過負荷

硯羽未

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第20話 不確かなもの

20-2

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(なんか……俺、さっきから変)
 本当に好きになってしまったのだろうか。
 そう思おうとは努力してきたが、今は妙に心が浮き足立っている感じがする。
 壱流の為に弾けたらと言われ、血迷ったのか。それとも単に、場所が場所だからだろうか。する為の、場所。自分が誘った。

(まあいいや)
 再びドアが開いて竜司が入ってくる。逞しい体つき。入院していたとは思えない健康な体。腕にも腹筋にも綺麗な筋肉がついていて、同性でもちょっと見惚れる。
 が、その視線が竜司の下腹部に降りて、釘付けになった。

「竜ちゃん……気ぃ早」
「や、なんかさっきから落ち着かなくて。収まんねえ」
 前を隠すこともせずにシャワーを捻った竜司の立派なそれは、既に上を向いている。相変わらずでかい、と壱流は思わず目を逸らし顔をちゃぷんと沈めた。
 やがてシャワーの音が止まり、水面が波立った。竜司の体積に水位が上がり入浴剤で淡く濁ったお湯が溢れた。当然のようにぐいと体を引き寄せられる。

「壱流、触って」
 お湯の中で抱き締められて、手を誘導された。言われるままにそこを軽く握ってやり、指を這わせる。壱流の手の中で脈打っている硬い感触に、腰の辺りがず きずきと疼いてきた。
(うわ、どうしよ……)
 自分の体の変化に今更ながら困惑する。女相手でしか欲情なんて出来なかったのに、今は自主的に竜司に抱かれたがっている。
 もしこの関係に終わりが来た時、自分は以前の体に戻れるだろうか? 竜司なしでいられなくなったら、どうしよう。

 戻れなかったとしても、違う男とそうなるなんて考えられない。
 別に男を好きなわけではないのだ。それともしばらく我慢すれば、体に刻まれたこの感覚も忘れるだろうか。
 じりじりと体を動かした壱流に気づき、竜司は小さく笑んで物欲しそうに軽く開いた唇にキスを落とした。
 温かい舌が触れ、口の中を優しく舐められた。

「壱流のここ、すげえ挿れて欲しそうなんだけど」
 疼いているところを指先で探られ、直接言葉にされて恥ずかしくなる。否定も肯定も出来なくて、壱流は目を瞑りキスを返した。自分からしたキスは、これが初めてだった。
 探っていた指がそのままゆっくりと壱流の中に入ってきたので、竜司のものを握っていた手の力が抜けた。指に侵されて反応しているのを見られたくなくて、濡れた胸板に顔をくっつけた。
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