上 下
7 / 9

ほとぼり

しおりを挟む
「…えろい」
『だからぁ、もぉ~…真面目に見てくれるんじゃないの?』
「ヤバいよなぁ、見てると勃つわ」
『……ばか。』

口では央未も、こう言ってはいるけど
目が流されてる時みたいに
なっている。無意識だろうが。
「俺が央未パイに、ヨシヨシされんの?」
『しないってば。…ぅゎ…っあ……』
自制心なんて無かった。

ぷっくりと膨らむ乳首に唇を寄せ
力が抜けた央未の体を抱き締める。
落ち着く、と思う。
舐め転がして、吸ったり
指で愛撫する妄想が頭をよぎる。

すぐに我に返って、唇を離した。

「央未、流されるの早い。」
『だって、朔が可愛いんだから仕方ないよ。ねぇ、なんで目つむるの?』
「……は?」
『や、だって…朔が乳首吸ったりする時ってよく目をつむるからさ。不思議なんだよね。』

全くの無自覚だった。


「大丈夫かぁ?央未…」
明け方、念の為とは言え央未の
熱を計ってみた。

問題なさそうだな、顔色も良いし
何と言っても朝から元気。
元気過ぎて、早々にヤッてしまった。

何か、もがくみたいなイキ方して
少し辛そうに見えたのは
俺の杞憂らしい。
頭がおかしくなりそうな快楽でも
与えてしまったか?

央未の脚首に引っ掛かったパンツを
気にも留めずに、繋がって
爽やかな朝に相応しいとは
言い難い背徳的な行為に
2人ですっかり耽っていた。

キスをして欲しいとねだる唇に
応えると貪欲な央未は
体ごと俺を求めてくる。
何かが、奥底にある気がして
長年互いに探ってる感覚だ。

央未は面倒くさくない。
だから、側にいて欲しい。
俺のフラフラした所を理解した上で
それでも信用してくれる。

愛されたくて、愛したくて
それしか出来ない事を多分1番
本人が分かっている。
「さすがに、ヤリ疲れたわ。」
『…お腹すいたぁ。』
「さすがは、性豪。…さて、朝食作ってくる。」
しおりを挟む

処理中です...