『天使』にも『悪魔』の顔がある

双葉 陽菜

文字の大きさ
18 / 98
文化祭と潰しと演劇と

演劇上映

しおりを挟む
〈ただいまより1年2組による演劇を開始します〉

上映アナウンスがかかり講堂の客席は満員御礼で舞台の幕が上がった。

美紅(雛)「『あーつや!』」

淳也(悠)「『美紅!』」

舞台のあらすじー
美紅と淳也は仲良しのカップル。
幼なじみの延長で付き合ったようなものではあるが、淳也も美紅もお互いに好き合っているためラブラブな生活を送っていた。
しかし、ある1人の女性が現れたことにより恋の歯車が狂い始める…

聡子(愛来)「『私ずっと須藤くんが好きだったの!』」

淳也(悠)「『えっと…気持ちは嬉しいけど…
やっぱり俺は美紅が好き。
鮎川の気持ちはありがたいけど、それよりも俺は美紅を守ってやりたいんだ。だから…鮎川の気持ちには答えられない。ごめん』」

聡子(愛来)「『そんな…』」

淳也に気持ちを伝えた聡子は振られその怒りの矛先は美紅へと向けられた。

聡子(愛来)「『なんであんたが須藤くんの彼女なのよ?』」

美紅(雛)「『えっと…?鮎川さん…なんのことかな?』」

聡子(愛来)「『須藤くんのことよ。
なんであんたみたいなガキが彼女なのって聞いてんのよ!』」

美紅(雛)「『あぁ…そのこと…
なんでって…なんでだろうね。
でも淳也は私が告白したらすぐにOKしてくれたよ?ギュッて抱きしめてくれた。
だから淳也からしたら鮎川さんより私の方がいいって思ったんじゃない?(笑)』」

聡子(愛来)「『あんたねぇっ…』」

パシッ!

美紅(雛)「『…ったぁ…』」

ガラッ

淳也(悠)「『美紅…に鮎川…
お前らなにしてんの?つか美紅ほっぺ赤いけどなんかあった?もしかして鮎川…お前が美紅を…』」

聡子(愛来)「『あ…えと…』」

美紅(雛)「『気にしないでいいよ。淳也。
かーえろ。じゃーね、鮎川さん…』



…(小声)私を叩いた仕返しあとでたっぷりしてあげるね。待っててね、し・も・か・わ・さん♪」

聡子(愛来)「『は?』」


そして、中盤。
淳也が交通事故に遭い記憶を失ってしまう。その記憶を取り戻すために美紅は淳也に接するが淳也の記憶は一向に戻らない。
そのことを利用して、聡子が淳也にアプローチするが、淳也自身は聡子になんの効果もなかった。

その頃美紅は淳也と仲良しの城戸修太(和音)に告白されて返事をしてなかった。
そして、終盤…

淳也(悠)「『美紅…俺はまだ完全に記憶が戻ったわけじゃない。でも今の俺は美紅のこと好きだ。
だから…事故る前と変わらずもし美紅がまだ俺のこと好きでいてくれるなら…もう1度付き合ってほしい』」

修太(和音)「『そんなのちょっと都合よすぎねぇ?淳也』」

淳也(悠)「『修太っ…
どーゆーことだよ…それっ…』」

修太(和音)「『だからさ、淳也お前自分で事故って…まぁそれは相手が悪いから仕方ねぇけど、そのあと美紅突き放したのお前じゃん。
その時の美紅の顔どんな顔してたか知ってた?クソ泣きそうな顔してたんだよ。お前に泣き顔見られないように屋上に走ってきてそこで何度もお前の名前呼びながら泣いててさ…』」

淳也(悠)「『…っ…』」

修太(和音)「『それで今更付き合ってほしいとか…都合よすぎと思わない?ね、美紅』」

美紅(雛)「『…そうだけど…
私…修太にもまだ返事してなかったね』」

修太(和音)「『うん。そうだね。
でも、俺は美紅のこと幸せにする自身あるよ?淳也に負けない自身ある。だからさ、美紅…俺の手をとって?』」

美紅(雛)「『…っ…』」

美紅は淳也の方をチラッと見たが、またもし淳也に同じことをされると思うと立ち直れるような気がしないと思いゆっくりと修太に手を伸ばした。


パシッ…カクンッ

美紅(雛)「『…え…淳也?』」

アドリブだった。
台本には美紅の腕を掴むなどなかったのに数センチで手が届くという位置で淳也が美紅の腕を掴んだ。

修太(和音)「『お前…なにしてんの?』」

淳也(悠)「『修太は黙ってろ。
美紅…わかってる。美紅の考えてることくらい…また同じ目にあったりとか…また俺が記憶なくなったりとかしたらどうしようって思ったんだろ?
まぁ、当然だよな。
現に1度なってるし…でも、約束する。
美紅のこと離さない。絶対そばにいる。お前を不安にさせることは絶対しない。だから…だから…もう1度俺にチャンスをください!もう1度俺と付き合ってくれませんか?』」

美紅(雛)「『え…えと…
(えぇ…これ…こんなの台本にはないのに…なんか急にアドリブ来て頭ついて行ってないし…てかぶっ飛びすぎてさっきの悠のセリフ前半聞いてないし…やばいよ。どーすればいいの、私…

あーもー…えぇい!どうにでもなれ!)

えと…淳也?とりあえず顔…あげて?』」

淳也(悠)「『…?』」
修太(和音)「『美紅?』」

美紅(雛)「『あ…淳也のこと…信じれるって言ったら嘘になるけど、でも私も淳也が好き。
さっきのは怖い経験したからそのこと…私にとってすっごい辛いことだったから、修太に逃げることで忘れられるって思ってた。でもそんなのダメだよね。自分が弱いって証拠だし、何より修太に申し訳ない』」

修太(和音)「『俺はそれでもいい!
それでもいいから美紅っ…』」

美紅(雛)「『うん。ありがと、修太。
でもね、そんなの私自身が嫌なの。修太のこと傷つけちゃいそうな気がする。それにね、今ここで淳也離したらもう2度と元に戻れないような気がするんだ。
淳也…淳也の言葉疑ってるわけじゃないよ?でも、信じれるかどうかはわからない。
それでも、私のこと好きでいてくれる?
私を離さないでいてくれる?』」

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

Hand in Hand - 二人で進むフィギュアスケート青春小説

宮 都
青春
幼なじみへの気持ちの変化を自覚できずにいた中2の夏。ライバルとの出会いが、少年を未知のスポーツへと向わせた。 美少女と手に手をとって進むその競技の名は、アイスダンス!! 【2022/6/11完結】  その日僕たちの教室は、朝から転校生が来るという噂に落ち着きをなくしていた。帰国子女らしいという情報も入り、誰もがますます転校生への期待を募らせていた。  そんな中でただ一人、果歩(かほ)だけは違っていた。 「制覇、今日は五時からだから。来てね」  隣の席に座る彼女は大きな瞳を輝かせて、にっこりこちらを覗きこんだ。  担任が一人の生徒とともに教室に入ってきた。みんなの目が一斉にそちらに向かった。それでも果歩だけはずっと僕の方を見ていた。 ◇ こんな二人の居場所に現れたアメリカ帰りの転校生。少年はアイスダンスをするという彼に強い焦りを感じ、彼と同じ道に飛び込んでいく…… ――小説家になろう、カクヨム(別タイトル)にも掲載――

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

現実とサキュバスのあいだで ――夢で告白した相手が、同居を始めた話

そう
青春
ある日家に突然現れた謎のサキュバスのホルさん! 好感度はMAXなようで流されるがまま主人公はホルさんと日常を過ごします。 ほのぼのラブコメというか日常系小説 オチなどはなく、ただひたすらにまったりします 挿絵や文章にもAIを使用しております。 苦手な方はご注意ください。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。

たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】 『み、見えるの?』 「見えるかと言われると……ギリ見えない……」 『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』  ◆◆◆  仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。  劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。  ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。  後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。  尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。    また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。  尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……    霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。  3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。  愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー! ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

処理中です...