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番外編 第47話 散らばった翡翠
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マロウドであった小さな薬師が去ってから、妖狐アキトは姿を見せなくなった。
森のそばの古びた小屋ではマーガスがひとり、暮らしていた。
ルーポがやってくるまでは、アキトはそう頻繁にこの小屋にやってきていたわけではなかった。
気まぐれにふらりと現れ、またふらりといなくなる。
いても1日か2日で、3日以上滞在したのは、自分の想いを受け入れてもらえずぼろぼろになったときだった。
そのときはマーガスが湯に入れてやり、髪を洗い、それが終わると小屋の空いている部屋のベッドに寝かせた。
狐ならオレンジを食べるかと思い、皮をむいて口に入れてやるともぐもぐと咀嚼しておとなしく食べた。
アキトがそういったものの摂取が必要ないのはわかってはいたが、アキトが欲しているのは人の精力だ。
与えてやるわけにはいかない。
アキトは3日目の朝、いなくなっていた。
もともと同じ人を好きになり、マーガスの穏便にやり過ごしてしまおうとする生き方を嫌っていたアキトだ。
そんなもんか、とマーガスは思った。
だからルーポがいる間、こんなに長くマーガスとアキトが過ごすのはお互いに初めてだった。
おそらく2人っきりだとうまくいかなかっただろう。
しかしルーポという存在が3人で過ごすという奇妙な時間を作った。
アキトはつんと澄まし、なにかあれば挑発するような言葉を投げかけてくるので、マーガスも苦手だった。
それが一緒に過ごしてみると、表情をくるくると変えることもたまに声をたてて笑うこともあった。
多分、アキトの想い人の前ではこんなに姿も見せていたのだろう、と容易に想像がついた。
ひとりになったマーガスは、また元の生活に戻っただけだ、と思っていた。
***
眠っていると違和感を覚えた。
ねっとりとした生温かい粘膜に包まれているような。
驚いてマーガスがベッドで目を覚ました。
上掛けは剥ぎ取られ、下着はずらされ、何者かが自分の股間に顔を埋めていた。
咥えられている?!
逃げようとしたが、それは恐ろしい力でマーガスをとらえていた。
「ば、ばかっ。
なにやっているんだ、アキト!」
夜明けが近いのか、薄っすらと明るい部屋の中でアキトが股間から顔を上げた。
「なに、っていつものですよ。
早うこの役立たずをお立てなさい」
「はあっ?!」
マーガスは眠っている間にアキトに襲われているのがわかった。
数か月ぶりに見たアキトはまた、あのときのようにやつれボロボロになっていた。
自分の服は脱ぎ、マーガスの脱ぎ散らしたシャツを肩から羽織り、首を上下にじゅぶじゅぶと動かしている。
マーガスがアキトの自分の精力を与えることになったのも、たまたまだった。
持て余す自分の魔力がアキトに与える精力となるのを知ると、「いい使い道ができた」とぼんやりと思った。
マーガスの持つ膨大な量の黒魔法はどれだけの破壊力を持っているのか、誰も知りはしない。
もし自分が制御できなくなるとエトコリアの街はもちろん、どの範囲までかわからないが消失させるのは明らかだ。
制御のための魔法石が額に埋め込まれはいるが、たまに暴走しそうになりマーガスはずっと耐えていた。
その魔力を誰にも迷惑をかけない方法で消費することができる。
マーガスにとっても悪い話ではなかった。
ふらりと現れたアキトがマーガスに抱かれ、精力を奪い取っていく。
「前戯などはいらぬ」とアキトが言うのですぐに入れてやる。
アキトは催淫を操る能力があるのか、縋りつかれるとすぐに入れられるくらい硬くなった。
しかし、今はアキトに口淫をされてもまったくの役立たずだった。
アキトが怒り、懸命に舌を使っても喉奥近くまで咥えこんでやっても小さくへにゃへにゃのままだった。
「な、なぁ、アキト、なんだかオレ、疲れているのかな。
そんなに乱暴にするなよ」
がばりと不機嫌そうな顔を上げるとアキトはマーガスの胸に食らいついた。
ちょうど鎖骨の下のあたりをきつく吸い上げる。
「ば、ばかっ。
オレ相手にそれを使うことないだろがっ!
……っ!」
アキトの頭を押しやるがびくともしない。
鋭い牙が立てられ、やがて血の味がしてくるとアキトは満足そうにそれを長い舌で舐めとった。
そうしながら白い手は優雅な手つきでマーガスの股間をすり上げる。
「ふふふ」
満足そうにアキトが顔を上げた。
「ほら、立ってきた」
そう言うと唇を舐め、そのまま寝ているマーガスにまたがり、役に立つようになったそれを自分の後ろにあてがい、一気に腰を下ろした。
「ぐふっ」
声を上げたのはマーガスだった。
アキトは思う存分腰を振り、声を上げ、搾り取る。
噛まれたところから鈍い熱がじゅくじゅくと身体中に広がり、火照り始めた。
マーガスの変化にアキトが気づくと、喉の奥で「くく」と笑い、そして痴態を晒した。
翌日、もちろんマーガスは使い物にならなかった。
全裸でベッドに横たわっているのに気づいたときには、もう日は高く昼を随分回っていた。
すぐには動けず、しばらくは喉が渇いてたまらないのに水も飲めない有様だった。
ようやく動けるようになるとマーガスはそのまま着替えと身体を拭く布を持ち、森の温泉に向かった。
湯の中に身体を沈めると、こわばった筋肉が弛緩していった。
アキトがマーガスに催淫の能力を使い、精力を貪り取ったのは初めてのことだった。
いつもはあんなことをしない。
一体どうしたのか。
真面目に考えたかったが、頭も身体もうまく働かない。
マーガスが小屋に戻り、横になろうとしたが自分のベッドはアキトとの情事で荒れ、眠る気になれなかった。
仕方なくマーガスはルーポに貸していた部屋のベッドに倒れ込み、そのまま深い眠りに落ちてしまった。
***
三日後の夜だった。
一旦眠りについたマーガスだったがやたらと喉が渇き、小さなろうそくのかけらに火を灯すと台所の水がめから水を汲み飲んだ。
ふわりと夜の気配が小屋に入ってきたのを感じた。
マーガスは物音や声がするのを待った。
が、恐ろしいほどの静けさだ。
マーガスは大きな溜息をついて、言った。
「そんなところに突っ立ってないで、入ってきたらどうだ」
キィーっと高い音がして戸口が開いた。
そこにはしおらしい美少女のようなアキトが心もとなげに立っていた。
俯き気味で動こうとはしない。
マーガスはまた溜息をつき、「ほら」とアキトの華奢な手首をつかむと小屋の中に入れてやった。
「こんなに冷え切っているじゃないか。
どこほっつき歩いてたんだ」
茶化すようにマーガスが言うが、アキトの反応がない。
仕方なくマーガスはアキトの手首をひっぱり、椅子に座らせた。
「そこで待ってろ」と言うとマーガスは火のついたろうそくの明かりを頼りに小さな作り付けの棚の木の器の中からじゃらりと細長いものを取り出した。
そしてアキトの隣の椅子に座り、アキトの手首を再び取った。
ひんやりとした細い感触にアキトがぷるりと震えた。
ぱちんと金属の小さな音がして「できた」とマーガスが言った。
アキトが手首を持ち上げて見る。
小さな翡翠の玉が連なった腕輪が金の留め具でアキトの手首にはまっていた。
「え」
アキトはかわいらしい小声を上げた。
その翡翠の玉は、自分の一番最初の主の血の入った勾玉と一緒に首飾りに通されていたものだ。
アキトは驚き、そのままマーガスを見る。
マーガスは鼻の頭を赤くし、横を向く。
「あ、そ、そんだけしか拾えなくて、さ。
もっと早く拾えればよかったんだけど。
もう首飾りにはできねぇから、腕輪ならいけるかな、と思って」
無言のアキトに耐えられなくなり、マーガスはべらべらとひとりでしゃべり続ける。
「か、金具はよ、気に入らなかったら替えられるし。
勝手なことして悪かったと、思ってるけど、おまえ、これ大事にしてたし。
それでよ、勝手に魔石つけちまったけど、一応、オレ、魔石窟に入って探してきたし。
ちっこいのしかなかったけど、なんか翡翠だけじゃ寂しかったし、長さも足りなくて。
それでも、さ、赤いのと青いのと、気に入らねぇかもしれないけど緑のと、三色集めてみたんだ。
いや、いらなかったら外してもいいし。
オレ、預かっておいてやるから……わっ!!!」
不意にアキトがマーガスに抱きついた。
白い腕をマーガスの首に回し、ぎゅうううっと力を込める。
「アキト…?
おまえ、もしかして泣いてんの?」
マーガスが嫌がるアキトの腕をほどき、顔を覗き込む。
真っ赤な顔をし、両目からはらはらと涙がこぼれ落ちていく。
「あー、もうそんなに泣くな」
マーガスがアキトの顔を自分の胸に押しつける。
涙はマーガスの寝衣に吸い取られる。
「そんなに嫌だったか?」
アキトは首を振る。
「じゃ、気に入ったか?」
今度は首を縦に振る。
「そうか」
マーガスはにっこりと笑うとアキトの頭をなで、ぎゅっと抱きしめてやる。
しばらくそうしていたら、アキトの小さな声が聞こえた。
よく聞き取れず、マーガスが腕の力を緩め、アキトの口元に耳を近づける。
「………だい…て」
はあっ?!
マーガスは一気に真っ赤になりおたおたとする。
「こ、この間、散々食っただろうが。
いつもよりたくさん。
まだ腹が減ってるのか?」
「違います!」
「じゃあ、どうした?」
アキトが下を向く。
長い黒髪で顔が見えなくなる。
「……自分でも、わからない」
消え入りそうな声にマーガスも驚く。
これまで一度も見たことのないアキトだった。
「この間、どうしてあんなことをしたのか、よくわからない。
とにかく空腹で一滴残らず食らってやろうとは思った。
でも、今はお腹は空いていない。
だけど、ほしい」
「おまえ、もしかして寂しいの?」
「わからない」
「オレは寂しかったよ。
弟子のルーポはいなくなるし、おまえもどっか行っちゃったし」
「あ」
照れくさそうな声がアキトから漏れた。
「おまえ、意味わかってる?
腹を満たすためじゃなかったら、フツーのセックスだぞ。
オレとしたいの、そういうの?」
「わから…ない」
「んはぁぁぁぁ、仕方ねぇなぁ。
後悔すんなよ。
来い」
マーガスはろうそくの火を吹き消すとアキトの手首をつかんで自分の部屋に連れていく。
しおしおとされるがままになるアキト。
ベッドの横にアキトが立つとマーガスは抱き上げ、ベッドに横にならせた。
そして自分もベッドに上がり込むとアキトの首の下に腕を差し入れ、腕枕をしながらもう一度優しく抱きしめてやった。
いつもと違うマーガスに戸惑うアキト。
「なぁ。
ルーポはいなくなるし、大切な首飾りは壊しちゃうし、おまえも参っていて当然だよ。
ひとりで大丈夫だったか。
こんなに長い間、他のヤツと一緒にいたことなかっただろ」
「あ」
腕に生温かいものが伝ってきた。
「あー、もう。
泣くな泣くな。
いや、違うか。
気が済むまで泣いて、泣き止め。
こうしてやるから」
ぐいと力を込めて抱き寄せる。
アキトは静かに泣いた。
もっと泣きじゃくるかと思ったが、はらはらと涙をこぼし続けた。
マーガスは髪をなで、背中や肩をなで、あやすように時々身体を揺すってやった。
やがて、アキトは静かになる。
時を見てマーガスが囁く。
「どうだ、気が済んだか?
このまま、寝るか?」
腕の中のアキトは首を横に振る。
マーガスは大きな溜息をついて、肘をついてアキトの髪を左右に分け、顔が見えるようにする。
深い闇の瞳の奥に灯る赤い光が見える。
「じゃあ、今日はオレのやり方でする。
それでもいいなら抱いてやる」
アキトは静かにうなずいた。
「……そうか」
マーガスの優しい緑の目がアキトに降り注ぐ。
ちゅっと目元にキスをするとアキトはくすぐったそうに笑った。
たっぷりとキスをした。
甘く激しい優しいキス。
そうしながら、マーガスがアキトの服に指をかける。
前身ごろを左右に開くと白いアキトの身体は銀色にほんのり輝き、闇夜にぼんやりと浮かび上がった。
「綺麗だな、おまえ」
「やだ」
アキトが恥ずかしさの余り両手で顔を塞ぐ。
マーガスはその手を無理にほどくことはせず、冷たいアキトの身体に触れていく。
「ほんとに冷え切ってんなぁ。
どこにいたんだ、もう」
吸いついてくる肌をなでていく。
いつもはろくな前戯なしなので、アキトは初めての感覚だった。
「な、に、これ」
「気持ちよくなるための準備」
そのうち、ちゅっちゅっと身体中にキスをしていく。
マーガスの柔らかな唇の感触がくすぐったく、アキトは身を震わせているだけだったが薄紅色の乳首を吸われたときには思わず声が出た。
「や」
「ん、どうした?
いつもみたいに『気持ちいい』って言ってみろよ。
ほら」
もう一度吸われたが、アキトは声を殺した。
しかしもう片方の乳首を今度は強く吸われ、さっきまで吸われていたマーガスの唾液でべとついた乳首を空いた手でこねられ、声を出した。
「ほら、どうだ?」
「………っ!」
やはりアキトは「気持ちいい」とは言わなかったが、少しずつ艶めいた声を上げるようになった。
マーガスは一通りアキトの身体の感触を楽しむと、アキトの服を剥ぎ取り、自分も寝衣を脱いだ。
「おいで。
キスしよ」
素肌で抱き合うと気持ちよかった。
「舌を出して」というマーガスの言葉通りにアキトがすると、マーガスも舌を出し絡ませてくる。
ぼたりぼたりと唾液が落ちる。
マーガスがそれを舐め上げるようにし、アキトの唇を深く吸った。
アキトもマーガスの背中をまさぐる。
と、びくりとした。
マーガスが口を離す。
「ああ、こんなにしっかり触るのは初めてか?
火傷の痕がケロイドになってんだよ。
気持ちよくなかったら触らなくて、いいから」
幼い頃、自分で制御できなくなった黒魔法の力でマーガスはエトコリアの街を半分破壊した。
それを止めるためにその時の大魔術師モンテイロが雷の魔法をマーガスに向かって投げつけ、ようやくマーガスの暴走が止まった。
雷を受けたマーガスの背中の皮はひきつったままだ。
「いえ」
アキトは小さな声で返事をし、優しくマーガスの背中をなで、指を這わせる。
「無理しなくて、いいから」
自信なさげにマーガスが言うと、アキトは「自分がふれたいから」と手のひらでなでていく。
「まだ痛みますか」
「いや」
「……そう」
アキトの手のひらにちょっと力が込められた。
そしてマーガスのほうを向き、静かに目を閉じ、唇を突き出し無言でキスをねだった。
マーガスがそれに応えた。
やがて、マーガスはアキトの片足を自分の身体の上に置いた。
そしてアキトの陰茎や袋を優しく触りながら、足の間にできた隙間から後ろも指でつついてやる。
妖術で男にも女にもなれる妖狐の孔は女のように濡れ始めた。
前も後ろもぐちゅぐちゅと音が聞こえてきた。
アキトもマーガスを握り、先をこすったり全体を扱いたりしていた。
「アキト、入れてもいい?」
「う、うん」
恥ずかしくて顔を真っ赤にしたアキトを正面から見下ろし、マーガスは優しくちゅっとキスをする。
「ふっ、わっ」
マーガスがゆっくりと押し進むと開かれたアキトの足が上を向き、そしてマーガスの腰に絡みつけた。
「奥まで入った、よ」
「……うん」
最初はゆっくり、次第に早く。
そうなったときにはもう、アキトの足はマーガスの腰からほどけていてわけがわからなくなっていた。
「いつも、より、気持ちよさそうだな」
笑いながらマーガスはちゅっとアキトの目元にキスをすると、中がぎゅっと締まった。
「なに、こ、れ」
「気持ちよくなる準備、ちゃんとしただろ」
「ふぇ」
「今度から腹が減っててもこの準備するからな。
いっつもいっつも搾り取るだけ絞りやがって」
「やあああああぁ」
マーガスが少し激しく突いてやると、アキトがいつもより感じ身体がびくんと跳ねた。
それが嬉しくて、たまらなくなって、マーガスががつがつと腰を動かす。
「いやああっ、いやああっ、マーガスっ、マーガスっ」
マーガスの動きが止まった。
「やっ、お、きくしないで」
「あっぶね、危うくイくところだった。
初めて最中におまえに名前を呼ばれたわ」
言われて初めてアキトも気づく。
「やだっ」
「どうした、アキト。
おまえ、今日、かわいすぎ。
キスしよ」
それから2人はお互いの名前を呼び合い、「気持ちいい」と言い、全身で快楽を貪り、幸せな気分でいった。
アキトの耳をさわると中がぎゅんと締まることを知ったマーガスが、アキトの耳をさわりすぎてアキトを怒らせたり。
うつ伏せになったマーガスの背中をアキトがキスを散らしていったり。
2人は満たされた。
この夜、アキトはマーガスに抱かれたのだと、はっきりと認識した。
これまでのようにマーガスを通した見ていた誰か、ではなく。
明け方、2人は森の温泉に浸かっていた。
マーガスの足の間に座り、包まれるようにしてアキトが背中をマーガスに任せていた。
湯船から左腕を上げ、手首にぶら下がる腕輪を眺めた。
淡い緑の光に包まれている。
「あ、今度はちっとやそっとじゃ壊れないように魔法をかけてるから。
アキトはどこに行くかわからないからな、厳しい場所に行っても壊れないようにしておいた。
温泉に浸けても大丈夫だろ」
マーガスは自慢げに言うとアキトの耳にちゅっとキスをした。
頭の上の三角耳がくすぐったくてぷるぷると震えた。
金の留め具はアキトがルーポにやった結い紐の黒曜石の花に似たもの。
アキトの目の奥に潜む赤い玉。
ルーポの目の淡い青い玉。
そしていつも自分を見守っていてくれたマーガスの目の緑の玉。
マーガスは後ろで「あーあ、あーあっ、髪をこんなにしやがって。いつもの仕上げ剤じゃだめだな。せっかくオレがかわいがってやってたのに。またつっやつやにしてやるからなー」とぶつぶつ言っている。
「マーガス」
「あん?」
「嬉しい!」
大輪の花がほころんだ。
***
自分の誕生日に寄せて。
20181125
「空と傷」舞台裏 https://etocoria.blogspot.com/2018/11/soratokizu-butaiura.html
今回はロダとキース。しかしあまり大したことが書けなかった。
森のそばの古びた小屋ではマーガスがひとり、暮らしていた。
ルーポがやってくるまでは、アキトはそう頻繁にこの小屋にやってきていたわけではなかった。
気まぐれにふらりと現れ、またふらりといなくなる。
いても1日か2日で、3日以上滞在したのは、自分の想いを受け入れてもらえずぼろぼろになったときだった。
そのときはマーガスが湯に入れてやり、髪を洗い、それが終わると小屋の空いている部屋のベッドに寝かせた。
狐ならオレンジを食べるかと思い、皮をむいて口に入れてやるともぐもぐと咀嚼しておとなしく食べた。
アキトがそういったものの摂取が必要ないのはわかってはいたが、アキトが欲しているのは人の精力だ。
与えてやるわけにはいかない。
アキトは3日目の朝、いなくなっていた。
もともと同じ人を好きになり、マーガスの穏便にやり過ごしてしまおうとする生き方を嫌っていたアキトだ。
そんなもんか、とマーガスは思った。
だからルーポがいる間、こんなに長くマーガスとアキトが過ごすのはお互いに初めてだった。
おそらく2人っきりだとうまくいかなかっただろう。
しかしルーポという存在が3人で過ごすという奇妙な時間を作った。
アキトはつんと澄まし、なにかあれば挑発するような言葉を投げかけてくるので、マーガスも苦手だった。
それが一緒に過ごしてみると、表情をくるくると変えることもたまに声をたてて笑うこともあった。
多分、アキトの想い人の前ではこんなに姿も見せていたのだろう、と容易に想像がついた。
ひとりになったマーガスは、また元の生活に戻っただけだ、と思っていた。
***
眠っていると違和感を覚えた。
ねっとりとした生温かい粘膜に包まれているような。
驚いてマーガスがベッドで目を覚ました。
上掛けは剥ぎ取られ、下着はずらされ、何者かが自分の股間に顔を埋めていた。
咥えられている?!
逃げようとしたが、それは恐ろしい力でマーガスをとらえていた。
「ば、ばかっ。
なにやっているんだ、アキト!」
夜明けが近いのか、薄っすらと明るい部屋の中でアキトが股間から顔を上げた。
「なに、っていつものですよ。
早うこの役立たずをお立てなさい」
「はあっ?!」
マーガスは眠っている間にアキトに襲われているのがわかった。
数か月ぶりに見たアキトはまた、あのときのようにやつれボロボロになっていた。
自分の服は脱ぎ、マーガスの脱ぎ散らしたシャツを肩から羽織り、首を上下にじゅぶじゅぶと動かしている。
マーガスがアキトの自分の精力を与えることになったのも、たまたまだった。
持て余す自分の魔力がアキトに与える精力となるのを知ると、「いい使い道ができた」とぼんやりと思った。
マーガスの持つ膨大な量の黒魔法はどれだけの破壊力を持っているのか、誰も知りはしない。
もし自分が制御できなくなるとエトコリアの街はもちろん、どの範囲までかわからないが消失させるのは明らかだ。
制御のための魔法石が額に埋め込まれはいるが、たまに暴走しそうになりマーガスはずっと耐えていた。
その魔力を誰にも迷惑をかけない方法で消費することができる。
マーガスにとっても悪い話ではなかった。
ふらりと現れたアキトがマーガスに抱かれ、精力を奪い取っていく。
「前戯などはいらぬ」とアキトが言うのですぐに入れてやる。
アキトは催淫を操る能力があるのか、縋りつかれるとすぐに入れられるくらい硬くなった。
しかし、今はアキトに口淫をされてもまったくの役立たずだった。
アキトが怒り、懸命に舌を使っても喉奥近くまで咥えこんでやっても小さくへにゃへにゃのままだった。
「な、なぁ、アキト、なんだかオレ、疲れているのかな。
そんなに乱暴にするなよ」
がばりと不機嫌そうな顔を上げるとアキトはマーガスの胸に食らいついた。
ちょうど鎖骨の下のあたりをきつく吸い上げる。
「ば、ばかっ。
オレ相手にそれを使うことないだろがっ!
……っ!」
アキトの頭を押しやるがびくともしない。
鋭い牙が立てられ、やがて血の味がしてくるとアキトは満足そうにそれを長い舌で舐めとった。
そうしながら白い手は優雅な手つきでマーガスの股間をすり上げる。
「ふふふ」
満足そうにアキトが顔を上げた。
「ほら、立ってきた」
そう言うと唇を舐め、そのまま寝ているマーガスにまたがり、役に立つようになったそれを自分の後ろにあてがい、一気に腰を下ろした。
「ぐふっ」
声を上げたのはマーガスだった。
アキトは思う存分腰を振り、声を上げ、搾り取る。
噛まれたところから鈍い熱がじゅくじゅくと身体中に広がり、火照り始めた。
マーガスの変化にアキトが気づくと、喉の奥で「くく」と笑い、そして痴態を晒した。
翌日、もちろんマーガスは使い物にならなかった。
全裸でベッドに横たわっているのに気づいたときには、もう日は高く昼を随分回っていた。
すぐには動けず、しばらくは喉が渇いてたまらないのに水も飲めない有様だった。
ようやく動けるようになるとマーガスはそのまま着替えと身体を拭く布を持ち、森の温泉に向かった。
湯の中に身体を沈めると、こわばった筋肉が弛緩していった。
アキトがマーガスに催淫の能力を使い、精力を貪り取ったのは初めてのことだった。
いつもはあんなことをしない。
一体どうしたのか。
真面目に考えたかったが、頭も身体もうまく働かない。
マーガスが小屋に戻り、横になろうとしたが自分のベッドはアキトとの情事で荒れ、眠る気になれなかった。
仕方なくマーガスはルーポに貸していた部屋のベッドに倒れ込み、そのまま深い眠りに落ちてしまった。
***
三日後の夜だった。
一旦眠りについたマーガスだったがやたらと喉が渇き、小さなろうそくのかけらに火を灯すと台所の水がめから水を汲み飲んだ。
ふわりと夜の気配が小屋に入ってきたのを感じた。
マーガスは物音や声がするのを待った。
が、恐ろしいほどの静けさだ。
マーガスは大きな溜息をついて、言った。
「そんなところに突っ立ってないで、入ってきたらどうだ」
キィーっと高い音がして戸口が開いた。
そこにはしおらしい美少女のようなアキトが心もとなげに立っていた。
俯き気味で動こうとはしない。
マーガスはまた溜息をつき、「ほら」とアキトの華奢な手首をつかむと小屋の中に入れてやった。
「こんなに冷え切っているじゃないか。
どこほっつき歩いてたんだ」
茶化すようにマーガスが言うが、アキトの反応がない。
仕方なくマーガスはアキトの手首をひっぱり、椅子に座らせた。
「そこで待ってろ」と言うとマーガスは火のついたろうそくの明かりを頼りに小さな作り付けの棚の木の器の中からじゃらりと細長いものを取り出した。
そしてアキトの隣の椅子に座り、アキトの手首を再び取った。
ひんやりとした細い感触にアキトがぷるりと震えた。
ぱちんと金属の小さな音がして「できた」とマーガスが言った。
アキトが手首を持ち上げて見る。
小さな翡翠の玉が連なった腕輪が金の留め具でアキトの手首にはまっていた。
「え」
アキトはかわいらしい小声を上げた。
その翡翠の玉は、自分の一番最初の主の血の入った勾玉と一緒に首飾りに通されていたものだ。
アキトは驚き、そのままマーガスを見る。
マーガスは鼻の頭を赤くし、横を向く。
「あ、そ、そんだけしか拾えなくて、さ。
もっと早く拾えればよかったんだけど。
もう首飾りにはできねぇから、腕輪ならいけるかな、と思って」
無言のアキトに耐えられなくなり、マーガスはべらべらとひとりでしゃべり続ける。
「か、金具はよ、気に入らなかったら替えられるし。
勝手なことして悪かったと、思ってるけど、おまえ、これ大事にしてたし。
それでよ、勝手に魔石つけちまったけど、一応、オレ、魔石窟に入って探してきたし。
ちっこいのしかなかったけど、なんか翡翠だけじゃ寂しかったし、長さも足りなくて。
それでも、さ、赤いのと青いのと、気に入らねぇかもしれないけど緑のと、三色集めてみたんだ。
いや、いらなかったら外してもいいし。
オレ、預かっておいてやるから……わっ!!!」
不意にアキトがマーガスに抱きついた。
白い腕をマーガスの首に回し、ぎゅうううっと力を込める。
「アキト…?
おまえ、もしかして泣いてんの?」
マーガスが嫌がるアキトの腕をほどき、顔を覗き込む。
真っ赤な顔をし、両目からはらはらと涙がこぼれ落ちていく。
「あー、もうそんなに泣くな」
マーガスがアキトの顔を自分の胸に押しつける。
涙はマーガスの寝衣に吸い取られる。
「そんなに嫌だったか?」
アキトは首を振る。
「じゃ、気に入ったか?」
今度は首を縦に振る。
「そうか」
マーガスはにっこりと笑うとアキトの頭をなで、ぎゅっと抱きしめてやる。
しばらくそうしていたら、アキトの小さな声が聞こえた。
よく聞き取れず、マーガスが腕の力を緩め、アキトの口元に耳を近づける。
「………だい…て」
はあっ?!
マーガスは一気に真っ赤になりおたおたとする。
「こ、この間、散々食っただろうが。
いつもよりたくさん。
まだ腹が減ってるのか?」
「違います!」
「じゃあ、どうした?」
アキトが下を向く。
長い黒髪で顔が見えなくなる。
「……自分でも、わからない」
消え入りそうな声にマーガスも驚く。
これまで一度も見たことのないアキトだった。
「この間、どうしてあんなことをしたのか、よくわからない。
とにかく空腹で一滴残らず食らってやろうとは思った。
でも、今はお腹は空いていない。
だけど、ほしい」
「おまえ、もしかして寂しいの?」
「わからない」
「オレは寂しかったよ。
弟子のルーポはいなくなるし、おまえもどっか行っちゃったし」
「あ」
照れくさそうな声がアキトから漏れた。
「おまえ、意味わかってる?
腹を満たすためじゃなかったら、フツーのセックスだぞ。
オレとしたいの、そういうの?」
「わから…ない」
「んはぁぁぁぁ、仕方ねぇなぁ。
後悔すんなよ。
来い」
マーガスはろうそくの火を吹き消すとアキトの手首をつかんで自分の部屋に連れていく。
しおしおとされるがままになるアキト。
ベッドの横にアキトが立つとマーガスは抱き上げ、ベッドに横にならせた。
そして自分もベッドに上がり込むとアキトの首の下に腕を差し入れ、腕枕をしながらもう一度優しく抱きしめてやった。
いつもと違うマーガスに戸惑うアキト。
「なぁ。
ルーポはいなくなるし、大切な首飾りは壊しちゃうし、おまえも参っていて当然だよ。
ひとりで大丈夫だったか。
こんなに長い間、他のヤツと一緒にいたことなかっただろ」
「あ」
腕に生温かいものが伝ってきた。
「あー、もう。
泣くな泣くな。
いや、違うか。
気が済むまで泣いて、泣き止め。
こうしてやるから」
ぐいと力を込めて抱き寄せる。
アキトは静かに泣いた。
もっと泣きじゃくるかと思ったが、はらはらと涙をこぼし続けた。
マーガスは髪をなで、背中や肩をなで、あやすように時々身体を揺すってやった。
やがて、アキトは静かになる。
時を見てマーガスが囁く。
「どうだ、気が済んだか?
このまま、寝るか?」
腕の中のアキトは首を横に振る。
マーガスは大きな溜息をついて、肘をついてアキトの髪を左右に分け、顔が見えるようにする。
深い闇の瞳の奥に灯る赤い光が見える。
「じゃあ、今日はオレのやり方でする。
それでもいいなら抱いてやる」
アキトは静かにうなずいた。
「……そうか」
マーガスの優しい緑の目がアキトに降り注ぐ。
ちゅっと目元にキスをするとアキトはくすぐったそうに笑った。
たっぷりとキスをした。
甘く激しい優しいキス。
そうしながら、マーガスがアキトの服に指をかける。
前身ごろを左右に開くと白いアキトの身体は銀色にほんのり輝き、闇夜にぼんやりと浮かび上がった。
「綺麗だな、おまえ」
「やだ」
アキトが恥ずかしさの余り両手で顔を塞ぐ。
マーガスはその手を無理にほどくことはせず、冷たいアキトの身体に触れていく。
「ほんとに冷え切ってんなぁ。
どこにいたんだ、もう」
吸いついてくる肌をなでていく。
いつもはろくな前戯なしなので、アキトは初めての感覚だった。
「な、に、これ」
「気持ちよくなるための準備」
そのうち、ちゅっちゅっと身体中にキスをしていく。
マーガスの柔らかな唇の感触がくすぐったく、アキトは身を震わせているだけだったが薄紅色の乳首を吸われたときには思わず声が出た。
「や」
「ん、どうした?
いつもみたいに『気持ちいい』って言ってみろよ。
ほら」
もう一度吸われたが、アキトは声を殺した。
しかしもう片方の乳首を今度は強く吸われ、さっきまで吸われていたマーガスの唾液でべとついた乳首を空いた手でこねられ、声を出した。
「ほら、どうだ?」
「………っ!」
やはりアキトは「気持ちいい」とは言わなかったが、少しずつ艶めいた声を上げるようになった。
マーガスは一通りアキトの身体の感触を楽しむと、アキトの服を剥ぎ取り、自分も寝衣を脱いだ。
「おいで。
キスしよ」
素肌で抱き合うと気持ちよかった。
「舌を出して」というマーガスの言葉通りにアキトがすると、マーガスも舌を出し絡ませてくる。
ぼたりぼたりと唾液が落ちる。
マーガスがそれを舐め上げるようにし、アキトの唇を深く吸った。
アキトもマーガスの背中をまさぐる。
と、びくりとした。
マーガスが口を離す。
「ああ、こんなにしっかり触るのは初めてか?
火傷の痕がケロイドになってんだよ。
気持ちよくなかったら触らなくて、いいから」
幼い頃、自分で制御できなくなった黒魔法の力でマーガスはエトコリアの街を半分破壊した。
それを止めるためにその時の大魔術師モンテイロが雷の魔法をマーガスに向かって投げつけ、ようやくマーガスの暴走が止まった。
雷を受けたマーガスの背中の皮はひきつったままだ。
「いえ」
アキトは小さな声で返事をし、優しくマーガスの背中をなで、指を這わせる。
「無理しなくて、いいから」
自信なさげにマーガスが言うと、アキトは「自分がふれたいから」と手のひらでなでていく。
「まだ痛みますか」
「いや」
「……そう」
アキトの手のひらにちょっと力が込められた。
そしてマーガスのほうを向き、静かに目を閉じ、唇を突き出し無言でキスをねだった。
マーガスがそれに応えた。
やがて、マーガスはアキトの片足を自分の身体の上に置いた。
そしてアキトの陰茎や袋を優しく触りながら、足の間にできた隙間から後ろも指でつついてやる。
妖術で男にも女にもなれる妖狐の孔は女のように濡れ始めた。
前も後ろもぐちゅぐちゅと音が聞こえてきた。
アキトもマーガスを握り、先をこすったり全体を扱いたりしていた。
「アキト、入れてもいい?」
「う、うん」
恥ずかしくて顔を真っ赤にしたアキトを正面から見下ろし、マーガスは優しくちゅっとキスをする。
「ふっ、わっ」
マーガスがゆっくりと押し進むと開かれたアキトの足が上を向き、そしてマーガスの腰に絡みつけた。
「奥まで入った、よ」
「……うん」
最初はゆっくり、次第に早く。
そうなったときにはもう、アキトの足はマーガスの腰からほどけていてわけがわからなくなっていた。
「いつも、より、気持ちよさそうだな」
笑いながらマーガスはちゅっとアキトの目元にキスをすると、中がぎゅっと締まった。
「なに、こ、れ」
「気持ちよくなる準備、ちゃんとしただろ」
「ふぇ」
「今度から腹が減っててもこの準備するからな。
いっつもいっつも搾り取るだけ絞りやがって」
「やあああああぁ」
マーガスが少し激しく突いてやると、アキトがいつもより感じ身体がびくんと跳ねた。
それが嬉しくて、たまらなくなって、マーガスががつがつと腰を動かす。
「いやああっ、いやああっ、マーガスっ、マーガスっ」
マーガスの動きが止まった。
「やっ、お、きくしないで」
「あっぶね、危うくイくところだった。
初めて最中におまえに名前を呼ばれたわ」
言われて初めてアキトも気づく。
「やだっ」
「どうした、アキト。
おまえ、今日、かわいすぎ。
キスしよ」
それから2人はお互いの名前を呼び合い、「気持ちいい」と言い、全身で快楽を貪り、幸せな気分でいった。
アキトの耳をさわると中がぎゅんと締まることを知ったマーガスが、アキトの耳をさわりすぎてアキトを怒らせたり。
うつ伏せになったマーガスの背中をアキトがキスを散らしていったり。
2人は満たされた。
この夜、アキトはマーガスに抱かれたのだと、はっきりと認識した。
これまでのようにマーガスを通した見ていた誰か、ではなく。
明け方、2人は森の温泉に浸かっていた。
マーガスの足の間に座り、包まれるようにしてアキトが背中をマーガスに任せていた。
湯船から左腕を上げ、手首にぶら下がる腕輪を眺めた。
淡い緑の光に包まれている。
「あ、今度はちっとやそっとじゃ壊れないように魔法をかけてるから。
アキトはどこに行くかわからないからな、厳しい場所に行っても壊れないようにしておいた。
温泉に浸けても大丈夫だろ」
マーガスは自慢げに言うとアキトの耳にちゅっとキスをした。
頭の上の三角耳がくすぐったくてぷるぷると震えた。
金の留め具はアキトがルーポにやった結い紐の黒曜石の花に似たもの。
アキトの目の奥に潜む赤い玉。
ルーポの目の淡い青い玉。
そしていつも自分を見守っていてくれたマーガスの目の緑の玉。
マーガスは後ろで「あーあ、あーあっ、髪をこんなにしやがって。いつもの仕上げ剤じゃだめだな。せっかくオレがかわいがってやってたのに。またつっやつやにしてやるからなー」とぶつぶつ言っている。
「マーガス」
「あん?」
「嬉しい!」
大輪の花がほころんだ。
***
自分の誕生日に寄せて。
20181125
「空と傷」舞台裏 https://etocoria.blogspot.com/2018/11/soratokizu-butaiura.html
今回はロダとキース。しかしあまり大したことが書けなかった。
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