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World1 突き飛ばされて異世界転生したら勇者になってくれと言われたんだが
09話
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子供の成長は早いものだ。この間まで、とっても可愛かったのに、気が付けば大人の面影が出てくる。
目に見える成長は周りも、その子自身も強くする。
ーーーーー
俺とアスカは無事にお父さんからのクエストをクリアしてフォレスト村に向けて家路に就いていた。日は完全に落ち、なんだか肌寒くなってきたな…。
「何だが肌寒くなってきましたね。もう真っ暗ですよ…、お父様ったら、明日でもいいものをなんでこんな危ない時間に行かせるんですかね…」
アスカさんちょいおこです。でもそんなアスカも可愛い…。
それにしても寒いな…。何かいい魔法とかないのかな…。俺はあったかいロウソクをイメージしてみた。あっ、なんだかあったかくなってきたような…。
「タカヒコ!」
「おっ、おう。どうしたアスカ?」
「なんですか、それ」
アスカが目を文字通り真ん丸にして見つめる先には、俗に言う火の玉があった。
「うわぁ!なんだよ、これ…」
「待ってください、私の索敵魔法を展開させますから」
アスカはそう言うと、魔法使いが持つような杖をポシェットから取り出し、魔法を詠唱し始めた。うぉぉ!初めての生魔法だ!
「大地よ答えよ、我が問いに。神の恵みか、悪の手下か。汝にその姿を教えよ。 索敵魔法!」
そう索敵魔法を展開すると…、とくに何も起こらなかったが、アスカの表情は穏やかなものになった。
「索敵魔法で見てみたところ、どうやら敵ではないみたいですよ。でも、そうしたら、これはいったい何なのでしょうか…?」
アスカが当てはて?と首をかしげている。アスカに分からない物が俺に分かる訳ないよな。
ブルブルブル。あれ、なんでピンポンが反応するんだろうか。
俺はポケットからピンポンを取り出し、ステータス画面を開いた。
―――――
≪名≫ タカヒコ・サイトウ
≪職業≫ 勇者
≪職業レベル≫ 1
≪スキル≫ エフォータ
魔法無詠唱展開
魔法習得
≪スキルレベル≫ 1
≪取得魔法≫ 索敵魔法
火鉄砲
―――――
…ん?なんか、すごいことになってる気が…。
「なっ、なぁアスカ。ちょっとこれ見てくれないか」
「…?どうしましたタカヒコ、ステータス画面なんて開いて。ステータスはそうそう変化するものでもないですからそんな頻繁に確認しても…⁉」
アスカは、またまた目を丸くし、おまけに口がポカーンと開いている。アスカ、驚いたらこうなるんだろうな、きっと…。
「タ、タ、タ、タカヒコ…、これは事件ですよ」
「…?どういう事だ?」
「どういう事も何も、この世界に来てたった数時間でスキル、魔法ともに二つ習得するなんて聞いたことありません」
「えっ、普通じゃないの?」
「ふ、普通じゃないですよ!昼間も言ったようにスキルは生まれつきのもので、普通1つ。上級勇者も長い冒険の末、やっとの思いで2つが限界です。魔法に関しても1つの魔法を極めるのに10年。他の魔法を発現させるのに魔法の難しさにもよりますが5~10年はかかります。それをタカヒコはいとも簡単に…」
つまり、俺は規格外って事ね…。なんかすみません…。
「それに見るところタカヒコはこの火の玉を『火鉄砲』の魔法でそれも無詠唱でなおかつ応用魔法で出現させています!」
「応用魔法?」
「火鉄砲などの『~鉄砲』と名の付く魔法は通常前方に向けて放ち、敵を攻撃するためのものです。それを、タカヒコは静止させるなんて信じられません」
さっきからアスカの口調が怖いんですが…。
「まぁとにかく、タカヒコはすごいってことが証明されたわけですから、自信を持ってくださいね」
「そうなのか?」
「はい、これもスキル『エフォータ』の効果なのでしょう。流石フラ様のご加護ですね」
なんか、すごいな…。俺の能力はやっぱり規格外だったんだな…。
俺は、この世界での自分の力の恐ろしさを初めて実感することになったのだった。
―――――
「そうだ…俺アスカのこと何も聞いてなかったな」
「私のこと…と言いますと?」
「アスカの職業とかステータス全般のことだよ」
「そ…そうでした!ちょっと待ってくださいね」
アスカはそう言ってポシェットからピンポンを取り出した。
「これが私のステータスです」
―――――
≪名≫ アスカ・フォレスト
≪職業≫ 魔法使い
≪職業レベル≫ 1
≪スキル≫ ソルシエール
≪スキルレベル≫ 1
≪習得魔法≫ 草鉄砲
索敵魔法
―――――
「アスカの職業って魔法使いだったんだな」
「それは、『やっぱり魔法使いか!』と受け取ってよいのか『えっ…。魔法使いだったの…』
と受け取ってよいのか、どちらでしょうか」
怖いよ!笑顔で言わないでよ…。俺ちびっちゃうから、女の子の怖い笑顔が一番怖いの
「も、も、もちろん前者の方だぞ」
「そうですか、ならよかったです」
「おっ、おう。魔法使いはどういう職業なんだ?」
「魔法使いはですね、あっ、ちょっと待ってくださいね」
そういうとアスカはまたポシェットをあさりだした。
あの、思っていたんですけど、あのポシェット何が入っているんですかね。
「これを使ってお仕事するんですよ」
そう言ってアスカが取り出したのは、「ザ・魔法使い」みたいなステッキだ。先端で木が輪っかを作っていてその中心に水晶が浮いている。
前から思っていたこと…ゲームとかで出てくるステッキも水晶が浮かんでいるけど、あれどうやって浮かんでいるの?
俺的7不思議のうちの一つだ…。
「私のレベルは『1』、魔法使いですけど今まで村から出たことはありません。だからレベルが上がる訳ないんですけどね…。魔法は『草属性』、魔法レベルは『1』です。魔法はさっき使った索敵魔法と…」
「舞えよ舞え緑の木の葉、草鉄砲!」
ドゴーン…。へぇ?一瞬水晶が光ったと思ったらすぐに木の葉がいっぱいふわふわしだして玉になって飛んで行ったと思ったら一瞬で木を倒してしまった。つ…つぇー。
「これが私の魔法『草鉄砲』です。今は下級魔法のスキルですけどレベルがもっと上がればもっと強い上級魔法のスキルが使えるようになります。だから…だから私頑張りたいんです!上級魔法スキルが使えるようになるために。そして…」
「そして?」
「いえ!なんでもないですお気になさらないでください。タカヒコにまだ説明していなかったことがありますね。まず私の職業『魔法使い』ですが、その名の通り魔法を扱うことが仕事です。その仕事柄故にレベルが上がるにつれて使える魔法スキルのレベルも上がっていきます。生まれた時から持っている下級魔法スキル…さっき私が使った『草鉄砲』のようなものから始まり、レベルが上がるにつれ上級魔法が扱えるようになっていきます。生まれつき持っている下級魔法の種類は人それぞれですが同様に上級魔法もまた人それぞれという事です」
なるほど。つまりレベルが上がればそれだけ使える魔法も強くなってパワーアップしていくってことか…なんかかっこいいな!でも後半になるにつれてだいたいのゲームがレベル上げるだけでも大変になっていくんだよな…。
「そしてもう一つ。今私が唱えたスキル発動の呪文はそこまで長くなかったですけど、上級魔法になるにつれてどんどん長くなっていきます。覚えるのもたいへんですよ!」
暗記か…。俺記憶力には自信ないんだよな…。でも某異世界系ラノベの呪文は暗唱できるから大丈夫だろう…。きっとな!ちょっとやけくそ気味だな俺…。
「でも、タカヒコにはスキル『魔法無詠唱発動』がありますからね。関係ないですよ」
「あっ…」
なんか、ものすごく申し訳ない気持ちになってきた。
「大丈夫です。タカヒコはとっても強いんですから。しょうがない事です。あ、村が見えてきました。真夜中になる前に戻れてよかったです」
目に見える成長は周りも、その子自身も強くする。
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俺とアスカは無事にお父さんからのクエストをクリアしてフォレスト村に向けて家路に就いていた。日は完全に落ち、なんだか肌寒くなってきたな…。
「何だが肌寒くなってきましたね。もう真っ暗ですよ…、お父様ったら、明日でもいいものをなんでこんな危ない時間に行かせるんですかね…」
アスカさんちょいおこです。でもそんなアスカも可愛い…。
それにしても寒いな…。何かいい魔法とかないのかな…。俺はあったかいロウソクをイメージしてみた。あっ、なんだかあったかくなってきたような…。
「タカヒコ!」
「おっ、おう。どうしたアスカ?」
「なんですか、それ」
アスカが目を文字通り真ん丸にして見つめる先には、俗に言う火の玉があった。
「うわぁ!なんだよ、これ…」
「待ってください、私の索敵魔法を展開させますから」
アスカはそう言うと、魔法使いが持つような杖をポシェットから取り出し、魔法を詠唱し始めた。うぉぉ!初めての生魔法だ!
「大地よ答えよ、我が問いに。神の恵みか、悪の手下か。汝にその姿を教えよ。 索敵魔法!」
そう索敵魔法を展開すると…、とくに何も起こらなかったが、アスカの表情は穏やかなものになった。
「索敵魔法で見てみたところ、どうやら敵ではないみたいですよ。でも、そうしたら、これはいったい何なのでしょうか…?」
アスカが当てはて?と首をかしげている。アスカに分からない物が俺に分かる訳ないよな。
ブルブルブル。あれ、なんでピンポンが反応するんだろうか。
俺はポケットからピンポンを取り出し、ステータス画面を開いた。
―――――
≪名≫ タカヒコ・サイトウ
≪職業≫ 勇者
≪職業レベル≫ 1
≪スキル≫ エフォータ
魔法無詠唱展開
魔法習得
≪スキルレベル≫ 1
≪取得魔法≫ 索敵魔法
火鉄砲
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…ん?なんか、すごいことになってる気が…。
「なっ、なぁアスカ。ちょっとこれ見てくれないか」
「…?どうしましたタカヒコ、ステータス画面なんて開いて。ステータスはそうそう変化するものでもないですからそんな頻繁に確認しても…⁉」
アスカは、またまた目を丸くし、おまけに口がポカーンと開いている。アスカ、驚いたらこうなるんだろうな、きっと…。
「タ、タ、タ、タカヒコ…、これは事件ですよ」
「…?どういう事だ?」
「どういう事も何も、この世界に来てたった数時間でスキル、魔法ともに二つ習得するなんて聞いたことありません」
「えっ、普通じゃないの?」
「ふ、普通じゃないですよ!昼間も言ったようにスキルは生まれつきのもので、普通1つ。上級勇者も長い冒険の末、やっとの思いで2つが限界です。魔法に関しても1つの魔法を極めるのに10年。他の魔法を発現させるのに魔法の難しさにもよりますが5~10年はかかります。それをタカヒコはいとも簡単に…」
つまり、俺は規格外って事ね…。なんかすみません…。
「それに見るところタカヒコはこの火の玉を『火鉄砲』の魔法でそれも無詠唱でなおかつ応用魔法で出現させています!」
「応用魔法?」
「火鉄砲などの『~鉄砲』と名の付く魔法は通常前方に向けて放ち、敵を攻撃するためのものです。それを、タカヒコは静止させるなんて信じられません」
さっきからアスカの口調が怖いんですが…。
「まぁとにかく、タカヒコはすごいってことが証明されたわけですから、自信を持ってくださいね」
「そうなのか?」
「はい、これもスキル『エフォータ』の効果なのでしょう。流石フラ様のご加護ですね」
なんか、すごいな…。俺の能力はやっぱり規格外だったんだな…。
俺は、この世界での自分の力の恐ろしさを初めて実感することになったのだった。
―――――
「そうだ…俺アスカのこと何も聞いてなかったな」
「私のこと…と言いますと?」
「アスカの職業とかステータス全般のことだよ」
「そ…そうでした!ちょっと待ってくださいね」
アスカはそう言ってポシェットからピンポンを取り出した。
「これが私のステータスです」
―――――
≪名≫ アスカ・フォレスト
≪職業≫ 魔法使い
≪職業レベル≫ 1
≪スキル≫ ソルシエール
≪スキルレベル≫ 1
≪習得魔法≫ 草鉄砲
索敵魔法
―――――
「アスカの職業って魔法使いだったんだな」
「それは、『やっぱり魔法使いか!』と受け取ってよいのか『えっ…。魔法使いだったの…』
と受け取ってよいのか、どちらでしょうか」
怖いよ!笑顔で言わないでよ…。俺ちびっちゃうから、女の子の怖い笑顔が一番怖いの
「も、も、もちろん前者の方だぞ」
「そうですか、ならよかったです」
「おっ、おう。魔法使いはどういう職業なんだ?」
「魔法使いはですね、あっ、ちょっと待ってくださいね」
そういうとアスカはまたポシェットをあさりだした。
あの、思っていたんですけど、あのポシェット何が入っているんですかね。
「これを使ってお仕事するんですよ」
そう言ってアスカが取り出したのは、「ザ・魔法使い」みたいなステッキだ。先端で木が輪っかを作っていてその中心に水晶が浮いている。
前から思っていたこと…ゲームとかで出てくるステッキも水晶が浮かんでいるけど、あれどうやって浮かんでいるの?
俺的7不思議のうちの一つだ…。
「私のレベルは『1』、魔法使いですけど今まで村から出たことはありません。だからレベルが上がる訳ないんですけどね…。魔法は『草属性』、魔法レベルは『1』です。魔法はさっき使った索敵魔法と…」
「舞えよ舞え緑の木の葉、草鉄砲!」
ドゴーン…。へぇ?一瞬水晶が光ったと思ったらすぐに木の葉がいっぱいふわふわしだして玉になって飛んで行ったと思ったら一瞬で木を倒してしまった。つ…つぇー。
「これが私の魔法『草鉄砲』です。今は下級魔法のスキルですけどレベルがもっと上がればもっと強い上級魔法のスキルが使えるようになります。だから…だから私頑張りたいんです!上級魔法スキルが使えるようになるために。そして…」
「そして?」
「いえ!なんでもないですお気になさらないでください。タカヒコにまだ説明していなかったことがありますね。まず私の職業『魔法使い』ですが、その名の通り魔法を扱うことが仕事です。その仕事柄故にレベルが上がるにつれて使える魔法スキルのレベルも上がっていきます。生まれた時から持っている下級魔法スキル…さっき私が使った『草鉄砲』のようなものから始まり、レベルが上がるにつれ上級魔法が扱えるようになっていきます。生まれつき持っている下級魔法の種類は人それぞれですが同様に上級魔法もまた人それぞれという事です」
なるほど。つまりレベルが上がればそれだけ使える魔法も強くなってパワーアップしていくってことか…なんかかっこいいな!でも後半になるにつれてだいたいのゲームがレベル上げるだけでも大変になっていくんだよな…。
「そしてもう一つ。今私が唱えたスキル発動の呪文はそこまで長くなかったですけど、上級魔法になるにつれてどんどん長くなっていきます。覚えるのもたいへんですよ!」
暗記か…。俺記憶力には自信ないんだよな…。でも某異世界系ラノベの呪文は暗唱できるから大丈夫だろう…。きっとな!ちょっとやけくそ気味だな俺…。
「でも、タカヒコにはスキル『魔法無詠唱発動』がありますからね。関係ないですよ」
「あっ…」
なんか、ものすごく申し訳ない気持ちになってきた。
「大丈夫です。タカヒコはとっても強いんですから。しょうがない事です。あ、村が見えてきました。真夜中になる前に戻れてよかったです」
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