転生したらゾンビだった件

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第4章:真相への接近

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雨の降りしきる夜、サラとリードは意識を失ったジョエルを担ぎながら、アンブレラ社本部のある都市の外れにたどり着いた。彼らの後ろには、これまでに救出された人々の一団が続いていた。
「ここで一旦休もう」リードが言った。彼らは廃墟となったモーテルに身を寄せた。
サラはジョエルの状態を確認した。彼の体は人間とゾンビの中間のような状態で、時折痙攣していた。
「もう長くは持たない...」サラは涙をこらえながら呟いた。
その時、モーテルの裏口から物音がした。全員が緊張する中、一人の男性が現れた。
「そこまでだ」男性は銃を構えていた。「俺はマイク。政府特殊部隊の一員だ」
リードが前に出て、両手を上げた。「待ってくれ。我々は敵じゃない。この状況を何とかしようとしているんだ」
マイクは慎重に周りを見回した後、銃を下ろした。
「実は...俺もアンブレラ社の真の目的を疑っていたんだ。お前たちの話を聞かせてくれ」
サラとリードは状況を説明し、ジョエルのことも話した。マイクは驚きの表情を見せた。
「ゾンビを人間に戻す能力...?そんなことが」
マイクは深く考え込んだ後、決意を固めたように言った。
「分かった。俺も協力する。アンブレラ社に潜入する手助けをしよう」
こうして、新たな仲間を得た一行は潜入計画を練り始めた。マイクの内部情報により、アンブレラ社本部の見取り図と警備体制の詳細が明らかになった。
「本部の地下には秘密研究所がある。そこに解毒剤があるはずだ」リードが説明した。
計画が固まったところで、サラが不安そうに言った。
「でも...私たちが本部に向かっている間、ここにいる人々はどうするの?」
マイクが答えた。「俺の仲間で信頼できる者がいる。彼らに保護を頼もう」
翌日、夜明け前。サラ、リード、マイク、そして意識のないジョエルを担いだ4人の志願者たちは、アンブレラ社本部に向かって出発した。残りの人々は、マイクの仲間たちの保護下に置かれた。
都市の中心部に近づくにつれ、ゾンビの数が増えていった。彼らは慎重に進みながら、時折遭遇するゾンビを静かに排除していった。
「あれが本部だ」マイクが指さす先に、巨大な近代的ビルが見えた。
彼らは下水道を通って建物の地下に侵入することにした。暗く狭い通路を進んでいく中、サラはジョエルの体を確認し続けた。
「もう少しだけ頑張って...」彼女は祈るように呟いた。
しかし、研究所に近づいたところで、予期せぬ事態が起きた。警報が鳴り響き、赤いランプが点滅し始めたのだ。
「くそっ、見つかったのか!」マイクが叫んだ。
彼らは急いで行動を開始した。リードが研究所のドアをハッキングして開け、中に飛び込む。そこには、ありとあらゆる実験器具と、壁一面に並んだ培養槽があった。
「解毒剤はどこだ?」サラが焦りながら探し回る。
その時、スピーカーから声が響いた。
「よくぞここまで来たな」
振り返ると、大型スクリーンにアンブレラ社の幹部らしき人物が映し出されていた。
「我々の実験は完璧だった。人類を超越した新たな種の創造...それがこのウイルスの真の目的だ」
リードが怒りの表情で叫んだ。「狂気の沙汰だ!人類を破滅させるだけだろう!」
幹部は冷ややかに笑った。「進化には犠牲が付きものさ。そして君たち...特にそこで横たわっている半ゾンビの男は、最高の実験体となるだろう」
その瞬間、研究所のドアが開き、武装した警備員たちが なだれ込んできた。
「捕まえろ!」
サラたちは必死に抵抗したが、数で圧倒的に不利だった。彼らは次々と取り押さえられていく。
「ジョエル...ごめんなさい」サラは涙を流しながら、意識のないジョエルの手を握った。
しかし、その時だった。
ジョエルの体が突然、まばゆい光に包まれ始めた。その光は部屋中に広がり、警備員たちを押し返す。
「な...何だこれは!」幹部が驚きの声を上げる。
光が収まると、そこにはジョエルが立っていた。彼の姿は人間に戻っていたが、目は異様な輝きを放っていた。
「もう...誰も傷つけさせない」
ジョエルの声が響く。それは彼の声でありながら、何か別の存在の声のようにも聞こえた。
場内が混乱する中、サラたちはチャンスとばかりに行動を開始した。リードは急いでコンピューターにアクセスし、マイクは警備員たちと戦いを始めた。
そしてサラは、ジョエルのもとへ駆け寄った。
「ジョエル...本当に、あなたなの?」
ジョエルは優しく微笑んだ。「ああ、サラ。戻ってきたよ。そして今度は...全てを終わらせる時だ」
彼の言葉とともに、新たな戦いの幕が上がった。アンブレラ社の野望を打ち砕き、世界を救うための、最後の戦いが始まろうとしていた。
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