悪役令嬢の専属メイクさんになったアリスねーさんの話

美浪

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卒業式そしてホワイトデー

私のホワイトデー

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『迎えは学校に寄越す。』
ルーカスからのメールだ。

一旦家に帰るつもりだったのに狙った様なタイミングでメールが来て焦る。

『ありがとう。』
とだけ返事した。

返事を聞くことになるのよね・・。
フラレるんだろうけれど。

子供の頃の事、話すべき?でも・・・。すっきりする為には話した方が良いのかな。
話したらルーカスはショックを受けるかもしれない。
初恋が男って?!・・なるわよねぇ。


考え事をしていたら学校の1階に辿り着いてしまった。
靴を履き外に出ると迎えの車は到着していた。

腹を括って!!行くわよ!!

ウジウジしていても仕方が無い。

「何時もありがとうございます。」
運転手さんに御挨拶して車に乗り込んだ。

決意しても緊張していた。
他人の恋路には強くても自分の事には弱いわね。

そうこうしていると城へ辿り着いてしまった。

車を降りて大きく深呼吸。

城の大きな扉が開くとルーカスが待っていた。
「やあ!アリス!待ちくたびれたぞ!」
相変わらずな感じに少し拍子抜けした。うっうーん?これから振る人の態度にしては?でも、ルーカスだしなあ。
「お招きありがとう。」
そう言うとルーカスは嬉しそうに微笑んでくれた。

「さあ!今日はこちらへ!」
ルーカスの部屋に行くのかと思っていたのだが方向が違う。
私はルーカスの後ろを黙って着いて行った。
「どうした?今日は大人しいな?」
クスッとルーカスは笑い私は苦笑いで返した。

緊張してるのよ!!全く何処に連れて行く気?

装飾の綺麗なドアの前でルーカスは止まった。扉には使用人が2人控えていて軽くお辞儀をしてドアに手をかけた。
「さあ、どうぞ。」
ルーカスがすっと私の手を取った。
へ?!エスコート?!

いきなり手を取られドギマギしているとドアは開いた。

広い部屋は大理石の床に扉から奥へと続く一直線の赤いロールカーペット。

そして・・・・・・王様???!!
&お后様?!
だと思われる方が如何にもな感じで2人並ばれて座っていらっしゃった。

「ルーカスさん?ここは所謂?謁見の間的な?」
ルーカスはニヤっと微笑んで頷いた。
何よ?!その悪そうな笑顔!!

「お父様!!こちらが私の結婚相手です!!」
「は???え!?」
私がその発言に耳を疑っているとエスコートの手は強引に私の手を掴みグイグイと王様とお后様の元へ連れて行かれた。

「失礼します。ほら、アリスも。」
片膝をついて王に頭を下げるルーカスに促され私もこの状況が全く飲み込め無いまま片膝をついて頭を下げた。

チラりと横目でルーカスを見ると真剣な顔をしている。

結婚相手・・・と言ったわよね?
聞き間違いでは?無い・・と思うんだけど。

私とルーカスは付き合ってもいないのですが?!!

「顔を上げなさい。ルーカスとアリスさん。」
王様の優しそうな声を聞き恐る恐る顔を上げた。
だ・・大丈夫なのかしら?
第2王子が男を連れて来て結婚相手とか。修羅場は嫌よぉー!

「まあ。素敵な方です事!ねえ?」

「この年まで婚約者も決めないと焦っていたが。そう言う事なら早く話してくれても良かったのに。なあ?」
王様とお后様は私を見てルーカスの反応を見て何とも嬉しそうにクスクスと笑われる。

威厳が無いと言えば無いお2人だ。

優しそう・・・。

「こちらはアリスことケンタロウ・アリスガワさんです。」
ルーカスは2人の反応にテンションが上がったのか更に嬉しそうに私を紹介し始めた。

王様もお后様もそれを微笑ましく聞いている。

良いのか?第2王子だから同性婚も有りなのか?
そこの所、聞こう。

「あのぉー?ちょっと発言しても宜しいでしょうか?」
恐る恐る手を挙げた。

「どうした?アリス!」
横のルーカスがまたニコニコしながら私を見る。

「見ての通り私・・男性なのですが問題は無いのですか?」
普通は大問題よ?

「何だ!そんな事か!!」
ルーカスは笑いながら問題無いと自信満々に言った。

「ルーカス、アリスさんはプラゲ国の方ですから驚かれるのも無理はありませんよ。」
お后様がおっしゃるにはこの国は『8人の王子と姫』の時代には同性婚が認められたそうだ。

そうなのね・・・。
って!!私、結婚するの!!?

「あのぉー。ルーカスさん?」
本当、暴走突っ走り王子なんだから。

「なんだ?」
何も解っていないルーカスに言ってやらないと。

「私・・まだプロポーズされていないわよ!」

王様とお后様は呆れた顔でルーカスに溜息を付き横でルーカスは
「そうだった!そうだった!」
と高笑いするのであった・・・。
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