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六章
奴隷 10
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娼館スタッフのキョトン顔。
かっちりした服装も相まってちょっと面白い。
にしても。
獣っ娘といい、ここのスタッフといい。
何故そんな反応をされるのか。
別にそこまでおかしなことを言ってるつもりはないのだが。
俺が面倒見れないからね。
奴隷なのだ。
1人で生きていけるわけもない。
そもそもそういうシステムじゃないし。
生活に困ってるも同義。
娼館で働く理由としては結構一般的なものだと思うんだけど。
あ、もしかして
「ここだと、獣人は雇ってないとか?」
「いえ、そんな事は……」
違った。
てっきりそういう理由かと。
「あの、その子って奴隷ですよね?」
「だな」
「ロルフ様の」
「ま、俺が買ったからな」
「自分の奴隷に客を取らせると」
「うむ」
「……変わった性癖をお持ちで」
いや、性癖云々の話ではないのだが。
勘違いされてる?
俺そんな変態じゃないよ。
なんか引き気味だし。
名誉が著しく毀損されてる気がする。
別に嫌いって事はないけど。
目的はそれじゃない。
ま、別にいいや。
否定しても話拗れるだけだし。
そもそも、嫌いじゃないってのも画面の中限定の話。
リアルで起こったら興奮するとか以前に超絶めんどくさいことになる。
彼女とかだったらまだマシ。
結婚とかしてたら、ね。
やることを多くて目も当てられない。
触手とかと同じでファンタジー色強めの性癖だと思う。
「それで、どう?」
「えっと……」
「見た目はいいと思うんだけど」
「そう、ですね。容姿の方は問題ないどころかレベル高いと思います」
「可愛いだろ?」
「ただ、数日だけというのは。こちらの業務に支障が」
「何を言ってるんだ?」
「え?」
「ある程度長く働かせるつもり、出来れば住み込みで」
「??」
そう言うと、彼がまたキョトン顔に戻った。
理解し難いとでも言いたげ。
そこまで難しいことだろうか。
断られてはいないってことは、別に大丈夫だよね?
無理難題のつもりで頼んだ気はないのだが。
言っちゃえば他の女の子と変わりないはず。
世話してくれってのも、生活の基盤ない娘も多いだろうし。
ただ、俺の奴隷ってだけで。
別にマージンよこせとか言う気はないよ?
くれるならもらうけど。
最悪、世話してくれるなら金はいらない。
そのぐらいの儲けは出せるはず。
多少の維持費と手間が掛かる代わりに、人件費ゼロで使える人材。
普通に、魅力的じゃね?
俺的には獣っ娘の容姿も相まって、飛びついて来るかと思ったんだけど。
「話を整理させてください。この娘を店で働かせると」
「うむ」
「短期間とかではなく、しっかり」
「だな」
「扱いとしては他の女の子と同じでいいって事ですよね?」
「問題ない」
「……まぁ、了解しました」
あまり納得いってなさそうな顔。
でも、一応了承してもらえたってことでいいんだよな。
良かった。
これで世話の心配はなし。
店先で見かけて、2度と会えなくなる可能性があるならと買っちゃったのだ。
せっかく手に入れたのに別の理由で会えなくなりましたとか。
それは避けたいからね。
自己嫌悪が凄まじいことになる。
こっちにもお気に入りの娘出来ちゃったな。
まだしてないけど。
自分の奴隷だし、そこはね。
結構遠いが。
来る頻度増やせるかな。
ま、どっちみちある程度の頻度で来はする。
元々毎年来てたわけだし。
決して住む気はないけれど。
第二の故郷まであるな。
なんか港町でも似たようなことを思ったような。
ま、第二の故郷なんていくらあってもいいしね。
「あの……、ご主人様?」
「ん?」
「そんなやり切ったみたいな顔しないでください」
「え?」
「私はまだ理解出来てないんですが」
「理解できてないって、今店員さんに説明した通りだよ?」
「それは分かってるんですけど」
「??」
「納得が追いつかないというか……」
あれ?
どうやら獣っ娘の理解が得られなかったらしい。
まぁ、元々渋々って感じだったし。
初めからあまり納得いってなさそうではあった。
娼館の方の同意は取れたからね。
仕方ない。
説得しますか。
別に奴隷相手だから無理やり意思を通してもいいんだけど。
これ、彼女のためでもあるからね。
俺が直に面倒見るより娼館にいる方が絶対いい。
「そもそも、なんで私を買ったんですか?」
「さっき言ったじゃん」
「なら、なんで娼館に……」
「? 娼館ってそういうことする場所なんだけど」
「そうじゃなくって」
何を言いたいのだろうか。
謎だ。
「それなら、普通に娼婦を買えばいいだけじゃないですか。なんでわざわざ奴隷の私を」
「可愛かったから」
「えっ」
「買わないともう会えないと思ったら、つい買っちゃってた」
「……なら、なんで手放しちゃうんですか」
「だって、飼えないし」
「え?」
「俺、大型の生き物とか絶対無理。責任持ってお世話とか出来る訳ない」
「私はペットですか……」
「違うの?」
「……いえ。ご主人様がそう言うなら、私はペットです」
「いい子だ」
「ご主人様は変人です」
変人言われた。
スタッフの男も同意とでも言いたげな視線。
そんな自覚はないんだがな。
「それに、手放したりなんてしないよ。定期的に会いに来るし」
「ほんとうですか?」
「じゃないと買った意味ないしね」
「ご主人様……」
「早速今晩頼んでもいいかな?」
「……ご主人様のえっち」
今のもいい感じ。
うん、やっぱり買って良かったな。
「って、流されません!」
びっくりした。
急にでかい声出して。
本当元気だな。
「それなら、娼館じゃなくてもいいじゃないですか!」
「うん、別にいいけど?」
「え!?」
「……え??」
獣っ娘と2人、顔を見合わせる。
かっちりした服装も相まってちょっと面白い。
にしても。
獣っ娘といい、ここのスタッフといい。
何故そんな反応をされるのか。
別にそこまでおかしなことを言ってるつもりはないのだが。
俺が面倒見れないからね。
奴隷なのだ。
1人で生きていけるわけもない。
そもそもそういうシステムじゃないし。
生活に困ってるも同義。
娼館で働く理由としては結構一般的なものだと思うんだけど。
あ、もしかして
「ここだと、獣人は雇ってないとか?」
「いえ、そんな事は……」
違った。
てっきりそういう理由かと。
「あの、その子って奴隷ですよね?」
「だな」
「ロルフ様の」
「ま、俺が買ったからな」
「自分の奴隷に客を取らせると」
「うむ」
「……変わった性癖をお持ちで」
いや、性癖云々の話ではないのだが。
勘違いされてる?
俺そんな変態じゃないよ。
なんか引き気味だし。
名誉が著しく毀損されてる気がする。
別に嫌いって事はないけど。
目的はそれじゃない。
ま、別にいいや。
否定しても話拗れるだけだし。
そもそも、嫌いじゃないってのも画面の中限定の話。
リアルで起こったら興奮するとか以前に超絶めんどくさいことになる。
彼女とかだったらまだマシ。
結婚とかしてたら、ね。
やることを多くて目も当てられない。
触手とかと同じでファンタジー色強めの性癖だと思う。
「それで、どう?」
「えっと……」
「見た目はいいと思うんだけど」
「そう、ですね。容姿の方は問題ないどころかレベル高いと思います」
「可愛いだろ?」
「ただ、数日だけというのは。こちらの業務に支障が」
「何を言ってるんだ?」
「え?」
「ある程度長く働かせるつもり、出来れば住み込みで」
「??」
そう言うと、彼がまたキョトン顔に戻った。
理解し難いとでも言いたげ。
そこまで難しいことだろうか。
断られてはいないってことは、別に大丈夫だよね?
無理難題のつもりで頼んだ気はないのだが。
言っちゃえば他の女の子と変わりないはず。
世話してくれってのも、生活の基盤ない娘も多いだろうし。
ただ、俺の奴隷ってだけで。
別にマージンよこせとか言う気はないよ?
くれるならもらうけど。
最悪、世話してくれるなら金はいらない。
そのぐらいの儲けは出せるはず。
多少の維持費と手間が掛かる代わりに、人件費ゼロで使える人材。
普通に、魅力的じゃね?
俺的には獣っ娘の容姿も相まって、飛びついて来るかと思ったんだけど。
「話を整理させてください。この娘を店で働かせると」
「うむ」
「短期間とかではなく、しっかり」
「だな」
「扱いとしては他の女の子と同じでいいって事ですよね?」
「問題ない」
「……まぁ、了解しました」
あまり納得いってなさそうな顔。
でも、一応了承してもらえたってことでいいんだよな。
良かった。
これで世話の心配はなし。
店先で見かけて、2度と会えなくなる可能性があるならと買っちゃったのだ。
せっかく手に入れたのに別の理由で会えなくなりましたとか。
それは避けたいからね。
自己嫌悪が凄まじいことになる。
こっちにもお気に入りの娘出来ちゃったな。
まだしてないけど。
自分の奴隷だし、そこはね。
結構遠いが。
来る頻度増やせるかな。
ま、どっちみちある程度の頻度で来はする。
元々毎年来てたわけだし。
決して住む気はないけれど。
第二の故郷まであるな。
なんか港町でも似たようなことを思ったような。
ま、第二の故郷なんていくらあってもいいしね。
「あの……、ご主人様?」
「ん?」
「そんなやり切ったみたいな顔しないでください」
「え?」
「私はまだ理解出来てないんですが」
「理解できてないって、今店員さんに説明した通りだよ?」
「それは分かってるんですけど」
「??」
「納得が追いつかないというか……」
あれ?
どうやら獣っ娘の理解が得られなかったらしい。
まぁ、元々渋々って感じだったし。
初めからあまり納得いってなさそうではあった。
娼館の方の同意は取れたからね。
仕方ない。
説得しますか。
別に奴隷相手だから無理やり意思を通してもいいんだけど。
これ、彼女のためでもあるからね。
俺が直に面倒見るより娼館にいる方が絶対いい。
「そもそも、なんで私を買ったんですか?」
「さっき言ったじゃん」
「なら、なんで娼館に……」
「? 娼館ってそういうことする場所なんだけど」
「そうじゃなくって」
何を言いたいのだろうか。
謎だ。
「それなら、普通に娼婦を買えばいいだけじゃないですか。なんでわざわざ奴隷の私を」
「可愛かったから」
「えっ」
「買わないともう会えないと思ったら、つい買っちゃってた」
「……なら、なんで手放しちゃうんですか」
「だって、飼えないし」
「え?」
「俺、大型の生き物とか絶対無理。責任持ってお世話とか出来る訳ない」
「私はペットですか……」
「違うの?」
「……いえ。ご主人様がそう言うなら、私はペットです」
「いい子だ」
「ご主人様は変人です」
変人言われた。
スタッフの男も同意とでも言いたげな視線。
そんな自覚はないんだがな。
「それに、手放したりなんてしないよ。定期的に会いに来るし」
「ほんとうですか?」
「じゃないと買った意味ないしね」
「ご主人様……」
「早速今晩頼んでもいいかな?」
「……ご主人様のえっち」
今のもいい感じ。
うん、やっぱり買って良かったな。
「って、流されません!」
びっくりした。
急にでかい声出して。
本当元気だな。
「それなら、娼館じゃなくてもいいじゃないですか!」
「うん、別にいいけど?」
「え!?」
「……え??」
獣っ娘と2人、顔を見合わせる。
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