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エピソード1
とまどいの一カ月⑨
大きくて骨張った手が私の体をまさぐっている。あの、パソコンを叩く長い指が胸の突起をつまんだりはじいたりしていると思うだけで声が上がる。
「んっ……」
声が漏れるのを我慢しようとしてるのに、それをわかってわざと声を上げさせようとしてる。
「っ……ン、やぁっ」
昨日初めて触れられただけなのに、私の体のすべてを知ったように感じさせて惑わしてくる。そしてそれを私の身体が受け入れて馴染んでいくのが不思議だ。どこを触れば体が喜んで、何をしてほしいのか試すように色んな場所を探られて目眩が起きそうだ。
「こんな、明るいところじゃいやです」
散々胸を舐められてようやく胸が解放されたと思ったけど、今度は両手に包まれて揉まれ始める。
「でも今日はもう一回するって決めてたし」
(勝手にそんなこと決めないでほしい)
「昨夜も気絶するみたいに寝落ちて、昼前まで寝てただろ。待ってたんだから諦めて」
そう言う言い方はズルいと思う。気絶したのも起きれなかったのも私だけのせいではない。
「あんまりっ、見ないで」
「昨日全部見てる」
「そういう言い方しないでぇ……」
なんだか泣きそうになる。
「恥ずかしがる千夏、可愛い」
ここで可愛いとかいうのもズルい。そんな風に今までの彼女に可愛いとか言ってきたのかと思うと厚かましく嫉妬してしまう。
この手が私以外に触れるのがもう嫌だ。私だけに触れてくれるなら何だってしたい、そう思うのに経験値の低さや羞恥が勝って行動に表せない。嫌われたくないのに、感じる身体とは裏腹に抵抗する言葉ばかり出てしまう。
「嫌だとか言う割にもう濡れてるけど」
初めては痛くて痛くてそれだけで。
終わった時も、え?これだけ?みたいな衝撃しか覚えていない。相手も初めてだったし慣れてなかったからうまくいかなかったのかもしれない。軽い出血はあったからしたのだろうけど処女喪失!みたいな感動は一切なかった。
それよりもセックスすることが逆に躊躇われて、触れられることにどこか抵抗さえあった。結局すぐに彼とはうまくいかなくなりその一回きりで、あっけなく関係も終わってしまった。
そのトラウマはその後かなり恋愛に影響して、付き合いの延長にはそれが待っていると思うと憂鬱で、なかなか恋に発展できない。いいなと思う人には必ず相手がいたり近づいても距離を開けられたりとうまくいかない。なのに、好きでもない人には軽く言い寄られて、そういう人は簡単に体に触れようとしてきた。
私はきっとうまく恋愛できない、そう思っていた。
好きな人が出来てもきっと求めてくれるような人には会えないだろうと……諦めていた恋愛に。
「は、あっんんっ、あっぁ」
ショーツの上から割れ目をなぞられてはしたなく声が出る。恥ずかしいのに直接触れられないもどかしさもあってその思いにまた恥ずかしくなる。裸になってもいないの丸裸にされているような気持ち。この人は私のすべてをさらけ出そうとしてくる。
「や、ぁっ……っん」
「気持ちいい?」
その言葉に素直に頷く。
「脱ぐ?」
(なんでなんでも聞いてくるんだろう。恥ずかしいしかない)
「……恥ずかしい、です」
「……脱ぎたくないなら別にいいけど。履けなくなるよ、これ」
「ひゃあ!」
器用に隙間から指をいれて濡れた部分をかき分けるように滑り込ませてくる。
「やっ!なにっ……」
「あつ、千夏の中」
「あ……ぁ、っ」
卑猥な水音が室内に響いて、かぁっと耳まで赤くなる。本当に濡れている、その事実を突きつける音に恥ずかしくも興奮した。
「んっ」
声を上げる私を嬉しそうに見て、指をたくみに動かす。奥をトンと突かれて体が跳ねた。
「っあ!」
ここ?と言いまた奥をたたく。足が震えて思わずしがみつくと優しい声で囁いてくる。
「脱ぐ?」
(だから!いじわるなんだけど!!)
頷くと満足したように微笑んでさらっと脱がされた。明るいところでTシャツをたくし上げられて隠せるものなんかなにもない。
「んっん、っはっ――あんっ!」
「まだ中ではイケないよな。これからゆっくり慣らしていこうな」
小さい子に教えるみたいに優しく言われて鳥肌が立ったところに、指を中に入れたまま敏感になっている突起物を押し撫でてくるから身体が跳ねた。
「それっ!や、だめっっんんっ」
「やじゃないだろ、めちゃくちゃ締め付けてくるじゃん」
「もぅ、はっ、らめ……っん」
舌がうまく回らない。こんなの知らない、こんなに身体が震えるのは初めて。自分が自分じゃなくなるみたいに怖くて、怖いのにその先が知りたくなってより怖い。
「や、あ……こわぃっ……あっやっあっあっ―――――」
息ができない。崩れ落ちるように彼の胸に飛び込んだ。彼の指が中から抜け出てもまだ異物感が残る。体がビクビクと痙攣して怖くなってしがみついた。
「イケた?」
覗き込む顔は優しい。怖いことをされてるとはとても思えないほどだ。
「もう挿れたい」
ゴムの袋を歯で噛んで乱暴に破いて自身のそれに装着する。昨日はろくにそれを見ていなかったけど、明るいところで見るなと言う方がむずかしい。大きくそそり立つそれもビクビクと脈打っている。
「……むり、こんな大きいの」
「え?」
「こんなの入んない」
逃げようとする私の腕を笑いながら掴んで離そうとしない。
「入るって。昨日も入ってるし」
「うそぉ、無理無理、こんなの入んないっ」
「ちゃんと濡らしてるし入るから。昨日痛かった?」
「いた、くはなかったけど。ちゃんと覚えてないし」
「覚えてないの?」
しまった、と言ってから思う。
「なら今日しっかり覚えてもらうしかないな」
含むような笑いにゾッとした。
「ちがう、そうじゃなくて、あん!」
蜜口にそれがなぞられて身体が素直に反応する。
「もっと力抜いて」
「や!だめだめ、むり、そんなに大きいのこわいっ」
「煽ってどうすんの」
「やっ、あっ!んんっ、っはっあ」
メリメリと食い込むように異物が中に押し込まれて体に余計に力が入る。
「っ、は――ちなつ、力むな」
「あっ、だっ――やっ、んっっはぁっ、おっきいの……やだぁっ」
目がチカチカしてきて、勝手に涙がこぼれる。
「……だから、そういうこと言うな」
「あっ!やっあっ!あっ!だっめっおくっ、おくにっっ」
「ふっ、全部入ったよ。千夏さ、それわざと?」
「ぅっ……はっあっっぁっんっ」
もう変な言葉しか出てこない。
「あっ、ぁっだっ、あっはぁっんんっっ」
「はぁーーっ、キッツ……」
そういい腕が体に巻き付いてくる。抱きしめられてまた子宮の奥がギュッとなると彼が呻いた。
「あ、こら、締めるな」
「わっ、かんな……んっ」
「千夏が動いていいよ」
「っ……え?」
好きに動いてみ?と腰を掴まれてゆるゆると動かされる。
「あっ、んっんんっ」
見下ろす形で彼の上に跨っている、この体勢はなんというか征服感も湧きだって変な気持ちが芽生える。
(自分で動く……って?)
そう思うのに何故か勝手に腰がゆるく動き出すからまた恥ずかしい。人間の本能なのか、性なのか。
「――っ」
久世さんが感じてくれてる。わたしなんかの体に、わたしの拙い動きに。それだけで胸がいっぱいになる。
「んっ、はっぁ」
ゆっくり前後に動くと私も気持ちよくて。どんどん奥が熱くなっていく。
「っ、はぁっ……き、もち、ぃ?」
目を閉じていた彼はうっすらと開けて、「うん」と素直に返事した。
(どうしよう、好き……)
今までにない気持ちだ。加虐心なんか持ち合わせていないはずなのに、もっと言わせたいとか思うなんて。前のめりになって顔を近づけると、彼がそっと腰を支えてくれた。
「んっ、キス……していぃ、ですか?」
「……いいよ」
目を閉じてくれるその顔に近づいてそっとくちびるに触れた。乾いたくちびるをぺろりと舐めると薄く開いたのでそのまままた強く重ねる。
「んっ……」
舌が絡み合う。ピチャ……という音が何度か響くとまた下腹部がキュっとなる。それに反応するように彼がキスしながら笑いだした。
「だから、そんなに締め付けるな」
わかってやってないんだから言われてもどうしようもない。勝手に体がそう動いてしまうだけなのに。
「ん……」
彼のもたれるソファの背を腕で支えて、体を少し持ち上げた。ゆっくりとまた前後に動くと彼は眉をひそめた。
「……ダメ、でした?」
聞くと首を横に振る。駄目ではなかった、なら続けてもいいのか。
「っんン……はぁっ」
動くたびに触れ合う部分の卑猥な音が耳につく。 なかなか濡れない、はじめての彼の言葉が不意に脳裏に蘇る。相手によるのか、添いたい人にだけはちゃんと体は受け入れられるようになっているのだろうか。
「なに、考えてる?」
少し息を乱して彼が私の頬をなでた。
「んっ、気持ち……よくなってくれてるなら、嬉しいって」
それもだけど、私自身が気持ち良いと感じれるのが嬉しいとか言ったら怒られるだろうか。
「ちょっとまって」
はぁっと色っぽい吐息を吐いて私の体を支えながら体を起こしてくるとギュッと抱きしめられてた。
「やっぱり俺が動いていい?」
「え?」
と、言うまもなく体の位置が反転した。ずるりと異物が抜き出されて体がビクリと反応する。それも束の間でまた圧迫感に襲われた。
「あっ!んっ!!」
足を持ち上げられたと思ったら膝裏に久世さんの腕が足を抱えるように回って腰が浮いた。そのまま一気に奥まで尽き上げられた。
「やっ!あんっ!んんんっ!」
「ごめんっ、ちょっと無理だわ」
なにが、なんか聞けるわけない。結合した部分がこれ以上ないほど密着して足を広げられている自分の姿を想像したら頭が沸騰する。
「きゃぁ、――ぁん!」
「――はっ」
髪を乱して彼が喘ぐ。それを見て胸がいっぱいになって押しつぶされる。
「―くっ、はぁ、ちなつ、それ、ダメだって――」
「んっ……は、あっあっあっンっ」
(ダメなんて言わないで)
私だってあなたの気持ちに応えたいのに。大きな体が重くのしかかってきてその背中を抱きしめる。その重さに苦しさに胸が締め付けられてまた涙が出た。
抱きしめてくれる人に会えた、その幸せをこの瞬間、全身で噛み締めた。
「んっ……」
声が漏れるのを我慢しようとしてるのに、それをわかってわざと声を上げさせようとしてる。
「っ……ン、やぁっ」
昨日初めて触れられただけなのに、私の体のすべてを知ったように感じさせて惑わしてくる。そしてそれを私の身体が受け入れて馴染んでいくのが不思議だ。どこを触れば体が喜んで、何をしてほしいのか試すように色んな場所を探られて目眩が起きそうだ。
「こんな、明るいところじゃいやです」
散々胸を舐められてようやく胸が解放されたと思ったけど、今度は両手に包まれて揉まれ始める。
「でも今日はもう一回するって決めてたし」
(勝手にそんなこと決めないでほしい)
「昨夜も気絶するみたいに寝落ちて、昼前まで寝てただろ。待ってたんだから諦めて」
そう言う言い方はズルいと思う。気絶したのも起きれなかったのも私だけのせいではない。
「あんまりっ、見ないで」
「昨日全部見てる」
「そういう言い方しないでぇ……」
なんだか泣きそうになる。
「恥ずかしがる千夏、可愛い」
ここで可愛いとかいうのもズルい。そんな風に今までの彼女に可愛いとか言ってきたのかと思うと厚かましく嫉妬してしまう。
この手が私以外に触れるのがもう嫌だ。私だけに触れてくれるなら何だってしたい、そう思うのに経験値の低さや羞恥が勝って行動に表せない。嫌われたくないのに、感じる身体とは裏腹に抵抗する言葉ばかり出てしまう。
「嫌だとか言う割にもう濡れてるけど」
初めては痛くて痛くてそれだけで。
終わった時も、え?これだけ?みたいな衝撃しか覚えていない。相手も初めてだったし慣れてなかったからうまくいかなかったのかもしれない。軽い出血はあったからしたのだろうけど処女喪失!みたいな感動は一切なかった。
それよりもセックスすることが逆に躊躇われて、触れられることにどこか抵抗さえあった。結局すぐに彼とはうまくいかなくなりその一回きりで、あっけなく関係も終わってしまった。
そのトラウマはその後かなり恋愛に影響して、付き合いの延長にはそれが待っていると思うと憂鬱で、なかなか恋に発展できない。いいなと思う人には必ず相手がいたり近づいても距離を開けられたりとうまくいかない。なのに、好きでもない人には軽く言い寄られて、そういう人は簡単に体に触れようとしてきた。
私はきっとうまく恋愛できない、そう思っていた。
好きな人が出来てもきっと求めてくれるような人には会えないだろうと……諦めていた恋愛に。
「は、あっんんっ、あっぁ」
ショーツの上から割れ目をなぞられてはしたなく声が出る。恥ずかしいのに直接触れられないもどかしさもあってその思いにまた恥ずかしくなる。裸になってもいないの丸裸にされているような気持ち。この人は私のすべてをさらけ出そうとしてくる。
「や、ぁっ……っん」
「気持ちいい?」
その言葉に素直に頷く。
「脱ぐ?」
(なんでなんでも聞いてくるんだろう。恥ずかしいしかない)
「……恥ずかしい、です」
「……脱ぎたくないなら別にいいけど。履けなくなるよ、これ」
「ひゃあ!」
器用に隙間から指をいれて濡れた部分をかき分けるように滑り込ませてくる。
「やっ!なにっ……」
「あつ、千夏の中」
「あ……ぁ、っ」
卑猥な水音が室内に響いて、かぁっと耳まで赤くなる。本当に濡れている、その事実を突きつける音に恥ずかしくも興奮した。
「んっ」
声を上げる私を嬉しそうに見て、指をたくみに動かす。奥をトンと突かれて体が跳ねた。
「っあ!」
ここ?と言いまた奥をたたく。足が震えて思わずしがみつくと優しい声で囁いてくる。
「脱ぐ?」
(だから!いじわるなんだけど!!)
頷くと満足したように微笑んでさらっと脱がされた。明るいところでTシャツをたくし上げられて隠せるものなんかなにもない。
「んっん、っはっ――あんっ!」
「まだ中ではイケないよな。これからゆっくり慣らしていこうな」
小さい子に教えるみたいに優しく言われて鳥肌が立ったところに、指を中に入れたまま敏感になっている突起物を押し撫でてくるから身体が跳ねた。
「それっ!や、だめっっんんっ」
「やじゃないだろ、めちゃくちゃ締め付けてくるじゃん」
「もぅ、はっ、らめ……っん」
舌がうまく回らない。こんなの知らない、こんなに身体が震えるのは初めて。自分が自分じゃなくなるみたいに怖くて、怖いのにその先が知りたくなってより怖い。
「や、あ……こわぃっ……あっやっあっあっ―――――」
息ができない。崩れ落ちるように彼の胸に飛び込んだ。彼の指が中から抜け出てもまだ異物感が残る。体がビクビクと痙攣して怖くなってしがみついた。
「イケた?」
覗き込む顔は優しい。怖いことをされてるとはとても思えないほどだ。
「もう挿れたい」
ゴムの袋を歯で噛んで乱暴に破いて自身のそれに装着する。昨日はろくにそれを見ていなかったけど、明るいところで見るなと言う方がむずかしい。大きくそそり立つそれもビクビクと脈打っている。
「……むり、こんな大きいの」
「え?」
「こんなの入んない」
逃げようとする私の腕を笑いながら掴んで離そうとしない。
「入るって。昨日も入ってるし」
「うそぉ、無理無理、こんなの入んないっ」
「ちゃんと濡らしてるし入るから。昨日痛かった?」
「いた、くはなかったけど。ちゃんと覚えてないし」
「覚えてないの?」
しまった、と言ってから思う。
「なら今日しっかり覚えてもらうしかないな」
含むような笑いにゾッとした。
「ちがう、そうじゃなくて、あん!」
蜜口にそれがなぞられて身体が素直に反応する。
「もっと力抜いて」
「や!だめだめ、むり、そんなに大きいのこわいっ」
「煽ってどうすんの」
「やっ、あっ!んんっ、っはっあ」
メリメリと食い込むように異物が中に押し込まれて体に余計に力が入る。
「っ、は――ちなつ、力むな」
「あっ、だっ――やっ、んっっはぁっ、おっきいの……やだぁっ」
目がチカチカしてきて、勝手に涙がこぼれる。
「……だから、そういうこと言うな」
「あっ!やっあっ!あっ!だっめっおくっ、おくにっっ」
「ふっ、全部入ったよ。千夏さ、それわざと?」
「ぅっ……はっあっっぁっんっ」
もう変な言葉しか出てこない。
「あっ、ぁっだっ、あっはぁっんんっっ」
「はぁーーっ、キッツ……」
そういい腕が体に巻き付いてくる。抱きしめられてまた子宮の奥がギュッとなると彼が呻いた。
「あ、こら、締めるな」
「わっ、かんな……んっ」
「千夏が動いていいよ」
「っ……え?」
好きに動いてみ?と腰を掴まれてゆるゆると動かされる。
「あっ、んっんんっ」
見下ろす形で彼の上に跨っている、この体勢はなんというか征服感も湧きだって変な気持ちが芽生える。
(自分で動く……って?)
そう思うのに何故か勝手に腰がゆるく動き出すからまた恥ずかしい。人間の本能なのか、性なのか。
「――っ」
久世さんが感じてくれてる。わたしなんかの体に、わたしの拙い動きに。それだけで胸がいっぱいになる。
「んっ、はっぁ」
ゆっくり前後に動くと私も気持ちよくて。どんどん奥が熱くなっていく。
「っ、はぁっ……き、もち、ぃ?」
目を閉じていた彼はうっすらと開けて、「うん」と素直に返事した。
(どうしよう、好き……)
今までにない気持ちだ。加虐心なんか持ち合わせていないはずなのに、もっと言わせたいとか思うなんて。前のめりになって顔を近づけると、彼がそっと腰を支えてくれた。
「んっ、キス……していぃ、ですか?」
「……いいよ」
目を閉じてくれるその顔に近づいてそっとくちびるに触れた。乾いたくちびるをぺろりと舐めると薄く開いたのでそのまままた強く重ねる。
「んっ……」
舌が絡み合う。ピチャ……という音が何度か響くとまた下腹部がキュっとなる。それに反応するように彼がキスしながら笑いだした。
「だから、そんなに締め付けるな」
わかってやってないんだから言われてもどうしようもない。勝手に体がそう動いてしまうだけなのに。
「ん……」
彼のもたれるソファの背を腕で支えて、体を少し持ち上げた。ゆっくりとまた前後に動くと彼は眉をひそめた。
「……ダメ、でした?」
聞くと首を横に振る。駄目ではなかった、なら続けてもいいのか。
「っんン……はぁっ」
動くたびに触れ合う部分の卑猥な音が耳につく。 なかなか濡れない、はじめての彼の言葉が不意に脳裏に蘇る。相手によるのか、添いたい人にだけはちゃんと体は受け入れられるようになっているのだろうか。
「なに、考えてる?」
少し息を乱して彼が私の頬をなでた。
「んっ、気持ち……よくなってくれてるなら、嬉しいって」
それもだけど、私自身が気持ち良いと感じれるのが嬉しいとか言ったら怒られるだろうか。
「ちょっとまって」
はぁっと色っぽい吐息を吐いて私の体を支えながら体を起こしてくるとギュッと抱きしめられてた。
「やっぱり俺が動いていい?」
「え?」
と、言うまもなく体の位置が反転した。ずるりと異物が抜き出されて体がビクリと反応する。それも束の間でまた圧迫感に襲われた。
「あっ!んっ!!」
足を持ち上げられたと思ったら膝裏に久世さんの腕が足を抱えるように回って腰が浮いた。そのまま一気に奥まで尽き上げられた。
「やっ!あんっ!んんんっ!」
「ごめんっ、ちょっと無理だわ」
なにが、なんか聞けるわけない。結合した部分がこれ以上ないほど密着して足を広げられている自分の姿を想像したら頭が沸騰する。
「きゃぁ、――ぁん!」
「――はっ」
髪を乱して彼が喘ぐ。それを見て胸がいっぱいになって押しつぶされる。
「―くっ、はぁ、ちなつ、それ、ダメだって――」
「んっ……は、あっあっあっンっ」
(ダメなんて言わないで)
私だってあなたの気持ちに応えたいのに。大きな体が重くのしかかってきてその背中を抱きしめる。その重さに苦しさに胸が締め付けられてまた涙が出た。
抱きしめてくれる人に会えた、その幸せをこの瞬間、全身で噛み締めた。
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