42 / 94
第20話 不確かなもの
20-2
しおりを挟む
(なんか……俺、さっきから変)
本当に好きになってしまったのだろうか。
そう思おうとは努力してきたが、今は妙に心が浮き足立っている感じがする。
壱流の為に弾けたらと言われ、血迷ったのか。それとも単に、場所が場所だからだろうか。する為の、場所。自分が誘った。
(まあいいや)
再びドアが開いて竜司が入ってくる。逞しい体つき。入院していたとは思えない健康な体。腕にも腹筋にも綺麗な筋肉がついていて、同性でもちょっと見惚れる。
が、その視線が竜司の下腹部に降りて、釘付けになった。
「竜ちゃん……気ぃ早」
「や、なんかさっきから落ち着かなくて。収まんねえ」
前を隠すこともせずにシャワーを捻った竜司の立派なそれは、既に上を向いている。相変わらずでかい、と壱流は思わず目を逸らし顔をちゃぷんと沈めた。
やがてシャワーの音が止まり、水面が波立った。竜司の体積に水位が上がり入浴剤で淡く濁ったお湯が溢れた。当然のようにぐいと体を引き寄せられる。
「壱流、触って」
お湯の中で抱き締められて、手を誘導された。言われるままにそこを軽く握ってやり、指を這わせる。壱流の手の中で脈打っている硬い感触に、腰の辺りがず きずきと疼いてきた。
(うわ、どうしよ……)
自分の体の変化に今更ながら困惑する。女相手でしか欲情なんて出来なかったのに、今は自主的に竜司に抱かれたがっている。
もしこの関係に終わりが来た時、自分は以前の体に戻れるだろうか? 竜司なしでいられなくなったら、どうしよう。
戻れなかったとしても、違う男とそうなるなんて考えられない。
別に男を好きなわけではないのだ。それともしばらく我慢すれば、体に刻まれたこの感覚も忘れるだろうか。
じりじりと体を動かした壱流に気づき、竜司は小さく笑んで物欲しそうに軽く開いた唇にキスを落とした。
温かい舌が触れ、口の中を優しく舐められた。
「壱流のここ、すげえ挿れて欲しそうなんだけど」
疼いているところを指先で探られ、直接言葉にされて恥ずかしくなる。否定も肯定も出来なくて、壱流は目を瞑りキスを返した。自分からしたキスは、これが初めてだった。
探っていた指がそのままゆっくりと壱流の中に入ってきたので、竜司のものを握っていた手の力が抜けた。指に侵されて反応しているのを見られたくなくて、濡れた胸板に顔をくっつけた。
本当に好きになってしまったのだろうか。
そう思おうとは努力してきたが、今は妙に心が浮き足立っている感じがする。
壱流の為に弾けたらと言われ、血迷ったのか。それとも単に、場所が場所だからだろうか。する為の、場所。自分が誘った。
(まあいいや)
再びドアが開いて竜司が入ってくる。逞しい体つき。入院していたとは思えない健康な体。腕にも腹筋にも綺麗な筋肉がついていて、同性でもちょっと見惚れる。
が、その視線が竜司の下腹部に降りて、釘付けになった。
「竜ちゃん……気ぃ早」
「や、なんかさっきから落ち着かなくて。収まんねえ」
前を隠すこともせずにシャワーを捻った竜司の立派なそれは、既に上を向いている。相変わらずでかい、と壱流は思わず目を逸らし顔をちゃぷんと沈めた。
やがてシャワーの音が止まり、水面が波立った。竜司の体積に水位が上がり入浴剤で淡く濁ったお湯が溢れた。当然のようにぐいと体を引き寄せられる。
「壱流、触って」
お湯の中で抱き締められて、手を誘導された。言われるままにそこを軽く握ってやり、指を這わせる。壱流の手の中で脈打っている硬い感触に、腰の辺りがず きずきと疼いてきた。
(うわ、どうしよ……)
自分の体の変化に今更ながら困惑する。女相手でしか欲情なんて出来なかったのに、今は自主的に竜司に抱かれたがっている。
もしこの関係に終わりが来た時、自分は以前の体に戻れるだろうか? 竜司なしでいられなくなったら、どうしよう。
戻れなかったとしても、違う男とそうなるなんて考えられない。
別に男を好きなわけではないのだ。それともしばらく我慢すれば、体に刻まれたこの感覚も忘れるだろうか。
じりじりと体を動かした壱流に気づき、竜司は小さく笑んで物欲しそうに軽く開いた唇にキスを落とした。
温かい舌が触れ、口の中を優しく舐められた。
「壱流のここ、すげえ挿れて欲しそうなんだけど」
疼いているところを指先で探られ、直接言葉にされて恥ずかしくなる。否定も肯定も出来なくて、壱流は目を瞑りキスを返した。自分からしたキスは、これが初めてだった。
探っていた指がそのままゆっくりと壱流の中に入ってきたので、竜司のものを握っていた手の力が抜けた。指に侵されて反応しているのを見られたくなくて、濡れた胸板に顔をくっつけた。
1
あなたにおすすめの小説
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
2度目の恋 ~忘れられない1度目の恋~
青ムギ
BL
「俺は、生涯お前しか愛さない。」
その言葉を言われたのが社会人2年目の春。
あの時は、確かに俺達には愛が存在していた。
だが、今はー
「仕事が忙しいから先に寝ててくれ。」
「今忙しいんだ。お前に構ってられない。」
冷たく突き放すような言葉ばかりを言って家を空ける日が多くなる。
貴方の視界に、俺は映らないー。
2人の記念日もずっと1人で祝っている。
あの人を想う一方通行の「愛」は苦しく、俺の心を蝕んでいく。
そんなある日、体の不調で病院を受診した際医者から余命宣告を受ける。
あの人の電話はいつも着信拒否。診断結果を伝えようにも伝えられない。
ーもういっそ秘密にしたまま、過ごそうかな。ー
※主人公が悲しい目にあいます。素敵な人に出会わせたいです。
表紙のイラストは、Picrew様の[君の世界メーカー]マサキ様からお借りしました。
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる