今日から、パパとママは逆転!

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第2章:衝撃のカミングアウト

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夕暮れ時、大輔は部活動を終えて帰宅した。玄関を開けると、いつもと違う緊張感が漂っているのを感じた。

「ただいま」

リビングからは、両親の小さな話し声が聞こえる。

「あ、大輔、おかえり」
父・浩二が顔を出した。その表情には、どこか緊張の色が見える。

「晩ご飯の準備はできてるわ。少し話があるから、手を洗ったら来てね」

大輔は不安を感じながらも、言われた通りにした。食卓に着くと、両親は向かい合って座っていた。

「大輔、ちょっと serious な話があるんだ」
母・綾が口を開いた。その声は、いつもより低く、重々しい。

「何?なんかあったの?」
大輔は、動揺を隠せない様子で尋ねた。

父と母は顔を見合わせ、深呼吸をした。そして、父が口を開いた。

「大輔、私たち…長年、自分たちの本当の姿について悩んできたの」

「本当の姿?」
大輔は首を傾げた。

「そう」母が続けた。「俺たちは…性別に違和感を感じていたんだ」

一瞬、部屋の空気が凍りついたように感じた。大輔は、両親の顔を交互に見つめた。

「どういうこと?」

父が静かに、しかし決意を込めた声で言った。
「今日から、私が母親よ」

そして、母が続けた。
「そして、今日から俺が父親だ」

大輔の頭の中が、真っ白になった。
(え?何?今、なんて言った?)

「ちょ、ちょっと待って。これ、冗談だよね?」
大輔は笑おうとしたが、両親の表情は真剣そのものだった。

「大輔、これは冗談じゃないんだ」綾が続けた。「俺たちは長年悩んで、そして決断したんだ。性別適合手術を受けることにしたんだ」

「手術?」大輔の声が震えた。

浩二が優しく説明を始めた。
「そう、手術はもう終わっているの。これからは、私が母親で、綾が父親なの」

大輔は言葉を失った。目の前で起こっていることが現実とは思えなかった。

「でも…なんで今まで言わなかったの?」

浩二が申し訳なさそうに答えた。
「あなたに心配をかけたくなかったの。そして、自分たちの気持ちが本当に確かなものなのか、時間をかけて確認したかった」

「大輔」綾が真剣な眼差しで息子を見つめた。「これは俺たちにとって、長年の悩みを解決する大切な決断なんだ。理解してくれるとありがたい」

大輔は黙ったまま、両親の話を聞いていた。頭の中は混乱し、何を言えばいいのかわからなかった。

「少し…時間をください」

そう言って、大輔は自分の部屋に逃げ込んだ。ベッドに倒れ込み、天井を見つめながら、今起こったことを必死に理解しようとした。

(パパが女性で、ママが男性…?)

頭の中で、これまでの記憶が走馬灯のように駆け巡る。父の細やかな気配り、母の大胆な性格。今まで「個性」だと思っていたことが、別の意味を持ち始めた。

大輔は目を閉じ、深いため息をついた。
(これから、どうなるんだろう…)

窓の外では、夜の闇が深まっていった。大輔の心の中も、その闇のように混沌としていた。
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