続・ゆびさきから恋をするーclose the distance

sae

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エピソード1

とまどいの一カ月⑤

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 ワンピースを脱がされて下着姿だけにされて羞恥心で身を縮めた。

「み、見すぎ……ですよ?」
「見るでしょ、普通」
 今日は別にお気に入りでもなんでもない使用頻度高めのスタメン下着でしかも赤色。

(なんで今日よりによって赤色!!なんかガッついた女みたいで恥ずかしすぎる!!)

 もともと下着が好きで数だけは持っているが、お気に入りは大事にしすぎてタンスに眠らせてしまう派だ。

(こんなことならこないだアウトレットで買った〇コールの高いやつつけとけばよかったぁぁ)

 後悔しても後の祭りで。

「あ、あんまり、見ないで」

(せめてもう少し電気消して欲しい、ていうかここリビング、ソファの上!!)

「手、どけて?」
「聞いてます?あんまり見ないでって言ってるんですけど」
「でもさぁ……」
 長い人差し指がまっすぐ伸びてきて左胸上を押す様につついてくる。

「ふわぁ!」
「余計エロいよ、これ」
 寄せているわけではないけれど、腕を胸の前で隠すようにすれば当然肉が持ち上がってしまう。

「太いだけです!これもただの脂肪なんで!!」
「……脂肪」
「脂肪だらけなんです!太ってるんです!!」
「そう?そんなに太ってるかな」
 まるで太ってるところを探すみたいに視線を彷徨わせるから思わず頬を両手で包んだ。

「だから!見ないでってば!」
 気づけば見つめ合う形になる。しかもどちらかというと私が主導権を握っている感じ。カッコいい顔がゆっくり近づいてきて自然と目が閉じていく。

 久世さんにされるキスが好き。まだ数回のキスなのに、もう好きだ。されてる間はなんだか甘いスイーツを食べて気持ちが満たされる時のようで。口が離れそうになるとまだ食べていたくて、なくなってほしくない、そんな時の気持ちに似ている。

 食べているのか、食べられているのか、その判断がつきにくいけれどとにかく言えるのは幸せってことだけだ。さっきまで自分で前をぎゅうぎゅうに隠していたために潰れる様に苦しかったはずの胸が、なんとなく解放されたように縛りが和らいでいた。


(……ん?)


 夢見心地から目覚めたらいつのまにか久世さんの手が私の胸を直に触っている。


(あれ?なんで?ブラジャー……取れてる!!!)


「んんっ」
 くちづけは止まらなくて、脳内はまだ夢見心地なところに片足を突っ込んでしまっているけれど肘までずり落ちたストラップとお腹の上にあるブラジャーが現実を突きつけてくる。

「ぁっ……ん、んん」
 自分の声なのに自分が出してるとは思えない喘ぎ声に余計恥ずかしくなった。

「ん!!」
 胸を両手が押し上げる様に包み込んでくるから思わず声が出る。

(久世さんが、あの久世さんが、私の胸を揉んでる!!)

 その現実に気づいて頭が瞬間で沸いた。直視できないし、声を上げるのも恥ずかしくて目を閉じて口を手で覆うと、その手を掴まれた。

「なんで声隠すの」

(ここにきてそんな指摘いりますか!?)

「だって」
「だって?」
「……見ないでって、言ってるのに。見るし……ブラ、勝手に取るし……いちいち声出て、恥ずかしいのに……いじわるぅ」
 今の状況とこれからの想像に脳内キャパの限界を超えて、意思とは無関係にぼろっと涙が溢れてしまった。

 ただの……パニック!


 ―――



 ワンピースの下から出てきた下着姿は予想以上にエロかった。


(見るだけで柔らかそうってすごいな)


 白くてマシュマロみたいな肌。そこに映えるような赤い下着ってこれこそ計算じゃないのか。見るなと言われても見るしかない。むしろ見る。身を捩りながら必死に手で隠す姿は狼に追い込まれたうさぎみたいで。

(だから煽るだけだっつーの)

 恥ずかしいのは肌を見せたくないのかと思っていたら太っているからという。たしかに細身ではないけれどどこをどう見ても触り心地が良さそうしかない。

(触りてぇー)

 指先で触れるだけで可愛い喘ぎ声を出すからますます煽られて、恥ずかしさを隠した行動はどんどん俺を欲情させる。なにか言おうとしてもキスで塞げば一瞬で黙らせられた。
 キスだけは積極的に応えてくるな、と思いつつその隙に下着に手をかけるとあっさりと背中のホックは外された。喘ぎ声が少し乱れたのは気付いたのか?それでも無視してキスを続けて胸を包むと今度は俺が息を乱しかけた。


(柔らかすぎる……え?胸ってこんなんだっけ?)


 ムニッとかフニっとかいう感じでもない。この柔さを表す擬音語はなんだろう。

(たゆん?ぷにゅん?とりあえずなんか最後に、んがつく感じ…)
 そんなアホなことを考えていたら真っ赤な顔をして目を閉じながら口を手で覆っている姿に気がつく。

(待て待て、可愛すぎか)

「なんで声隠すの」
 隠させるつもりはない。なんならこれからさらに喘がせるつもりでいるのに。

「だって」
「だって?」
「……見ないでって、言ってるのに。見るし……ブラ、勝手に取るし……いちいち声出て、恥ずかしいのに……いじわるぅ」

(ここでそんな泣き方反則だろ)

「こ……ここじゃ、ゃですっ」
「わかった、ベッドいこ、立てる?」
 泣きながら訴えられたらもう応えるしかない。

「……ふ……ぅ、た、立てる」
 腕を引くと悲鳴を上げた。

「きゃぁ!見ちゃやだぁ!」
 また両手で胸を隠して丸まってしまった。

(えぇ、なにいちいちかわいいんだけど)

 仕方なく自分の着ていたシャツを脱いで彼女の頭に被せるとスポリと包まれてなにかの置き物みたいになった。

(なんだこれ、なにしても可愛いとかなに)

 衣類に身を包まれて少し安心したのか涙がポロリと落ちて止まったようで。「これで動ける?」聞くと頷いた。頬を真っ赤に染めて俺の服を被る彼女はたまらなく可愛くて。

(煽られるだけ煽られて焦らされまくるって拷問かな)

 寝室に着くとまたキョロキョロしだすから突っ込むのもめんどくさくなって腕を引いてベッドに連れていく。ハッキリ言ってもう我慢できない、はやく続きがしたい。

「もういい?」
「……電気、消してもらえませんか」
「……ええ?」
 長引かせたいわけじゃないけど抵抗してしまう俺。

「お願い、します。だって……こんな明るいの、無理」
 シャツの中に顔を埋められて負けた。

「これ以上は俺も無理」
 間接照明の明かりで部屋はほんのりオレンジ色に染まったら服から顔を出してなんとか譲歩してくれた。

「もう脱がしていい?これ」

(さっきから俺、ガッついたことしか言ってない気がする)

 シャツの裾を引っ張ると恥ずかしそうに頷きながら体を起こす。

「……自分で、脱いでいいですか?」

(なんかその方がエロいけどな)は、言わない。

「……あっち、向いて?」

(これ、本当に計算じゃないんだろうか)

 ワザとやってるとしか思えない。見られてる以上向かないわけにいかなくて仕方なく目を逸らすけどすぐに視線を戻す。彼女は背中を俺の方にしてシャツの裾を持ち上げて頭から脱ぎ捨てる。その姿を見ながら興奮が増した。

(やべー、エロい)

 振り向いた彼女と当然目があってシャツをぶん投げられた。

「見てるし!」
「だから、見るなとか無理。色々限界だわ、もう」
「え、ぁ、きゃあ!」

 腰を引き寄せてベッドに倒れさせるとそのまま上に被さった。

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