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剝き出しの声
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「もっとぉ。もっと突いてぇ」
個室にいる二人に気づかせるためにあえて荒っぽくドアを閉めて出たにもかかわらず、依然として肉を叩く音と声優のなまめかしい喘ぎ声は収まる様子はなかった。むしろさっきよりさらに熱っぽく男にせがんでいる。
「あ~~~。気持ちいい~~」
水道で手を洗いながら彼女は鏡越しに全裸になっている自分をできるだけ見ないようにした。自宅以外の場所で、しかも外のトイレで何一つ服を身に着けていないという事実にきまり悪さを感じていたからだが、それよりも、聞こえてくる音に集中したかったからというのが最もふさわしい理由だった。
彼女は大してアニメに詳しい方ではなかったが、そんな彼女でもはっきり「あの人だ」と分かるほど有名な声。そんな市民権を得ている国民的な美声は今では何も演じていなかった。今聞いているのはこれまで時折耳にしてきた演技とは最も遠いところにある、剝き出しの声だった。「演じる前」のイロ好き女としての声だった。
同じ女としても聞いていてドキドキするような色気に満ちた演技の裏にはこれがあったのかとふと彼女は考えて、ひそかに納得がいった。
「あ~~~! イクぅ~~!」
連続的に肌を弾く音は速まり、ほとんどこと切れたかと思うほど短い絶叫ののち、静まった。あとは鏡の前で熱に浮かされたように呆然と佇んでいる彼女が延々と出している自動式の水道の水の音だけが残った。
恋愛に億劫だったためセックスの経験は過去に二回程度、AVもほとんど見たことがない、もちろん他人のセックスは生で見たこともなければ聞いたこともない。(オナニーなどしたことがなかったので)人は最高潮に気持ちよくなると“イク”のだということを、実際に今初めて知ったほどだった。
だから彼女は興奮のために膝が震え、今にも崩れ落ちてしまいそうだった。
……我に返ったのは男の手が彼女の肩に触れた時だった。
気づけば、さっきの男女が入っていた個室のドアは開いていた。
男は彼女の身体を貪っていた。
唇が彼女の肌を滑らかに這いまわる。
突然、秘部に強い刺激を感じて腰が落ちかかった。
さっきの美しい声の声優が彼女の股にもぐっていた。
彼らが何かしら言葉を交わしている。
しかし彼女の耳にはそれはノイズのように届いた。
快楽が頭をかき乱していた。
滴るような蜜壺から口が離され、彼女は強すぎる快楽が止んだのを安堵した。
その後、そこに何かがあてがわれた。
熱く、固い、棒。
甘い蜜をかき回すための棒だった。
それが彼女のきつく閉められている肉と肉の間(はざま)に分け入った。
潜り込むように、奥へ奥へ。
それにしたがって彼女の口から出る声は、次第に大きくなっていった。
突かれる度に声が出た。
子宮の底からせり上がってくる「音」に身を任せるしかなかった。
――彼女が“イケメン”でも“少年”でもなく、“女”になったのは、内に秘められた蜜を、より甘いものにする棒を心の底から愛した瞬間からだった。
個室にいる二人に気づかせるためにあえて荒っぽくドアを閉めて出たにもかかわらず、依然として肉を叩く音と声優のなまめかしい喘ぎ声は収まる様子はなかった。むしろさっきよりさらに熱っぽく男にせがんでいる。
「あ~~~。気持ちいい~~」
水道で手を洗いながら彼女は鏡越しに全裸になっている自分をできるだけ見ないようにした。自宅以外の場所で、しかも外のトイレで何一つ服を身に着けていないという事実にきまり悪さを感じていたからだが、それよりも、聞こえてくる音に集中したかったからというのが最もふさわしい理由だった。
彼女は大してアニメに詳しい方ではなかったが、そんな彼女でもはっきり「あの人だ」と分かるほど有名な声。そんな市民権を得ている国民的な美声は今では何も演じていなかった。今聞いているのはこれまで時折耳にしてきた演技とは最も遠いところにある、剝き出しの声だった。「演じる前」のイロ好き女としての声だった。
同じ女としても聞いていてドキドキするような色気に満ちた演技の裏にはこれがあったのかとふと彼女は考えて、ひそかに納得がいった。
「あ~~~! イクぅ~~!」
連続的に肌を弾く音は速まり、ほとんどこと切れたかと思うほど短い絶叫ののち、静まった。あとは鏡の前で熱に浮かされたように呆然と佇んでいる彼女が延々と出している自動式の水道の水の音だけが残った。
恋愛に億劫だったためセックスの経験は過去に二回程度、AVもほとんど見たことがない、もちろん他人のセックスは生で見たこともなければ聞いたこともない。(オナニーなどしたことがなかったので)人は最高潮に気持ちよくなると“イク”のだということを、実際に今初めて知ったほどだった。
だから彼女は興奮のために膝が震え、今にも崩れ落ちてしまいそうだった。
……我に返ったのは男の手が彼女の肩に触れた時だった。
気づけば、さっきの男女が入っていた個室のドアは開いていた。
男は彼女の身体を貪っていた。
唇が彼女の肌を滑らかに這いまわる。
突然、秘部に強い刺激を感じて腰が落ちかかった。
さっきの美しい声の声優が彼女の股にもぐっていた。
彼らが何かしら言葉を交わしている。
しかし彼女の耳にはそれはノイズのように届いた。
快楽が頭をかき乱していた。
滴るような蜜壺から口が離され、彼女は強すぎる快楽が止んだのを安堵した。
その後、そこに何かがあてがわれた。
熱く、固い、棒。
甘い蜜をかき回すための棒だった。
それが彼女のきつく閉められている肉と肉の間(はざま)に分け入った。
潜り込むように、奥へ奥へ。
それにしたがって彼女の口から出る声は、次第に大きくなっていった。
突かれる度に声が出た。
子宮の底からせり上がってくる「音」に身を任せるしかなかった。
――彼女が“イケメン”でも“少年”でもなく、“女”になったのは、内に秘められた蜜を、より甘いものにする棒を心の底から愛した瞬間からだった。
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