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26 どれあい(カリーナ視点)
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最初から奇妙な方だとは思っていました。今日、ふたたび会うことになって、確信しました。
ハンナさまは私になにか隠している。
それはもちろん、たった二回会っただけの他人に、すべてをさらけ出すことなどはしないでしょうけれど━━平民の恋人や、使用人の醜聞を平然と明かすような方が、それでも守らなければならない秘密なのです。ただごとではありません。
確信したのは、ハンナさまからドレスの話題をふられたときです。あまりにも話題の転換があからさますぎました。あれ以上の追求を避けるために、話題をそらしたと考えるのが自然です。だとしたら、たぶん恋人の存在も、クラウスどのの邪恋も、真の秘密をまもるためにバラまいた嘘なのでしょう。
クラウスどのの秘めた想いが嘘だというのは少し残念ですが…。
なぜ嘘をつく必要があったのか。それは私の推理が的を得ていたからにほかなりません。やはり彼女は、恋人ではない誰かと、グレッツナー家の利益のために会っていた…。
他にも注目すべき事実があります。グレッツナー家は北方14伯のなかでも、最初に豊かになった領地をもっている。もちろんその基礎となったのは、シェーンハイト商会と組んだ入領税の撤廃です。くわえて今年に入って出回っているグレッツナー産のウイスキー。
もしこれらの利益すべてが、この間のように、ハンナさまが誰かと密会することで生み出されたものなのだとしたら。
入領税の撤廃、伯爵領への新たな産業の投資。このふたつは、カーマクゥラの御前にからんだキーワードでもあります。だとしたら、ハンナさまが会っていた相手はカーマクゥラの御前…?
いいえ、それならハンナさまでなくとも、クラウスどのが会えば済む話。ハンナさまでなければならない理由が━━そのとき私の脳裏に、父の言ったひとことがよみがえりました。
『カーマクゥラの御前は、女性の声をしていた。たぶん正体を隠すためなのだろうが』
その想像はあまりに飛躍しすぎている━━私は何度か頭をふりましたが、想像をふりはらうことはできませんでした。
カーマクゥラの御前の正体は、ハンナさま?
それは論理の帰結などではなく、どちらかといえば女の勘とでもいうべきものです。しかし、だとしたら少なくとも、最初がグレッツナー家であったことへの説明にはなる。グレッツナー家の産業改革がカーマクゥラの御前の最初の仕事だった理由には。
「カリーナ嬢!」
はっと気がつくと、目の前にグレッツナー伯がいました。心配そうに私をみつめています。
「…はい、なんでしょうか」
「さきほどから、何度も呼びかけていたのだが、どうされたのです?どこかお加減でも悪くなりましたか」
「あ、いえ…。少し考えごとをしていたものですから」
「なるほど、アスペルマイヤー伯が心配されていたとおりですな。カリーナ嬢はものを考えはじめると周りが見えなくなるとか」
父はそんなことをグレッツナー伯にもらしていたのですか。もちろんグレッツナー伯は信頼できるお人柄だとは思いますが━━思わず顔が赤くなりました。するとグレッツナー伯があわてます。
「あ、いえ、それは悪いことではないと思いますよ。うちのハンナも、似たところがあります。近ごろは女性が賢くなりました」
嫌味で言っているのではないことは、グレッツナー伯の表情からうかがえます。この方は本当に、他の男性とは違っているのです。さきほどのやりとりも…。
「考えごとの種は、ハンナのことですかな。いや、お恥ずかしいところをお見せした。私がなにかと頼りないので、ハンナには歯がゆいおもいをさせどうしなのです」
ため息をついてグレッツナー伯は苦笑いを浮かべました。その切なげな表情を見たとき、ふいに胸がしめつけられるような感覚を覚えました。はじめての感覚に動揺しながらも、気づけば私は口を開いていました。
「それは違うと思います」
「えっ」
「ハンナさまは歯がゆいだなんで、思ってらっしゃらないはずですわ」
「し、しかし私は叱られて━━」
「あれはたぶん、嬉しかったんでしょう」
「嬉しい…?」
「ですから照れ隠しですわ」
顔を紅潮させ、目にはうすく涙を浮かべながら、部屋を飛び出していったハンナさまの姿を思い出し、思わず微笑ましくなりました。
「グレッツナー伯さまの愛情にふれ、ハンナさまは照れくさくなったのでしょう」
「フーム、女性というのはなにかと難しいものですな。しかしハンナが喜んでいたとは、どうも私には想像がつかない」
悩ましげに頭をかかえるグレッツナー伯を見ているうちに、こみあげてくるものがありました。ああ、この方はなんて愛おしい。
…愛おしい?
自分で自分の感情がわからなくなります。グレッツナー伯を見ていると、正常な判断がつかなくなる。愛おしいだなんて、こんなのおかしいわ。だって、そんな。
これじゃあまるで、私がグレッツナー伯に恋をしているよう。
「…ところでグレッツナー伯さまは、結婚相手をお探しですか?」
私はだんだん心の制御ができなくなってきました。気がつけば口が勝手に動いているのです。当然、グレッツナー伯は戸惑っています。
「あ、いや、もちろん私にも貴族としてのつとめがありますから、いずれは結婚するのでしょうが」
まるで他人事のような口ぶりです。なるほど、ハンナさまが頼りないと思うのは、こういった部分なのかもしれません。けれどそれはグレッツナー伯の優しさの裏返し。自分のことよりも、まずはハンナさまのことを思っていればこそ、ご自身の結婚に現実感をもてないでいるのだわ。
いずれ━━グレッツナー伯が結婚するとして、そのとき隣に寄り添う人は誰なのでしょう。そのとき私は…。
「そのお相手は、私では不足でしょうか」
言ってしまってから、私はことの重大さに気づきました。こんなこと、私自身にとっても唐突だし、ましてグレッツナー伯は。
どきんどきんと私の心臓が強く脈をうっています。グレッツナー伯の表情がしだいに驚愕へと変化しました。
「んなっ、なにを言い出すのです。気は確かですか、カリーナ嬢!」
「わ、私は、…こんなこと女性の側から申し上げるのは恥ずかしいことだって、わかっております。けれど、けれど私は本心からっ、グレッツナー伯さまをお慕い申し上げております」
「だ、だが私はすでに30歳、あなたとは10以上も歳が離れている。それに私は無能だし、このとおりぶくぶく太っているし、帝国政府で官職についた経験もないし…」
いろいろおっしゃっていますが、グレッツナー伯は私を傷つけないように、断ろうとしています。それがわかると、私の眼は勝手な判断で涙をこぼしました。断られたショックもさることながら、恥ずかしい思いでいっぱいになったのです。
私の発言はあまりにも唐突だし、あまりにも自分勝手だわ。グレッツナー伯が断られたのも当然です。このような立派な人物を、自分だけの感情で独占しようとしたのですから。きっとグレッツナー伯は私の心根を醜く思われたに違いありません。
「わ、私っ、本日はここで失礼いたします」
それ以上はたえられず、私がさっと立ち上がると、グレッツナー伯が私の腕をつかみました。
「本当に私でよろしいのですか」
ふりかえると、グレッツナー伯の真剣なまなざしにぶつかりました。
「…私は妹にさえ呆れられるような情けない男だ。カリーナ嬢のような素晴らしい女性から慕われて、断る理由などみつかりません。だが、あなたが後悔なさるのではないかと、それだけが心配なのです」
「こ、後悔などあろうはずがございませんっ」
グレッツナー伯と私の熱い視線が絡み合い、息苦しいほどでした。そして、おそらく勇気を振り絞って、グレッツナー伯はおっしゃられたのです。
「カリーナ嬢、私と結婚していただけますか」
…こういってはなんですが、自分でもまったく意味がわかりません。ハンナさまにお会いしにきたら、なぜかグレッツナー伯と結婚してしまいました。朝、屋敷を出るとき、こんな展開になろうだなんて、想像だにしていませんでした。
自分の発言を思い返せば思い返すほど、顔が熱くなってしまいます。ふつう貴族令嬢は、気に入った男性が見つかっても、自分の口から結婚を申し入れたりしません。家の当主を通して、相手の家の当主に結婚を申し込むのが通常です。
なんてはしたない真似をしたことでしょう。きっと私の顔はバラのように赤くなっているにちがいありません。
私にとって唯一の救いは、グレッツナー伯の顔も赤く染まっていることでした。
ハンナさまは私になにか隠している。
それはもちろん、たった二回会っただけの他人に、すべてをさらけ出すことなどはしないでしょうけれど━━平民の恋人や、使用人の醜聞を平然と明かすような方が、それでも守らなければならない秘密なのです。ただごとではありません。
確信したのは、ハンナさまからドレスの話題をふられたときです。あまりにも話題の転換があからさますぎました。あれ以上の追求を避けるために、話題をそらしたと考えるのが自然です。だとしたら、たぶん恋人の存在も、クラウスどのの邪恋も、真の秘密をまもるためにバラまいた嘘なのでしょう。
クラウスどのの秘めた想いが嘘だというのは少し残念ですが…。
なぜ嘘をつく必要があったのか。それは私の推理が的を得ていたからにほかなりません。やはり彼女は、恋人ではない誰かと、グレッツナー家の利益のために会っていた…。
他にも注目すべき事実があります。グレッツナー家は北方14伯のなかでも、最初に豊かになった領地をもっている。もちろんその基礎となったのは、シェーンハイト商会と組んだ入領税の撤廃です。くわえて今年に入って出回っているグレッツナー産のウイスキー。
もしこれらの利益すべてが、この間のように、ハンナさまが誰かと密会することで生み出されたものなのだとしたら。
入領税の撤廃、伯爵領への新たな産業の投資。このふたつは、カーマクゥラの御前にからんだキーワードでもあります。だとしたら、ハンナさまが会っていた相手はカーマクゥラの御前…?
いいえ、それならハンナさまでなくとも、クラウスどのが会えば済む話。ハンナさまでなければならない理由が━━そのとき私の脳裏に、父の言ったひとことがよみがえりました。
『カーマクゥラの御前は、女性の声をしていた。たぶん正体を隠すためなのだろうが』
その想像はあまりに飛躍しすぎている━━私は何度か頭をふりましたが、想像をふりはらうことはできませんでした。
カーマクゥラの御前の正体は、ハンナさま?
それは論理の帰結などではなく、どちらかといえば女の勘とでもいうべきものです。しかし、だとしたら少なくとも、最初がグレッツナー家であったことへの説明にはなる。グレッツナー家の産業改革がカーマクゥラの御前の最初の仕事だった理由には。
「カリーナ嬢!」
はっと気がつくと、目の前にグレッツナー伯がいました。心配そうに私をみつめています。
「…はい、なんでしょうか」
「さきほどから、何度も呼びかけていたのだが、どうされたのです?どこかお加減でも悪くなりましたか」
「あ、いえ…。少し考えごとをしていたものですから」
「なるほど、アスペルマイヤー伯が心配されていたとおりですな。カリーナ嬢はものを考えはじめると周りが見えなくなるとか」
父はそんなことをグレッツナー伯にもらしていたのですか。もちろんグレッツナー伯は信頼できるお人柄だとは思いますが━━思わず顔が赤くなりました。するとグレッツナー伯があわてます。
「あ、いえ、それは悪いことではないと思いますよ。うちのハンナも、似たところがあります。近ごろは女性が賢くなりました」
嫌味で言っているのではないことは、グレッツナー伯の表情からうかがえます。この方は本当に、他の男性とは違っているのです。さきほどのやりとりも…。
「考えごとの種は、ハンナのことですかな。いや、お恥ずかしいところをお見せした。私がなにかと頼りないので、ハンナには歯がゆいおもいをさせどうしなのです」
ため息をついてグレッツナー伯は苦笑いを浮かべました。その切なげな表情を見たとき、ふいに胸がしめつけられるような感覚を覚えました。はじめての感覚に動揺しながらも、気づけば私は口を開いていました。
「それは違うと思います」
「えっ」
「ハンナさまは歯がゆいだなんで、思ってらっしゃらないはずですわ」
「し、しかし私は叱られて━━」
「あれはたぶん、嬉しかったんでしょう」
「嬉しい…?」
「ですから照れ隠しですわ」
顔を紅潮させ、目にはうすく涙を浮かべながら、部屋を飛び出していったハンナさまの姿を思い出し、思わず微笑ましくなりました。
「グレッツナー伯さまの愛情にふれ、ハンナさまは照れくさくなったのでしょう」
「フーム、女性というのはなにかと難しいものですな。しかしハンナが喜んでいたとは、どうも私には想像がつかない」
悩ましげに頭をかかえるグレッツナー伯を見ているうちに、こみあげてくるものがありました。ああ、この方はなんて愛おしい。
…愛おしい?
自分で自分の感情がわからなくなります。グレッツナー伯を見ていると、正常な判断がつかなくなる。愛おしいだなんて、こんなのおかしいわ。だって、そんな。
これじゃあまるで、私がグレッツナー伯に恋をしているよう。
「…ところでグレッツナー伯さまは、結婚相手をお探しですか?」
私はだんだん心の制御ができなくなってきました。気がつけば口が勝手に動いているのです。当然、グレッツナー伯は戸惑っています。
「あ、いや、もちろん私にも貴族としてのつとめがありますから、いずれは結婚するのでしょうが」
まるで他人事のような口ぶりです。なるほど、ハンナさまが頼りないと思うのは、こういった部分なのかもしれません。けれどそれはグレッツナー伯の優しさの裏返し。自分のことよりも、まずはハンナさまのことを思っていればこそ、ご自身の結婚に現実感をもてないでいるのだわ。
いずれ━━グレッツナー伯が結婚するとして、そのとき隣に寄り添う人は誰なのでしょう。そのとき私は…。
「そのお相手は、私では不足でしょうか」
言ってしまってから、私はことの重大さに気づきました。こんなこと、私自身にとっても唐突だし、ましてグレッツナー伯は。
どきんどきんと私の心臓が強く脈をうっています。グレッツナー伯の表情がしだいに驚愕へと変化しました。
「んなっ、なにを言い出すのです。気は確かですか、カリーナ嬢!」
「わ、私は、…こんなこと女性の側から申し上げるのは恥ずかしいことだって、わかっております。けれど、けれど私は本心からっ、グレッツナー伯さまをお慕い申し上げております」
「だ、だが私はすでに30歳、あなたとは10以上も歳が離れている。それに私は無能だし、このとおりぶくぶく太っているし、帝国政府で官職についた経験もないし…」
いろいろおっしゃっていますが、グレッツナー伯は私を傷つけないように、断ろうとしています。それがわかると、私の眼は勝手な判断で涙をこぼしました。断られたショックもさることながら、恥ずかしい思いでいっぱいになったのです。
私の発言はあまりにも唐突だし、あまりにも自分勝手だわ。グレッツナー伯が断られたのも当然です。このような立派な人物を、自分だけの感情で独占しようとしたのですから。きっとグレッツナー伯は私の心根を醜く思われたに違いありません。
「わ、私っ、本日はここで失礼いたします」
それ以上はたえられず、私がさっと立ち上がると、グレッツナー伯が私の腕をつかみました。
「本当に私でよろしいのですか」
ふりかえると、グレッツナー伯の真剣なまなざしにぶつかりました。
「…私は妹にさえ呆れられるような情けない男だ。カリーナ嬢のような素晴らしい女性から慕われて、断る理由などみつかりません。だが、あなたが後悔なさるのではないかと、それだけが心配なのです」
「こ、後悔などあろうはずがございませんっ」
グレッツナー伯と私の熱い視線が絡み合い、息苦しいほどでした。そして、おそらく勇気を振り絞って、グレッツナー伯はおっしゃられたのです。
「カリーナ嬢、私と結婚していただけますか」
…こういってはなんですが、自分でもまったく意味がわかりません。ハンナさまにお会いしにきたら、なぜかグレッツナー伯と結婚してしまいました。朝、屋敷を出るとき、こんな展開になろうだなんて、想像だにしていませんでした。
自分の発言を思い返せば思い返すほど、顔が熱くなってしまいます。ふつう貴族令嬢は、気に入った男性が見つかっても、自分の口から結婚を申し入れたりしません。家の当主を通して、相手の家の当主に結婚を申し込むのが通常です。
なんてはしたない真似をしたことでしょう。きっと私の顔はバラのように赤くなっているにちがいありません。
私にとって唯一の救いは、グレッツナー伯の顔も赤く染まっていることでした。
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