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第7話、摩訶不思議なお食事会
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通された部屋は、片側が全面窓のプライベート空間。静かで、でも閉じ込められるような圧迫感はない。
「……綺麗」
「静かで落ち着きますよね」
「さすが素敵なお店を知ってらっしゃるんですね」
「取引先の方でとてもセンスのいい方がいて教えてもらったんですよ。どうぞ」
さらっと背後にまわって椅子を引かれて促されてまた恐縮してしまう。こんなお姫様扱いは受けてきた経験がない。恥ずかしさと居心地の悪さの狭間でソワソワしてしまう。
「あ、ありがとうございます」
「斑鳩さんは好き嫌いとかないですか?」
「大丈夫です」
「お酒は?」
「た、たしなむ程度に……でも今晩は、その」
酒など体内に入れてしまったら余計に悪酔いしてしまいそうだ。そんな気持ちを察してくれたのかまたくすりと笑われてソフトドリンクのメニューを手渡された。社内の憧れられる高嶺の花と向かい合ってこんな素敵なお店でディナー? これは一体何の時間なのか。そしてこれがお礼になるのだろうか。
(……はっ! ここの支払いを私が!?)
下ろしてきたお金で果たして足りるだろうか……いやいやここはカード払いでいいか。予期せぬ出費だけれどやむを得ない。うんうん頭の中で納得しつつドリンクメニューを見つめていたら白鹿さんが問いかけてくる。
「僕が色々聞きたかったんですよ」
「は、え?」
「寝不足の理由。どうして寝不足なんですか?」
「え」
予想外で直球な質問にわかりやすく固まった私。でも白鹿さんは一向に質問を譲る感じはない。
「言いたくないことを言わせるかもしれませんが……気になって仕方がありません。申し訳ないと思う気持ちがあるならぜひその理由を聞かせてもらえませんか?」
「……」
意地悪な言い方をする人だな、と思った。揚げ足を取るではないが人の弱みに付け込んで……お金を受け取らずにいたのはそういうことかと納得するしかない。そして私もどこか諦めた。
目の前の堂々と立ちはだかる様な白鹿さん相手に逃げられる気が全くしなかったからだ。そんな私の諦めた気持ちを悟ったのか、白鹿さんは前のめりになって問うてくる。
「家だと眠れないとか?」
「……そういうわけでは」
「ショートスリーパー?」
「いえ、どちらかというとしっかり寝る方です」
「ふうん?」
不思議そうに見つめながら白鹿さんは磨かれたグラスに入れられた水を一口口に含んだ。長い首筋、そこが波打つように喉仏がごくりと動くのを何げなく見つめてしまいドキリとしてしまう。
(水飲むだけで色っぽいとか様になるって何者なの!)
王子と謳われる人と向かい合っての食事はなかなかハードな時間だ、そう思いながら私もグラスに手を伸ばしカラカラになりつつある喉元を潤わしていたら言われた。
「じゃあ、僕とだから眠れたとか?」
「ぶふー!」
いきなりの言葉にグラスの中で水を噴き出した。
「斑鳩さん、面白いですね」
「はは、白鹿さんがおおおかしいです!」
(何言いだすのこのひとぉぉ!)
予想できない白鹿さんとの摩訶不思議な食事会が始まったのだ。
「……綺麗」
「静かで落ち着きますよね」
「さすが素敵なお店を知ってらっしゃるんですね」
「取引先の方でとてもセンスのいい方がいて教えてもらったんですよ。どうぞ」
さらっと背後にまわって椅子を引かれて促されてまた恐縮してしまう。こんなお姫様扱いは受けてきた経験がない。恥ずかしさと居心地の悪さの狭間でソワソワしてしまう。
「あ、ありがとうございます」
「斑鳩さんは好き嫌いとかないですか?」
「大丈夫です」
「お酒は?」
「た、たしなむ程度に……でも今晩は、その」
酒など体内に入れてしまったら余計に悪酔いしてしまいそうだ。そんな気持ちを察してくれたのかまたくすりと笑われてソフトドリンクのメニューを手渡された。社内の憧れられる高嶺の花と向かい合ってこんな素敵なお店でディナー? これは一体何の時間なのか。そしてこれがお礼になるのだろうか。
(……はっ! ここの支払いを私が!?)
下ろしてきたお金で果たして足りるだろうか……いやいやここはカード払いでいいか。予期せぬ出費だけれどやむを得ない。うんうん頭の中で納得しつつドリンクメニューを見つめていたら白鹿さんが問いかけてくる。
「僕が色々聞きたかったんですよ」
「は、え?」
「寝不足の理由。どうして寝不足なんですか?」
「え」
予想外で直球な質問にわかりやすく固まった私。でも白鹿さんは一向に質問を譲る感じはない。
「言いたくないことを言わせるかもしれませんが……気になって仕方がありません。申し訳ないと思う気持ちがあるならぜひその理由を聞かせてもらえませんか?」
「……」
意地悪な言い方をする人だな、と思った。揚げ足を取るではないが人の弱みに付け込んで……お金を受け取らずにいたのはそういうことかと納得するしかない。そして私もどこか諦めた。
目の前の堂々と立ちはだかる様な白鹿さん相手に逃げられる気が全くしなかったからだ。そんな私の諦めた気持ちを悟ったのか、白鹿さんは前のめりになって問うてくる。
「家だと眠れないとか?」
「……そういうわけでは」
「ショートスリーパー?」
「いえ、どちらかというとしっかり寝る方です」
「ふうん?」
不思議そうに見つめながら白鹿さんは磨かれたグラスに入れられた水を一口口に含んだ。長い首筋、そこが波打つように喉仏がごくりと動くのを何げなく見つめてしまいドキリとしてしまう。
(水飲むだけで色っぽいとか様になるって何者なの!)
王子と謳われる人と向かい合っての食事はなかなかハードな時間だ、そう思いながら私もグラスに手を伸ばしカラカラになりつつある喉元を潤わしていたら言われた。
「じゃあ、僕とだから眠れたとか?」
「ぶふー!」
いきなりの言葉にグラスの中で水を噴き出した。
「斑鳩さん、面白いですね」
「はは、白鹿さんがおおおかしいです!」
(何言いだすのこのひとぉぉ!)
予想できない白鹿さんとの摩訶不思議な食事会が始まったのだ。
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