9 / 75
エピソード1
とまどいの一カ月⑨
しおりを挟む
大きくて骨張った手が私の体をまさぐっている。あの、パソコンを叩く長い指が胸の突起をつまんだりはじいたりしていると思うだけで声が上がる。
「んっ……」
声が漏れるのを我慢しようとしてるのに、それをわかってわざと声を上げさせようとしてる。
「っ……ン、やぁっ」
昨日初めて触れられただけなのに、私の体のすべてを知ったように感じさせて惑わしてくる。そしてそれを私の身体が受け入れて馴染んでいくのが不思議だ。どこを触れば体が喜んで、何をしてほしいのか試すように色んな場所を探られて目眩が起きそうだ。
「こんな、明るいところじゃいやです」
散々胸を舐められてようやく胸が解放されたと思ったけど、今度は両手に包まれて揉まれ始める。
「でも今日はもう一回するって決めてたし」
(勝手にそんなこと決めないでほしい)
「昨夜も気絶するみたいに寝落ちて、昼前まで寝てただろ。待ってたんだから諦めて」
そう言う言い方はズルいと思う。気絶したのも起きれなかったのも私だけのせいではない。
「あんまりっ、見ないで」
「昨日全部見てる」
「そういう言い方しないでぇ……」
なんだか泣きそうになる。
「恥ずかしがる千夏、可愛い」
ここで可愛いとかいうのもズルい。そんな風に今までの彼女に可愛いとか言ってきたのかと思うと厚かましく嫉妬してしまう。
この手が私以外に触れるのがもう嫌だ。私だけに触れてくれるなら何だってしたい、そう思うのに経験値の低さや羞恥が勝って行動に表せない。嫌われたくないのに、感じる身体とは裏腹に抵抗する言葉ばかり出てしまう。
「嫌だとか言う割にもう濡れてるけど」
初めては痛くて痛くてそれだけで。
終わった時も、え?これだけ?みたいな衝撃しか覚えていない。相手も初めてだったし慣れてなかったからうまくいかなかったのかもしれない。軽い出血はあったからしたのだろうけど処女喪失!みたいな感動は一切なかった。
それよりもセックスすることが逆に躊躇われて、触れられることにどこか抵抗さえあった。結局すぐに彼とはうまくいかなくなりその一回きりで、あっけなく関係も終わってしまった。
そのトラウマはその後かなり恋愛に影響して、付き合いの延長にはそれが待っていると思うと憂鬱で、なかなか恋に発展できない。いいなと思う人には必ず相手がいたり近づいても距離を開けられたりとうまくいかない。なのに、好きでもない人には軽く言い寄られて、そういう人は簡単に体に触れようとしてきた。
私はきっとうまく恋愛できない、そう思っていた。
好きな人が出来てもきっと求めてくれるような人には会えないだろうと……諦めていた恋愛に。
「は、あっんんっ、あっぁ」
ショーツの上から割れ目をなぞられてはしたなく声が出る。恥ずかしいのに直接触れられないもどかしさもあってその思いにまた恥ずかしくなる。裸になってもいないの丸裸にされているような気持ち。この人は私のすべてをさらけ出そうとしてくる。
「や、ぁっ……っん」
「気持ちいい?」
その言葉に素直に頷く。
「脱ぐ?」
(なんでなんでも聞いてくるんだろう。恥ずかしいしかない)
「……恥ずかしい、です」
「……脱ぎたくないなら別にいいけど。履けなくなるよ、これ」
「ひゃあ!」
器用に隙間から指をいれて濡れた部分をかき分けるように滑り込ませてくる。
「やっ!なにっ……」
「あつ、千夏の中」
「あ……ぁ、っ」
卑猥な水音が室内に響いて、かぁっと耳まで赤くなる。本当に濡れている、その事実を突きつける音に恥ずかしくも興奮した。
「んっ」
声を上げる私を嬉しそうに見て、指をたくみに動かす。奥をトンと突かれて体が跳ねた。
「っあ!」
ここ?と言いまた奥をたたく。足が震えて思わずしがみつくと優しい声で囁いてくる。
「脱ぐ?」
(だから!いじわるなんだけど!!)
頷くと満足したように微笑んでさらっと脱がされた。明るいところでTシャツをたくし上げられて隠せるものなんかなにもない。
「んっん、っはっ――あんっ!」
「まだ中ではイケないよな。これからゆっくり慣らしていこうな」
小さい子に教えるみたいに優しく言われて鳥肌が立ったところに、指を中に入れたまま敏感になっている突起物を押し撫でてくるから身体が跳ねた。
「それっ!や、だめっっんんっ」
「やじゃないだろ、めちゃくちゃ締め付けてくるじゃん」
「もぅ、はっ、らめ……っん」
舌がうまく回らない。こんなの知らない、こんなに身体が震えるのは初めて。自分が自分じゃなくなるみたいに怖くて、怖いのにその先が知りたくなってより怖い。
「や、あ……こわぃっ……あっやっあっあっ―――――」
息ができない。崩れ落ちるように彼の胸に飛び込んだ。彼の指が中から抜け出てもまだ異物感が残る。体がビクビクと痙攣して怖くなってしがみついた。
「イケた?」
覗き込む顔は優しい。怖いことをされてるとはとても思えないほどだ。
「もう挿れたい」
ゴムの袋を歯で噛んで乱暴に破いて自身のそれに装着する。昨日はろくにそれを見ていなかったけど、明るいところで見るなと言う方がむずかしい。大きくそそり立つそれもビクビクと脈打っている。
「……むり、こんな大きいの」
「え?」
「こんなの入んない」
逃げようとする私の腕を笑いながら掴んで離そうとしない。
「入るって。昨日も入ってるし」
「うそぉ、無理無理、こんなの入んないっ」
「ちゃんと濡らしてるし入るから。昨日痛かった?」
「いた、くはなかったけど。ちゃんと覚えてないし」
「覚えてないの?」
しまった、と言ってから思う。
「なら今日しっかり覚えてもらうしかないな」
含むような笑いにゾッとした。
「ちがう、そうじゃなくて、あん!」
蜜口にそれがなぞられて身体が素直に反応する。
「もっと力抜いて」
「や!だめだめ、むり、そんなに大きいのこわいっ」
「煽ってどうすんの」
「やっ、あっ!んんっ、っはっあ」
メリメリと食い込むように異物が中に押し込まれて体に余計に力が入る。
「っ、は――ちなつ、力むな」
「あっ、だっ――やっ、んっっはぁっ、おっきいの……やだぁっ」
目がチカチカしてきて、勝手に涙がこぼれる。
「……だから、そういうこと言うな」
「あっ!やっあっ!あっ!だっめっおくっ、おくにっっ」
「ふっ、全部入ったよ。千夏さ、それわざと?」
「ぅっ……はっあっっぁっんっ」
もう変な言葉しか出てこない。
「あっ、ぁっだっ、あっはぁっんんっっ」
「はぁーーっ、キッツ……」
そういい腕が体に巻き付いてくる。抱きしめられてまた子宮の奥がギュッとなると彼が呻いた。
「あ、こら、締めるな」
「わっ、かんな……んっ」
「千夏が動いていいよ」
「っ……え?」
好きに動いてみ?と腰を掴まれてゆるゆると動かされる。
「あっ、んっんんっ」
見下ろす形で彼の上に跨っている、この体勢はなんというか征服感も湧きだって変な気持ちが芽生える。
(自分で動く……って?)
そう思うのに何故か勝手に腰がゆるく動き出すからまた恥ずかしい。人間の本能なのか、性なのか。
「――っ」
久世さんが感じてくれてる。わたしなんかの体に、わたしの拙い動きに。それだけで胸がいっぱいになる。
「んっ、はっぁ」
ゆっくり前後に動くと私も気持ちよくて。どんどん奥が熱くなっていく。
「っ、はぁっ……き、もち、ぃ?」
目を閉じていた彼はうっすらと開けて、「うん」と素直に返事した。
(どうしよう、好き……)
今までにない気持ちだ。加虐心なんか持ち合わせていないはずなのに、もっと言わせたいとか思うなんて。前のめりになって顔を近づけると、彼がそっと腰を支えてくれた。
「んっ、キス……していぃ、ですか?」
「……いいよ」
目を閉じてくれるその顔に近づいてそっとくちびるに触れた。乾いたくちびるをぺろりと舐めると薄く開いたのでそのまままた強く重ねる。
「んっ……」
舌が絡み合う。ピチャ……という音が何度か響くとまた下腹部がキュっとなる。それに反応するように彼がキスしながら笑いだした。
「だから、そんなに締め付けるな」
わかってやってないんだから言われてもどうしようもない。勝手に体がそう動いてしまうだけなのに。
「ん……」
彼のもたれるソファの背を腕で支えて、体を少し持ち上げた。ゆっくりとまた前後に動くと彼は眉をひそめた。
「……ダメ、でした?」
聞くと首を横に振る。駄目ではなかった、なら続けてもいいのか。
「っんン……はぁっ」
動くたびに触れ合う部分の卑猥な音が耳につく。 なかなか濡れない、はじめての彼の言葉が不意に脳裏に蘇る。相手によるのか、添いたい人にだけはちゃんと体は受け入れられるようになっているのだろうか。
「なに、考えてる?」
少し息を乱して彼が私の頬をなでた。
「んっ、気持ち……よくなってくれてるなら、嬉しいって」
それもだけど、私自身が気持ち良いと感じれるのが嬉しいとか言ったら怒られるだろうか。
「ちょっとまって」
はぁっと色っぽい吐息を吐いて私の体を支えながら体を起こしてくるとギュッと抱きしめられてた。
「やっぱり俺が動いていい?」
「え?」
と、言うまもなく体の位置が反転した。ずるりと異物が抜き出されて体がビクリと反応する。それも束の間でまた圧迫感に襲われた。
「あっ!んっ!!」
足を持ち上げられたと思ったら膝裏に久世さんの腕が足を抱えるように回って腰が浮いた。そのまま一気に奥まで尽き上げられた。
「やっ!あんっ!んんんっ!」
「ごめんっ、ちょっと無理だわ」
なにが、なんか聞けるわけない。結合した部分がこれ以上ないほど密着して足を広げられている自分の姿を想像したら頭が沸騰する。
「きゃぁ、――ぁん!」
「――はっ」
髪を乱して彼が喘ぐ。それを見て胸がいっぱいになって押しつぶされる。
「―くっ、はぁ、ちなつ、それ、ダメだって――」
「んっ……は、あっあっあっンっ」
(ダメなんて言わないで)
私だってあなたの気持ちに応えたいのに。大きな体が重くのしかかってきてその背中を抱きしめる。その重さに苦しさに胸が締め付けられてまた涙が出た。
抱きしめてくれる人に会えた、その幸せをこの瞬間、全身で噛み締めた。
「んっ……」
声が漏れるのを我慢しようとしてるのに、それをわかってわざと声を上げさせようとしてる。
「っ……ン、やぁっ」
昨日初めて触れられただけなのに、私の体のすべてを知ったように感じさせて惑わしてくる。そしてそれを私の身体が受け入れて馴染んでいくのが不思議だ。どこを触れば体が喜んで、何をしてほしいのか試すように色んな場所を探られて目眩が起きそうだ。
「こんな、明るいところじゃいやです」
散々胸を舐められてようやく胸が解放されたと思ったけど、今度は両手に包まれて揉まれ始める。
「でも今日はもう一回するって決めてたし」
(勝手にそんなこと決めないでほしい)
「昨夜も気絶するみたいに寝落ちて、昼前まで寝てただろ。待ってたんだから諦めて」
そう言う言い方はズルいと思う。気絶したのも起きれなかったのも私だけのせいではない。
「あんまりっ、見ないで」
「昨日全部見てる」
「そういう言い方しないでぇ……」
なんだか泣きそうになる。
「恥ずかしがる千夏、可愛い」
ここで可愛いとかいうのもズルい。そんな風に今までの彼女に可愛いとか言ってきたのかと思うと厚かましく嫉妬してしまう。
この手が私以外に触れるのがもう嫌だ。私だけに触れてくれるなら何だってしたい、そう思うのに経験値の低さや羞恥が勝って行動に表せない。嫌われたくないのに、感じる身体とは裏腹に抵抗する言葉ばかり出てしまう。
「嫌だとか言う割にもう濡れてるけど」
初めては痛くて痛くてそれだけで。
終わった時も、え?これだけ?みたいな衝撃しか覚えていない。相手も初めてだったし慣れてなかったからうまくいかなかったのかもしれない。軽い出血はあったからしたのだろうけど処女喪失!みたいな感動は一切なかった。
それよりもセックスすることが逆に躊躇われて、触れられることにどこか抵抗さえあった。結局すぐに彼とはうまくいかなくなりその一回きりで、あっけなく関係も終わってしまった。
そのトラウマはその後かなり恋愛に影響して、付き合いの延長にはそれが待っていると思うと憂鬱で、なかなか恋に発展できない。いいなと思う人には必ず相手がいたり近づいても距離を開けられたりとうまくいかない。なのに、好きでもない人には軽く言い寄られて、そういう人は簡単に体に触れようとしてきた。
私はきっとうまく恋愛できない、そう思っていた。
好きな人が出来てもきっと求めてくれるような人には会えないだろうと……諦めていた恋愛に。
「は、あっんんっ、あっぁ」
ショーツの上から割れ目をなぞられてはしたなく声が出る。恥ずかしいのに直接触れられないもどかしさもあってその思いにまた恥ずかしくなる。裸になってもいないの丸裸にされているような気持ち。この人は私のすべてをさらけ出そうとしてくる。
「や、ぁっ……っん」
「気持ちいい?」
その言葉に素直に頷く。
「脱ぐ?」
(なんでなんでも聞いてくるんだろう。恥ずかしいしかない)
「……恥ずかしい、です」
「……脱ぎたくないなら別にいいけど。履けなくなるよ、これ」
「ひゃあ!」
器用に隙間から指をいれて濡れた部分をかき分けるように滑り込ませてくる。
「やっ!なにっ……」
「あつ、千夏の中」
「あ……ぁ、っ」
卑猥な水音が室内に響いて、かぁっと耳まで赤くなる。本当に濡れている、その事実を突きつける音に恥ずかしくも興奮した。
「んっ」
声を上げる私を嬉しそうに見て、指をたくみに動かす。奥をトンと突かれて体が跳ねた。
「っあ!」
ここ?と言いまた奥をたたく。足が震えて思わずしがみつくと優しい声で囁いてくる。
「脱ぐ?」
(だから!いじわるなんだけど!!)
頷くと満足したように微笑んでさらっと脱がされた。明るいところでTシャツをたくし上げられて隠せるものなんかなにもない。
「んっん、っはっ――あんっ!」
「まだ中ではイケないよな。これからゆっくり慣らしていこうな」
小さい子に教えるみたいに優しく言われて鳥肌が立ったところに、指を中に入れたまま敏感になっている突起物を押し撫でてくるから身体が跳ねた。
「それっ!や、だめっっんんっ」
「やじゃないだろ、めちゃくちゃ締め付けてくるじゃん」
「もぅ、はっ、らめ……っん」
舌がうまく回らない。こんなの知らない、こんなに身体が震えるのは初めて。自分が自分じゃなくなるみたいに怖くて、怖いのにその先が知りたくなってより怖い。
「や、あ……こわぃっ……あっやっあっあっ―――――」
息ができない。崩れ落ちるように彼の胸に飛び込んだ。彼の指が中から抜け出てもまだ異物感が残る。体がビクビクと痙攣して怖くなってしがみついた。
「イケた?」
覗き込む顔は優しい。怖いことをされてるとはとても思えないほどだ。
「もう挿れたい」
ゴムの袋を歯で噛んで乱暴に破いて自身のそれに装着する。昨日はろくにそれを見ていなかったけど、明るいところで見るなと言う方がむずかしい。大きくそそり立つそれもビクビクと脈打っている。
「……むり、こんな大きいの」
「え?」
「こんなの入んない」
逃げようとする私の腕を笑いながら掴んで離そうとしない。
「入るって。昨日も入ってるし」
「うそぉ、無理無理、こんなの入んないっ」
「ちゃんと濡らしてるし入るから。昨日痛かった?」
「いた、くはなかったけど。ちゃんと覚えてないし」
「覚えてないの?」
しまった、と言ってから思う。
「なら今日しっかり覚えてもらうしかないな」
含むような笑いにゾッとした。
「ちがう、そうじゃなくて、あん!」
蜜口にそれがなぞられて身体が素直に反応する。
「もっと力抜いて」
「や!だめだめ、むり、そんなに大きいのこわいっ」
「煽ってどうすんの」
「やっ、あっ!んんっ、っはっあ」
メリメリと食い込むように異物が中に押し込まれて体に余計に力が入る。
「っ、は――ちなつ、力むな」
「あっ、だっ――やっ、んっっはぁっ、おっきいの……やだぁっ」
目がチカチカしてきて、勝手に涙がこぼれる。
「……だから、そういうこと言うな」
「あっ!やっあっ!あっ!だっめっおくっ、おくにっっ」
「ふっ、全部入ったよ。千夏さ、それわざと?」
「ぅっ……はっあっっぁっんっ」
もう変な言葉しか出てこない。
「あっ、ぁっだっ、あっはぁっんんっっ」
「はぁーーっ、キッツ……」
そういい腕が体に巻き付いてくる。抱きしめられてまた子宮の奥がギュッとなると彼が呻いた。
「あ、こら、締めるな」
「わっ、かんな……んっ」
「千夏が動いていいよ」
「っ……え?」
好きに動いてみ?と腰を掴まれてゆるゆると動かされる。
「あっ、んっんんっ」
見下ろす形で彼の上に跨っている、この体勢はなんというか征服感も湧きだって変な気持ちが芽生える。
(自分で動く……って?)
そう思うのに何故か勝手に腰がゆるく動き出すからまた恥ずかしい。人間の本能なのか、性なのか。
「――っ」
久世さんが感じてくれてる。わたしなんかの体に、わたしの拙い動きに。それだけで胸がいっぱいになる。
「んっ、はっぁ」
ゆっくり前後に動くと私も気持ちよくて。どんどん奥が熱くなっていく。
「っ、はぁっ……き、もち、ぃ?」
目を閉じていた彼はうっすらと開けて、「うん」と素直に返事した。
(どうしよう、好き……)
今までにない気持ちだ。加虐心なんか持ち合わせていないはずなのに、もっと言わせたいとか思うなんて。前のめりになって顔を近づけると、彼がそっと腰を支えてくれた。
「んっ、キス……していぃ、ですか?」
「……いいよ」
目を閉じてくれるその顔に近づいてそっとくちびるに触れた。乾いたくちびるをぺろりと舐めると薄く開いたのでそのまままた強く重ねる。
「んっ……」
舌が絡み合う。ピチャ……という音が何度か響くとまた下腹部がキュっとなる。それに反応するように彼がキスしながら笑いだした。
「だから、そんなに締め付けるな」
わかってやってないんだから言われてもどうしようもない。勝手に体がそう動いてしまうだけなのに。
「ん……」
彼のもたれるソファの背を腕で支えて、体を少し持ち上げた。ゆっくりとまた前後に動くと彼は眉をひそめた。
「……ダメ、でした?」
聞くと首を横に振る。駄目ではなかった、なら続けてもいいのか。
「っんン……はぁっ」
動くたびに触れ合う部分の卑猥な音が耳につく。 なかなか濡れない、はじめての彼の言葉が不意に脳裏に蘇る。相手によるのか、添いたい人にだけはちゃんと体は受け入れられるようになっているのだろうか。
「なに、考えてる?」
少し息を乱して彼が私の頬をなでた。
「んっ、気持ち……よくなってくれてるなら、嬉しいって」
それもだけど、私自身が気持ち良いと感じれるのが嬉しいとか言ったら怒られるだろうか。
「ちょっとまって」
はぁっと色っぽい吐息を吐いて私の体を支えながら体を起こしてくるとギュッと抱きしめられてた。
「やっぱり俺が動いていい?」
「え?」
と、言うまもなく体の位置が反転した。ずるりと異物が抜き出されて体がビクリと反応する。それも束の間でまた圧迫感に襲われた。
「あっ!んっ!!」
足を持ち上げられたと思ったら膝裏に久世さんの腕が足を抱えるように回って腰が浮いた。そのまま一気に奥まで尽き上げられた。
「やっ!あんっ!んんんっ!」
「ごめんっ、ちょっと無理だわ」
なにが、なんか聞けるわけない。結合した部分がこれ以上ないほど密着して足を広げられている自分の姿を想像したら頭が沸騰する。
「きゃぁ、――ぁん!」
「――はっ」
髪を乱して彼が喘ぐ。それを見て胸がいっぱいになって押しつぶされる。
「―くっ、はぁ、ちなつ、それ、ダメだって――」
「んっ……は、あっあっあっンっ」
(ダメなんて言わないで)
私だってあなたの気持ちに応えたいのに。大きな体が重くのしかかってきてその背中を抱きしめる。その重さに苦しさに胸が締め付けられてまた涙が出た。
抱きしめてくれる人に会えた、その幸せをこの瞬間、全身で噛み締めた。
5
あなたにおすすめの小説
憧れのお姉さんは淫らな家庭教師
馬衣蜜柑
恋愛
友達の恋バナに胸を躍らせる教え子・萌音。そんな彼女を、美咲は優しく「大人の身体」へと作り替えていく。「ねえ萌音ちゃん、お友達よりも……気持ちよくしてあげる」眼鏡の家庭教師が教えるのは、教科書には載っていない「女同士」の極上の溶け合い方。
女性向け百合(レズビアン)R18小説。男性は出てきません。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
禁断溺愛
流月るる
恋愛
親同士の結婚により、中学三年生の時に湯浅製薬の御曹司・巧と義兄妹になった真尋。新しい家族と一緒に暮らし始めた彼女は、義兄から独占欲を滲ませた態度を取られるようになる。そんな義兄の様子に、真尋の心は揺れ続けて月日は流れ――真尋は、就職を区切りに彼への想いを断ち切るため、義父との養子縁組を解消し、ひっそりと実家を出た。しかし、ほどなくして海外赴任から戻った巧に、その事実を知られてしまう。当然のごとく義兄は大激怒で真尋のマンションに押しかけ、「赤の他人になったのなら、もう遠慮する必要はないな」と、甘く淫らに懐柔してきて……? 切なくて心が甘く疼く大人のエターナル・ラブ。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
氷の上司に、好きがバレたら終わりや
naomikoryo
恋愛
──地方から本社に異動してきた29歳独身OL・舞子。
お調子者で明るく、ちょっとおせっかいな彼女の前に現れたのは、
“氷のように冷たい”と社内で噂される40歳のイケメン上司・本庄誠。
最初は「怖い」としか思えなかったはずのその人が、
実は誰よりもまっすぐで、優しくて、不器用な人だと知ったとき――
舞子の中で、恋が芽生えはじめる。
でも、彼には誰も知らない過去があった。
そして舞子は、自分の恋心を隠しながら、ゆっくりとその心の氷を溶かしていく。
◆恋って、“バレたら終わり”なんやろか?
◆それとも、“言わな、始まらへん”んやろか?
そんな揺れる想いを抱えながら、仕事も恋も全力投球。
笑って、泣いて、つまずいて――それでも、前を向く彼女の姿に、きっとあなたも自分を重ねたくなる。
関西出身のヒロイン×無口な年上上司の、20話で完結するライト文芸ラブストーリー。
仕事に恋に揺れるすべてのOLさんたちへ。
「この恋、うちのことかも」と思わず呟きたくなる、等身大の恋を、ぜひ読んでみてください。
ドSでキュートな後輩においしくいただかれちゃいました!?
春音優月
恋愛
いつも失敗ばかりの美優は、少し前まで同じ部署だった四つ年下のドSな後輩のことが苦手だった。いつも辛辣なことばかり言われるし、なんだか完璧過ぎて隙がないし、後輩なのに美優よりも早く出世しそうだったから。
しかし、そんなドSな後輩が美優の仕事を手伝うために自宅にくることになり、さらにはずっと好きだったと告白されて———。
美優は彼のことを恋愛対象として見たことは一度もなかったはずなのに、意外とキュートな一面のある後輩になんだか絆されてしまって……?
2021.08.13
Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~
汐埼ゆたか
恋愛
絶え間なく溢れ出る涙は彼の唇に吸い取られ
慟哭だけが薄暗い部屋に沈んでいく。
その夜、彼女の絶望と悲しみをすくい取ったのは
仕事上でしか接点のない上司だった。
思っていることを口にするのが苦手
地味で大人しい司書
木ノ下 千紗子 (きのした ちさこ) (24)
×
真面目で優しい千紗子の上司
知的で容姿端麗な課長
雨宮 一彰 (あまみや かずあき) (29)
胸を締め付ける切ない想いを
抱えているのはいったいどちらなのか———
「叫んでも暴れてもいい、全部受け止めるから」
「君が笑っていられるなら、自分の気持ちなんてどうでもいい」
「その可愛い笑顔が戻るなら、俺は何でも出来そうだよ」
真摯でひたむきな愛が、傷付いた心を癒していく。
**********
►Attention
※他サイトからの転載(2018/11に書き上げたものです)
※表紙は「かんたん表紙メーカー2」様で作りました。
※※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
Home, Sweet Home
茜色
恋愛
OL生活7年目の庄野鞠子(しょうのまりこ)は、5つ年上の上司、藤堂達矢(とうどうたつや)に密かにあこがれている。あるアクシデントのせいで自宅マンションに戻れなくなった藤堂のために、鞠子は自分が暮らす一軒家に藤堂を泊まらせ、そのまま期間限定で同居することを提案する。
亡き祖母から受け継いだ古い家での共同生活は、かつて封印したはずの恋心を密かに蘇らせることになり・・・。
☆ 全19話です。オフィスラブと謳っていますが、オフィスのシーンは少なめです 。「ムーンライトノベルズ」様に投稿済のものを一部改稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる