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結婚エトセトラ
first time……小さな恋の物語
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週末がずっと慌ただしい。それは自分のせいだけど。俺が突発的に千夏と籍を入れたせいだ、それは分かっている手前仕方ない。インドアな千夏をこれでもかというほど振り回す週末。京都に行った翌週は俺の実家に行くことになった。
「ねぇ、ほんとに変じゃない?」
「変じゃないって。そんなに気を使う必要ないから」
「使うよ!もう胃が痛い……ガッカリされたらどうしよう」
(そんなことあるわけない)
さっきから10分置きくらいにこの類いの会話を繰り返して正直飽きてきている。家を出る前でも散々服や髪型を気にして何度も着替えては部屋を服で溢れかえさせていた。そしてやっと身支度を整えた千夏だが、未だにぶつぶつ言っている。
(もう家も出てんのに……どうしようもねぇだろ)
まだ自分の決めたコーディネートに迷っている千夏を納得させてやれる言葉も尽きてきていた。
「楽しみにしてたよ?おふくろは特に」
「本当に?……はぁ、どうしよう……胃が縮んで今なら痩せられそう」
「ストレスで痩せるな」
実際千夏は昨夜の晩飯をスープを飲んだだけで終えて今朝は水しか飲んでいない。こんなことで痩せられたらたまったもんではない。
「ここ曲がったら家。大丈夫?もう行っていい?」
呼吸を整えて精神統一するように目を閉じた千夏。そんなに構えないといけないような事案ではないはずだがその緊迫した様子は無駄に俺にまで伝染してくる。俺も京都を訪れた際にはそれなりに緊張はしたがここまではしていない。
「もう行こう、はやく終わらせれば済む話だし」
そう言って千夏の手をぐいっと引っ張って角を曲がろうとしたときだ。小さな影にぶつかった。
「わ!」
「あ、ごめん――大丈夫?」
小学生の男の子にぶつかってその体を起こしてやったら千夏もソッと傍にかけよって膝をつくと、お尻や足についた砂を祓ってやる。
「痛いところない?怪我とかしてないかな?」
千夏が問いかけるとその少年はじっと千夏を見つめていて、その横顔に面影を感じて思わず声をかけた。
「もしかして春己?」
「え?」
見上げてきたのは千夏で、当の本人は千夏に夢中なのか見つめたままこちらを向かず返事さえしない。
「お姉さんが千夏ちゃんですか?」
「え?」
また返事をしたのは千夏だけ。今度はその声の方を振り向く千夏。千夏の名前を呼ぶ少年はそのまま千夏の手を取って角を曲がって引っ張っていった。
「え?え?あの、ま、誠くん……」
(――こいつ、俺のことガン無視しやがって)
「春己、ちょっと待て。勝手に連れて行くな」
「着くのが遅いからお母さんが近所見て来いって言ったんだよ。僕は言われたとおりに連れて行くだけ。まーくんが来るのが遅いから悪いんでしょ?」
「……まーくん?」
千夏が俺と少年を交互に見て目をぱちぱちさせている。表情だけ見ているとさっきまでの緊張感はなくなったようだ。
「……甥っ子の春己、お前いくつになったっけ」
「春から小四、今九歳。忘れちゃったの?」
「忘れたって言うか……しばらく会ってないからさ。お前がいるってことは姉貴もいるってこと?」
そう聞くとこくりと頷く。
(げー、最悪)
「萌ちゃんもいる」
(げー、最悪すぎる)
「まーくんって呼ばれてるの?かわいい……」
千夏はそんなどうでもいいことに頬を染めて目を輝かせながら春己とずっと手を繋いでいた。
「春己!どこまで行って……って誠!遅い!」
玄関先で名前を叫ばれたから千夏の体がまた緊張で固まったのがわかる。俺を呼んだ相手――姉はいろんな意味で迫力がある。背も高くて威圧感がある、キツそう、が最初の印象か。それでも東京の街中を歩いたら名刺を数枚もらって帰ってくるようなそういう派手な見た目で身内びいきではないけれど美人の類。
(あいっかわらず派手。自分に金かけてますって感じがもう嫌ー)
「お母さん、千夏ちゃん」
「なんでお前が紹介するんだよ」
そしてそんな姉の遺伝子を継ぐ息子も小賢しい。なにサラッと自分のモンみたいに紹介すんだ、ふざけんなよと胸の中で舌打ちをした。
「ちょっと待ってよ、可愛い!ねぇ可愛い!ちっちゃくて可愛い!」
言い方がなんか失礼だな。褒めてんのかそれ、そう突っ込みたくなるがそこに春己が答える。
「可愛いよね、僕も思った。自分の膝や手が汚れるのも気にしないで僕の服や足についた砂を祓ってくれたんだ。優しいよね。転げさせたまーくんは僕を乱暴に引き上げただけだけど」
だから小賢しいな。めちゃくちゃ苛つくわ、こいつ!
「会いたかったよぉ、千夏ちゃん!待ってたんだよぉ、もぉっ!」
ぎゅっと抱きしめるオーバーリアクションに千夏の体は固まったままだ。
(てか!いきなり抱きつくな!)
「あ、はじ、はじめまして、菱田千夏と申します」
「誠の姉の菫で~す。それは私の息子の春己で~す。春己もいきなり千夏ちゃんのこと気に入っちゃったのねぇ、ずっと手繋いでるじゃん~」
「え、あ、ほんとだ、ごめんね」
千夏が気を使って手を離そうとするのに春己は一向に離す気がさなそうで……。
「いい加減に離せっつーの」
春己の腕を掴んだら、その小賢しい口がまた無駄に言い返してくる。
「痛ぁい!いやだ、まーくん大人げないよ、子供相手に!ひどい!」
「は?そんな力入れてねぇよ。てか、お前いつもガキ扱いされんの嫌がるだろ」
小1くらいの頃には「僕を子ども扱いして舐めるのやめてよね!」とかクソほど舐めたセリフいってたくせに!なに小4になって幼児にみたいに甘えた態度取ってんだ!
「千夏ちゃん、まーくんが痛いことするよ、怒ってよ」
「何こいつ、めっちゃ腹立つ」
千夏に甘えるみたいにその腕にすり寄るからマジでしばいてやろうかと思ったら、「あははは!」と高らかに笑って自分の息子を放置する母親がいる。俺が睨んでもどこ吹く風か、千夏をじろじろと観察するように見つめたままだ。背が高い姉に見下ろされるように見つめられて千夏は完全に腰が引けていた。
「こんな可愛い子良く見つけたね。仕事仕事で出会いなんかなかったでしょーにどこで見つけたの」
「そういう話はあとでまとめてする。てか息子なんとかしろよ!お前もいつまでその状態なんだよ、迷惑だろうが、離せ!」
繋いでいる手を離させようと春己の腕を今度は真面目に引っ張り上げたら無駄に「痛い痛い!」と叫ぶから千夏が心配して俺の動きを止めさせる。
「私なら平気!迷惑なんてそんな……春己くんが嫌じゃないなら全然!なんか小さい頃の千秋のこと思い出すし可愛い」
「千夏……甘やかすな。こいつそんな可愛いヤツじゃないから」
「そんな……こんな引っ付いてくれて可愛いしかないよ。でも小4ってこんなに大きいの?ほとんど目線合っちゃうね」
そう言って二人が見つめ合うような状態になるからますますイラッとして春己の後頭部を鷲津噛む。
「痛いー!まーくん幼児虐待!」
「お前マジで一回しばくぞ」
「誠くん!」
「人のモンに勝手にさわんな!」
「やめてやめて!誠くん!離してあげて、痛いのやだ!」
千夏が必死に言うからその手を離してやったのに。
「……そのさ、人のことモノ扱いする言い方最低だと思う、モテないよ」
千夏に助けてもらって調子に乗る春己が俺にそんな言葉を投げつけてくるから血管が一本切れそうになった。
「くそムカつくし!全然可愛くないだろこれ」
「春己の女子を見る目は私がしっかり鍛えてるからさぁ、千夏ちゃんがそれだけ魅力のある子って証明されただけよ。でもほんと、春己の言う通り大人げないわね誠、相手九歳。そろそろ入ろ?みんな待ってるしね」
イライラが止まらない俺を心配そうに見つめてくる千夏にこれ以上負担をかけまいとなんとか気持ちを落ち着かせようとするのに、春己が薄い笑みを浮かべて千夏の腕にこれ見よがしに引っ付くから結局ブチ切れた。
「まぁぁ、いらっしゃい!遅いから心配してたのよ~」
「初めまして、菱田千夏です。誠さんには公私共にお世話になっております」
比較的まともな母親を前にして挨拶をしている千夏の姿に少しほっとしているのも束の間、階段を降りてくる音に気づいて視線を送るとその姿にギョッとする。
「公私ともにってなに?」
部屋着とパジャマの間みたいな薄着でラフなカッコの妹がいた。
「……人が来るときになんでそんなカッコしてんのお前、マジで引くわ」
「かわいいでしょ?めっちゃ売れてるんだよ、これ。別にこれでコンビニくらい行けるし?お兄ちゃんの思考が偏ってるだけでしょぉー」
コンビニしか行けないようなカッコで人を迎えるなと言っているのにどうしてそれがわからないアホな妹なのか。うんざりする。
「angel rest……」
呆れてモノも言えない俺をよそに、千夏がいきなりそう呟いたから視線を千夏に戻すとその目は妹に釘付けになっている。
「あ、知ってる?これ新作なの~」
「大好きです、そこのブランド!きょ、今日もつけて……」
「えー、そうなのぉ?どれどれ~?」
そう言って軽快に走って寄ってきたかと思ったら千夏の襟ぐりを強引に引っ張って胸元を覗き込む。その大胆で遠慮もない痴漢行為に千夏もだけど俺も目を剥いた。
「えええー!」
「お前なにやってんの!?」
変な悲鳴をあげる千夏に俺も思わず叫んだ。
「あ!これ私がデザインして夏に商品化したやつ!」
「ええ?!デ、デザイン?!デザイナーさんなんですか?!」
「萌!お前ふざけんな!初対面でなにすんだ!」
「サンプルで良かったらいっぱいあるし、気に入るのあったら持って帰りなよ」
「ええ!い、いいんですか?!」
「うんうん、あとで私の部屋おいでね?うーん、Eの70ってところかな」
こいつも俺をガン無視して千夏だけ見て会話を続けると、今度は下から持ち上げるように両手で胸をわしづかむから絶句。
「きゃあ!!」
「萌!!」
「こら!萌ちゃん!いい加減にしなさい!千夏さん、ごめんなさいね、萌ちゃんちょっと職業病っていうか……」
「ただの変態だよね」
母親と姉に怒られてしぶしぶ手を離した妹はそれでもまだ懲りずに「揉んだわけでもないのにそんな怒ることなくない?」とふてくされていた。
(疲労感やば……)
家の中に入る前にこの疲労。もう帰りたくなった。
――――――――――――――
リビングに座る面々にただただ息を呑む私です。
(はぁぁぁ、美形家族だぁー)
スラッとした久世家の中では一番小柄で可愛い系のお母様。フワンとして白い花が良く似合う感じの柔らかい雰囲気。話していてもとても気さくで、誠くんのことを”お兄ちゃん”と呼ぶいちいち可愛いお母様。自分が紅茶が好きだからとたくさん茶葉を出してきては、お父さんはこれが好きで、お姉さんはこれが好きで……なんてみんなの好みを話しつつ私の好きなものまで聞いてくれる。「おすすめはこれでね……」と、終始楽しそうな姿に頬が緩むばかり。家族思いで優しくて……。
(とにかく可愛い)
長女のお姉様・菫さんは見た瞬間ビビった。視線を奪うはそう、それほど綺麗でモデルさん?と思ってしまった。艶のある黒髪ハンサムショート、口元にあるホクロが色気を十倍ほど増している。お仕事はネットショップを開いて電子商取引をしているらしく、二十五歳の時に春己くんを授かったという。
その春己くんもまた九歳ながらもう完成された顔立ちをされている。鼻筋がスッと通って色素が少し薄いのはご主人の遺伝子なのか。別れたそうだがお父さんはイギリスのクウォーターらしい。春己くんはなぜか私を気に入って、ずっとそばに引っ付いてくれているから母性をくすぐられるばかり。なんなら持って帰りたいほど可愛いのだが。
(とにかく綺麗&可愛い)
もう一人のお姉様・萌さん。誠くんにとっては妹にあたる萌さんは私より年が上なので私からしたらやはりお姉様である。萌さんはお母さん似か、綺麗よりかはかわいい美人さん。肌が陶器の様にツルっとしてキレイ、髪の毛もつやつやキレイ、まつげも長いしフランス人形のようだ。私の好きな下着メーカーにお勤めらしく今は商品のデザイナーもやっているらしい。
(とにかくおしゃれ可愛い)
そしてお父様……誠くんと菫さんは間違いなくお父様似!座っているだけで見惚れてしまう。内面から滲み出る大人の余裕、無駄な贅肉もなさそうなスラッとした体形、お母様を優しく見つめる眼差し、そして何よりイケボ!
(イケオジすぎる――!)
「千夏さん」
「はいぃ!」
名前を呼ばれるだけで鼻血を噴きそうになって困るんですが。
「誠はちゃんとやってますか?仕事もだけど、普段の暮らしでも、あなたに負担や迷惑をかけたりしてないですか?こいつはちょっと自分のことばかりみたいなところが昔からあるから……」
「そうそう、お兄ちゃんはなんでも一人で決めて周りの意見も全然素直に聞かない子だったのよぉ。ちょっと人を馬鹿にしてるみたいなところもあるしねぇ?態度がねぇ……もうなんていうか……心配で。課長なんて本当に務まってるの?」
お二人に聞かれて何から返そうかと思っていたら菫さんが口を開いた。
「ほんとそれ、誠は人を馬鹿にしてんのよ。私が離婚するってなったときもこの子だけよ?嘲笑ったの、本気で性根腐ってるなって思った」
「俺の性根が腐ってるなら腐らせたのは間違いなく姉貴だわ」
「そういうところね、すぐ人のせいにして自分のこと棚に上げるの、全然変わんないね、あんた」
誠くんと菫さんがにらみ合う中、萌さんが私に聞いてくる。
「ほんとにお兄ちゃんでいいのぉ?かなり性格悪いと思うんだけど~いいとこある?やめるならいまのうちだよ?」
「そんな、やめません!だって私、大好きなので!」
思わず言ってしまった。言ったらみんなが見つめてくるからもうなんだか開き直ってしまって……まずはお父様に向いて伝える。
「仕事場でもとっても頼りになる上司です。仕事もいっぱいあって大変なのに部下のことも気にかけてくれて働きやすい環境を作ってもらってます。誠くんが上司じゃなかったら私は仕事も辞めてました、誠くんの下で働けてほんとに幸せなんです」
今度はお母様に向いて。
「お付き合いさせてもらってから私が甘えてばかりです。私の我儘ばっかり聞いてもらってて、いつでも私の気持ちを尊重してくれてます。迷惑なんてひとつもないんですよ?甘やかされてばっかりです」
照れつつもそう伝えたら目尻が垂れてとっても優し気に微笑まれてより照れてしまった。
「お兄ちゃーん、もうこの子逃がしたら孤独死だよー」
「間違いないね、大事にしなよ」
菫さんと萌さんが誠くんにそう言うと「わかってるよ」と私に向かって微笑んでくるからより照れる。そんな大げさな……そう思っていたら横に熱を感じて視線を送ったら春己くんが見上げてきてこう言った。
「まーくんが嫌になったらいつでも別れたらいいよ。その時は僕がお嫁にもらってあげる」
「え?」
「は?」
私と誠くんの声が重なるが、全く気にした様子もなく微笑む春己くんの顔は可愛いよりかはかっこいい男の子の顔。あれ?春己くんって、こんな顔だった?一瞬でさっきまでの可愛さがなくなるのが不思議だ。
「僕、将来絶対有望株になってるからおすすめだよ」
春己くんにきゅっと手を包まれてニコッと微笑まれたら、不覚にもドキッとしてしまう。
「春己本気で千夏ちゃんのこと好きになっちゃったの?」
「うん。僕一目惚れって初めてしたよ」
「ふざけんなよ、こいつ」
私が知り得なかった誠くんの家族、その中で過ごす誠くんの姿を見れて幸福感に包まれる。春己くんの本気か冗談かわからない言葉にみんなで笑い合えた幸せな午後だった。
「ねぇ、ほんとに変じゃない?」
「変じゃないって。そんなに気を使う必要ないから」
「使うよ!もう胃が痛い……ガッカリされたらどうしよう」
(そんなことあるわけない)
さっきから10分置きくらいにこの類いの会話を繰り返して正直飽きてきている。家を出る前でも散々服や髪型を気にして何度も着替えては部屋を服で溢れかえさせていた。そしてやっと身支度を整えた千夏だが、未だにぶつぶつ言っている。
(もう家も出てんのに……どうしようもねぇだろ)
まだ自分の決めたコーディネートに迷っている千夏を納得させてやれる言葉も尽きてきていた。
「楽しみにしてたよ?おふくろは特に」
「本当に?……はぁ、どうしよう……胃が縮んで今なら痩せられそう」
「ストレスで痩せるな」
実際千夏は昨夜の晩飯をスープを飲んだだけで終えて今朝は水しか飲んでいない。こんなことで痩せられたらたまったもんではない。
「ここ曲がったら家。大丈夫?もう行っていい?」
呼吸を整えて精神統一するように目を閉じた千夏。そんなに構えないといけないような事案ではないはずだがその緊迫した様子は無駄に俺にまで伝染してくる。俺も京都を訪れた際にはそれなりに緊張はしたがここまではしていない。
「もう行こう、はやく終わらせれば済む話だし」
そう言って千夏の手をぐいっと引っ張って角を曲がろうとしたときだ。小さな影にぶつかった。
「わ!」
「あ、ごめん――大丈夫?」
小学生の男の子にぶつかってその体を起こしてやったら千夏もソッと傍にかけよって膝をつくと、お尻や足についた砂を祓ってやる。
「痛いところない?怪我とかしてないかな?」
千夏が問いかけるとその少年はじっと千夏を見つめていて、その横顔に面影を感じて思わず声をかけた。
「もしかして春己?」
「え?」
見上げてきたのは千夏で、当の本人は千夏に夢中なのか見つめたままこちらを向かず返事さえしない。
「お姉さんが千夏ちゃんですか?」
「え?」
また返事をしたのは千夏だけ。今度はその声の方を振り向く千夏。千夏の名前を呼ぶ少年はそのまま千夏の手を取って角を曲がって引っ張っていった。
「え?え?あの、ま、誠くん……」
(――こいつ、俺のことガン無視しやがって)
「春己、ちょっと待て。勝手に連れて行くな」
「着くのが遅いからお母さんが近所見て来いって言ったんだよ。僕は言われたとおりに連れて行くだけ。まーくんが来るのが遅いから悪いんでしょ?」
「……まーくん?」
千夏が俺と少年を交互に見て目をぱちぱちさせている。表情だけ見ているとさっきまでの緊張感はなくなったようだ。
「……甥っ子の春己、お前いくつになったっけ」
「春から小四、今九歳。忘れちゃったの?」
「忘れたって言うか……しばらく会ってないからさ。お前がいるってことは姉貴もいるってこと?」
そう聞くとこくりと頷く。
(げー、最悪)
「萌ちゃんもいる」
(げー、最悪すぎる)
「まーくんって呼ばれてるの?かわいい……」
千夏はそんなどうでもいいことに頬を染めて目を輝かせながら春己とずっと手を繋いでいた。
「春己!どこまで行って……って誠!遅い!」
玄関先で名前を叫ばれたから千夏の体がまた緊張で固まったのがわかる。俺を呼んだ相手――姉はいろんな意味で迫力がある。背も高くて威圧感がある、キツそう、が最初の印象か。それでも東京の街中を歩いたら名刺を数枚もらって帰ってくるようなそういう派手な見た目で身内びいきではないけれど美人の類。
(あいっかわらず派手。自分に金かけてますって感じがもう嫌ー)
「お母さん、千夏ちゃん」
「なんでお前が紹介するんだよ」
そしてそんな姉の遺伝子を継ぐ息子も小賢しい。なにサラッと自分のモンみたいに紹介すんだ、ふざけんなよと胸の中で舌打ちをした。
「ちょっと待ってよ、可愛い!ねぇ可愛い!ちっちゃくて可愛い!」
言い方がなんか失礼だな。褒めてんのかそれ、そう突っ込みたくなるがそこに春己が答える。
「可愛いよね、僕も思った。自分の膝や手が汚れるのも気にしないで僕の服や足についた砂を祓ってくれたんだ。優しいよね。転げさせたまーくんは僕を乱暴に引き上げただけだけど」
だから小賢しいな。めちゃくちゃ苛つくわ、こいつ!
「会いたかったよぉ、千夏ちゃん!待ってたんだよぉ、もぉっ!」
ぎゅっと抱きしめるオーバーリアクションに千夏の体は固まったままだ。
(てか!いきなり抱きつくな!)
「あ、はじ、はじめまして、菱田千夏と申します」
「誠の姉の菫で~す。それは私の息子の春己で~す。春己もいきなり千夏ちゃんのこと気に入っちゃったのねぇ、ずっと手繋いでるじゃん~」
「え、あ、ほんとだ、ごめんね」
千夏が気を使って手を離そうとするのに春己は一向に離す気がさなそうで……。
「いい加減に離せっつーの」
春己の腕を掴んだら、その小賢しい口がまた無駄に言い返してくる。
「痛ぁい!いやだ、まーくん大人げないよ、子供相手に!ひどい!」
「は?そんな力入れてねぇよ。てか、お前いつもガキ扱いされんの嫌がるだろ」
小1くらいの頃には「僕を子ども扱いして舐めるのやめてよね!」とかクソほど舐めたセリフいってたくせに!なに小4になって幼児にみたいに甘えた態度取ってんだ!
「千夏ちゃん、まーくんが痛いことするよ、怒ってよ」
「何こいつ、めっちゃ腹立つ」
千夏に甘えるみたいにその腕にすり寄るからマジでしばいてやろうかと思ったら、「あははは!」と高らかに笑って自分の息子を放置する母親がいる。俺が睨んでもどこ吹く風か、千夏をじろじろと観察するように見つめたままだ。背が高い姉に見下ろされるように見つめられて千夏は完全に腰が引けていた。
「こんな可愛い子良く見つけたね。仕事仕事で出会いなんかなかったでしょーにどこで見つけたの」
「そういう話はあとでまとめてする。てか息子なんとかしろよ!お前もいつまでその状態なんだよ、迷惑だろうが、離せ!」
繋いでいる手を離させようと春己の腕を今度は真面目に引っ張り上げたら無駄に「痛い痛い!」と叫ぶから千夏が心配して俺の動きを止めさせる。
「私なら平気!迷惑なんてそんな……春己くんが嫌じゃないなら全然!なんか小さい頃の千秋のこと思い出すし可愛い」
「千夏……甘やかすな。こいつそんな可愛いヤツじゃないから」
「そんな……こんな引っ付いてくれて可愛いしかないよ。でも小4ってこんなに大きいの?ほとんど目線合っちゃうね」
そう言って二人が見つめ合うような状態になるからますますイラッとして春己の後頭部を鷲津噛む。
「痛いー!まーくん幼児虐待!」
「お前マジで一回しばくぞ」
「誠くん!」
「人のモンに勝手にさわんな!」
「やめてやめて!誠くん!離してあげて、痛いのやだ!」
千夏が必死に言うからその手を離してやったのに。
「……そのさ、人のことモノ扱いする言い方最低だと思う、モテないよ」
千夏に助けてもらって調子に乗る春己が俺にそんな言葉を投げつけてくるから血管が一本切れそうになった。
「くそムカつくし!全然可愛くないだろこれ」
「春己の女子を見る目は私がしっかり鍛えてるからさぁ、千夏ちゃんがそれだけ魅力のある子って証明されただけよ。でもほんと、春己の言う通り大人げないわね誠、相手九歳。そろそろ入ろ?みんな待ってるしね」
イライラが止まらない俺を心配そうに見つめてくる千夏にこれ以上負担をかけまいとなんとか気持ちを落ち着かせようとするのに、春己が薄い笑みを浮かべて千夏の腕にこれ見よがしに引っ付くから結局ブチ切れた。
「まぁぁ、いらっしゃい!遅いから心配してたのよ~」
「初めまして、菱田千夏です。誠さんには公私共にお世話になっております」
比較的まともな母親を前にして挨拶をしている千夏の姿に少しほっとしているのも束の間、階段を降りてくる音に気づいて視線を送るとその姿にギョッとする。
「公私ともにってなに?」
部屋着とパジャマの間みたいな薄着でラフなカッコの妹がいた。
「……人が来るときになんでそんなカッコしてんのお前、マジで引くわ」
「かわいいでしょ?めっちゃ売れてるんだよ、これ。別にこれでコンビニくらい行けるし?お兄ちゃんの思考が偏ってるだけでしょぉー」
コンビニしか行けないようなカッコで人を迎えるなと言っているのにどうしてそれがわからないアホな妹なのか。うんざりする。
「angel rest……」
呆れてモノも言えない俺をよそに、千夏がいきなりそう呟いたから視線を千夏に戻すとその目は妹に釘付けになっている。
「あ、知ってる?これ新作なの~」
「大好きです、そこのブランド!きょ、今日もつけて……」
「えー、そうなのぉ?どれどれ~?」
そう言って軽快に走って寄ってきたかと思ったら千夏の襟ぐりを強引に引っ張って胸元を覗き込む。その大胆で遠慮もない痴漢行為に千夏もだけど俺も目を剥いた。
「えええー!」
「お前なにやってんの!?」
変な悲鳴をあげる千夏に俺も思わず叫んだ。
「あ!これ私がデザインして夏に商品化したやつ!」
「ええ?!デ、デザイン?!デザイナーさんなんですか?!」
「萌!お前ふざけんな!初対面でなにすんだ!」
「サンプルで良かったらいっぱいあるし、気に入るのあったら持って帰りなよ」
「ええ!い、いいんですか?!」
「うんうん、あとで私の部屋おいでね?うーん、Eの70ってところかな」
こいつも俺をガン無視して千夏だけ見て会話を続けると、今度は下から持ち上げるように両手で胸をわしづかむから絶句。
「きゃあ!!」
「萌!!」
「こら!萌ちゃん!いい加減にしなさい!千夏さん、ごめんなさいね、萌ちゃんちょっと職業病っていうか……」
「ただの変態だよね」
母親と姉に怒られてしぶしぶ手を離した妹はそれでもまだ懲りずに「揉んだわけでもないのにそんな怒ることなくない?」とふてくされていた。
(疲労感やば……)
家の中に入る前にこの疲労。もう帰りたくなった。
――――――――――――――
リビングに座る面々にただただ息を呑む私です。
(はぁぁぁ、美形家族だぁー)
スラッとした久世家の中では一番小柄で可愛い系のお母様。フワンとして白い花が良く似合う感じの柔らかい雰囲気。話していてもとても気さくで、誠くんのことを”お兄ちゃん”と呼ぶいちいち可愛いお母様。自分が紅茶が好きだからとたくさん茶葉を出してきては、お父さんはこれが好きで、お姉さんはこれが好きで……なんてみんなの好みを話しつつ私の好きなものまで聞いてくれる。「おすすめはこれでね……」と、終始楽しそうな姿に頬が緩むばかり。家族思いで優しくて……。
(とにかく可愛い)
長女のお姉様・菫さんは見た瞬間ビビった。視線を奪うはそう、それほど綺麗でモデルさん?と思ってしまった。艶のある黒髪ハンサムショート、口元にあるホクロが色気を十倍ほど増している。お仕事はネットショップを開いて電子商取引をしているらしく、二十五歳の時に春己くんを授かったという。
その春己くんもまた九歳ながらもう完成された顔立ちをされている。鼻筋がスッと通って色素が少し薄いのはご主人の遺伝子なのか。別れたそうだがお父さんはイギリスのクウォーターらしい。春己くんはなぜか私を気に入って、ずっとそばに引っ付いてくれているから母性をくすぐられるばかり。なんなら持って帰りたいほど可愛いのだが。
(とにかく綺麗&可愛い)
もう一人のお姉様・萌さん。誠くんにとっては妹にあたる萌さんは私より年が上なので私からしたらやはりお姉様である。萌さんはお母さん似か、綺麗よりかはかわいい美人さん。肌が陶器の様にツルっとしてキレイ、髪の毛もつやつやキレイ、まつげも長いしフランス人形のようだ。私の好きな下着メーカーにお勤めらしく今は商品のデザイナーもやっているらしい。
(とにかくおしゃれ可愛い)
そしてお父様……誠くんと菫さんは間違いなくお父様似!座っているだけで見惚れてしまう。内面から滲み出る大人の余裕、無駄な贅肉もなさそうなスラッとした体形、お母様を優しく見つめる眼差し、そして何よりイケボ!
(イケオジすぎる――!)
「千夏さん」
「はいぃ!」
名前を呼ばれるだけで鼻血を噴きそうになって困るんですが。
「誠はちゃんとやってますか?仕事もだけど、普段の暮らしでも、あなたに負担や迷惑をかけたりしてないですか?こいつはちょっと自分のことばかりみたいなところが昔からあるから……」
「そうそう、お兄ちゃんはなんでも一人で決めて周りの意見も全然素直に聞かない子だったのよぉ。ちょっと人を馬鹿にしてるみたいなところもあるしねぇ?態度がねぇ……もうなんていうか……心配で。課長なんて本当に務まってるの?」
お二人に聞かれて何から返そうかと思っていたら菫さんが口を開いた。
「ほんとそれ、誠は人を馬鹿にしてんのよ。私が離婚するってなったときもこの子だけよ?嘲笑ったの、本気で性根腐ってるなって思った」
「俺の性根が腐ってるなら腐らせたのは間違いなく姉貴だわ」
「そういうところね、すぐ人のせいにして自分のこと棚に上げるの、全然変わんないね、あんた」
誠くんと菫さんがにらみ合う中、萌さんが私に聞いてくる。
「ほんとにお兄ちゃんでいいのぉ?かなり性格悪いと思うんだけど~いいとこある?やめるならいまのうちだよ?」
「そんな、やめません!だって私、大好きなので!」
思わず言ってしまった。言ったらみんなが見つめてくるからもうなんだか開き直ってしまって……まずはお父様に向いて伝える。
「仕事場でもとっても頼りになる上司です。仕事もいっぱいあって大変なのに部下のことも気にかけてくれて働きやすい環境を作ってもらってます。誠くんが上司じゃなかったら私は仕事も辞めてました、誠くんの下で働けてほんとに幸せなんです」
今度はお母様に向いて。
「お付き合いさせてもらってから私が甘えてばかりです。私の我儘ばっかり聞いてもらってて、いつでも私の気持ちを尊重してくれてます。迷惑なんてひとつもないんですよ?甘やかされてばっかりです」
照れつつもそう伝えたら目尻が垂れてとっても優し気に微笑まれてより照れてしまった。
「お兄ちゃーん、もうこの子逃がしたら孤独死だよー」
「間違いないね、大事にしなよ」
菫さんと萌さんが誠くんにそう言うと「わかってるよ」と私に向かって微笑んでくるからより照れる。そんな大げさな……そう思っていたら横に熱を感じて視線を送ったら春己くんが見上げてきてこう言った。
「まーくんが嫌になったらいつでも別れたらいいよ。その時は僕がお嫁にもらってあげる」
「え?」
「は?」
私と誠くんの声が重なるが、全く気にした様子もなく微笑む春己くんの顔は可愛いよりかはかっこいい男の子の顔。あれ?春己くんって、こんな顔だった?一瞬でさっきまでの可愛さがなくなるのが不思議だ。
「僕、将来絶対有望株になってるからおすすめだよ」
春己くんにきゅっと手を包まれてニコッと微笑まれたら、不覚にもドキッとしてしまう。
「春己本気で千夏ちゃんのこと好きになっちゃったの?」
「うん。僕一目惚れって初めてしたよ」
「ふざけんなよ、こいつ」
私が知り得なかった誠くんの家族、その中で過ごす誠くんの姿を見れて幸福感に包まれる。春己くんの本気か冗談かわからない言葉にみんなで笑い合えた幸せな午後だった。
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