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夢の中にまで、要が出て来た。
キスなんかし始めて、俺にとっても身近な行為に見える。
寝起きの気分にしては、あまり良いとは言えない。
モヤモヤする。
なのに、しっかりと傍若無人な自分の下半身に嫌気がさしそうだ。
「男だぞ、要は。」
解りきっている。言うまでもない。
夏が終われば、きっと生活も変わってしまう事だろう。
それまで、逃げ切れば俺の勝ちだ。
なのに、一日の終わりには何となくメッセージが届いてて
俺もついつい返信してしまう。
好かれているんだろうか?
さっぱり見えない。
夏休みの間に、アミューズメントパークで短期のバイトを始めた。
逆ナンされたりして、正直どんだけ俺は他人から
軽く見られているんだろうかと、落ち込みそうになる。
特定の相手をちゃんと作らないのがいけないのか。
女子高生や、同年代の女の子を見てもむしろ今では
何にも思わなくて。
最近は、考える時間があれば要の事を思っている。
実家に帰省している事を聞いて、少しだけ安心した。
『お兄さん、』
今日はフロア内の機器の修理をして、景品の補充をしていた。
「ぁ、ハイ!どうされました?…って、お前…」
珍しく少しラフなTシャツに、タイト目なパンツを履いている
本庄要が大きな景品のヌイグルミを抱えて俺の前に現れた。
『こんなおっきいの入る袋、どこに置いてありますか?』
一応、バイトをしだした事は伝えてあった。
でも、まさかこの店の事は言ってないのに。
「なんでココだって分かった?」
『昔、結構来てたじゃん。俺の事、ストーカーみたいに思った?』
にこりと笑って、ことんと首を傾げる仕草と
抱えたヌイグルミとが、妙にマッチしていて…まぁ可愛いんだが。
「ゃ、そこまでは…。驚きはしたけど。」
『何時に上がるの?』
「20時だな今日は。…もしかして、待っててくれるのか?」
まさかなぁ。
『いいよ、後2時間…待ってる。でも、お隣の漫画喫茶で時間潰すし。』
「あ、じゃ晩飯一緒にどうだ?」
『…うん!一緒が良いかな。…へへっ、もっと煙たがられるかと思った。』
俺は、要が嫌いじゃない。だから、現に悩んでいる。
「袋、持ってくる。」
すぐにカウンターに景品用の大き目の袋を取りに行って
要に手渡した。
『ありがとう…。はぁー、やっぱり勇気だして来てみて良かった。それじゃあ後でね。玲…』
ひらっと手を振って、要は店内を去って行った。
もちろん、話はちゃんと通じる相手だ。
怖いくらい素直で、もっと偽ってもいい気がするくらい。
あの瞳は、ずっと昔から妙に真っすぐで澄んでいて
見透かされてる気がして、直視には俺は耐えられない。
キスなんかし始めて、俺にとっても身近な行為に見える。
寝起きの気分にしては、あまり良いとは言えない。
モヤモヤする。
なのに、しっかりと傍若無人な自分の下半身に嫌気がさしそうだ。
「男だぞ、要は。」
解りきっている。言うまでもない。
夏が終われば、きっと生活も変わってしまう事だろう。
それまで、逃げ切れば俺の勝ちだ。
なのに、一日の終わりには何となくメッセージが届いてて
俺もついつい返信してしまう。
好かれているんだろうか?
さっぱり見えない。
夏休みの間に、アミューズメントパークで短期のバイトを始めた。
逆ナンされたりして、正直どんだけ俺は他人から
軽く見られているんだろうかと、落ち込みそうになる。
特定の相手をちゃんと作らないのがいけないのか。
女子高生や、同年代の女の子を見てもむしろ今では
何にも思わなくて。
最近は、考える時間があれば要の事を思っている。
実家に帰省している事を聞いて、少しだけ安心した。
『お兄さん、』
今日はフロア内の機器の修理をして、景品の補充をしていた。
「ぁ、ハイ!どうされました?…って、お前…」
珍しく少しラフなTシャツに、タイト目なパンツを履いている
本庄要が大きな景品のヌイグルミを抱えて俺の前に現れた。
『こんなおっきいの入る袋、どこに置いてありますか?』
一応、バイトをしだした事は伝えてあった。
でも、まさかこの店の事は言ってないのに。
「なんでココだって分かった?」
『昔、結構来てたじゃん。俺の事、ストーカーみたいに思った?』
にこりと笑って、ことんと首を傾げる仕草と
抱えたヌイグルミとが、妙にマッチしていて…まぁ可愛いんだが。
「ゃ、そこまでは…。驚きはしたけど。」
『何時に上がるの?』
「20時だな今日は。…もしかして、待っててくれるのか?」
まさかなぁ。
『いいよ、後2時間…待ってる。でも、お隣の漫画喫茶で時間潰すし。』
「あ、じゃ晩飯一緒にどうだ?」
『…うん!一緒が良いかな。…へへっ、もっと煙たがられるかと思った。』
俺は、要が嫌いじゃない。だから、現に悩んでいる。
「袋、持ってくる。」
すぐにカウンターに景品用の大き目の袋を取りに行って
要に手渡した。
『ありがとう…。はぁー、やっぱり勇気だして来てみて良かった。それじゃあ後でね。玲…』
ひらっと手を振って、要は店内を去って行った。
もちろん、話はちゃんと通じる相手だ。
怖いくらい素直で、もっと偽ってもいい気がするくらい。
あの瞳は、ずっと昔から妙に真っすぐで澄んでいて
見透かされてる気がして、直視には俺は耐えられない。
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