悪役令嬢の専属メイクさんになったアリスねーさんの話

美浪

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卒業式そしてホワイトデー

初恋は時折実る

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では!今からプロポーズをして参ります!
ムードもへったくれも無いルーカスに王様達も呆れ顔で苦笑されていたが私はそんな彼も彼らしいと言うか。
素直にプロポーズをされる為にルーカスの部屋へ共に向かった。

ウキウキな足取りのルーカスに対して私の足取りは少し重い。
ルーカスが好きだけど。このままで良いのかしら?

ルーカスの部屋に着くと彼はソワソワと。ほんとルーカスらしくないと言うか。可愛らしいわね!

「あー。えー。取り敢えず座らないか?」
少し照れ気味にルーカスは私をソファに掛ける様に促した。

「はいはい。」
これで良い?と私はルーカスを見上げた。
「うむ。そうだな。えーと。」
先程の勢いは何処へ?と言う感じのルーカスが可愛く見える。

「ちょっと待って!!」
先ずは私の話を聞いてもらおう。

「なんだ?」
せっかくのプロポーズを遮られてルーカスは少し不満そうに見えた。

「先ずは。私はベイリー家の居候であって元、貴族とかではありません。庶民よ。両親も居ないし。まあ、天涯孤独とも言える。」
ルーカスはそれが何だ?と言う様に首を傾げた。

王家にとって私は何のメリットも無い。

それなのに?問題無いのかしら?

「ルーカスは本当は女性が好きなのよね?初恋は女の子って言ってたし。」
まあ、本当は私なのだけれども。

これは正直、ずっと心に引っかかっていた。私だけれど女と思われていた。

「貴族的な教育も受けてないし。マナーとかこれからの外交とかね。勿論、国内の事とかも。私には・・・少々、荷が重いと言うか。」

これがゲームや小説の世界ならシンデレラストーリーとしてハッピーエンドなのだろう。

だけど・・ゲーム世界の様で現実なのよね。


「アリス。言いたい事はそれだけか?」
ルーカスは私の不安とは真逆な様子でソファから徐に立ち上がり片膝をついた。

「アリス、私と結婚して下さい。君を愛している。」
そっと私の手を取った。


えーーーと!!何処までも空気読まない子だわね!
私の言ったことは全部無視なの?!

「ルーカス、私の話を聞いてた?」
「勿論、聞いていたからこうしてプロポーズしている。お前の考えている様な事。」
フッと鼻で笑って自信満々に言い放った。

「最初から想定内だな!!!」

「想定内なの?」
私は眉をひそめてちょっとぶっきらぼうに聞いた。

「先ずは!アリスはベイリー家の養子になって貰う。既にベイリー家の当主には了承済だ。後は王族になる為の教育は受ければ良い。」

うっ。うーん。そう来たか。ベイリー家の養子ってジェイソンさん!簡単に決めちゃってよいの?!!

「ずっと・・・考えていた。いや、あの時の事を思い出していた。」
ルーカスは私の目をじっと見つめた。

「あの夏のアリスは君じゃないのか?」

そう聞かれて息を飲んだ。
ドクっと心臓が跳ねる。

「違うか?」
ルーカスの熱い視線は反らせなかった。

「わっ・・・私。私、です。」
何時かは言おうと思ってた。まさかここで暴露させられるとは!

「ふふふふふ!あっはっはっは!!やはりな!やはりな!そうだと直感が言っていた!」
ルーカスは高笑いしながら私をギュッと抱き寄せ背中をバンバンと叩く。

「もう!痛いって!」
そう言いながらも私も嬉しくて釣られて笑いが込み上げてきた。

「あははは。黙っていてごめんなさい。言いづらくなってて。」

「私が女性が好きだと思って気を使っていたのだろう?」
ルーカスの問に私はうんと頷いた。

嬉しそうな笑みを浮かべるルーカスに私は身につけていたあの日貰ったネックレスを見せた。

「あぁ。これこそ私がプロポーズした時の。」
ルーカスは懐かしそうに微笑む。

幼少の2人の別れの日が思い出されていく。
2人がもう少しお互いの言葉が理解出来ていたら上手く行っていたのかもしれない。

でも、また逢えた。

「アリス。結婚しよう。」
ルーカスが再び私に言った。

「はい。私もルーカスを愛してるわ。」

改めて言うとお互いに照れてしまった。
頬を染めながら。

私はルーカスの手を取った。
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