51 / 51
終章
終章② 無法魔術師はかえりみない?
しおりを挟む
「……それで、やっとアテナさんの日常に平和が戻ったわけだ?」
「そういうこと。一週間も経ってないはずなんだけど、今回はさすがに疲れたな」
仮眠室のベッドの上で、僕とレイチェルは事後の余韻に浸っていた。
アレスとの邂逅は思ったより僕の精神に疲労をもたらしたらしく、気づけば癒しを求めて足がこちらに向いていたのだ。
いつもの僕なら流れでアレスをそのままおいしくいただいていただろうが、やはりどうしても彼女をそういう目で見ることはできなかった。
かといってサーシャさんはまだ仕事中で、守衛ガールズたちはともかく、サーシャさんの仕事を邪魔することだけは気が憚られる。
けっきょく、タイミング的に都合がよさそうなのはレイチェルしかいなかった。
「ホント、都合よく使われてるよねぇ。アタシじゃなかったらとっくに刺されてるよ?」
「君は優しいからね。だから、僕もつい甘えたくなる」
「やだなぁ、そういうの。アタシ、そう言うこと言われるとすぐにその気になっちゃうくらいチョロいんだから」
レイチェルが半眼になりながらも、首を伸ばして僕の顔に頬擦りをしてくる。
「それに思ったんだけど、アテナさん、なんだか前よりもいっそう優しいっていうか、愛情たっぷりな感じがする。アタシ、鈴音さんみたいに本気になりたくないんだけどな」
「激動の日々が僕を少し大人にしてくれたのかも。新しい出会いもいくつかあったしね」
「ヤダヤダ。分かっちゃいるけど、ほーんとクズなんだから」
心の底から呆れたような顔で僕を見下ろしながら、レイチェルが指先で僕の鼻をギュッと抓ってきた。そして、すぐにまた顔を近づけてキスをしてくる。
重すぎず軽過ぎもしない、彼女のような距離感が今の僕には最高に心地いい。
「そういえば、この前の刑事さん、あの人もマジっぽい感じだったよね」
「そうなのかな」
「そうだよ。ねえ、どうするの? 鈴音さんもいるんだよ?」
「どうもしないけど」
「いっそ鈴音さんもあの刑事さんもまとめて結婚しちゃうとか?」
「いや、結婚なんて……」
というか、三人で結婚ってなんだ。
僕の知るかぎり、結構は二人で行うものだという認識だが……。
「えっ!? それなのにあんなに次から次に手を出してるわけ!?」
「いやぁ……」
「信じらんない。マジで一回くらい刺されて死んだほうがいいんじゃない?」
「探偵が死んだら、誰がその事件を解決してくれるのかな」
「うわ、もう探偵気分なんだ。そんなの、動機を持つ人が多すぎて迷宮入りだよ」
不貞腐れたようにそう言って、レイチェルが僕の肋骨の隙間に尖った顎の先端を無理やり突き立ててきた。
彼女のほっそりとした輪郭は単純に綺麗だと思うが、このときだけは立派な凶器と化す。
どうせ本気で怒っているわけではないし、僕は彼女の真っ赤な髪を優しく撫でたり耳の裏をくすぐったりしながら、彼女が機嫌をなおしてくれるのをのんびりと待つ。
「まあ、別にアテナさんが誰と結婚しようが何人と結婚しようがかまわないけどさ。アタシとは、このままずっとこうやってゆるーく続けて欲しいなぁ……なんて」
ふと、レイチェルがそんなことを言いながら、ジーッと僕の目を覗き込んできた。
彼女なりの『機嫌をなおした』という合図だろう。
僕はついつい口許が綻ぶのを自覚しながら、その唇にキスをしようとして——。
「いい加減にしろ! この下半身モンスターめ!」
「業務中に何してんのよ! 上に報告されたいの!?」
ドバーン! ——と、仮眠室の扉が蹴破られた。
それと同時に、悪鬼のごとき形相をした二人の女性が立て続けに飛び込んでくる。
「うぉわっ!? す、鈴音さん!? おまけに、いつぞやの刑事さんも!?」
「……レイチェル、ごめん!」
僕は先に謝罪の言葉を述べると、突き飛ばすようにレイチェルをどかし、床の上に散らばった衣服を魔術で引き寄せ、さらに仮眠室の壁に指向性の衝撃波で放った。
バンッ!
破裂するような音がして、仮眠室に巨大な穴が空く。
僕は即座にその穴から飛び出すと、そのまま恥も外聞もなく全力で逃げ出した。
「逃げられると思ってんの!? ライラ、いつものアレで捕まえてやんなさいよ!」
「アレは近づかないと発動できん! まずはアテナの脚を封じるんだ!」
「りょーかい!」
遁走する僕の背後から、何やら星形をした金属片がビュンビュンと飛んでくる。
僕自身は防御障壁で身を守ることができるが、どうやら本当の狙いは足下らしい。
いつの間にか僕が進もうとする先にも星型の金属片が舞き散らされており、今の僕は靴を履いていていないこともあって、迂闊に踏み抜けば流血は避けられなさそうだった。
だが、それでも僕は諦めず、今度は地面に衝撃波を放つと、前方一帯を根こそぎ更地にしながら無理やり道を作って逃走をはかる。
「レイチェル、上に報告されたくなかったらあんたも手伝いなさい!」
「ふぁ~い……」
「逃さんぞ、アテナ! 地の果てまでも追い詰めて、徹底的に反省させてやる!」
後ろから聞こえる声は無視し、僕は門を抜けて森の中へと進路を取った。
事件が解決し、日常は戻ってきたが、その日常がこれまでどおり平穏かどうかについては別問題であるらしい。
僕は木陰で手早く着替えを済ませ、後を追って森に飛び込んでくるなりやたら正確に僕の位置を判定してくる鈴音さんの嗅覚に慄きながら、森のさらに奥深くへと逃走していく。
(くそっ、それでも……)
ふと、その場で足をとめる。
この数日間、いろいろなことがあった。その中で変わったものもあれば、変わらないものもあったことだろう。
僕にだってある。変わったこともあったかもしれないが、どんな事件があっても、どんなに日常が荒れ狂おうとも、これだけは変わらないと言える確固たるものもある。
僕には過去がない。協調性もないし堪え性もない。
だから、僕みたいな自由きままな無法者はいつか天罰がくだって碌でもない死にかたをすることだろう。
そんなことは最初から分かっていて、最初から覚悟だってできている。
だから、そのときまで、僕は——。
「ぜったいに、かえりみてなんかやるもんか!」
明らかに殺意を感じる目つきで僕を追い立ててくる女性陣に向きなおって、僕は渾身の衝撃波を放った。
これは反旗の狼煙だ。たとえライラと鈴音さんが徒党を組んで僕を責め立てようとも、僕をとめられるとは——。
「ほう、手加減は不要と言うことだな?」
「あんた一人であたしたちをどうにかできると思ってんの?」
「ごめんねぇ、アテナさん」
余波で薙ぎ倒された無数の木々と巻き起こる砂煙の向こうから、分厚い防御障壁に包まれた三人の女性の影がゆっくりとこちらに向かって歩み寄ってくるところが見える。
あれ、僕、わりと本気でやったつもりなんだけど……。
「アレスの腕前には遠く及ばないが、おまえにも《異界の門》年次首席たるわたしの手並みを見せてやるとしよう」
「言っとくけど、魔術がなけりゃあたしがあんたに負ける要素なんてないんだからね?」
「アテナさん、たぶんさっさと降参したほうがいいよ」
これはいけない。恐れ慄く僕が再び逃走をはかろうと踵を返すと、何故かそこにはすでに鈴音さんの姿があった。
慌てて方向転換をすると、今度はその先にレイチェルの姿が現れる。
森の門番を担当している守衛さんたちが身体能力だけでいえば人間離れした化け物クラスばかりであることくらい、最初から承知しているつもりだった。
それでも僕の魔術なら、対魔術兵装のない二人なら――そう思っていたが、今の二人の体は対魔術兵装なんて比較にならないレベルの障壁によって護られている。
というか、なんだこの術式は。こんなもので護られていたら、おそらく僕がどれだけ本気を出したところで、今の彼女たちにとっては児戯も等しいだろう。
恐るべきは、このレベルの防御障壁を複数人に施した上で、顔色一つ変えずに維持し続けているライラだ。
それなりの使い手だなんてレベルではなかった。もはや別格。次元が違う。
「おまえは最初からずーっとわたしを侮っているな?」
鈴音さんとレイチェルに行く手を阻まれる僕の背に、ライラの声が響いてくる。
「さあ、帰って『反省会』といこう。なにを『かえりみない』つもりなのか、じっくり聞かせてもらうからな」
ポンッと僕の肩の上に、やけに冷たいライラの手がおかれた。
これはもう、どうしようもない。彼女と出会ってしまった時点で、きっと僕の運命の歯車というやつはこれ以上ないくらいしっかりと狂ってしまったのだろう。
それぞれの表情で僕を見据える女性たちに三方を囲まれて僕が思ったのは、僕もそろそろ宗旨替えのタイミングにきているのかもしれないな、という非常に現実的な問題だった。
「そういうこと。一週間も経ってないはずなんだけど、今回はさすがに疲れたな」
仮眠室のベッドの上で、僕とレイチェルは事後の余韻に浸っていた。
アレスとの邂逅は思ったより僕の精神に疲労をもたらしたらしく、気づけば癒しを求めて足がこちらに向いていたのだ。
いつもの僕なら流れでアレスをそのままおいしくいただいていただろうが、やはりどうしても彼女をそういう目で見ることはできなかった。
かといってサーシャさんはまだ仕事中で、守衛ガールズたちはともかく、サーシャさんの仕事を邪魔することだけは気が憚られる。
けっきょく、タイミング的に都合がよさそうなのはレイチェルしかいなかった。
「ホント、都合よく使われてるよねぇ。アタシじゃなかったらとっくに刺されてるよ?」
「君は優しいからね。だから、僕もつい甘えたくなる」
「やだなぁ、そういうの。アタシ、そう言うこと言われるとすぐにその気になっちゃうくらいチョロいんだから」
レイチェルが半眼になりながらも、首を伸ばして僕の顔に頬擦りをしてくる。
「それに思ったんだけど、アテナさん、なんだか前よりもいっそう優しいっていうか、愛情たっぷりな感じがする。アタシ、鈴音さんみたいに本気になりたくないんだけどな」
「激動の日々が僕を少し大人にしてくれたのかも。新しい出会いもいくつかあったしね」
「ヤダヤダ。分かっちゃいるけど、ほーんとクズなんだから」
心の底から呆れたような顔で僕を見下ろしながら、レイチェルが指先で僕の鼻をギュッと抓ってきた。そして、すぐにまた顔を近づけてキスをしてくる。
重すぎず軽過ぎもしない、彼女のような距離感が今の僕には最高に心地いい。
「そういえば、この前の刑事さん、あの人もマジっぽい感じだったよね」
「そうなのかな」
「そうだよ。ねえ、どうするの? 鈴音さんもいるんだよ?」
「どうもしないけど」
「いっそ鈴音さんもあの刑事さんもまとめて結婚しちゃうとか?」
「いや、結婚なんて……」
というか、三人で結婚ってなんだ。
僕の知るかぎり、結構は二人で行うものだという認識だが……。
「えっ!? それなのにあんなに次から次に手を出してるわけ!?」
「いやぁ……」
「信じらんない。マジで一回くらい刺されて死んだほうがいいんじゃない?」
「探偵が死んだら、誰がその事件を解決してくれるのかな」
「うわ、もう探偵気分なんだ。そんなの、動機を持つ人が多すぎて迷宮入りだよ」
不貞腐れたようにそう言って、レイチェルが僕の肋骨の隙間に尖った顎の先端を無理やり突き立ててきた。
彼女のほっそりとした輪郭は単純に綺麗だと思うが、このときだけは立派な凶器と化す。
どうせ本気で怒っているわけではないし、僕は彼女の真っ赤な髪を優しく撫でたり耳の裏をくすぐったりしながら、彼女が機嫌をなおしてくれるのをのんびりと待つ。
「まあ、別にアテナさんが誰と結婚しようが何人と結婚しようがかまわないけどさ。アタシとは、このままずっとこうやってゆるーく続けて欲しいなぁ……なんて」
ふと、レイチェルがそんなことを言いながら、ジーッと僕の目を覗き込んできた。
彼女なりの『機嫌をなおした』という合図だろう。
僕はついつい口許が綻ぶのを自覚しながら、その唇にキスをしようとして——。
「いい加減にしろ! この下半身モンスターめ!」
「業務中に何してんのよ! 上に報告されたいの!?」
ドバーン! ——と、仮眠室の扉が蹴破られた。
それと同時に、悪鬼のごとき形相をした二人の女性が立て続けに飛び込んでくる。
「うぉわっ!? す、鈴音さん!? おまけに、いつぞやの刑事さんも!?」
「……レイチェル、ごめん!」
僕は先に謝罪の言葉を述べると、突き飛ばすようにレイチェルをどかし、床の上に散らばった衣服を魔術で引き寄せ、さらに仮眠室の壁に指向性の衝撃波で放った。
バンッ!
破裂するような音がして、仮眠室に巨大な穴が空く。
僕は即座にその穴から飛び出すと、そのまま恥も外聞もなく全力で逃げ出した。
「逃げられると思ってんの!? ライラ、いつものアレで捕まえてやんなさいよ!」
「アレは近づかないと発動できん! まずはアテナの脚を封じるんだ!」
「りょーかい!」
遁走する僕の背後から、何やら星形をした金属片がビュンビュンと飛んでくる。
僕自身は防御障壁で身を守ることができるが、どうやら本当の狙いは足下らしい。
いつの間にか僕が進もうとする先にも星型の金属片が舞き散らされており、今の僕は靴を履いていていないこともあって、迂闊に踏み抜けば流血は避けられなさそうだった。
だが、それでも僕は諦めず、今度は地面に衝撃波を放つと、前方一帯を根こそぎ更地にしながら無理やり道を作って逃走をはかる。
「レイチェル、上に報告されたくなかったらあんたも手伝いなさい!」
「ふぁ~い……」
「逃さんぞ、アテナ! 地の果てまでも追い詰めて、徹底的に反省させてやる!」
後ろから聞こえる声は無視し、僕は門を抜けて森の中へと進路を取った。
事件が解決し、日常は戻ってきたが、その日常がこれまでどおり平穏かどうかについては別問題であるらしい。
僕は木陰で手早く着替えを済ませ、後を追って森に飛び込んでくるなりやたら正確に僕の位置を判定してくる鈴音さんの嗅覚に慄きながら、森のさらに奥深くへと逃走していく。
(くそっ、それでも……)
ふと、その場で足をとめる。
この数日間、いろいろなことがあった。その中で変わったものもあれば、変わらないものもあったことだろう。
僕にだってある。変わったこともあったかもしれないが、どんな事件があっても、どんなに日常が荒れ狂おうとも、これだけは変わらないと言える確固たるものもある。
僕には過去がない。協調性もないし堪え性もない。
だから、僕みたいな自由きままな無法者はいつか天罰がくだって碌でもない死にかたをすることだろう。
そんなことは最初から分かっていて、最初から覚悟だってできている。
だから、そのときまで、僕は——。
「ぜったいに、かえりみてなんかやるもんか!」
明らかに殺意を感じる目つきで僕を追い立ててくる女性陣に向きなおって、僕は渾身の衝撃波を放った。
これは反旗の狼煙だ。たとえライラと鈴音さんが徒党を組んで僕を責め立てようとも、僕をとめられるとは——。
「ほう、手加減は不要と言うことだな?」
「あんた一人であたしたちをどうにかできると思ってんの?」
「ごめんねぇ、アテナさん」
余波で薙ぎ倒された無数の木々と巻き起こる砂煙の向こうから、分厚い防御障壁に包まれた三人の女性の影がゆっくりとこちらに向かって歩み寄ってくるところが見える。
あれ、僕、わりと本気でやったつもりなんだけど……。
「アレスの腕前には遠く及ばないが、おまえにも《異界の門》年次首席たるわたしの手並みを見せてやるとしよう」
「言っとくけど、魔術がなけりゃあたしがあんたに負ける要素なんてないんだからね?」
「アテナさん、たぶんさっさと降参したほうがいいよ」
これはいけない。恐れ慄く僕が再び逃走をはかろうと踵を返すと、何故かそこにはすでに鈴音さんの姿があった。
慌てて方向転換をすると、今度はその先にレイチェルの姿が現れる。
森の門番を担当している守衛さんたちが身体能力だけでいえば人間離れした化け物クラスばかりであることくらい、最初から承知しているつもりだった。
それでも僕の魔術なら、対魔術兵装のない二人なら――そう思っていたが、今の二人の体は対魔術兵装なんて比較にならないレベルの障壁によって護られている。
というか、なんだこの術式は。こんなもので護られていたら、おそらく僕がどれだけ本気を出したところで、今の彼女たちにとっては児戯も等しいだろう。
恐るべきは、このレベルの防御障壁を複数人に施した上で、顔色一つ変えずに維持し続けているライラだ。
それなりの使い手だなんてレベルではなかった。もはや別格。次元が違う。
「おまえは最初からずーっとわたしを侮っているな?」
鈴音さんとレイチェルに行く手を阻まれる僕の背に、ライラの声が響いてくる。
「さあ、帰って『反省会』といこう。なにを『かえりみない』つもりなのか、じっくり聞かせてもらうからな」
ポンッと僕の肩の上に、やけに冷たいライラの手がおかれた。
これはもう、どうしようもない。彼女と出会ってしまった時点で、きっと僕の運命の歯車というやつはこれ以上ないくらいしっかりと狂ってしまったのだろう。
それぞれの表情で僕を見据える女性たちに三方を囲まれて僕が思ったのは、僕もそろそろ宗旨替えのタイミングにきているのかもしれないな、という非常に現実的な問題だった。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。
もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる