おいでませ!?DIVERPG世界でセカンドライフの時間だよ!

祁季みのる

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■第1楽章:融合した世界

EPISODE 11:悲哀の少女と一つの約束

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 フェイトにとって妹のような存在であるスノウの救出から1週間が経ち、トネリコは土地の調査隊としてクロムとオズワルドとヴェイグに頼むために地図を取り出して広げていた。

 その地図は“旧北海道”の地図なのだが、大体の基本的な形は保っているため古い地図だが目星はつきやすいからだ。


「じゃあ、僕は東側を調査に向かうよ」

「では、俺は西側ですね」

「なら、オレは近辺の調査しておくわ」

「じゃあ、何かを見つけたりしたら連絡くれる?新しい地図を作製していくから」

「わかったよ」

「わかりました」


 トネリコの指示にクロムは大陸の東側へと向かい、オズワルドは大陸の西側へと向かうために二人は屋敷を出ていくと、ヴェイグはのんびりとした歩き方で外へと出ていく。

 トネリコは窓側へと歩いていき窓から外を見てみれば、フェイトとスノウが花壇にある花を見て楽しそうに話をしていた。
 あの後、スノウの戸籍を確認して見れば“市民権”が剥奪というよりも“死亡”扱いで片付けられていて存在していなかった。


「はぁ……(人質にしていたから、そんな予感はしていたけども)」


 前にも何件か同じような事があったというのは、情報屋からは仕入れてはいた。

 例えば、何かの実験のバイトを受けた人々が戻らず“死亡”扱いで雑に片付けられていたというのもある。


「多分、実験に関しては“第六機関議長”なんだろうけどね……(ゲームの時も、色々と違反ギリギリな事をしていたのは覚えているし)」


 トネリコが考え事をしているとフェイトが慌てた声が聴こえてトネリコは外を見ると、スノウが苦しそうに胸を押さえて座り込んでいてフェイトが支えていた。


「フェイトくん、どうしたの?」

「トネリコさん、なんかスノウが苦しそうにしていてっ!」

「っ…」

「とりあえず、部屋に」

「う、うんっ!」

「フェイト、おにー、さんっ」

「スノウ?」


 スノウは胸を押さえながらもフェイトの右腕を掴み、フェイトとトネリコを交互に見てからフェイトを弱々しくだが何処となく強い眼差しで見つめていた。


「フェイト、お兄ちゃん……ごめんなさいっ」

「スノウ、大丈夫だからな?元々、スノウが身体が弱いのは知ってるから」

「…………ううん、違う」

「スノウ?」


 トネリコはスノウの様子を見ていると、スノウの周りの花や草だけが何故か枯れていっているのを見つける。


(これは、一体?)

「あぁああっ……!」

「スノウ、っ!?」

「!?」


 スノウが先程よりも苦しそうにしたと思えば、スノウに手を掴まれていたフェイトも何処となく少し辛そうにしていた。


「フェイトくん、手を離れさせて!」

「え!?あ、はい!」


 フェイトがスノウの手を離れさせると少しだけフェイトは辛さから抜けたと同時に、軽い地震のような振動が起きたと思えばフェイトとトネリコは急に力が抜けて地面に倒れてしまう。


「な、なんやっ……!?」

「っ、多分、スノウちゃん、この周辺“ソウルドレイン”していると、思うっ……」

「え………、スノウがっ?」

「ごめんなさい、ごめんなさいっ」

「スノウ?どうしたんっ?」


 どうにかフェイトは立ち上がるがスノウへと近寄ろうとした時、スノウの周りの“マナ”が歪みはじめてスノウの周りには血のような赤色の水晶が無数に出来ていく。


「くそっ、スノウっ!!しっかり、してっ!!落ち着くんだ!!」

「生きていて、ごめんなさい……迷惑かけて、ごめんなさい……」

「そんな事、オレは全然思ってなんかいないよ!!スノウと居ると、色々と楽しくて話していても飽きないんだぞ!?」

「っ……ぅ」


 スノウは両手で自身の目を覆って俯くとスノウは浮き始めて、スノウの背中から血のような赤色の水晶で出来た大きな四対の翼が現れるとスノウは手を退けると、スノウの瞳からハイライトが消え去り血の涙が一筋流れていく。


「フェイトくん」

「なんで、…………なんで、なんでなんだよっ!!スノウが、何をしたって言うんやねんっ!!スノウは、何もしてないやろ!?なのに、なんで……なんでっ………なんでなんっ?」

「フェイトくん、彼女を止めないといけない……。それが、例え彼女の命を奪うことになっても」

「っ……、俺、出来ない、よっ……」


 フェイトは現実を受け止めたくなくて、その場で崩れて座って俯いて首を左右に振っていた。


 あんなに、楽しそうに話をしていたのに。
 あんなに、嬉しそうに話をしていたのに。
 あんなに、笑ってくれていたのに。


 あんまりの残酷な現実にフェイトは、心から絶望をし何が彼女を此処までにしたのかさえ分からずに、ただスノウの事を見つめる事しかなく動けなかった。


「フェイトくんっ」


 トネリコはスノウの動きを見てすぐにフェイトの前に立って杖を構えるのだが、何故か結界を展開させる事が出来ないままスノウが放った炎の渦のレーザーがトネリコ達を襲う。


「っ!?」


 トネリコとフェイトに直撃して爆発が起きて、トネリコとフェイトは少し離れた場所へと吹き飛ばされて地面に倒れていた。


「っ……ぅ(もしかして、“マジックアンチフィールド”!?だから、“マナ”も枯渇してレーヴェも呼べないっ)」

「……」


 スノウはトネリコへと手を向けると無数の血のような赤色の水晶の剣精製し、その無数の血のような赤色の水晶の剣をトネリコへと全てを放っていく。


「やばっ…!」

【“ダイヤのジャック”】

「!?」


 トネリコの目の前にダイヤ型の大盾が現れて、全ての剣を弾き砕けさせていく。
 屋敷の門の所でトランプの束をシャフルさせているヴェイグが居て、側には工房から慌てて出てきたロイドも立っては大きめのツルハシを構えていた。


「大丈夫っすか!姐さん!」

「ヴェイグさん、ロイドさん」

「何か嫌な予感がして、戻ってきてみれば……どういう状況なんだ?」

「もしかしたら、スノウちゃんは誰かに何かを施されていたみたい。周りの“生命”を吸い上げて“マナ”までも吸収したら、あんな姿になってしまったって感じかな……」

「で、フェイトくんは?」

「戦意喪失、ってところ……かな」

「……」

「そりゃあー、そうなるわな……」


 ロイドがフェイトの所へと走りポーションを飲ませて回復させていて、ヴェイグはトネリコの前に立ってスノウを見上げて目を細めて見つめていた。

 半年前からフェイトとスノウの様子を見てきたヴェイグは、スノウに何かを施した人物に対して怒りを感じていた。
 あの2人が幸せそうにしていたというのに、ソレを邪魔している存在がいる事に怒りが湧いて来ていた。


「リコちゃんに、ケガをさせたってのも許せねぇ」

「ヴェイグさん、この周辺に“マジックアンチフィールド”が展開されていて……“マナ”が減っていくだけの状態です。そのせいで、レーヴェも出てこれなくて」


 トネリコの腰に身についている大きめのフラスコの中にいる“黒い何か”は、トネリコの危機だと言うのに外へと出れずに何処となくイラついているのかフラスコの中で蠢いて暴れていた。


「………なら、オレがやる」

「ヴェイグさんっ」

「“マジックアンチフィールド”が、展開中なんだろ?だったら、オレがやるべきだろ?」

「でも、危険過ぎるって……!相手は、大量の“ソウル”を吸い上げていて再生も早い可能性がっ!」

「だけど、よ。誰かがやらないと、全滅する可能性があるだろ?“マジックアンチフィールド”って事は、転送でオズちゃんやクロムさんとか戻って来れないだろ?だったら、動けるオレがやるしかない」


 ヴェイグはトネリコの頭を優しく撫でていて、トネリコは不安そうにフラスコに手を添えてヴェイグを見上げていた。


「もしも、何かあったら……約束、頼むぜ?リコちゃん」

「ヴェイグさんっ!」


 ヴェイグは覚悟を決めてトランプカードの束から、“クローバーのジャック”を取り出すと無数の黒い剣がヴェイグの周りに現れるとヴェイグは走り出す。

 それと同時にスノウは無数の血のような赤色の水晶の剣精製しヴェイグへと放つと、ヴェイグも無数の黒い剣を放ちスノウの剣を弾き砕きさせていく。


「チッ……(的確に、此方を狙っていやがるのかっ!)」


 ヴェイグは砕けなかった剣をスレスレで避けながら、トランプカードの束から“スペードのジャック”と“スペードのクイーン”を取り出す。
 黒色の無数の三叉の槍が現れてスノウへと放ち、無数の黒い鎖がスノウの翼を貫き動きを鈍らせていく。

 スノウは身動き出来ず両手を上に向けると、血のような赤色の水晶で出来た巨大な槍が少しずつ精製されていく。


「やべぇーな、流石にっ!“ハートのクイーン”っ」

「ヴェイグさんっ!!」

「クソッ、っ!」

「ヴェイ、さん……っ?」


 フェイトが顔を上げると同時にスノウは巨大な槍をヴェイグへと放ち、ヴェイグも“ハートのクイーン”の能力でスノウの翼をバラバラし腕さえも切り落としていく。
 だが、スノウが放った血のような赤色の水晶で出来た巨大な槍はヴェイグを貫きヴェイグは大量に吐血していた。


「ヴェイさん!!?」

「ヴェイグ、さんっ!!」


 トネリコは慌ててヴェイグへと走り寄り、倒れそうになるヴェイグを支えるが支えきれず地面に倒れてしまう。


「ポーション、飲んでっ、ヴェイグさんっ……!!」

「っ……」


 ヴェイグは自分の“生命”の消費状態に気付くと、トネリコの手を握っては首を左右に振ってポーションを受け取ることを拒否る。


「でもっ…!」

「っ…ぅ」


 ヴェイグは少ない力でスノウへと指を向ければ、スノウの状態は完治していてスノウは頭を抱えては両目から血の涙を流していた。

 あの攻撃を受けても“ソウルドレイン”で大量の“生命”を奪い糧にしたスノウは、簡単に完治させてしまっていた。


「そんな……っ」

「リコ、ちゃん……、確か、ホムンクルス化で、スキル強化、されるんだろっ?」

「っ……うん……」

「なら、…………やって、くれ……」

「ヴェイグ、さん……本当に、いいの?人には、もう戻れないし……死ぬことも老いることも、出来なくなるんだよっ?」

「構わねぇー、よ……大事な、娘、護れるなら、……とんでも、ない、化け物に、なろうが……よ」


 ヴェイグは優しく笑みを浮かべながらも、泣きそうな悲痛な表情をしているトネリコの頬に手を添えて優しく撫でる。


「っ…………、わかった」

「……おう、……頼む、ぜ……」

「アタシの現在のKILL数と、ヴェイグさんのKILL数を含めた“賢者の紅水晶”を精製っ……」


 トネリコとヴェイグの真下には、禍々しく光を放つ黒い錬成術式が多重に展開されていくと黒い何かが溢れ出しヴェイグを持ち上げては包んでいき繭のようにしていく。


「っ………、“生体錬成”せよ」


 黒い大きな繭は鼓動のような音がしたと思えば、黒い大きな繭に大きくヒビが入ると同時に黒い液体のようなモノが溢れていく。


【“ハートのクイーン”、来いよ】


 スノウが声に反応して黒い大きな繭へと無数の剣を放とうとしたが、無数の剣もスノウの翼も腕も脚もバラバラにしては燃やして再生を阻止していく。

 スノウの真後ろで浮いて立っていたのは、金色の髪色で毛先が赤色をした腰ぐらいの長さのフワっとした髪型で頭には小さな王冠と大きな薔薇が二輪あり、ハートの瞳孔があるツリ目をした暗めの紫色の瞳をした背の高い女性がいた。

 そして王冠を身に着けた女性が、黒色の髪色で一部の毛先が暗めの紫色のメッシュセミロングを軽く束ねていて前髪が長めにしており、黒色のサングラスを身に着けていて獣のような瞳孔をした暗めの紫色の瞳色をした少しタレ目のツリ目をしているヴェイグを姫抱きにしていた。


「チェックメイト、だぜ?スノウのお嬢ちゃん?やっと、オヤスミ出来るだろ?」


 王冠を身に着けた女性が深く笑みを浮かべると同時に、スノウの首が切り落とされていた。





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