したのならゆっくりのんびり生きたい〜

44． 模擬戦の終わりと緊急事態①

目を覚ますとそこには、
「およ？久しぶりだね。そっちからくるってことは急な要件なのかな？」
とクラッヒトが話しかけてくる傍らには最高神たるアルルとも一緒にいた…なぜかメイド服で…
「クラッヒト様、お久しぶりです…それで何でアルルト様はそんな格好をなさっているのですか？」
と聞くと、
「ああ、そう言うへり下ったのはいいよ…砕けた口調で大丈夫。」
と、クラッヒトに言われ僕は普段使いの口調に変える。やっぱ普段なれない敬語とかは疲れるものだ。
「それで？なんでアルルトはあんな姿になってるの？」
と聞くと、アルルト本人が、賭け事をして負けちゃいまして…今日1日はクラッヒトのメイドになると言う罰ゲームを言い渡されたの。」
と説明する。
「へぇ…で、賭け事って何をしたの？ポーカー？ブラック・ジャック？」
と聞くと、
「人生ゲームです。」
「は、はい？」
信じられないことが聞こえた気がする。
「ごめん、もっかいお願い。」
「人生ゲームです。」
「……。」
「……。」
「あ、ちなみに最下位が一位のやつの奴隷またはメイドになってもらうことにしたんだ。今日1日だけだけどね。」
とおちゃらけたように言う。なぜか馬鹿馬鹿しくなり話を変えることにした。
「あ、そうそう…なんかさ、魂に関係する魔法を食らったんだ…何にも無かったけど、能力が…《反転させる》能力がなぜか使えなかったんだ。」
と言うと、
「えっ、ど、どれどれ…」
っとクラッヒトが僕の頬に触れる…そしてこう言い放った。
「ああ、これは逆にいい兆候かも？」
と。まぁこんなことを言われても僕には全く意味がわからないため、小首を傾げた。
「あぁ、ごめんね。えぇっと、君にも分かりやすく言うと、今まではナギエちゃんっていう依代の肉体に基の持ち主であるナギエとあなたの2人分の魂が入っていたの。だけど今回、その魔法で魂に干渉された結果、その二つの魂が混ざり合っていったの。つまるところ、今、貴方の魂は真の意味で“ナギエ”になっていると言うことよ。」
と言うと同時に僕の目の前に最近見た四角い半透明なホロウィンドウが目の前に現れた。


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・ナギエ・アリア（覚醒魂）

・スキル
・神族対話　　　・神族化
・寓話の武器エンシェント・アーツ
・癒しの心　　　・作成
・付与術　　　　・鑑定
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…ス、スキルが変わっていやがる…というか覚醒魂ってなんだよ…と言う僕の心を見透かしたのか、クラッヒトは、
「やはりな…覚醒魂になっていたか…ふむ、やはりエンシェント・アーツも習得しているな。」
と言う。
「覚醒魂ってなんだよ！エンシェント・アーツ？知らんがな！」
と叫ぶと、
「む？…ああそうか、お前は知らなかったな…アルルト、説明してやれ。私はバベルから貰ったえくれあとしゅうくりぃむとやらを食べる。」
と言い奥にあるティーセットの乗っているテーブルにちょこんと座った。
「あ～ずるぅい！私の分まで食べるなよ！」
とアルルトは喚く。しかし、全く聞こえてないようだ。
「はぁ、まあいいや…じゃあ説明するね。」
と僕の方に向き直ったアルルトは説明を始めた。
「まず、覚醒魂からなんだけど、これは種として持つ魂の限界っていう物があって、って話わからないか…」
と話を途中で切った。まぁこの判断は正しいだろう。なぜなら僕の頭のキャパはいっぱいだからだ。難しい言葉のオンパレードで完全に思考停止状態だ。
「えぇっと、なんて言えばいいかな？ゲームで言う“超越”機能で強化されたキャラ…って言えばわかるかな？」
と言う…なるほど、これは分かりやすい…つまり限界突破した魂…と言うことだろう。その思考を読んだのか、アルルトは
「理解できたようだね。じゃあ次のエンシェント・アーツについて説明するね…と言っても君なら楽勝で理科できると思うよ。」
と言った。
「？どう言うこと？」
と聞くと、
「ん～と、このスキルはイメージで強化できるもので、本とかの作り物の話の中の武器を顕現することができるってことなんだけど…まあ論より証拠よね…何か架空の武器をイメージしてみて。」
と言われるので、言われるがままにイメージした。
「ん～じゃあオーディーンの槍のグングニルを…ってうぉお？」
とイメージした途端に虚空から神々しい槍が飛び出てきた。
「うん、これで大丈夫。あ、あと“能力”はもう使えると思うよ。じゃあ頑張ってね。模擬戦。えくれあとしゅうくりぃむ食べながらみてるよ。」
と言い僕の頭をトンっと叩いた。それと同時に僕は現実世界へと戻っていくのだった