6 / 11
三人の冒険者
しおりを挟む
集団心理というものがある。例えば、信号機があるとする。普段は赤信号であれば自分一人であれば止まるであろう。しかし、他の歩行者皆が歩き出したらどうなるか。自分も皆に流され、渡る事もあるであろう。
今回はそんな話である。
俺はいつも通り、ソロだった。そして冒険者パーティーへの参加を希望してひたすらに待っていた。
そのうちに三人の男女が冒険者ギルドに入ってきた。
男一人に、女二人の組み合わせだ。男は典型的な戦士タイプで、女二人は後衛タイプだろう。そんな気がした。男の等級は金(ゴールド)である。それなりの実力者である事がわかる。ちなみに等級に関してはそれとわかるようにエンブレムが与えられている。それを身につけるのも規則となっていた。男の後ろについている魔術師風の少女二人も銀(シルバー)ランクだと思われる。故にそれなりの実力者なのだろう。実力派のパーティーであると言えた。
「受付嬢さんよ。火力出る奴余ってねぇ?」
「え、ええ。いる事はいますが、どうしてでしょうか?」
「いやなに。ちょっと高レベのモンスターで、中々HP削りきれねぇから、俺以外にも火力出る奴欲しいって思ってよ」
「ちなみにどんなモンスターでしょうか?」
「エメラルド鉱山にいるエメラルドドラゴンって言ってよ。これが高HPな上に高防御力でよ。かといって魔法防御力も高くて。もう高火力で押し切るしかないってわけよ。だから攻撃役が俺以外にも必要でよ。もう一人欲しいってわけよ」
「幸いな事にあちらの方が空いてますので、声をかけて見たらいかがでしょうか?」
「なに?」
連中は俺を見やる。
「てめぇは……狂戦士(ベルセルク)か」
「知ってるの?」
後ろの女が聞く。
「ああ。噂にはな。あまり良い噂じゃねぇ。何でも新人潰しとか。あいつとパーティーを組んだ冒険者が続々と引退しているとか」
男は言う。
「けど、冒険に危険はつきものだから、そういう人がいるのはよくある事じゃないの?」
少女は言う。
「ま、まあな。背に腹はかえれねぇか」
男は言う。
「俺の名はカーネル。カーネル・デルフォート」
そう、男は名乗った。
「ノヴァだ。性はない」
男はクルセイダーの職業(ジョブ)についていると思われた。俺と同じ戦士系のジョブであるが、ジョブには基本的に聖属性と闇属性のジョブがあると思って良い。暗殺者や盗賊などはどちらかと言うと当然闇属性であり、神官(プリースト)だとか聖騎士(パラディン)
である。当然のように狂戦士(ベルセルク)は闇属性の職業だ。
聖か闇かの対極的な違いはあるが、男の職業クルセイダーは職業的には戦士系統という事もあり似通っている。その大きな違いは片手に盾を持っている事である。攻撃力だけでなく、守備力にも秀でた、盾役も攻撃役も出来る便利な前衛(アタッカー)である。
俺は両手持ちの斬馬刀を装備している為、当然のように盾は持てない。勿論デメリットはある。攻撃力が落ちる事だ。両手剣を装備できなくなるから当然だ。
「そうか。ノヴァ。俺達のパーティーに入ってくれ」
「良いのか。後ろに女二人がいるだろう。危害が及ぶとは考えないのか?」
「何かあっても俺が守るから関係ない。それに後ろの二人もそれぞれかなりの使い手だ。だからお前が何かしようとしても返り討ちよ」
「そうか。なら安心だな」
俺は言う。
「見ての通り俺は人気がない。入れてくれるなら大歓迎だ」
俺は立ち上がる。
「一応紹介しておく。リズとシズだ。俺の妹達で、双子の姉妹だ」
「初めまして」
「リズとシズです」
「私がリズで」
「私がシズです」
二人は性格がいいのだろう。俺のような陰気な男相手にも明るく挨拶した。黒いヘルムをしているので余計に陰気に見えるかもしれないが。
「初めまして。ノヴァと言います」
リズとシズは双子という事で似通っていた。金髪の長い髪に白い肌をしていた。年齢は二人とも10代の半ばと言ったところか。先日一緒に冒険をしたフレイと同じくらいの年齢である気がした。
ただ就いている職業は異なっているようだった。リズが魔術師(ウィザード)についているのに対して、シズが神官(プリースト)についている。前者のジョブが攻撃魔法を使うのに対して、シズが防御魔法を主に使う点異なっていた。
二人とも少女のような見た目ではあったが、胸元はそれなりに膨らんでいた。十分男の本能を煽るに値するものだった。服の下がどうなっているか、考えるだけでもモノが反り立つ事だろう。
無論、俺も面だってそんな素振りは見えない。
リズとシズは二人が姉妹であるという事、そして頼れる長兄がいる事で安心しているのだろう。俺に対する警戒心というものが見当たらなかった。
「よし。自己紹介も終わったし。早速クエストを受注するか。何か準備する事があるか?」
カーネルが言う。
「別にない。今までの待機時間で準備は終わっている」
「そうか。なら早速行こうか」
俺達はクエストを受注し、エメラルド鉱山という鉱山に向かった。その鉱山には基調なレアメタルが埋まっているが、凶悪なモンスターも多い。さらにはエメラルドドラゴンという、竜(ドラゴン)種のモンスターが生息しているらしく、鉱山の採掘がはかどっていないらしい。その為、多額の懸賞金を出してでも国が冒険者に討伐を依頼しているようだ。
この冒険者達はさっき聞いた限りではその一番の大物であるエメラルドドラゴンを狙っているらしいが。果たしてこの顛末がどうなるかは俺にも予想できなかった。
まあ、三人によって良い結果にはならないだろう。恐らく。
今回はそんな話である。
俺はいつも通り、ソロだった。そして冒険者パーティーへの参加を希望してひたすらに待っていた。
そのうちに三人の男女が冒険者ギルドに入ってきた。
男一人に、女二人の組み合わせだ。男は典型的な戦士タイプで、女二人は後衛タイプだろう。そんな気がした。男の等級は金(ゴールド)である。それなりの実力者である事がわかる。ちなみに等級に関してはそれとわかるようにエンブレムが与えられている。それを身につけるのも規則となっていた。男の後ろについている魔術師風の少女二人も銀(シルバー)ランクだと思われる。故にそれなりの実力者なのだろう。実力派のパーティーであると言えた。
「受付嬢さんよ。火力出る奴余ってねぇ?」
「え、ええ。いる事はいますが、どうしてでしょうか?」
「いやなに。ちょっと高レベのモンスターで、中々HP削りきれねぇから、俺以外にも火力出る奴欲しいって思ってよ」
「ちなみにどんなモンスターでしょうか?」
「エメラルド鉱山にいるエメラルドドラゴンって言ってよ。これが高HPな上に高防御力でよ。かといって魔法防御力も高くて。もう高火力で押し切るしかないってわけよ。だから攻撃役が俺以外にも必要でよ。もう一人欲しいってわけよ」
「幸いな事にあちらの方が空いてますので、声をかけて見たらいかがでしょうか?」
「なに?」
連中は俺を見やる。
「てめぇは……狂戦士(ベルセルク)か」
「知ってるの?」
後ろの女が聞く。
「ああ。噂にはな。あまり良い噂じゃねぇ。何でも新人潰しとか。あいつとパーティーを組んだ冒険者が続々と引退しているとか」
男は言う。
「けど、冒険に危険はつきものだから、そういう人がいるのはよくある事じゃないの?」
少女は言う。
「ま、まあな。背に腹はかえれねぇか」
男は言う。
「俺の名はカーネル。カーネル・デルフォート」
そう、男は名乗った。
「ノヴァだ。性はない」
男はクルセイダーの職業(ジョブ)についていると思われた。俺と同じ戦士系のジョブであるが、ジョブには基本的に聖属性と闇属性のジョブがあると思って良い。暗殺者や盗賊などはどちらかと言うと当然闇属性であり、神官(プリースト)だとか聖騎士(パラディン)
である。当然のように狂戦士(ベルセルク)は闇属性の職業だ。
聖か闇かの対極的な違いはあるが、男の職業クルセイダーは職業的には戦士系統という事もあり似通っている。その大きな違いは片手に盾を持っている事である。攻撃力だけでなく、守備力にも秀でた、盾役も攻撃役も出来る便利な前衛(アタッカー)である。
俺は両手持ちの斬馬刀を装備している為、当然のように盾は持てない。勿論デメリットはある。攻撃力が落ちる事だ。両手剣を装備できなくなるから当然だ。
「そうか。ノヴァ。俺達のパーティーに入ってくれ」
「良いのか。後ろに女二人がいるだろう。危害が及ぶとは考えないのか?」
「何かあっても俺が守るから関係ない。それに後ろの二人もそれぞれかなりの使い手だ。だからお前が何かしようとしても返り討ちよ」
「そうか。なら安心だな」
俺は言う。
「見ての通り俺は人気がない。入れてくれるなら大歓迎だ」
俺は立ち上がる。
「一応紹介しておく。リズとシズだ。俺の妹達で、双子の姉妹だ」
「初めまして」
「リズとシズです」
「私がリズで」
「私がシズです」
二人は性格がいいのだろう。俺のような陰気な男相手にも明るく挨拶した。黒いヘルムをしているので余計に陰気に見えるかもしれないが。
「初めまして。ノヴァと言います」
リズとシズは双子という事で似通っていた。金髪の長い髪に白い肌をしていた。年齢は二人とも10代の半ばと言ったところか。先日一緒に冒険をしたフレイと同じくらいの年齢である気がした。
ただ就いている職業は異なっているようだった。リズが魔術師(ウィザード)についているのに対して、シズが神官(プリースト)についている。前者のジョブが攻撃魔法を使うのに対して、シズが防御魔法を主に使う点異なっていた。
二人とも少女のような見た目ではあったが、胸元はそれなりに膨らんでいた。十分男の本能を煽るに値するものだった。服の下がどうなっているか、考えるだけでもモノが反り立つ事だろう。
無論、俺も面だってそんな素振りは見えない。
リズとシズは二人が姉妹であるという事、そして頼れる長兄がいる事で安心しているのだろう。俺に対する警戒心というものが見当たらなかった。
「よし。自己紹介も終わったし。早速クエストを受注するか。何か準備する事があるか?」
カーネルが言う。
「別にない。今までの待機時間で準備は終わっている」
「そうか。なら早速行こうか」
俺達はクエストを受注し、エメラルド鉱山という鉱山に向かった。その鉱山には基調なレアメタルが埋まっているが、凶悪なモンスターも多い。さらにはエメラルドドラゴンという、竜(ドラゴン)種のモンスターが生息しているらしく、鉱山の採掘がはかどっていないらしい。その為、多額の懸賞金を出してでも国が冒険者に討伐を依頼しているようだ。
この冒険者達はさっき聞いた限りではその一番の大物であるエメラルドドラゴンを狙っているらしいが。果たしてこの顛末がどうなるかは俺にも予想できなかった。
まあ、三人によって良い結果にはならないだろう。恐らく。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜
桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。
上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。
「私も……私も交配したい」
太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる