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42 天羅地網(アルフォンス視点)
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カーマクゥラより贈られた黄金は、ラングハイム家の資産の半分ほどもあった。おかげでラングハイムは家屋敷を手放さずに済み、父は帝国宰相の座を追われずに済んだ。
とはいえラングハイム家が負った傷は深い。すべての伯爵家がラングハイム派を離反し、片翼のアメルハウザー公も父のもとを離れた。6人いた妻はひとりだけになり、父がこだわっていた三大美女のひとり、ザビーネどのも実家に戻ってしまった。
いまや父にかつての権勢はない。
それでも帝国宰相である以上、こうして帝室主催のパーティーには出席しなければならない。なんのパーティーかといえば、国軍の制服が新たになったことを祝う祝宴だ。
予定通り、制服納品の役目はグレッツナー伯爵に与えられた。綿花の相場が暴落していたために、グレッツナー伯はこの役目でずいぶんと利益を得たらしい。
そのグレッツナー伯は、妹を連れてパーティーに出席していた。いずれ帝国の未来を担う貴族の子弟が、同伴で出席を許されたパーティーではあるのだが、私のような嫡男ならいざしらず、妹を連れてくるなど、噂に違わずとぼけた男だ。
私は父について貴族たちに挨拶していた。さすがに帝国宰相ともなれば、権勢が衰えてもすりよってくる者は多い。毒気を抜かれたような父の姿に、誰もが驚いてはいたが。
かつての傲慢だった父はもうどこにもいない。恨みを買わないように、心をつなぎとめるように、丁寧に挨拶に応じる。そうしなければ、ラングハイム家は生き残れないだろう。
あの日、すべてが変わってしまったのだ。カーマクゥラの手によって。
冷静になって思い返せば、あれはラングハイム家を潰すための、絶妙な一手だった。カーマクゥラの御前は、あらゆる情報をもっていただろう。のちに贈られた黄金の量を考えると、資金力もあっただろう。それならば、綿花相場でラングハイム家と買い争っても、じゅうぶん勝つことができたはずなのだ。
ところがカーマクゥラは、あの日、父の足元の地面を崩落させた。その絶望感たるや、尋常ではなかった。
情報力、資金力、人脈━━そんなちゃちなものではない。言うなれば、あれは支配力の勝負だった。カーマクゥラは支配力でラングハイム家に圧勝し、その存在の巨大さを天下に示した。
いくらラングハイム家が口を閉ざしても、その敗北を誰もが知っている。いまもパーティーホールのそこかしこで、うわさ話が飛び交っている。ラングハイム家をあざ笑っているのだ。そして同時に、カーマクゥラへの畏怖も語られる。
帝国の支配者は、すでに交代したのだと。
父はいまでこそ平静に見えるが、あの夜のことを思い返せば、その胸中は察するにあまりある。悔しいだろう。悲しいだろう。怒り、憎しみ、あらゆる負の感情がうずまいて、それでも逆襲するだけの時間と力が残されていない自分に、絶望するしかない。
ならばいっそ私が━━私が父の意志を受け継ぎ、カーマクゥラと闘うべきではないか。
息子ならそうすることが当然とも思われた。しかし一方で、ひどく冷めた感情を己のうちに発見する。権力を追い求めることの虚しさだ。私はすぐそばで父の姿を見ていて、昇り続けることに意味を見いだせなくなってしまった。
受け継ぎそこねた強大な権力も、惜しいとは思わない。
「これはこれはラングハイム公、このたびはたいへん、お世話になりました」
ひどく軍服が似合わない男が、父に頭を下げた。グレッツナー伯だ。
父はこう見えて、剣の腕に覚えがあるのだが、グレッツナー伯はとうてい闘争に向いて見えなかった。互いに軍服帯剣の装いでも、そのたたずまいはえらく違って見える。
「制服納品の役目は、ラングハイム公より口ききがあって、グレッツナー家に与えられたものとうかがっております。まことにありがたく存じます」
太平楽なグレッツナー伯の様子では、どうやらカーマクゥラの蠢動について、この男はなにも知らなかったらしい。そのことを父も察したのだろうが、さすがに頬がヒクヒクと引きつっている。グレッツナー伯を仕留めそこねたせいで、ラングハイム家は惨敗したのだから。
父がイヤミを言うのは無理からぬことだった。
「せ、せいぜい忠勤に励むことだな。グレッツナー家はウイスキー利権で荒稼ぎしているようだが、我々貴族は商人ではないのだ。汚らわしき金もうけなどにうつつをぬかす様は、褒められたものではないぞ」
「これは━━先ごろ綿花相場に熱中していた方のお言葉とも思われませんわ」
そのひとことに、場が凍りついた。いったい誰の発言だ。キョロキョロとあたりを見回した私は、自分の視点よりもかなり低い位置に発言者の姿を見出した。
「は、ハンナ、大人同士の話に口をはさむものではない」
「いいえ、お兄さま。たぶんラングハイム閣下は私にご興味がおありなのです。お兄さまの方こそ、ちょっと黙っていてくださいますか?」
兄に対して無礼な口をきくその少女は、ひどく小柄で、私よりも3つくらい年下に見えた。とびぬけて美人ではないが、愛らしい顔立ちをしている。その少女は、さらに爆弾発言を続けた。
「わがグレッツナー家は、ラングハイム閣下にずいぶんとお世話になりましたわね。カジノ事業のアドバイスをくださったのも、たしか閣下でした。とても素敵なアイデアだったのですが、グレッツナー家には身に余るお話でしたので、丁重にお断りいたしました」
「か、カジノ…」
父の顔色が変わる。それでも少女は止まらない。
「それから、義姉の件ですが。閣下にはあれを手に入れるだけの甲斐性がなかったようなので、わが兄が引き受けました。天下の宝は徳のある者のもとに集まりたがるものですから、閣下には分不相応というものです」
私も父も、少女の発言を呆然と聞いていることしかできなかった。まるで悪い夢をみているようだ。これほど面と向かって侮辱を受けた経験は、おそらく父にはないだろう。いや━━いち度だけ。カーマクゥラからの使者をおいて、他に父を侮ったものはいない。それが…。
「閣下はさっき、ウイスキー事業に苦言をていされましたが、それはどうでしょう。そのおかげでバルシュミーデ家は没落し、ラングハイム家は権力を独占しました。その恩も忘れて、グレッツナー伯爵夫人にまで手を出そうというのですから、無分別もはなはだしい。相応のしっぺ返しを受けるのは、当然だと思われませんか?」
怒りを通り越して、私は冷静になっていった。この少女は、ひどく賢い。賢いのに、どうしてこんな馬鹿な発言をする?それになんのメリットがあるのだ。それとも━━帝国宰相を侮辱しても、この少女にはデメリットが存在しないというのか?
そんな存在はこの世界にただひとり。
その瞬間だった。私は理解してしまった。少しおくれて、父も気づいたようだった。ありえないことだと、脳が拒絶反応を示すほどのギャップだが、この際、それしかありえないのだ。
この少女だ。
そうと知ってしまえば、少女から異様な雰囲気が醸し出されていることに気づく。言うなれば、闇の気配。『辣腕』のそれを何倍にも濃くしたような、絶対零度の闇が、少女の周囲には満ちていた。やがてその闇は、私たち父子をも飲み込んで、肉体を凍りつかせる。少女から目を離すことができなかった。愛らしいなどと、とんでもない。その瞳は燃えるような赤、その髪は血で染め上げたような赤だった。いまとなっては、少女の容姿におぞましさ以外のものを感じ取ることはできない。
震える舌をなんとか動かし、私は偉大なその名を呼ぶ。
「カーマクゥラの御前…!」
御前は口元に笑みを浮かべ、不明瞭な言葉を吐き出した。その言葉の意味はわからない。魔力を含んでいなかったから、魔法の詠唱ではないだろう。不思議な響きをもつ言葉だった。
━━アクワ、カナラズ、テンニヨッテ、サバカレル、ベシ
御前は、その視線を父の腰元の剣に向けた。そして薄ら笑いを浮かべて、自身の胸元を人差し指でさし示したのだった。私も、たぶん父も、その動作の意味を正しく理解した。
「悔しいか?ならばその剣で、私の心臓を刺し貫いてみろ。おまえごときに、やれるものなら」
次の瞬間、全身を縛っていた威圧感が消えた。まずい、と思うよりもはやく、父が剣の柄に手をかける。
父の行動を愚かだと謗ることはできない。父がその一生をかけて築きあげてきたもの。そしてそれが崩壊する瞬間を、すぐそばで見てきた私には、父を止めることなど、とうていできなかった。
カーマクゥラの御前は、殺されて当然のことをした。少なくともそれは、ラングハイム家に身を置くものにとっては、正しい認識だったのだ。だから━━
「うぁあぁあ━━ッ」
━━父の声とは思えない、ケダモノじみた雄叫びがホールに響き渡り、ラングハイムのすべてが終わりを告げた。
とはいえラングハイム家が負った傷は深い。すべての伯爵家がラングハイム派を離反し、片翼のアメルハウザー公も父のもとを離れた。6人いた妻はひとりだけになり、父がこだわっていた三大美女のひとり、ザビーネどのも実家に戻ってしまった。
いまや父にかつての権勢はない。
それでも帝国宰相である以上、こうして帝室主催のパーティーには出席しなければならない。なんのパーティーかといえば、国軍の制服が新たになったことを祝う祝宴だ。
予定通り、制服納品の役目はグレッツナー伯爵に与えられた。綿花の相場が暴落していたために、グレッツナー伯はこの役目でずいぶんと利益を得たらしい。
そのグレッツナー伯は、妹を連れてパーティーに出席していた。いずれ帝国の未来を担う貴族の子弟が、同伴で出席を許されたパーティーではあるのだが、私のような嫡男ならいざしらず、妹を連れてくるなど、噂に違わずとぼけた男だ。
私は父について貴族たちに挨拶していた。さすがに帝国宰相ともなれば、権勢が衰えてもすりよってくる者は多い。毒気を抜かれたような父の姿に、誰もが驚いてはいたが。
かつての傲慢だった父はもうどこにもいない。恨みを買わないように、心をつなぎとめるように、丁寧に挨拶に応じる。そうしなければ、ラングハイム家は生き残れないだろう。
あの日、すべてが変わってしまったのだ。カーマクゥラの手によって。
冷静になって思い返せば、あれはラングハイム家を潰すための、絶妙な一手だった。カーマクゥラの御前は、あらゆる情報をもっていただろう。のちに贈られた黄金の量を考えると、資金力もあっただろう。それならば、綿花相場でラングハイム家と買い争っても、じゅうぶん勝つことができたはずなのだ。
ところがカーマクゥラは、あの日、父の足元の地面を崩落させた。その絶望感たるや、尋常ではなかった。
情報力、資金力、人脈━━そんなちゃちなものではない。言うなれば、あれは支配力の勝負だった。カーマクゥラは支配力でラングハイム家に圧勝し、その存在の巨大さを天下に示した。
いくらラングハイム家が口を閉ざしても、その敗北を誰もが知っている。いまもパーティーホールのそこかしこで、うわさ話が飛び交っている。ラングハイム家をあざ笑っているのだ。そして同時に、カーマクゥラへの畏怖も語られる。
帝国の支配者は、すでに交代したのだと。
父はいまでこそ平静に見えるが、あの夜のことを思い返せば、その胸中は察するにあまりある。悔しいだろう。悲しいだろう。怒り、憎しみ、あらゆる負の感情がうずまいて、それでも逆襲するだけの時間と力が残されていない自分に、絶望するしかない。
ならばいっそ私が━━私が父の意志を受け継ぎ、カーマクゥラと闘うべきではないか。
息子ならそうすることが当然とも思われた。しかし一方で、ひどく冷めた感情を己のうちに発見する。権力を追い求めることの虚しさだ。私はすぐそばで父の姿を見ていて、昇り続けることに意味を見いだせなくなってしまった。
受け継ぎそこねた強大な権力も、惜しいとは思わない。
「これはこれはラングハイム公、このたびはたいへん、お世話になりました」
ひどく軍服が似合わない男が、父に頭を下げた。グレッツナー伯だ。
父はこう見えて、剣の腕に覚えがあるのだが、グレッツナー伯はとうてい闘争に向いて見えなかった。互いに軍服帯剣の装いでも、そのたたずまいはえらく違って見える。
「制服納品の役目は、ラングハイム公より口ききがあって、グレッツナー家に与えられたものとうかがっております。まことにありがたく存じます」
太平楽なグレッツナー伯の様子では、どうやらカーマクゥラの蠢動について、この男はなにも知らなかったらしい。そのことを父も察したのだろうが、さすがに頬がヒクヒクと引きつっている。グレッツナー伯を仕留めそこねたせいで、ラングハイム家は惨敗したのだから。
父がイヤミを言うのは無理からぬことだった。
「せ、せいぜい忠勤に励むことだな。グレッツナー家はウイスキー利権で荒稼ぎしているようだが、我々貴族は商人ではないのだ。汚らわしき金もうけなどにうつつをぬかす様は、褒められたものではないぞ」
「これは━━先ごろ綿花相場に熱中していた方のお言葉とも思われませんわ」
そのひとことに、場が凍りついた。いったい誰の発言だ。キョロキョロとあたりを見回した私は、自分の視点よりもかなり低い位置に発言者の姿を見出した。
「は、ハンナ、大人同士の話に口をはさむものではない」
「いいえ、お兄さま。たぶんラングハイム閣下は私にご興味がおありなのです。お兄さまの方こそ、ちょっと黙っていてくださいますか?」
兄に対して無礼な口をきくその少女は、ひどく小柄で、私よりも3つくらい年下に見えた。とびぬけて美人ではないが、愛らしい顔立ちをしている。その少女は、さらに爆弾発言を続けた。
「わがグレッツナー家は、ラングハイム閣下にずいぶんとお世話になりましたわね。カジノ事業のアドバイスをくださったのも、たしか閣下でした。とても素敵なアイデアだったのですが、グレッツナー家には身に余るお話でしたので、丁重にお断りいたしました」
「か、カジノ…」
父の顔色が変わる。それでも少女は止まらない。
「それから、義姉の件ですが。閣下にはあれを手に入れるだけの甲斐性がなかったようなので、わが兄が引き受けました。天下の宝は徳のある者のもとに集まりたがるものですから、閣下には分不相応というものです」
私も父も、少女の発言を呆然と聞いていることしかできなかった。まるで悪い夢をみているようだ。これほど面と向かって侮辱を受けた経験は、おそらく父にはないだろう。いや━━いち度だけ。カーマクゥラからの使者をおいて、他に父を侮ったものはいない。それが…。
「閣下はさっき、ウイスキー事業に苦言をていされましたが、それはどうでしょう。そのおかげでバルシュミーデ家は没落し、ラングハイム家は権力を独占しました。その恩も忘れて、グレッツナー伯爵夫人にまで手を出そうというのですから、無分別もはなはだしい。相応のしっぺ返しを受けるのは、当然だと思われませんか?」
怒りを通り越して、私は冷静になっていった。この少女は、ひどく賢い。賢いのに、どうしてこんな馬鹿な発言をする?それになんのメリットがあるのだ。それとも━━帝国宰相を侮辱しても、この少女にはデメリットが存在しないというのか?
そんな存在はこの世界にただひとり。
その瞬間だった。私は理解してしまった。少しおくれて、父も気づいたようだった。ありえないことだと、脳が拒絶反応を示すほどのギャップだが、この際、それしかありえないのだ。
この少女だ。
そうと知ってしまえば、少女から異様な雰囲気が醸し出されていることに気づく。言うなれば、闇の気配。『辣腕』のそれを何倍にも濃くしたような、絶対零度の闇が、少女の周囲には満ちていた。やがてその闇は、私たち父子をも飲み込んで、肉体を凍りつかせる。少女から目を離すことができなかった。愛らしいなどと、とんでもない。その瞳は燃えるような赤、その髪は血で染め上げたような赤だった。いまとなっては、少女の容姿におぞましさ以外のものを感じ取ることはできない。
震える舌をなんとか動かし、私は偉大なその名を呼ぶ。
「カーマクゥラの御前…!」
御前は口元に笑みを浮かべ、不明瞭な言葉を吐き出した。その言葉の意味はわからない。魔力を含んでいなかったから、魔法の詠唱ではないだろう。不思議な響きをもつ言葉だった。
━━アクワ、カナラズ、テンニヨッテ、サバカレル、ベシ
御前は、その視線を父の腰元の剣に向けた。そして薄ら笑いを浮かべて、自身の胸元を人差し指でさし示したのだった。私も、たぶん父も、その動作の意味を正しく理解した。
「悔しいか?ならばその剣で、私の心臓を刺し貫いてみろ。おまえごときに、やれるものなら」
次の瞬間、全身を縛っていた威圧感が消えた。まずい、と思うよりもはやく、父が剣の柄に手をかける。
父の行動を愚かだと謗ることはできない。父がその一生をかけて築きあげてきたもの。そしてそれが崩壊する瞬間を、すぐそばで見てきた私には、父を止めることなど、とうていできなかった。
カーマクゥラの御前は、殺されて当然のことをした。少なくともそれは、ラングハイム家に身を置くものにとっては、正しい認識だったのだ。だから━━
「うぁあぁあ━━ッ」
━━父の声とは思えない、ケダモノじみた雄叫びがホールに響き渡り、ラングハイムのすべてが終わりを告げた。
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