幼馴染達がチート過ぎて、自分は影が薄い凡人(無自覚)です!?

祁季みのる

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【本編】

EPISODE 3:外界の冒険者

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 フィロソフィーは診療所に戻り、工房の部屋に移動してジャックが手にしてきた薬草の仕分けをしている。


「見ていて、楽しいんか?リーオ」

「んー?うん、楽しいよー?」

「相変わらず、変なヤツやな」

「えー、そんなに変なヤツ??俺的には、いつも通りにフィロが大好きなだけなんだけど?」


 ジャックは椅子に座りながらもフィロソフィーの行動を眺めていて、フィロソフィーは苦笑いを浮かべながらも其々の箱の中に薬草を詰めていく。


「他の2人も、毎回同じ事を言ってくるやんか?ボクに、そんな魅力無いと思うで?“ただの凡人”やぞ!?なのに、リーオ達は他の女の子に見向きもしないやん」

「まぁ、それはフィロにゾッコンなんで?一々、他の女なんて見ないから」

「うわぁっ……、凄い発言聞いてもうた」


 フィロソフィーがリーオの発言に何処となく引き気味でツッコミをいれると、リーオは目を細めて軽く笑っていた。


「そんなに、引かなくてもいいじゃん」

「いやいや、あんまりの発言に引くに決まっとるやろ!?モテるくせにー!」

「モテても、フィロからの愛だけしか興味ないよ」

「ダメだ、コイツ」


 フィロソフィーはリーオの説得に諦めたのか、薬草の詰め込みが終わって何が足りないのかを手帳で確認している。

 そんな真剣にやっているフィロソフィーをリーオは手を組んで顎を乗せては、その光景を目を細めて少し笑みを浮かべていた。


「フィロ」

「んー?なんやー?」

「そんなに、外に出て見たいの?」

「まぁ、そりゃーね?町の外を出歩きたいとは、思っておるよ?でも、リーオ達的には危険だから外に出したくないって言っておったやん」

「まぁ、そりゃあね……。だけど、本当にフィロが外を出てみたいって言うなら俺が護衛としてついて行く事を条件なら良いよ」

「“情報屋”の仕事は、どうするん?」

「それは、弟子に“基本的には”託しているから必要性があったら連絡すればいいし」


 フィロソフィーは手を止めずに考えて、その手は薬剤を作っていて手早く作られていく。


「リーオは、それでええんか?」

「フィロと一緒に、居られるなら別に構わないよ」

「わかった!なら、リーオ付きで外に出てみたい!」

「ん、わかった」


 嬉しそうにしているフィロソフィーを見てリーオは、何処となく嬉しそうに小さく笑みを浮かべていた。

 リーオにとって、フィロソフィーは中心的な存在だ。


 そしてその日の夜、町の人々が眠っている時間に町の郊外では悲鳴や断末魔が聞こえていた。
 それは、世界統一政府機関に所属しているの冒険者達がリーオの刀によって首や胴体を真っ二つにされていたからだ。


「本当、しつこいよねー?キミらってさぁ、世界統一政府機関だっけ?何の為に、こんな辺境な地に来て調査をしているのかなー?ねぇ、教えてよ」

「うっ、……」

「“外界の人間”が、何で“現住民”の土地を探るのかなー?ねぇ?」

「っ!!あぁあああっ!?」


 リーオは笑みを浮かべながらも座り込んで、瀕死になっている冒険者の左足を折っては刀を冒険者の目の前の地面に刺し込む。


「もしかして、誰かから話を聞いたりしたんじゃない?“此処の診療所に、蘇生術式が使える“現住民”がいる”とか」

「!?、い、いるの、かっ!?」

「五月蝿い」


 リーオは冒険者の問いを聞かずに、冒険者の首を切り落としてから立ち上がり刀を振るい刃に付いた血を落とすと周りを見渡す。


「………………助けなければ良かった。こうなるって、俺は分かっていた。だけど、フィロは凄く優しいから必死に説得してくる。だから、こうやって俺は排除しているんだよ?ジャック」


 いつの間にかジャックは此処へと来ては、周りを見渡してから軽く息を吐いてからリーオの方を見ながらリーオの隣へと歩いてくる。


「後始末は、僕に任せておけ」

「ん、頼んだ」

「最近は、特に多くなったな」

「そうだねー。それは、付近の“異変”との関わりがあるのかもしれない。最近、各地で“ノイズ”が見つかっているらしい」

「薬草の“ノイズ”と同じ、ヤツか?」

「そうそう。薬草以外にも、一部の“現住民”にも見られている現象らしいよ」

「という事は、何かが始まっているって事なのか?」


 薬草に“ノイズ”が入りフィロソフィーが“苦しそうにしている”と言っていた事、それは明らかに何かが始まったのは確かなのだろう。


「そうだ。暫く、俺はフィロの散歩に付き添うから」

「散歩??」

「フィロに外に出たいなら、俺が護衛に就くならいいよって言ったら悩んだ挙句の果てに了承してくれた」

「なるほど」

「その間、町に“外界の人間”を入れるな」

「わかっている」

「情けもかけずに、殺せよ」


 リーオが刀を仕舞うと歩き出して背伸びをすると、ジャックは周りを見渡しては“1週間前よりも、本当に増えたなコレ”と思いながらも遺体を片付け始める。

 1年前、1人の“外界の人間”を救ってから世界統一政府機関からの調査という名目で、冒険者達が此処へと来るようになった。


「(アイツ、絶対に見つけたら惨たらしく殺してやるから)」





NeXT
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