少女は異常

1-3 光源

光の始まり｢光源｣

　天狐は冷たい夜を歩いた
　足がクタクタになって歩けないと感じても足を動かした、天狐は周りを見て景色が明るくなったことを感じた。
｢あと、少し｣
　天狐は自分にそういいきかせ図書館で見た地図を頭に広げてまた歩きだす。
　それから30分大きな道をゆっくりと天狐は歩いた。
｢ついた……｣
　天狐はそう言うと目的地である大きなビルに背中をあずけた。
　朝日が天狐を刺激し体の疲れを思い出させる。
　足の感覚がない。
　裸足で歩いていた天狐は足を見つめながら｢自業自得｣と呟いた。
　天狐は疲れを感じて流れるように体を横にした、地面が冷たく風邪も冷たい、だが胸の奥は少し暖かかった。
　2時間くらい横になっていた。
　そこえひとつの足音が。
　足音はてんこの前で止まると天狐に話しかけてくる。
｢キミこんなところで寝てたら死んじゃうよ…………おうちの方は？｣
　女性の声だった、
　顔を見てみると、あまり化粧をしていない若い女性だった。
｢ここの人？｣
　天狐は指をさして聞き返す
　言葉のキャッチボールとはなんなのだろうか……。
　
　長い白髪が特徴的の幼稚園児くらいの女の子はやせ細っていて、冬だと言うのに大人用の半袖シャツを身につけている、腕や足には刃物で切られた跡や火傷、痣が軽く見ただけでわかる。
　見るからにかわいそうな子だった。
　私は警戒心を煽らないように優しく言葉をかけた、すると女の子は私が務める会社を指さして｢ここの人？｣と聞いてきたのだ。
　どうやらこの女の子の要件はここにあるみたいだった。

｢ええそうよ｣
　そう女性が答えると天狐は立ち上がって女性の足にくっつき上目が使いをする
｢私に小説を書かせてほしい｣
　天狐はそう言うと女性のスーツの端を握ってアピールをした。