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27 大貴族の落日1(ハーロルト視点)
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今日の闘争に至るまでの一連の流れを、糸をたぐるようにさかのぼっていくと、おそらく最初の予兆は5年近く前にあったのだと思う。
聖歴1205年の━━そうだ、あの日は儂とザビーネの結婚披露宴だった。当時ザビーネは16歳。帝国法学校の教養科に在籍していた少女を、儂は金と権力でものにした。
ザビーネの容姿は噂にたがわなかった。南部貴族に稀にみられる小麦色の肌は、その若さと相まって光沢すら放っている。きらきらと輝く瞳の青さはサファイアのごとき深みをたたえていた。まさしくディラブ海の至宝の名にふさわしい━━父親であるザウアーランド伯が出し惜しんだのも無理からぬことだ。
「あのような少女を夫人にむかえられるとは、いやまったく、ラングハイム公はいつまでもお若うございますな!」
アメルハウザー公爵が心底うらやましそうに言うので、儂はあいまいにうなずいてみせたが、実際は違う。相応に歳をとったからこそ、若い娘を娶らねばならなかったのだ。儂の子を宿す母体として…。
「帝国三大美女と名高いザビーネ嬢を手に入れるとは、流石はラングハイム公にございますっ」
姉婿のカウニッツ侯爵が儂の顔色をうかがうように言った。もちろん悪い気はしない。ラングハイム家の現在の権勢を築きあげたのはこの儂だ。儂こそがラングハイムなのだ。帝国に名だたる四大貴族を押しのけて、帝国宰相に就任したのが3年前。儂の権力はすでに皇帝陛下をも超えて、80貴族をしたがえるまでに成長した。ことにザビーネの実家はザウアーランド家。ラングハイム家のとなりに領土をかまえる伯爵だ。わが意に逆らえるはずもない。
パーティ会場のすみで土気色の顔をしているザウアーランド伯爵を見やり、儂はほくそ笑んだ。わざとやつとザビーネに聞こえるように言ってやる。
「ザビーネはまだ16歳。小麦色をしたハリのある肌は、さぞや吸いつき甲斐があろうというもの。さっそく今夜から、儂好みの身体に仕込んでやるのがたのしみだ!」
どっと場が湧いて、反対にザウアーランド伯とザビーネが青ざめた。その様を見て、ようやく下半身にみなぎってくるものを感じる。50を境にして、儂の肉体は急速に衰えつつあった。急がなければ。儂の血統を、太く残さなければ。ひとり息子のアルフォンスはよく出来た子だが、もしあれになにかあれば、そこでラングハイム家の血脈が途絶えてしまう。
いや、血脈などよりも━━儂の子でないものが、権力を握ることを想像するだけで、ぞっと背筋が寒くなる。それがために、7人もの妻と、50人をこえる妾をつくり、朝な夕なにまぐわってきたのだ。されど出来た子は、アルフォンスただひとりのみ。それも10年以上まえのことだ。いま儂の身になにかあれば、まだ10歳になったばかりのアルフォンスが、たったひとりで生き馬の目を抜く貴族社会に放り出されることになる。
そうなれば、あの男が指をくわえて見ているはずもない。
いつも思い浮かぶのは、バルシュミーデ公のにやけ面。西方諸侯に強い地盤をもち、北方にも顔がきくあの男━━やつにだけは帝国宰相の座を渡すわけにはいかない。儂の子がやつに頭を下げる場面を考えるだけで、腸が煮える思いになる。
子が欲しい。もっと儂の子が。
気がつけば儂は高らかに宣言していた。
「帝国三大美女をすべて我が物とし、寝室を飾る花としてはべらせん!」
場がざわめいた。当然かもしれない。三大美女の残るふたりはアスペルマイヤー伯の娘カリーナと、アードルング公の娘エリーゼだ。カリーナのほうはともかく、エリーゼを手に入れるとは、すなわちアードルング公爵家を従えることにほかならない。ゆえにこそ儂は、諸侯の不安を払拭するように、哄笑してみせたものだ。
披露宴の後━━ザビーネとの初夜を迎える前に、限られた貴族たちと別室での歓談となった。そこには派閥の幹部たるアメルハウザー公とカウニッツ侯のほかには誰もいない。
「ラングハイム公、本当によろしかったのですか?」
さっそくアメルハウザー公が生来の臆病さを隠しもせず訊いてくる。この男は儂よりも十歳近く年下のはずだが、その頭髪はすっかり枯れ果てている。もしかしたらこの男に、帝国の財政を握る大蔵大臣の地位は重荷なのかもしれない。
「あのようなことを公式の場で発言しては、アードルング家を筆頭とする東方諸侯を敵に回します。なんといってもアードルング家は四大貴族なのですぞ。すでに四大貴族のバルシュミーデ公と争っておられる御身が、いままたアードルング家まで…」
「四大貴族といえど無謬の存在ではない━━げんに儂は、四大貴族であるローゼンハイム家をねじ伏せ、南部貴族の盟主になったではないか」
「しかし━━」
「よいか、東方諸侯はそもそも独立独歩の気風が強いのだ。懐柔策でどうにかなる相手ではない。儂が帝国全土を意のままにしようと考えるならば、アードルング家とはいずれ正面からぶつかることになるだろう。そしてそのタイミングこそが、いまなのだ」
なお不安げなアメルハウザー公に、儂は説諭を続ける。
「バルシュミーデ家は強い。しかも当代のバルシュミーデ公は傑物といって良いだろう。いまの儂では、政争に負けぬまでも、必ず勝つと断言はできん。だからバルシュミーデ家とことをかまえる前に、東方を併呑して力をつけねばならんのだ」
「東方を切りくずす━━なるほど、それを前提とした敵対宣言でございましたか!」
明朗にうなずいたのはカウニッツ侯だった。家柄と門地だけが優れているアメルハウザー公と違って、カウニッツ候は頼りになる親類だった。
「まずは東方諸侯を宮廷から追い出す。そのあと、帝国政府が東方に対して持っている権益を意のままに操る…。そうなればラングハイム公は翼を得た虎も同然。バルシュミーデ家など鎧袖一触となりましょう」
「そのとおりだカウニッツ侯。そこで我らには金が要る。宮廷内を意のままに動かすための、政治工作資金がな」
そしてひとつの伯爵家に白羽の矢が立つ。
グレッツナー伯爵家。帝国中央に位置する中立派の貴族だ。帝家直轄領に隣接しているため、帝室寄りではあるが、手を出して問題あるまい。いまの帝室などお飾りも同然だからだ。
グレッツナー家は同時に、アスペルマイヤー家とも隣接している。いまグレッツナー家を陥落させておけば、将来、アスペルマイヤー家からカリーナを奪うときに、何かの役に立つかもしれない。一石二鳥とはこのことだろう。
グレッツナー伯は領内の開拓事業を実現させるために、近ごろとみに金策に走っているという。当代のグレッツナー伯といえば、人の良いことで有名な男。儲け話をもちかければ、疑うことなく乗ってくるに違いない。
「グレッツナー伯にカジノを作らせて、財産をむしり取る計画がある」
その計画の全容を聞いたアメルハウザー公はほくそ笑み、カウニッツ侯はいっそう下品に声を立てて笑った。
小なりといえど相手は伯爵家。すべて奪えば、大貴族3名の懐をしばらく暖かくできるくらいの財産はもっているだろう。
騙されるほうが悪いのだ━━あのマヌケなグレッツナー伯の顔が、絶望にゆがむさまを思い浮かべ、儂の心は浮き立っていた。
聖歴1205年の━━そうだ、あの日は儂とザビーネの結婚披露宴だった。当時ザビーネは16歳。帝国法学校の教養科に在籍していた少女を、儂は金と権力でものにした。
ザビーネの容姿は噂にたがわなかった。南部貴族に稀にみられる小麦色の肌は、その若さと相まって光沢すら放っている。きらきらと輝く瞳の青さはサファイアのごとき深みをたたえていた。まさしくディラブ海の至宝の名にふさわしい━━父親であるザウアーランド伯が出し惜しんだのも無理からぬことだ。
「あのような少女を夫人にむかえられるとは、いやまったく、ラングハイム公はいつまでもお若うございますな!」
アメルハウザー公爵が心底うらやましそうに言うので、儂はあいまいにうなずいてみせたが、実際は違う。相応に歳をとったからこそ、若い娘を娶らねばならなかったのだ。儂の子を宿す母体として…。
「帝国三大美女と名高いザビーネ嬢を手に入れるとは、流石はラングハイム公にございますっ」
姉婿のカウニッツ侯爵が儂の顔色をうかがうように言った。もちろん悪い気はしない。ラングハイム家の現在の権勢を築きあげたのはこの儂だ。儂こそがラングハイムなのだ。帝国に名だたる四大貴族を押しのけて、帝国宰相に就任したのが3年前。儂の権力はすでに皇帝陛下をも超えて、80貴族をしたがえるまでに成長した。ことにザビーネの実家はザウアーランド家。ラングハイム家のとなりに領土をかまえる伯爵だ。わが意に逆らえるはずもない。
パーティ会場のすみで土気色の顔をしているザウアーランド伯爵を見やり、儂はほくそ笑んだ。わざとやつとザビーネに聞こえるように言ってやる。
「ザビーネはまだ16歳。小麦色をしたハリのある肌は、さぞや吸いつき甲斐があろうというもの。さっそく今夜から、儂好みの身体に仕込んでやるのがたのしみだ!」
どっと場が湧いて、反対にザウアーランド伯とザビーネが青ざめた。その様を見て、ようやく下半身にみなぎってくるものを感じる。50を境にして、儂の肉体は急速に衰えつつあった。急がなければ。儂の血統を、太く残さなければ。ひとり息子のアルフォンスはよく出来た子だが、もしあれになにかあれば、そこでラングハイム家の血脈が途絶えてしまう。
いや、血脈などよりも━━儂の子でないものが、権力を握ることを想像するだけで、ぞっと背筋が寒くなる。それがために、7人もの妻と、50人をこえる妾をつくり、朝な夕なにまぐわってきたのだ。されど出来た子は、アルフォンスただひとりのみ。それも10年以上まえのことだ。いま儂の身になにかあれば、まだ10歳になったばかりのアルフォンスが、たったひとりで生き馬の目を抜く貴族社会に放り出されることになる。
そうなれば、あの男が指をくわえて見ているはずもない。
いつも思い浮かぶのは、バルシュミーデ公のにやけ面。西方諸侯に強い地盤をもち、北方にも顔がきくあの男━━やつにだけは帝国宰相の座を渡すわけにはいかない。儂の子がやつに頭を下げる場面を考えるだけで、腸が煮える思いになる。
子が欲しい。もっと儂の子が。
気がつけば儂は高らかに宣言していた。
「帝国三大美女をすべて我が物とし、寝室を飾る花としてはべらせん!」
場がざわめいた。当然かもしれない。三大美女の残るふたりはアスペルマイヤー伯の娘カリーナと、アードルング公の娘エリーゼだ。カリーナのほうはともかく、エリーゼを手に入れるとは、すなわちアードルング公爵家を従えることにほかならない。ゆえにこそ儂は、諸侯の不安を払拭するように、哄笑してみせたものだ。
披露宴の後━━ザビーネとの初夜を迎える前に、限られた貴族たちと別室での歓談となった。そこには派閥の幹部たるアメルハウザー公とカウニッツ侯のほかには誰もいない。
「ラングハイム公、本当によろしかったのですか?」
さっそくアメルハウザー公が生来の臆病さを隠しもせず訊いてくる。この男は儂よりも十歳近く年下のはずだが、その頭髪はすっかり枯れ果てている。もしかしたらこの男に、帝国の財政を握る大蔵大臣の地位は重荷なのかもしれない。
「あのようなことを公式の場で発言しては、アードルング家を筆頭とする東方諸侯を敵に回します。なんといってもアードルング家は四大貴族なのですぞ。すでに四大貴族のバルシュミーデ公と争っておられる御身が、いままたアードルング家まで…」
「四大貴族といえど無謬の存在ではない━━げんに儂は、四大貴族であるローゼンハイム家をねじ伏せ、南部貴族の盟主になったではないか」
「しかし━━」
「よいか、東方諸侯はそもそも独立独歩の気風が強いのだ。懐柔策でどうにかなる相手ではない。儂が帝国全土を意のままにしようと考えるならば、アードルング家とはいずれ正面からぶつかることになるだろう。そしてそのタイミングこそが、いまなのだ」
なお不安げなアメルハウザー公に、儂は説諭を続ける。
「バルシュミーデ家は強い。しかも当代のバルシュミーデ公は傑物といって良いだろう。いまの儂では、政争に負けぬまでも、必ず勝つと断言はできん。だからバルシュミーデ家とことをかまえる前に、東方を併呑して力をつけねばならんのだ」
「東方を切りくずす━━なるほど、それを前提とした敵対宣言でございましたか!」
明朗にうなずいたのはカウニッツ侯だった。家柄と門地だけが優れているアメルハウザー公と違って、カウニッツ候は頼りになる親類だった。
「まずは東方諸侯を宮廷から追い出す。そのあと、帝国政府が東方に対して持っている権益を意のままに操る…。そうなればラングハイム公は翼を得た虎も同然。バルシュミーデ家など鎧袖一触となりましょう」
「そのとおりだカウニッツ侯。そこで我らには金が要る。宮廷内を意のままに動かすための、政治工作資金がな」
そしてひとつの伯爵家に白羽の矢が立つ。
グレッツナー伯爵家。帝国中央に位置する中立派の貴族だ。帝家直轄領に隣接しているため、帝室寄りではあるが、手を出して問題あるまい。いまの帝室などお飾りも同然だからだ。
グレッツナー家は同時に、アスペルマイヤー家とも隣接している。いまグレッツナー家を陥落させておけば、将来、アスペルマイヤー家からカリーナを奪うときに、何かの役に立つかもしれない。一石二鳥とはこのことだろう。
グレッツナー伯は領内の開拓事業を実現させるために、近ごろとみに金策に走っているという。当代のグレッツナー伯といえば、人の良いことで有名な男。儲け話をもちかければ、疑うことなく乗ってくるに違いない。
「グレッツナー伯にカジノを作らせて、財産をむしり取る計画がある」
その計画の全容を聞いたアメルハウザー公はほくそ笑み、カウニッツ侯はいっそう下品に声を立てて笑った。
小なりといえど相手は伯爵家。すべて奪えば、大貴族3名の懐をしばらく暖かくできるくらいの財産はもっているだろう。
騙されるほうが悪いのだ━━あのマヌケなグレッツナー伯の顔が、絶望にゆがむさまを思い浮かべ、儂の心は浮き立っていた。
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