悪役令嬢の専属メイクさんになったアリスねーさんの話

美浪

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文化祭

私と貴方の関係

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暫くステージ上は混乱していた。

グレースちゃんもアンディー君の隣で悩み顔だし。
ジュリエットも不満そうな顔をしていた。

アンディー君はグレースちゃんを励ましている様に見える。
うん。もうジュリエットが入る隙は無いかもしれない。

でも、この後のダンスパーティーは踊らせたく無いわね・・・。

文化祭実行委員達!!どうするのかしら?

ヤキモキしていると文化祭実行委員達は会場の生徒や観客を見た。

「あの。今、話し合いをしまして。こういう事態を想定しておらず御迷惑おかけして皆様、申し訳ございません。」
丁寧に彼女達は頭を下げた。

「再投票としたい所なのですがお時間がございません。」
生徒達のザワザワした声が更に上がった。

「お静かに!!そこで皆様の御納得頂ける案を御提案致します。」
そう言うと生徒達は少し静まった。

「恐れ入ります。第2王子ルーカス様!この度は文化祭にお越しいただきありがとうございます。」
文化祭実行委員全員が観客席の最前列にVIP待遇されていたルーカスに話し掛けた。

「ルーカス様。この美女コンテストの最終投票をお願い致したいのですが。宜しいでしょうか?お願い致します!!」
「お願い致します!!!」
文化祭実行委員達が再び頭を下げるとルーカスは立ち上がった。

生徒達もルーカス王子が立ち上がると流石に口を噤んだ。

静まり返る会場。

「私が決めるのか?」
ルーカスは相変わらず横着な物言いだけど生徒達は大きく頷いた。

「・・・。」
ルーカスは呆れた様な顔で苦笑すると。

「グレース・ベイリーだな。8人の王子と姫の衣装が良く似合っている。」

ルーカスぅぅぅ!!!貴方!良く言った!!

会場は歓声と共に拍手が巻き起こった。
王子の言う事に誰も反論する者は居らずジュリエットだけが悔しそうな顔をしていた。

勝ったー!勝ったー!
主人公に勝利したわよ!

私はステージ横でアンディー君家のメイドさんやジェニファーちゃん家のメイドさん達とハグし合って喜んだ。

表彰式が滞りなく始まった。
優勝者の2人には小さなトロフィーが贈られ全員で写真撮影等も行われている。

良かったわぁ。

感慨に耽っているとメールが届いた。

『何処にいる?』
ルーカス王子からだ。
『ありがとう!!ステージ上の横にいるわ。』

きちんとお礼言わなくちゃ!

『控え室まで来い。グレース・ベイリーの控え室に勝手に入る。』
そう返事が来た。

それは行かなくちゃ!!

「ちょっと控え室に行きます。グレースちゃんを宜しくお願いします。」
アンディー君家のメイドさんにお願いして控え室へ向かった。

ノックすると「はーい!」と野太い声が聞こえた。

部屋に入ると護衛も付けずに1人で彼は立っていた。

「まさか同票とはな!」
私の顔を見るなりルーカスはクスクスと笑いだした。

「ありがとう!イレギュラー過ぎよね。最終投票がルーカスになるとは思わなかったわ。」

「想定外過ぎだ。私で良かったじゃないか。」
敬えと言わんばかりに横柄な態度で座った彼が今日は本当に愛しく感じた。

来てくれて良かった。

「本当にありがとうございました!」
そう言って私も彼の前へ座った。

「まあ?ジュリエットには死んでも入れないがな。他の奴なら迷っただろうが。」
彼は本当にアンディー君の誕生日パーティー以来、ジュリエットを毛嫌いしている。

「しかし、アリスも頑張ったな。良く似ていたぞ?あの気の強そうなグレースも姫に見えた。」

「でしょ?グレースちゃんは気は強くないわよ。優しいしー。」

本当に第2王子との会話かしらと思うくらい最近はめっきりタメ口。

そんな私をルーカスは嬉しそうに笑って頷く。

私達って友達なのよね?多分・・。

「護衛が煩い・・。そろそろ帰るか。」
ルーカスは鳴り続けるスマホを見て溜息を付いた。

「黙ってこの部屋に来たの?」
「いやー?ちょっと散歩とは言ったが?」
と小馬鹿にした様な顔で電話に出た。

「今から戻る。待っていろ!」
見るからに不機嫌そうだ。

「そう、怒らないの。今度ゆっくりお礼がしたいわ。暇な時に会いましょう。」
自分でも不思議なくらいサラりとそんな言葉が出た。

横柄で対応に困る王子だと思っていたんだけど。私も現金よね。
グレースちゃんの事になると甘いわぁ。

「そうか。解った。暇な時に誘うから時間を作れよ。」
こんな風に言われても何となく許したくなる。

「OKよ!じゃあ。またね!」
控え室の外までルーカス王子を見送った。
まあ、たまには王子と遊んでも良いわよね。

ノリの良い曲が会場の方から聞こえる。
まだステージは盛り上がっている様だった。
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