104 / 324
第3巻第2章 里上層部vsマヤ
農作物をもっと売る
しおりを挟む
「さっすがマッシュ、すごい勢いだね」
マヤは宿の1階の床下で、どんどんと土を後ろに飛ばしていくマッシュを見ながら感嘆の声を上げた。
「そもそも私は穴に住んでいるアナウサギの魔物だからな。よ、っと」
マッシュがお尻を上げたところからどんどんと飛ばされてくる土を、マヤが収納袋で受け止めていく。
みるみるうちに穴は大きく深くなっていく。
マヤの後ろでは、カーサが土を階段状に押し固めてくれていた。
「これならあっという間に里の外まで繋がりそうだね」
「うん、マッシュさん、すごい……。でも、それ、よりも、あれ」
カーサはマッシュのお尻を指さした。
そこには、時々ぴょこんと上がるお尻と心なしかふりふりしているように見える尻尾があった。
「あー、あれはずるいよね」
「うん、ずるい。あんなの、かわい、すぎる……っ」
マヤとカーサは、可愛く動くマッシュのお尻と尻尾に釘付けだった。
「もうやっちゃおうか?」
「うん。やる、しか、ない!」
基本無表情のカーサにしては珍しく、目を爛々と輝かせてマッシュににじり寄っていく。
マヤもカーサと並んでマッシュへと距離を詰めた。
そして、2人同時にそっとマッシュのお尻に手を添える。
「…………おい、何をしているのだお前たちは」
「え? いやいやいや、なんにもしてないよ? ねえカーサ?」
「うん、なにも、おかしな、ことは、してない。だから、続けて、いい、よ?」
「……いや、何もしていないわけないだろう……じゃあ何なのだその手は」
マッシュは自分のお尻にそっと添えられた手に、非難の眼差しを向ける。
「それはー、ねえ、カーサ?」
「うん、ねえ、マヤさん?」
言葉に詰まった挙げ句、何を当たり前のことを聞いているんだ、という雰囲気で押し切ろうと言う2人に、マッシュはやれやれとため息をついた。
「はあ、この際もう気にしないことにしよう。ただし! しばらくしたらまた仕事に戻るのだぞ?」
「「はーい」」
折れてくれたマッシュに、マヤとカーサは小さくハイタッチすると、それからしばらくの間、可愛く動くマッシュのお尻と尻尾を、もふもふもふもふして堪能したのだった。
***
「陛下ー、こっちですー」
マヤがマッシュの穴掘りによって完成したトンネルの抜けて森の中でキョロキョロしていると、押し殺した声でマヤを呼ぶ声がした。
農作物を運んできてくれたSAMASの隊員がマヤを見つけたのだろう。
「ちょ、ちょっと、ここではただの旅行者ってことになってるんだから! 陛下とか呼ばないで!」
「そ、そうでした! すみません陛――じゃなくてマヤ様」
「様もだめ! 私がどこかの偉い人だってバレるだけでも良くないんだから。いい、これからはマヤちゃんって呼ぶように」
「ええっ!? それは流石に……」
「今はもう私が密輸入品を売ってるってこの里の上層部にはバレてるんだから、気をつけるにこしたことはないんだよ。わかった、エルフのお兄さん?」
「……っ。わかりま――いや、わかったよ、マヤちゃん」
「うん、よくできました。それじゃあさっさと受け取らせてもらうね。目立つといけないからこっちに来て」
マヤはSAMASの隊員を連れて穴の中に入る。
「それにしてもマヤちゃん、どうして里の上層部にバレてるのに、まだ農作物を売ろうとしてるの?」
「うーん? まあ色々理由はあるけど、一番の理由はこの里の人たちが困ってるから、かな」
「それだけでこんなにこそこそしてまで?」
「それだけじゃないよ? うちの国のためって意味ではこうすれば今まで通り農作物を売れるし、外貨獲得にもなるし」
マヤの言葉に、SAMASの隊員は首を傾げる。
「……ごめん、外貨獲得って何? すると何がいいの?」
「そうだねー、難しいこと言ってもしょうがないから…………わかりやすいところだと、ドワーフが使ってるお金を持っておけば、ドワーフからものを買うときにスムーズってことかな」
「なるほど、だからこうまでして農作物を売ってるのか」
「まあそんな感じ。よしっ、とりあえずこれで全部かな?」
「うん、僕が持ってきたのはこれで全部だね」
「了解。ありがとね、お兄さん」
「ううん、マヤちゃんの頼みなら」
マヤとSAMASの隊員は、最後の最後まであくまで対等の友達同士のふりをして別れた。
「さて、これで尻尾を掴めなかった里の上層部がどう動いて来るかが楽しみだね」
マヤはトンネルの中で楽しそうに笑うと、宿の部屋へと戻ったのだった。
***
「いやー、今日はまた一段とすごかったね」
昨日同様農作物を売り切ったマヤたちは、楽しく喋りながら宿へと向かっていた。
昨晩この里の警察に逮捕され挙げ句厳重注意されたにもかかわらず、なんとものんきなものである。
とはいえ、里の一般市民たちにマヤたちを責めるものはおらず、世論としては警察が悪者になりつつあるようなので、マヤたちのこの呑気さにもある意味納得できる。
「おっ、八百屋の嬢ちゃんじゃねーか。今日も完売かい?」
「魚屋のおじさん、こんばんは~。うん、今日もお陰様で完売だよ」
「ははっ、すげえ勢いだな。でも、お陰様なのはこっちだよ。嬢ちゃんがいなきゃ今頃餓死するやつが出てただろうからな」
「えー? 流石にそこまでじゃないんじゃない? あっ、そうだ、今日はあれ入ってるの?」
マヤは、このまま魚屋の店主が里を批判する方向で話を進めてしまうのを避けるために、少し強引に話題を変えにかかる。
「あの細長いのか? うなぎとか言うんだったか」
「そうそう、うなぎうなぎ! 入ってる?」
「ああ、入ってるが……本当にこんな魚と嬢ちゃんとこの野菜を交換でいいのかい?」
「もちろん! おじさんは知らないかもしれないけど、こんなに大きなうなぎだったらもっとお金払ってもいいくらいなんだよ?」
マヤは立派なサイズのうなぎを指差して力説する。
「そうなのか? 変わった嬢ちゃんだな。ほらよ」
「やった! ありがとね、おじさん。はいこれ、取っておいた野菜」
マヤは魚屋が差し出したうなぎを受け取ると、カーサに持ってもらっていた野菜1袋を魚屋に渡した。
「おう、ありがとな」
「それじゃあまたね!」
「おう、また来てくれよー」
マヤが魚屋と別れると、後ろを歩いていたパコが、不思議そうに。
「マヤさん、本当にこの魚が好きだよなー」
とそう言った。
「えー、だって美味しんじゃん。パコ君は嫌いなの?」
「いや、嫌いじゃねーけど、普通じゃないか? 目の色変えて喜ぶほどかなって」
「うーん、まあうなぎがよく捕れるとこの人からしたらそうなのかもね。私の故郷だと特別な時しか食べられないごちそうだったから」
「ふーん。そういえば、マヤさんの故郷ってどこなの?」
「えっ!? いやー、えーっと……」
マヤが失言に気がついた時には、もう遅かった。
その場にいた全員の興味が、マヤの故郷に移ってしまっている。
「そういえば聞いたことがなかったな? 私と同じ牢にいたからあの周辺だと思っていたが……」
「マッシュ、さんも、知らな、いんだ? 後、牢に、いたの?」
まさか異世界から来たなどと言うわけにはいかないマヤは、先ほどのマッシュの勘違いに乗っかってごまかすことにする。
「えーっと、そうそう! ヘンダーソン王国の外れの小さな村が私の故郷だよ?」
「ヘンダーソンでうなぎを食べるなどという話は聞いたことがないが……」
「そうなの!? 私の故郷でもお祭りのときだけしか食べてなかったから、もしかしたらマイナーなのかも! ほらほら! そんなことよりさっさと宿に戻ってうなぎを調理してもらお、ね?」
誤魔化しきれない気配を感じたマヤは、強硬手段に出る。
「どうしたのだマヤ、そんなに慌てて」
「慌ててなんてないって! ささっ早く宿に行こう!」
こうして、無理やりマヤの故郷問題を押し流された一行は、そのまま足早に宿へと帰ったのだった。
その一行を遠くから観察していた1人のドワーフは、マヤ達が宿の中に入るの見届けてから、少し肩を落として去っていったのだった。
マヤは宿の1階の床下で、どんどんと土を後ろに飛ばしていくマッシュを見ながら感嘆の声を上げた。
「そもそも私は穴に住んでいるアナウサギの魔物だからな。よ、っと」
マッシュがお尻を上げたところからどんどんと飛ばされてくる土を、マヤが収納袋で受け止めていく。
みるみるうちに穴は大きく深くなっていく。
マヤの後ろでは、カーサが土を階段状に押し固めてくれていた。
「これならあっという間に里の外まで繋がりそうだね」
「うん、マッシュさん、すごい……。でも、それ、よりも、あれ」
カーサはマッシュのお尻を指さした。
そこには、時々ぴょこんと上がるお尻と心なしかふりふりしているように見える尻尾があった。
「あー、あれはずるいよね」
「うん、ずるい。あんなの、かわい、すぎる……っ」
マヤとカーサは、可愛く動くマッシュのお尻と尻尾に釘付けだった。
「もうやっちゃおうか?」
「うん。やる、しか、ない!」
基本無表情のカーサにしては珍しく、目を爛々と輝かせてマッシュににじり寄っていく。
マヤもカーサと並んでマッシュへと距離を詰めた。
そして、2人同時にそっとマッシュのお尻に手を添える。
「…………おい、何をしているのだお前たちは」
「え? いやいやいや、なんにもしてないよ? ねえカーサ?」
「うん、なにも、おかしな、ことは、してない。だから、続けて、いい、よ?」
「……いや、何もしていないわけないだろう……じゃあ何なのだその手は」
マッシュは自分のお尻にそっと添えられた手に、非難の眼差しを向ける。
「それはー、ねえ、カーサ?」
「うん、ねえ、マヤさん?」
言葉に詰まった挙げ句、何を当たり前のことを聞いているんだ、という雰囲気で押し切ろうと言う2人に、マッシュはやれやれとため息をついた。
「はあ、この際もう気にしないことにしよう。ただし! しばらくしたらまた仕事に戻るのだぞ?」
「「はーい」」
折れてくれたマッシュに、マヤとカーサは小さくハイタッチすると、それからしばらくの間、可愛く動くマッシュのお尻と尻尾を、もふもふもふもふして堪能したのだった。
***
「陛下ー、こっちですー」
マヤがマッシュの穴掘りによって完成したトンネルの抜けて森の中でキョロキョロしていると、押し殺した声でマヤを呼ぶ声がした。
農作物を運んできてくれたSAMASの隊員がマヤを見つけたのだろう。
「ちょ、ちょっと、ここではただの旅行者ってことになってるんだから! 陛下とか呼ばないで!」
「そ、そうでした! すみません陛――じゃなくてマヤ様」
「様もだめ! 私がどこかの偉い人だってバレるだけでも良くないんだから。いい、これからはマヤちゃんって呼ぶように」
「ええっ!? それは流石に……」
「今はもう私が密輸入品を売ってるってこの里の上層部にはバレてるんだから、気をつけるにこしたことはないんだよ。わかった、エルフのお兄さん?」
「……っ。わかりま――いや、わかったよ、マヤちゃん」
「うん、よくできました。それじゃあさっさと受け取らせてもらうね。目立つといけないからこっちに来て」
マヤはSAMASの隊員を連れて穴の中に入る。
「それにしてもマヤちゃん、どうして里の上層部にバレてるのに、まだ農作物を売ろうとしてるの?」
「うーん? まあ色々理由はあるけど、一番の理由はこの里の人たちが困ってるから、かな」
「それだけでこんなにこそこそしてまで?」
「それだけじゃないよ? うちの国のためって意味ではこうすれば今まで通り農作物を売れるし、外貨獲得にもなるし」
マヤの言葉に、SAMASの隊員は首を傾げる。
「……ごめん、外貨獲得って何? すると何がいいの?」
「そうだねー、難しいこと言ってもしょうがないから…………わかりやすいところだと、ドワーフが使ってるお金を持っておけば、ドワーフからものを買うときにスムーズってことかな」
「なるほど、だからこうまでして農作物を売ってるのか」
「まあそんな感じ。よしっ、とりあえずこれで全部かな?」
「うん、僕が持ってきたのはこれで全部だね」
「了解。ありがとね、お兄さん」
「ううん、マヤちゃんの頼みなら」
マヤとSAMASの隊員は、最後の最後まであくまで対等の友達同士のふりをして別れた。
「さて、これで尻尾を掴めなかった里の上層部がどう動いて来るかが楽しみだね」
マヤはトンネルの中で楽しそうに笑うと、宿の部屋へと戻ったのだった。
***
「いやー、今日はまた一段とすごかったね」
昨日同様農作物を売り切ったマヤたちは、楽しく喋りながら宿へと向かっていた。
昨晩この里の警察に逮捕され挙げ句厳重注意されたにもかかわらず、なんとものんきなものである。
とはいえ、里の一般市民たちにマヤたちを責めるものはおらず、世論としては警察が悪者になりつつあるようなので、マヤたちのこの呑気さにもある意味納得できる。
「おっ、八百屋の嬢ちゃんじゃねーか。今日も完売かい?」
「魚屋のおじさん、こんばんは~。うん、今日もお陰様で完売だよ」
「ははっ、すげえ勢いだな。でも、お陰様なのはこっちだよ。嬢ちゃんがいなきゃ今頃餓死するやつが出てただろうからな」
「えー? 流石にそこまでじゃないんじゃない? あっ、そうだ、今日はあれ入ってるの?」
マヤは、このまま魚屋の店主が里を批判する方向で話を進めてしまうのを避けるために、少し強引に話題を変えにかかる。
「あの細長いのか? うなぎとか言うんだったか」
「そうそう、うなぎうなぎ! 入ってる?」
「ああ、入ってるが……本当にこんな魚と嬢ちゃんとこの野菜を交換でいいのかい?」
「もちろん! おじさんは知らないかもしれないけど、こんなに大きなうなぎだったらもっとお金払ってもいいくらいなんだよ?」
マヤは立派なサイズのうなぎを指差して力説する。
「そうなのか? 変わった嬢ちゃんだな。ほらよ」
「やった! ありがとね、おじさん。はいこれ、取っておいた野菜」
マヤは魚屋が差し出したうなぎを受け取ると、カーサに持ってもらっていた野菜1袋を魚屋に渡した。
「おう、ありがとな」
「それじゃあまたね!」
「おう、また来てくれよー」
マヤが魚屋と別れると、後ろを歩いていたパコが、不思議そうに。
「マヤさん、本当にこの魚が好きだよなー」
とそう言った。
「えー、だって美味しんじゃん。パコ君は嫌いなの?」
「いや、嫌いじゃねーけど、普通じゃないか? 目の色変えて喜ぶほどかなって」
「うーん、まあうなぎがよく捕れるとこの人からしたらそうなのかもね。私の故郷だと特別な時しか食べられないごちそうだったから」
「ふーん。そういえば、マヤさんの故郷ってどこなの?」
「えっ!? いやー、えーっと……」
マヤが失言に気がついた時には、もう遅かった。
その場にいた全員の興味が、マヤの故郷に移ってしまっている。
「そういえば聞いたことがなかったな? 私と同じ牢にいたからあの周辺だと思っていたが……」
「マッシュ、さんも、知らな、いんだ? 後、牢に、いたの?」
まさか異世界から来たなどと言うわけにはいかないマヤは、先ほどのマッシュの勘違いに乗っかってごまかすことにする。
「えーっと、そうそう! ヘンダーソン王国の外れの小さな村が私の故郷だよ?」
「ヘンダーソンでうなぎを食べるなどという話は聞いたことがないが……」
「そうなの!? 私の故郷でもお祭りのときだけしか食べてなかったから、もしかしたらマイナーなのかも! ほらほら! そんなことよりさっさと宿に戻ってうなぎを調理してもらお、ね?」
誤魔化しきれない気配を感じたマヤは、強硬手段に出る。
「どうしたのだマヤ、そんなに慌てて」
「慌ててなんてないって! ささっ早く宿に行こう!」
こうして、無理やりマヤの故郷問題を押し流された一行は、そのまま足早に宿へと帰ったのだった。
その一行を遠くから観察していた1人のドワーフは、マヤ達が宿の中に入るの見届けてから、少し肩を落として去っていったのだった。
10
あなたにおすすめの小説
滅びる異世界に転生したけど、幼女は楽しく旅をする!
白夢
ファンタジー
何もしないでいいから、世界の終わりを見届けてほしい。
そう言われて、異世界に転生することになった。
でも、どうせ転生したなら、この異世界が滅びる前に観光しよう。
どうせ滅びる世界なら、思いっきり楽しもう。
だからわたしは旅に出た。
これは一人の幼女と小さな幻獣の、
世界なんて救わないつもりの放浪記。
〜〜〜
ご訪問ありがとうございます。
可愛い女の子が頼れる相棒と美しい世界で旅をする、幸せなファンタジーを目指しました。
ファンタジー小説大賞エントリー作品です。気に入っていただけましたら、ぜひご投票をお願いします。
お気に入り、ご感想、応援などいただければ、とても喜びます。よろしくお願いします!
23/01/08 表紙画像を変更しました
【完結】スキルを作って習得!僕の趣味になりました
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》 どんなスキル持ちかによって、人生が決まる。生まれ持ったスキルは、12歳過ぎから鑑定で見えるようになる。ロマドは、4度目の15歳の歳の鑑定で、『スキル錬金』という優秀なスキルだと鑑定され……たと思ったが、錬金とつくが熟練度が上がらない!結局、使えないスキルとして一般スキル扱いとなってしまった。
どうやったら熟練度が上がるんだと思っていたところで、熟練度の上げ方を発見!
スキルの扱いを錬金にしてもらおうとするも却下された為、仕方なくあきらめた。だが、ふと「作成条件」という文字が目の前に見えて、その条件を達してみると、新しいスキルをゲットした!
天然ロマドと、タメで先輩のユイジュの突っ込みと、チェトの可愛さ(ロマドの主観)で織りなす、スキルと笑いのアドベンチャー。
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
スペイゴール大陸最強の帝国、ユハ帝国。
帝国に仕え、最強の戦力を誇っていたチーム、『デイブレイク』は、突然議会から追放を言い渡される。
しかし帝国は気づいていなかった。彼らの力が帝国を拡大し、恐るべき戦力を誇示していたことに。
自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。
※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。
※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。
〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜
・クリス(男・エルフ・570歳)
チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが……
・アキラ(男・人間・29歳)
杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が……
・ジャック(男・人間・34歳)
怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが……
・ランラン(女・人間・25歳)
優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は……
・シエナ(女・人間・28歳)
絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……
【一秒クッキング】追放された転生人は最強スキルより食にしか興味がないようです~元婚約者と子犬と獣人族母娘との旅~
御峰。
ファンタジー
転生を果たした主人公ノアは剣士家系の子爵家三男として生まれる。
十歳に開花するはずの才能だが、ノアは生まれてすぐに才能【アプリ】を開花していた。
剣士家系の家に嫌気がさしていた主人公は、剣士系のアプリではなく【一秒クッキング】をインストールし、好きな食べ物を食べ歩くと決意する。
十歳に才能なしと判断され婚約破棄されたが、元婚約者セレナも才能【暴食】を開花させて、実家から煙たがれるようになった。
紆余曲折から二人は再び出会い、休息日を一緒に過ごすようになる。
十二歳になり成人となったノアは晴れて(?)実家から追放され家を出ることになった。
自由の身となったノアと家出元婚約者セレナと可愛らしい子犬は世界を歩き回りながら、美味しいご飯を食べまくる旅を始める。
その旅はやがて色んな国の色んな事件に巻き込まれるのだが、この物語はまだ始まったばかりだ。
※ファンタジーカップ用に書き下ろし作品となります。アルファポリス優先投稿となっております。
もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜
双葉 鳴
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」
授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。
途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。
ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。
駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。
しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。
毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。
翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。
使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった!
一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。
その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。
この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。
次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。
悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。
ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった!
<第一部:疫病編>
一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24
二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29
三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31
四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4
五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8
六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11
七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18
伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります
竹桜
ファンタジー
武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。
転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる