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第7巻第2章 連携
空間跳躍の攻略法
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「オリガー」
「わああああっ! マヤせんせいだああああ!」
マヤが学校で授業をしているオリガのところを訪ねると、子どもたちが一斉にマヤへと駆け寄ってきた。
流石エルフの子どもたちと言うべきか、無自覚に身体強化の魔法を使っている子もいて、マヤは危うく吹き飛ばされそうになる。
「うおっと……相変わらず元気だね、みんな」
「こらー! 駄目でしょうみんな、マヤさんに突進しちゃ!」
「あはは、いいよいいよ。でも、普通の人にはやめてあげてね? たぶん吹っ飛ばされちゃうから」
マヤは早速近くにいた子の鬼ごっこに巻き込まれて子どもたちを追いかけていた。
ただの鬼ごっこなのに、身体強化は使うわ透過で姿は消すわ、挙句の果てにはオリガから教わったのだろう魔法の並列発動で透過と静寂を使って完全に隠れて逃げる子までいた。
「ごめんなさいマヤさん、みんなマヤさんが久しぶりに来てくれたのが嬉しいみたいで」
「こっちこそごめんね、授業の最中に突然来ちゃって。とりあえず、この子たちと遊んだら相談したいことがあるんだけど……よっし、そこだな~!」
マヤは話の途中で子どもの1人を見つけたのか、何も見えないところへと駆け出した。
「別に要件だけ相談してくれてもいいんですけどね……相変わらず人がいいというかなんというか」
今やこのキサラギ亜人王国の王であるにも関わらず、子どもたちと全力で遊び始めたマヤを、オリガは温かい目で見ていた。
それからしばらくして、子どもたちが満足するまで遊びに付き合ったマヤは、オリガのところに戻ってきた。
「いやー、エルフの子たちと遊ぶと、遊びなのにいい訓練になるね。流石オリガの教え子たちだよ」
ただの鬼ごっこだったはずなのに、最後の方は子どもたちも追いかけるマヤへと攻撃魔法を放つようになっており、マヤは攻撃魔法の雨を掻い潜って子どもたちを捕まえなければならなくなっていた。
もちろん子どもたちの放つ攻撃魔法なので、威力は大したことはないのだが、子どもとはいえエルフなので、その魔力量は凄まじく、子どもたちが魔力切れになるまで鬼ごっこは続いたのだった。
「お疲れ様ですマヤさん。助かりました、あの子たちの鬼ごっこに最後まで付き合ってあげられる人ってあんまりいなくて」
「あれだけハードな鬼ごっこならそうだろうね。それで、ちょっと教えてほしいことがあるんだけど」
「そういえばそういう話でしたね。なんですか?」
「その……なんていうか……」
マヤは近くに子どもたちがいないことを確認し、その上でさらにオリガの耳元に口を近づけて小さな声で話し始めた。
「えーっと…………その、さ、エッチなことしたりすると、その……相手の魔力が見えるようになったり、する?」
「なっ!?」
マヤの言葉に、オリガは音が聞こえてきそうなほど一気に顔を赤くして言葉に詰まる。
「ご、ごめんっ……オリガにこういうこと聞くのはあんまり良くなかったよね……」
「い、いえ……その、ちょっと急だったので…………その、驚いてしまっただけで……」
「そ、そう……? それならいいんだけど……」
「それで、性的なつながりによって魔力が見えるようになるか、ということですが、ありえなくはない、という感じでしょうか」
「そうなんだ……じゃあやっぱりあれは……」
「マヤさん? もしかしてウォーレンさんの魔力が見えるようになったんですか?」
「うん…………あっ…………いや、その……べ、別にウォーレンさんのことだとは言ってないじゃんっ?」
「ふふふっ、そうですか? じゃあそういうことにしておきましょう。ちなみに原理的には体液に含まれる相手の魔力が身体の中に入ることで、身体の中にある相手の魔力と、相手自身の魔力が共鳴して相手の魔力が見えるようになったりするんです。ですから、輸血などを行った際に血の提供者の魔力が見えるようになったりする、ということがあるようですよ」
「なるほど。だから私だけウォーレンさんの魔力が見えて、ウォーレンさんの方は私の魔力が見えてる感じじゃなかったのか」
「…………マヤさん? いやらしいですよ……」
頬を染めたオリガにジト目を向けられ、マヤは思わず顔をそらす。
「ご、ごめんなさい……。ねえオリガは、相手の魔力が身体の中にあればだけいいなら、別に体液として取り込む必要はないの?」
「え? ええ、おそらくは。そんなことができれば、の話ですけど」
「できるかもしれない。ちょっとやってみるから実験台になってくれない?」
平然と、実験台になってくれ、などというマヤにオリガは更にジト目を向ける。
「実験台って……危なくないんですよね?」
マヤのこういったところにはもはや慣れっこのオリガだが、だからといって確認しないわけにはいかなかった。
「うん、ちょっと魔力を削り取るだけだから、オリガの魔力量なら問題ないよ」
「魔力を削り取る?」
「まあ見てて。十の剣、六の型、削~卸金~」
マヤが剣の抜くと、その剣は魔力でいつもの数倍の長さになっていた。
よく見ると、剣自体の長さは元のままで、途中からは魔力のみで形成された半透明な剣だ。
「オリガ、絶対安全なのは約束するからこの魔力の剣に斬られてくれるかな」
「わかりました」
オリガは魔力でできた剣を観察してから頷いた。
見たところほとんど何も斬ることができない感じなので、万が一何かあったとしても、治癒魔法でなんとかなるレベルだろう。
「じゃあいくよ」
マヤが剣を振るうと、オリガを魔力の剣が斬り裂いた。
が、切り裂かれたオリガは無傷で、魔力でできた剣も、マヤの手に吸い込まれるようにして消えてしまう。
「うわっ! 本当に見えるよ!」
「マヤさん?」
「オリガ、私オリガの魔力見えるよ!」
「ええっ!? いつも見えてるっていう私の右眼の黒い靄じゃなくて、私自身の魔力が、ですか?」
「うん。やっぱり魔力を取り込めば見えるようになるのか」
マヤの言葉に、オリガはようやく先ほどの剣技、十の剣、六の型、削~卸金~とやらの効果を理解した。
「もしかしてさっきの魔力の剣、あれは私の魔力の一部だけを切り取って取り込むものですか?」
「おっ、流石オリガ、鋭いね。その通りだよ。だから私は今ちょっとだけオリガの魔力を持ってるわけだね」
「なるほど……でも、マヤさんの他の十の剣に比べると地味ですね。強くもないですし」
「そうなんだよねえ。相手の魔力を奪えたら強いよなあ、って思って作ってみたんだけど、私魔力多いし、相手も魔力多すぎて削ってちゃきりがないしで、正直使えないんだよね、この技。でも、どうやらようやく使える場面が来たみたいだね」
マヤはやっとたどり着いた空間跳躍の攻略法に、思わずニヤリと笑ったのだった。
「わああああっ! マヤせんせいだああああ!」
マヤが学校で授業をしているオリガのところを訪ねると、子どもたちが一斉にマヤへと駆け寄ってきた。
流石エルフの子どもたちと言うべきか、無自覚に身体強化の魔法を使っている子もいて、マヤは危うく吹き飛ばされそうになる。
「うおっと……相変わらず元気だね、みんな」
「こらー! 駄目でしょうみんな、マヤさんに突進しちゃ!」
「あはは、いいよいいよ。でも、普通の人にはやめてあげてね? たぶん吹っ飛ばされちゃうから」
マヤは早速近くにいた子の鬼ごっこに巻き込まれて子どもたちを追いかけていた。
ただの鬼ごっこなのに、身体強化は使うわ透過で姿は消すわ、挙句の果てにはオリガから教わったのだろう魔法の並列発動で透過と静寂を使って完全に隠れて逃げる子までいた。
「ごめんなさいマヤさん、みんなマヤさんが久しぶりに来てくれたのが嬉しいみたいで」
「こっちこそごめんね、授業の最中に突然来ちゃって。とりあえず、この子たちと遊んだら相談したいことがあるんだけど……よっし、そこだな~!」
マヤは話の途中で子どもの1人を見つけたのか、何も見えないところへと駆け出した。
「別に要件だけ相談してくれてもいいんですけどね……相変わらず人がいいというかなんというか」
今やこのキサラギ亜人王国の王であるにも関わらず、子どもたちと全力で遊び始めたマヤを、オリガは温かい目で見ていた。
それからしばらくして、子どもたちが満足するまで遊びに付き合ったマヤは、オリガのところに戻ってきた。
「いやー、エルフの子たちと遊ぶと、遊びなのにいい訓練になるね。流石オリガの教え子たちだよ」
ただの鬼ごっこだったはずなのに、最後の方は子どもたちも追いかけるマヤへと攻撃魔法を放つようになっており、マヤは攻撃魔法の雨を掻い潜って子どもたちを捕まえなければならなくなっていた。
もちろん子どもたちの放つ攻撃魔法なので、威力は大したことはないのだが、子どもとはいえエルフなので、その魔力量は凄まじく、子どもたちが魔力切れになるまで鬼ごっこは続いたのだった。
「お疲れ様ですマヤさん。助かりました、あの子たちの鬼ごっこに最後まで付き合ってあげられる人ってあんまりいなくて」
「あれだけハードな鬼ごっこならそうだろうね。それで、ちょっと教えてほしいことがあるんだけど」
「そういえばそういう話でしたね。なんですか?」
「その……なんていうか……」
マヤは近くに子どもたちがいないことを確認し、その上でさらにオリガの耳元に口を近づけて小さな声で話し始めた。
「えーっと…………その、さ、エッチなことしたりすると、その……相手の魔力が見えるようになったり、する?」
「なっ!?」
マヤの言葉に、オリガは音が聞こえてきそうなほど一気に顔を赤くして言葉に詰まる。
「ご、ごめんっ……オリガにこういうこと聞くのはあんまり良くなかったよね……」
「い、いえ……その、ちょっと急だったので…………その、驚いてしまっただけで……」
「そ、そう……? それならいいんだけど……」
「それで、性的なつながりによって魔力が見えるようになるか、ということですが、ありえなくはない、という感じでしょうか」
「そうなんだ……じゃあやっぱりあれは……」
「マヤさん? もしかしてウォーレンさんの魔力が見えるようになったんですか?」
「うん…………あっ…………いや、その……べ、別にウォーレンさんのことだとは言ってないじゃんっ?」
「ふふふっ、そうですか? じゃあそういうことにしておきましょう。ちなみに原理的には体液に含まれる相手の魔力が身体の中に入ることで、身体の中にある相手の魔力と、相手自身の魔力が共鳴して相手の魔力が見えるようになったりするんです。ですから、輸血などを行った際に血の提供者の魔力が見えるようになったりする、ということがあるようですよ」
「なるほど。だから私だけウォーレンさんの魔力が見えて、ウォーレンさんの方は私の魔力が見えてる感じじゃなかったのか」
「…………マヤさん? いやらしいですよ……」
頬を染めたオリガにジト目を向けられ、マヤは思わず顔をそらす。
「ご、ごめんなさい……。ねえオリガは、相手の魔力が身体の中にあればだけいいなら、別に体液として取り込む必要はないの?」
「え? ええ、おそらくは。そんなことができれば、の話ですけど」
「できるかもしれない。ちょっとやってみるから実験台になってくれない?」
平然と、実験台になってくれ、などというマヤにオリガは更にジト目を向ける。
「実験台って……危なくないんですよね?」
マヤのこういったところにはもはや慣れっこのオリガだが、だからといって確認しないわけにはいかなかった。
「うん、ちょっと魔力を削り取るだけだから、オリガの魔力量なら問題ないよ」
「魔力を削り取る?」
「まあ見てて。十の剣、六の型、削~卸金~」
マヤが剣の抜くと、その剣は魔力でいつもの数倍の長さになっていた。
よく見ると、剣自体の長さは元のままで、途中からは魔力のみで形成された半透明な剣だ。
「オリガ、絶対安全なのは約束するからこの魔力の剣に斬られてくれるかな」
「わかりました」
オリガは魔力でできた剣を観察してから頷いた。
見たところほとんど何も斬ることができない感じなので、万が一何かあったとしても、治癒魔法でなんとかなるレベルだろう。
「じゃあいくよ」
マヤが剣を振るうと、オリガを魔力の剣が斬り裂いた。
が、切り裂かれたオリガは無傷で、魔力でできた剣も、マヤの手に吸い込まれるようにして消えてしまう。
「うわっ! 本当に見えるよ!」
「マヤさん?」
「オリガ、私オリガの魔力見えるよ!」
「ええっ!? いつも見えてるっていう私の右眼の黒い靄じゃなくて、私自身の魔力が、ですか?」
「うん。やっぱり魔力を取り込めば見えるようになるのか」
マヤの言葉に、オリガはようやく先ほどの剣技、十の剣、六の型、削~卸金~とやらの効果を理解した。
「もしかしてさっきの魔力の剣、あれは私の魔力の一部だけを切り取って取り込むものですか?」
「おっ、流石オリガ、鋭いね。その通りだよ。だから私は今ちょっとだけオリガの魔力を持ってるわけだね」
「なるほど……でも、マヤさんの他の十の剣に比べると地味ですね。強くもないですし」
「そうなんだよねえ。相手の魔力を奪えたら強いよなあ、って思って作ってみたんだけど、私魔力多いし、相手も魔力多すぎて削ってちゃきりがないしで、正直使えないんだよね、この技。でも、どうやらようやく使える場面が来たみたいだね」
マヤはやっとたどり着いた空間跳躍の攻略法に、思わずニヤリと笑ったのだった。
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