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危機一髪
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目蓋に眩しい光を感じ、僕は起き上がった。
「……え?」
あたりはオレンジ色の光に包まれていた。どう見ても夕方である。どことなく5時のチャイムも鳴り響いてきた。その時……。
「やっと起きたの?もう皆帰っちゃったよ?」
背後から声後するので振り返ってみるとそこには……、香澄がいた。
「あれ、寝てたのか?僕」
「そうだよー。1時間目からホームルームまでずっといなかったんだよ?」
薄らと屋上での出来事が思い浮かんでくる。
「ま、そうなら帰ろうよ。腹が減ったからさ。」
「そうだね、行こ行こ!」
そう言って元気よく歩き出す香澄。こいつはもう高二にかるってのにどこまで幼い脳みそなんだか。そう思いつつ、僕も歩き出すのであった。
……そして。只今の時刻は、夜の7時位。なぜこんなに時間が進んでいるのかと言うと、単純に先生に呼び出しを食らったのである。……こんなことになるならサボらなければよかったと後悔した。
「まったく……、酷い目にあったじゃん…。」
「僕別に待ってろとは言ってないだろ?」
「だって一緒に行きたかったんだもん」
「……お前なぁ……」
ほんとに困ったものである。
「ねぇ…真冬。この前の話、覚えてる?」
「あぁ、1人でいる時もしっかり考えたさ。」
話と言うのは、今から2ヶ月前、僕は香澄に校舎裏へと呼び出された時の話である。そこで僕は……。
「好きです」
「…え?」
まっすぐ、目を見て告白された。その目は、真剣な眼差しそのものだった。そこで僕は、
「少し、考える時間をくれないか?」
そう言って、先延ばしにしていたのである。
「告白の返事……返してくれる?」
戸惑ってしまう。ここでYESと言ったら、付き合うことはできるが、僕はもう3ヶ月しか余命がない。こんなやつと付き合っても、両方悲しむだけだ。
「すまないが、もう少し待ってくれないか?」
「わかった、待ってる」
こころが痛む。このまま何も言わずして死んでしまったらきっとこいつは悲しんでしまう。そう考えていると、
「まぁ私は待ってるよ!私たちは今前を向いて歩き続ければいいのだー!」
そう、元気よく歩き出した、その時だった。辺りには轟音が鳴り響き、目の前のビルが倒壊してきた。
「え?」
ビルの真下にいた香澄は動揺して動けていない。
「香澄!底から離れろ!」
僕がそう叫んだが、その声は耳に届かなかったらしい。僕は思いっきり地面を蹴り、香澄を抱えてその場から飛び退いた。
「お、おぉ!私、生きてる!」
「生きてる生きてる、良かったな」
「でもなんであんなところからここまで来れたの?真冬そんなに運動神経良くなかったような気がするんだけど」
「1ヶ月も経てば変わるさ」
「いや、すぐには変わらないと思う…」
「……変わるもんなんだよ」
僕はそう言って、香澄が無事なのを確認し、ホッとするのだった。
「……え?」
あたりはオレンジ色の光に包まれていた。どう見ても夕方である。どことなく5時のチャイムも鳴り響いてきた。その時……。
「やっと起きたの?もう皆帰っちゃったよ?」
背後から声後するので振り返ってみるとそこには……、香澄がいた。
「あれ、寝てたのか?僕」
「そうだよー。1時間目からホームルームまでずっといなかったんだよ?」
薄らと屋上での出来事が思い浮かんでくる。
「ま、そうなら帰ろうよ。腹が減ったからさ。」
「そうだね、行こ行こ!」
そう言って元気よく歩き出す香澄。こいつはもう高二にかるってのにどこまで幼い脳みそなんだか。そう思いつつ、僕も歩き出すのであった。
……そして。只今の時刻は、夜の7時位。なぜこんなに時間が進んでいるのかと言うと、単純に先生に呼び出しを食らったのである。……こんなことになるならサボらなければよかったと後悔した。
「まったく……、酷い目にあったじゃん…。」
「僕別に待ってろとは言ってないだろ?」
「だって一緒に行きたかったんだもん」
「……お前なぁ……」
ほんとに困ったものである。
「ねぇ…真冬。この前の話、覚えてる?」
「あぁ、1人でいる時もしっかり考えたさ。」
話と言うのは、今から2ヶ月前、僕は香澄に校舎裏へと呼び出された時の話である。そこで僕は……。
「好きです」
「…え?」
まっすぐ、目を見て告白された。その目は、真剣な眼差しそのものだった。そこで僕は、
「少し、考える時間をくれないか?」
そう言って、先延ばしにしていたのである。
「告白の返事……返してくれる?」
戸惑ってしまう。ここでYESと言ったら、付き合うことはできるが、僕はもう3ヶ月しか余命がない。こんなやつと付き合っても、両方悲しむだけだ。
「すまないが、もう少し待ってくれないか?」
「わかった、待ってる」
こころが痛む。このまま何も言わずして死んでしまったらきっとこいつは悲しんでしまう。そう考えていると、
「まぁ私は待ってるよ!私たちは今前を向いて歩き続ければいいのだー!」
そう、元気よく歩き出した、その時だった。辺りには轟音が鳴り響き、目の前のビルが倒壊してきた。
「え?」
ビルの真下にいた香澄は動揺して動けていない。
「香澄!底から離れろ!」
僕がそう叫んだが、その声は耳に届かなかったらしい。僕は思いっきり地面を蹴り、香澄を抱えてその場から飛び退いた。
「お、おぉ!私、生きてる!」
「生きてる生きてる、良かったな」
「でもなんであんなところからここまで来れたの?真冬そんなに運動神経良くなかったような気がするんだけど」
「1ヶ月も経てば変わるさ」
「いや、すぐには変わらないと思う…」
「……変わるもんなんだよ」
僕はそう言って、香澄が無事なのを確認し、ホッとするのだった。
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