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第一章 転生、そして冒険者に
#02 厨二病設定
しおりを挟む───異世界に来て初ダメージがステータスからとか、なんかもう先が見えた気がする。
引き摺っててもしょうがない、気を取り直してスキルの確認でもしよう。
まずは、ユニークスキルからだな。
これ、イメージだけで何でもいけるのかな?とりあえず今すぐ欲しいものと言えば…うん、靴だな。
やっぱり裸足じゃないにしてもソックスのまま歩き続けるのはしんどいからな…愛用してた黒赤のハイカットスニーカーでも創ってみるか。
形、色を思い出して…イメージイメージ……よし、創造!
ポンッ!
おぉぉ、出来たっていうか出てきた!うん、見た目は同じだな、あとは履き心地を…と、すげぇ、向こうで使ってた感じそのまんまだっ!
これは使い勝手のいいスキルだな、よし、次いってみよう!
次は…やっぱり身を守るためのものか?とりあえず、剣士になったんだから剣でも創ってみるか。
えっと、剣…刀…いや、待て待て、そもそも剣道かじった程度の奴がいきなり剣使ったところでどうにかなるとは思えない。
となると、今のスキルで使えそうなやつといえば…
(笑)しかねぇ
いきなり魔法なんて使えるのか分からんけど、ここは割り切ってみるか。
封印したいところだが、命が掛かってるなら背に腹は変えられない…と無理矢理納得させよう、こっちの世界で誰にも知られないようにしておけば大丈夫と楽観視しとく、ということで職種変更。
[職種:闇黒魔刀剣士に変更(笑)]
おいっ!(笑)の位置が違うじゃねーかっ!ふざけんなこのステータスがっ!!
くっそ、完全にステータスに遊ばれてやがる……。
とにかく、この職種(笑)をどうにかしないと。
スキル創って隠せるようになるか試してみるか。
えーと、ステータス隠蔽、ステータス隠蔽……っと、出来たかな?
【ステータス(隠蔽中)】
《識別》
名前:遊佐 尚斗
種族:人種(笑)
選択:小鬼族(1)
属性:闇(笑)
邪(笑)
性別:男性
年齢:18(45)
職種:闇黒魔刀剣士(笑)
選択:SE(派遣社員)(3)
剣士(1)
盗賊(1)
状態:多分正常?
《能力値》
位階:無い
体力:それなり
魔力:かなり多い
筋力:まあまあ
耐久:低め(内角)
器用:高め(外角)
敏捷:そこそこ
知力:ほどほど
精神:対異性のみ激弱
運勢:若干上昇中
《技能》
固有:想像創造(∵)
物理:魔刀剣術(笑)
剣術(1)
投擲術(1)
棍棒術(2)
魔法:闇黒魔法(笑)
補助:分析解説(∵)
一般:言語翻訳(∵)
家事(1)
《称号》
転生者
厨二病疾患者(再発)
寝取られし者
………隠蔽中って付いたのは分かるけど、なんだよこの表示は……なんで種族とか属性にまで(笑)付いてるんだよ、しかも《能力値》に至っては大雑把になりすぎだし…最早数値ですら無い。
耐久とか器用とかストライクゾーンじゃねぇか、それ……ちゃんと仕事しろよステータス!
[ステータス(隠蔽中):全てのステータス表示を隠蔽。外部干渉による強制表示不可・自己解除可能]
いやそこじゃなくて種族とか能力値の表示のほうだよ!
ったく…とりあえず俺以外の誰からも見えなくなったってことだろうから、今のところはまぁこれで良しとしとこう。
ステータスに干渉出来ただけで、別にスキルが付いたわけじゃないのな。
(笑)にした途端、厨二病全盛期の記憶が鮮明に蘇ってきた……これ、あの頃俺が作った「闇黒魔導書」に書き溜めたやつ全部使えるのか……恥とかもういいや、知り合いがいるわけでもないし、もう開き直ろう。
長ったらしい詠唱まで書き連ねてたけど、こんなもん実戦で使えるわけないだろ……試しになんか使ってみるか。
掌を前方に、闇黒魔導書に書いてあるイメージを思い浮かべて…詠唱とか技名なんて恥ずかしくて口に出せるか!思考するだけで出ろっ!
(〔邪闇覇〕っ!)
キュイィィィィン……バシュッ!
ドゴォォォォォン!!!
………あー、その、なんだ。
ダメっぽいな、うん、見た感じ学校のグラウンドくらいの広さが更地になったわ。
環境破壊系統はダメだろ…。
このステータスでこれだけ威力出るの?なんで?
[魔力・知力およびスキルレベル補正有り]
あの表示で補正あるのがビックリだわ…しかも補正っていうレベルじゃないだろ、これ……あ、(笑)のせいか!文字通りかと思ってたけど、レベルが笑ってるってそもそもおかしいからな…(笑)の解説頼む!
[レベル表示(笑):解説拒否]
まてまてまて!拒否ってなんだよ!仕事しろって言ってるだろうが!
[闇黒魔法(笑):このスキルは]
それはいらないからっ!レベルの話だっての!なんで今それ解説しようとしたっ!んなもん、解説されなくても俺が一番よく分かってるわ!…ったく、ステータスに振り回されるとかいい加減疲れるんだよ……って、スキルかこれ。
あ、そうだ!スキルのオンオフって可能か?
[スキル設定:スキルによりオン/オフ設定の可/不可有り]
なら、分─[スキル:分析解説のオン/オフ設定不可。常時発動。外部音声出力機能有り]─析……ってレスポンス早すぎるだろ……そんなことだろうとは思ったけど。
っておいまて、外部音声って…他人にも聞こえるようになるのか?それは勘弁してくれよ、ホント。
はぁ…頭の中でツッコむのがこんなに疲れるとか……あ、起きた時の頭痛ってこのスキルのせいじゃね?
「[闇黒魔刀剣士(笑):この職種]」
分かったごめん俺が悪かった!あと勝手に機能切り替えて声出すの止めてください!俺が悶え恥ずか死ぬからっ!
はぁ…こいつとのやり取りは置いといて、一先ず異世界もので定番の便利そうなスキルだけ作るか、後は追々必要に駆られたら考えよう。
とりあえず自動地図作成、探査、転移、無限収納…と、こんなもんかな。
[スキル:自動地図作成/探査/転移/無限収納作成・取得]
出来たかな。
ちょっとスキルだけステータス表示してくれるか?
【ステータス(隠蔽中)】
《技能》
固有:想像創造(∵)
物理:魔刀剣術(笑)
剣術(1)
投擲術(1)
棍棒術(2)
魔法:闇黒魔法(笑)
・邪闇覇(笑)
補助:分析解説(∵)
自動地図作成(―)
探査(―)
転移(―)
無限収納(―)
一般:言語翻訳(∵)
家事(1)
うん、出来てるな。
んじゃ早速探査を使って、地図表示と…この四角いマーカーが敵性体反応で、色で敵対反応感知、と。
青が味方、緑が中立、赤が敵対で想像通り出来てるっぽいな。
この世界での敵性体ってどんな感じなんだろうな…多分、魔物って呼ばれてるものってのは何となく想像付くけど…まぁ、見てみりゃ分かるか。
緑色の四角がそこそこあるから…一番近いやつにちょっとだけ寄ってみよう。
その前に身を守る準備しとかないと…防御系闇黒魔法発動、と。
(〔闇護膜〕)
よし、行ってみるか。
―・―・―・―・―・―・―・―
マーカー近くまで来たけど……なんだありゃ?見た目虫系っぽいけど…カマキリとクモとサソリを足して3で割った感じか。
クモベースでカマキリの上半身が前の方に付いてるけど鎌じゃなくてハサミ、それでサソリの尻尾まで付いててそっちもハサミか。
分析解説出来るか?
【ステータス(簡易)】
《識別》
個体名:スパルティス
種族 :鋏殻種
属性 :地
闇
位階 :12
体力 :1387/1387
魔力 :962/962
状態 :正常
《技能》
物理 :鋏切術(10)
操糸術(7)
操毒術(6)
お、出た出た、スキルとか虫の見た目通りだった。
えっと、外的脅威…ってことでいいんだよな?多分、気付かれたら襲ってくるんだろうしな…。
うーん、どうしようか…襲われてもいないのにこっちから一方的に討伐するってのは、個人的に何となく抵抗があるんだけど……。
…よし、ここは覚悟を決めて前に出てみるか。
問答無用で敵対してきたら迷わず倒すってことで、この世界ではそういうものっていう確証が欲しい。
そこそこデカイから怖いけど…マップ上赤に変わった時点でこっちからやる!頼むぜっ、闇黒魔法(笑)。
気付かれないようにしてた木の影から、わざとガサガサっと音がするように前に出てみた、距離的に20メートルくらいか。
向こうも音がした方を気にしてこっちを向いた、そして…俺を見つけたらしい。
その瞬間、マップ上のマーカーが緑から赤に変わって、鳴き声だか叫び声だか分からないのを上げてこちらに向かってきた。
「キキキキキッッ」
うぉ!結構早いっ!けど、これで心置きなく迎撃出来るっ!
(〔黒闇齎〕っ!)
「カカカッッ……」
ドスンッ
…ふぅ……俺の手前5メートルくらいで、変な鳴き声…断末魔?を出して崩れ落ちた。
マップ上だと今はグレーのマーカーになってる…敵性のマーカー判別も敵対時や倒した後の色判別も間違いないみたいだし、これで確証取れた。
とりあえず闇黒魔法も効いたみたいでよかった…厨二病時代の俺に感謝。
[闇黒魔法・黒闇齎(笑):全ての理に背き、対象としたものに等しく黒き闇を齎す。闇に囚われたもの即ち、その活動を永遠に停止、あるいは消滅させる]
一時期、即死魔法最強!とか言ってたからな……。
これなら物理的に危険無いように倒せそうだから、この先何とかなりそうだ、臆病卑怯極まりないけど…この際そんなことは言ってられないと割り切ろう。
で、亡骸は…お金のこととか考えると持っていくべきだよな、多分。
売れなかったらその時考えるとして、回収はしていこう。
スキル創造…収納墓地、と。
[スキル:収納墓地作成・取得]
【ステータス(隠蔽中)】
《技能》
固有:想像創造(∵)
物理:魔刀剣術(笑)
剣術(1)
投擲術(1)
棍棒術(2)
魔法:闇黒魔法(笑)
・邪闇覇(笑)
・闇護膜(笑)
・黒闇齏(笑)
補助:分析解説(∵)
自動地図作成(―)
探査(―)
転移(―)
無限収納(―)
収納墓地(―)
一般:言語翻訳(∵)
家事(1)
普通の収納と亡骸の収納は分けてみた。
自分的に同じ収納使って食べ物と亡骸を一緒にしまっていくっていうのが、なんか、こう…ね、気分的、生理的な意味で。
読んでた異世界ものでは、大体異空間とか時空間って設定だから全然問題ないってのは何となく認識は出来るんだけど…ね。
あと、このステータス、闇黒魔法とか使うたびに(笑)表示が増えていくのが気分的に複雑だ……。
ま、何とかなりそうなのは確認出来たし、とにかく探査しながら森抜けるか。
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