転生したら、周辺環境がクソだったので、人形と共に改革していく 〜せっかく転生したのならゆっくりのんびり生きたい〜

甘夏かん

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74. クーデター②

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・side ナギエ&ルイト
「出ておいで。ダイヤ、シエン。」
と言うと私の肩から下げている鞄から白いふわふわがふたつ飛び出し、それぞれ狼と九尾の狐の形になった。
「ナギエ様、お久しぶりです。」
「あ、ナギエちゃん、久しぶり。ルイトくんも。元気してた?」
とそれぞれが話す。ダイヤは狼、シエンはキツネだ。
「ダイヤ!シエンも久しぶりだな。元気だったか?」
と、ルイトはダイヤと話始めた。
「ええ。しっかり休ませてもらいました。これからはまた一緒です。頑張ってクロエさんを助けましょう。」
「おお、ダイヤのシールドはメッチャ硬いからな。タンクとして一緒に前線だな。」
「私は遊撃の方がいいと思うんですけどねぇ。」
と言いながら歩いていると、目の前に豪華な扉が現れた。
「…開けるよ…」
と言うと私はその扉を押した。ギギィという音と共にその扉が開いた。私はキョロキョロと周囲を見渡す。
「誰も居ないっぽい。…シエン、クロエの魔力覚えてる?」
「もちろん、任せて。…こっちだ。」
とシエンが先行した。
「だいぶ近くなってきたよ。」
とシエンが言ったその時だった。
「おい!誰だ、お前ら!」
と後ろから怒声と共にこちらに走ってくる兵士がいた。その兵士はためらうことなく帯刀していた直剣を抜くと切り掛かってきた。
「くらえぇ!」
「ルイト!」
「わかってるって。」
とルイトは双剣…ディライト・トゥ・ファンタジアを片方だけ抜くと、それを振り下ろされる剣の横っ面にぶつけてパリィをするともう片方の手を強く握り、そのままその兵士の胸当てに叩き込んだ。
「グァ…っ…こ、ここは後宮…国王の愛せし妾の住む場所…貴様らなんぞが土足で入っていい場所ではない…引き返せ…」
とぶっ飛ばせれた兵士は絞り出すような声で言った。それにルイトは、
「ここがどこだろうと知らん。僕らはただ仲間を取り返しにきただけだ。」
と言うと、剣を納刀した。
「終わったぞ。」
と言うと、
「どこがよ!すっかり囲まれちゃったじゃない!」
とナギエは風魔法で兵士たちを後方に吹き飛ばす。
「一旦広い場所に行こう。ここじゃ人海戦術で負ける!」
「わかった。まずはあの通路まで走るぞ。きちんと迎撃しろよ。」
と言うとルイトは双剣に魔法力を集め、飛ぶ斬撃を放ち、ルートを確保すると素早く納刀し、
「わ、わ!ちょ、ちょっとルイト?」
横抱きに抱えられた。
「シエン、ダイヤ!しっかりつかまれ!“超加速”っ!」
と言った。次の瞬間には入ってきた扉の前にいた
「はぁ、はぁ、つ…疲れた…」
とルイトが肩で息をしているので治癒魔法をかけてやる。

・一方その頃のクロエはというと…
「…今ルイトって聞こえた?」
「ええ。それとナギエとも聞こえました。」
とアサギが言うと、私は席を立つと、
「シズ、行くよ。迎えが来たよ。」
と言うと、
「ママ?それともルイト?」
「両方!」
「やったぁ!早く行こうよ。」
「ええ。じゃあそう言うことだから。」
と私は2人に言ってドアを開けようとすると、
「まぁまぁ、ちょっと待ってくださいよ。」
とミクリが肩を掴む。
「私たちも一緒に行くって言ったでしょう?」
とアサギがクローゼットから何かを取り出しながら言った。
「あぁ…忘れてた…うん、一緒に行こう。」
と言い私はシズを肩に止まらせた。
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